海馬社長誕生日とFGOハロウィンイベント開始が同じ日だったので書いた一発ネタです。
FGOハロウィンぐらい何でも許せる方向けです。

Pixivと二重投稿しています。

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海馬社長誕生日とFGOハロウィンイベント開始が同じ日だったので書いた一発ネタです。
FGOハロウィンぐらい何でも許せる方向けです。


海馬社長誕生日に来たれ!天秤の守り手よ!!

 今日も今日とて、カルデアでは英霊召喚の儀式が行われていた。

 召喚の触媒は特異点で手に入れた聖晶石とマシュの盾。一見この触媒ではマシュの真名と縁ある英霊しか来てくれなさそうなものだが、聖晶石のおかげか、個性豊かな英霊が来てくれるものである。

 

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

 未だ呪文が少々ぎこちない少女――藤丸立香の声に応えた、今宵の英霊は――。

 

「サーヴァント、キサラ。バーサーカーの座で現界致しました。人理修復のため、ひとときの忠を誓いましょう」

 

 水のようにサラリと流れる銀髪、雪のように白い肌、海のように澄んだ青い眼の――。

 

「おー、またまた美人の英霊さんが」

「サーヴァントは全盛期の姿を元に現界する、というのを抜きにしてもお美しい方ですね、先輩」

 

 一般的な高等学校のクラスメイトだったなら間違いなくモテるであろうマシュと立香がそう評する程、美しい女性であった。

 

「それでドクター。『キサラ』というのはどういった英霊なのでしょうか」

 

 マシュの問いに対し、いつもはカルデアのデータベース以上の早さで英霊の説明をしている気がするロマニが、パソコン画面を相手に珍しく首を捻っていた。

 

「うーん、それがね……。『キサラ』の名称ではサーヴァントの候補として挙がってこないんだよね」

「では、『ブルーアイズ・ホワイトドラゴン』ならばどうでしょう」

 

 キサラ本人がそう訊ねると、パソコンを使うまでもなくロマニが目を丸くした。

 

「あ、あの『青眼の白龍』だって!?」

「知ってるのか、ドクター!」

「また姑息なネタを挟んでくるね立香ちゃんは……。『青眼の白龍』は、別名『白き龍』とも言ってね。古代エジプトの精霊魔術、およびデュエルモンスターズ伝説における、最上位かその次ぐらいに位置する偉大な精霊獣なのさ!」

「むー、それほどの英霊が何故召喚できたのか……」

 

 どこかの名探偵のように顎に手を当て考察を巡らせる藤丸立香。それをマシュとロマニが「また始まったなぁ……」と呆れ気味に眺めていた。

 藤丸立夏は英霊召喚に成功する度に「なぜこの英霊がいま来てくれたのか」考える癖があった。もっともそれは、マシュが朝にお菓子を食べたからマリー・アントワネットが来てくれただとか、日本で昔マイナーな反政府事件が起こった日だからスパルタスが来てくれただとか……いい加減なこじつけしか結局思い付かないのだが。

 ……という事情をマシュがキサラに説明するのに、ごく数十秒費やした。

 

「すみませんねキサラさん……。早くカルデアを案内してあげたほうが有意義な気がするのですが……」

「いえいえ! 出会いの意味を考えるのはいいことだと思います。

 ところで今日は何日でしょう?」

「10月25日ですよ、キサラさん」

 

 それを聞いて、キサラの顔がぱあっと明るくなった。

「あぁ、どおりで! 立香さん、私が今日召喚された理由がわかりましたよ!」

 

 その声に反応した立香の推理の結果は……。

 

「あなたは、ヤギね!!」

「何の電波を受信したんですか先輩……。はい、正解を教えてあげて下さいキサラさん」

 

 立香のポンコツ推理をサラリと流したマシュがキサラに話を振ると、彼女は嬉しそうに言った。

 

「はい。今日、10月25日は、私の真のマスター、海馬瀬人のたんじょうb」

「呼ばれた気がしたわ!!」

 

 そこへ突然! 話をエリちゃんストラッシュで一刀両断しながら乱入してくる、勇者エリザベート!!

 

「……そのうち設備壊れるから、落ち着いておくれよエリザベート……」

「落ち着いてなんていられないわドクター・ロマニ! レベルの高いドラゴンの気配、10月25日というハロウィン間近の日付の声を聞いて、勇者エリザベート、ここに見参よ! ……ハッ! あなたは……!!」

 

 連続斬りのような怒濤のエリちゃんトークはキサラを見た途端にストップがかかった。見つめられたキサラのほうは、とりあえず自己紹介してみる。

 

「えーっと、はじめまして、ですよね? キサラと申します。よろしく、お願いいたします……。クラスは……」

「あなたは、僧侶ね!?」

 

 勇者エリザベートは、『ちから』はあるのだが『かしこさ』が足りない。

 

「当たり前だけどそんなクラスないよ」

「私、回復呪文とか使えませんが……」

「回復はどっちかといえば先輩のお仕事ですが」

 

 3人から総ツッコミを喰らっても、勇者の進撃は止まらない!

 

「そんな細かいことはどうでもいいわ! 誰が何と言おうと、落ち着いたお姉さん! 白! そしてドラゴン特性の僧侶がパーティに加わったのよ! ハロウィン特異点へIn To Theレイシフトするのに、これは幸先のいいガッチャね!!

「「「ハロウィン特異点!!?」」」」

 

 マシュと、立香と、ロマニの脳裏に蘇る……。

 

 チェイテ城にぶっ刺さるピラミッド……。

 どこかで見たようなウジャト眼……。

 黒騎士ヒトヅマンスロット……。

 唐突で本当にすまない……。

 イバラギン……。

 

 頭を抱えるロマニ、フレームが歪むほど眼鏡を上げまくるマシュ、泡を吹く立香、何も知らない哀れなキサラを無視して、招待状代わりのボイスレコーダーは無情に流れる。

 

『トリック オア トーチャー! またこの季節がやってきたわ! 寂しいハロウィンを送る全世界のかぼちゃ達は元気にしているかしら?

 パレードのプランもOK! 街の子ども達にくばるお菓子の準備もOK!!

 あとはカルデアにこの招待状を送れば準備は完了!

 さあ、3度目の特別公演のはじま――え? なにあれ? ホワイ?

 目の錯覚? って、きゃあぁぁああああ――――!?』

 

 ボイスレコーダーは、そこで途切れた……。

 

「これは! ハロウィン特異点の、もうひとりの私に危機が迫っているに違いないわ!! 皆で助けに行きましょう!! そして助け終わったら、まだ見ぬもうひとりのエリザベートと共にハロウィンを満喫するのよ!!」

 

 ガンガンいこうぜ!……なのは室内で勇者エリちゃんだけだった。何も知らないであろうキサラにも、わかることがある。

 

「わー。親友を助けに異世界へ行くなんて分かりやすい死亡フラグですね立香さん」

「ウン。ソウダネ、キサラチャン」

「あとなんか、エリザベートが4人揃ったら世界が滅びそうですよね先輩。ドラゴンですし」

「それ私のことじゃないですよねマシュさん? 私も身体を4つに裂かれたことがありますけど、別に世界を滅ぼすなんて物騒なことはしてないですよ」

 

 ここまで行きたくなさげなことを口走っていても、彼らは行くしかないのである。

 

「まあまあ。聖杯もあれば新しいエリちゃんという仲間が加わる可能性もあれば……とにかく行かない手はないよ」

 

 かくして聖杯を求め、カルデア最後のマスター藤丸立香、マシュ・キリエライト、バーサーカー・キサラ、勇者エリザベート、その他サーヴァント数騎は、レイシフトに臨むのであった……。

 

――――――――

 

「ふふふははは……。フハハハハ! ワーハッハッハ!! 亡霊ごときが俺の前に立ちはだかるなど、片腹痛いわ! ゆけ、ブルーアイズ! 滅びのバーストストリーム!!」

「所詮亡霊など、現世を生き抜けなかった魂の成れの果て! 鉄の意思も!鋼の強さも感じられない!!」

「ふぅん、なかなかのしたたかさだな黒咲とやら! 俺は一刻も早くこのハロウィン臭い土地を脱出し、冥界のアテムに殴り込みをかけるぞ! 貴様にもその手助けをすることを許してやる!!」

「いいだろう……! 俺も貴様の力を利用し、この地に眠るという『聖杯』とやらを手に入れ、その力で今度こそユートと瑠璃を取り戻す!!」

 

「「俺たちの戦いはこれからだ!!」」

 




(続きは)ないです。
海馬社長誕生日おめでとうございます!!


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