グリモア 疾風の刃とともに生きゆく   作:ウァルヅ

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家族への紹介~神凪怜の場合その2~

神凪父「おう、いらっしゃい!キミが怜の彼氏かい?」

 

ガンドイル「お初にお目にかかります。ガンドイルと申します。以後良しなに・・・」

 

神凪父「かぁ~っ!かったいねぇ。それで彼氏なのか?」

 

ガンドイル「友達ですね。剣術の技術上では怜さんのほうが上ですね。」イタダキマス

 

神凪父「ほう・・・そうだ。怜とキスしたのか?」ムグムグ

 

ガンドイル「・・・それもしてませんね」モグモグ

 

神凪父「それなら・・・手をつないだのか?」

 

ガンドイル「それもしてませんね。下世話では結構ですが、食事の場。もう少し控え願います。」モグモグ

 

神凪父「ううむ・・・。」

 

神凪母「あらあら。ガンドイルさん。私の父をいじめないでくださいな。」

 

ガンドイル「いじめたつもりはないんだが。むしろ、下世話を普通としないでもらい

      たいんですが」スッパリ

 

神凪父「ほう・・・言うじゃないか。ならば、決闘でもするかい?勝った方が正しいということで!」ガタッ

 

ガンドイル「構いませんよ。怜さん。審判をお願いします。」

 

怜「て、転校生!?・・・わかった。お前が言うなら審判を務めよう。」

 

――――――――――――神凪神社道場―――――――――――

 

ガンドイルと神凪父は準備を終え、構え位置に立つ。

 

神凪父「頭の防具はつけないのか?」

 

ガンドイル「不要だ。片手でお相手致す。」スッ

 

神凪父「ほう・・・。」スッ

 

怜「両者・・・始め!」

 

ヒュッ!スパァン!!!!

 

風が通り過ぎるようにガンドイルが神凪父の防具に胴を打つ”

 

怜「・・・!ど、胴あり!勝者転校生!」

 

神凪父「は、はええ・・・。」

 

ガンドイル「ありがとうございました。」ペコリ

 

神凪父「1回じゃねえぞ。3回先取だ!」

 

ガンドイル「・・・引き受けた。」

 

怜「な・・・父上!?転校生!そんなこと引き受けなくていい!」

 

ガンドイル「問題ない。始めよう。」スッ

 

神凪父「そうだ。歳の差ハンデとして幼稚用の竹刀でやってくれ!」

 

ガンドイル「・・・承知」

 

怜「な・・・」

 

ガンドイル「審判。はじめてくれ。」

 

怜「わ、わかった・・・。」

 

この後、一瞬の出来事だった。どちらも結果は転校生の勝ちだった。

 

怜「3-0でガンドイルの勝利。礼。」

 

ガンドイル・神凪父「ありがとうございました。」

 

神凪父「怜よりうまいじゃないか・・・。」

 

ガンドイル「しなやかさは怜さんの方がうまいですよ。そこの技術面は格段上ですね。では失礼します。」

―――――――――――神社前―――――――――――――――――

怜「て、転校生!その・・・す、すまなかった。父はああでな・・・。気を害したことを謝る。」

 

ガンドイル「なんのことだ?俺は怜の昼ご飯を頂き、怜の父と戦えた。ただそれだけだよ。」

 

怜「それならいいのだが・・・。転校生・・・その・・・しなやかさって・・・み、みてたのか?」

 

ガンドイル「朝早くからな。鍛錬の帰りによく見かけるが・・・。」

 

怜「・・・こんどはガンドイルと稽古をつけてもらいたいんだが。」

 

ガンドイル「すまん。個人の鍛錬の方が優先なんだ。だが、それが終わった後なら手伝おう。」

 

怜「ほ、本当か!?ありがとう。転校生。今日はお前に家族を紹介してよかったと思う。」

 

ガンドイル「家族・・・か。」

 

怜「どうかしたのか?」

 

ガンドイル「なんでもない。じゃあ俺は学園に戻る。じゃあ明日な。お弁当作るから昼は抜いておけ。」

 

怜「あ、ああ。」

 

 

 

―――――――――――――――――翌日――――――――――――――――――

 

          体育館

 

怜「・・・・・」ヒュン

 

怜が竹を5連続で切りすべてきれいに切れた。

 

ガンドイル「お見事。」

 

怜「その声は転校・・・生?どこだ?」キョロキョロ

 

ガンドイル「天井。」ブラーン

 

怜「・・・・いつからいたんだろう。」

 

ガンドイル「瞑想しているあたりかな。邪魔したら悪いから天井で見ていたんだよ。」

 

怜「そうか。早速だが稽古をお願いできるか?」

 

ガンドイル「ああ。」

 

 

ガンドイルと怜は竹刀を構え、互いに見つめあう。

 

ガンドイル&怜「・・・・・・」

 

ガンドイル「いくぞ。」ヒュッ

 

怜「・・・!くっ!」パァン!

 

ガンドイル「ほう。じゃあこれは・・・?」ヒュヒュン

 

怜「これなら!」パパァン!

 

怜「めぇん!」パァン!

 

ガンドイル「まずは第一段階クリア。か。」

 

怜「え?まだあるのか?」

 

ガンドイル「・・・言い忘れてたが5段階あるからな。最初は10%の力でやったんだが。」

 

怜「10%でこの重さ・・・か。きついな。」

 

ガンドイル「4段いければどこでも通用する最強の剣士に近づくけどな。だが、5段は別だ。」

 

怜「となると?」

 

ガンドイル「・・・まあその時は来ないだろうな。今までもいなかったし。」

 

怜「そこまで厳しいのか・・・。」

 

ガンドイル「怜。精進しろ。そうでなければ進むこともままならん。」

 

怜「・・・わかった。」

 

ガンドイルと怜は制服に着替え、昼休みになり、怜は智花と夏海で屋上へ行った。

 

夏海「あれ?怜。お弁当は?」

 

智花「忘れたの?」

 

怜「いや、転校生が作ってくれるって言ってたからな。持ってきてないんだ。」

 

智花・夏海「なんだってー!?」

 

夏海「ス、スクープよ!これは取z」ガン!

 

ガンドイル「またせたな。」ハイ。レイノブン。

 

怜「あ、ああ。ありがとう。」

 

夏海「なんでゲンコツなのよ・・・」ヒリヒリ

 

ガンドイル「俺の手料理をスクープされても困るんだが。」

 

怜「む・・・ちょっと量が多いな。」

 

ガンドイル「ああ。量が多かったら夏海と智花に分けてあげてくれ。」ホイトリザラ

 

いろどりどりの盛り付けに卵焼きやサラダがきらびらかに輝いている。

 

夏海&智花「うまそう・・・。」

 

怜「そ、そうじっとみるな。取り分けるから。」ハイ

 

智花&夏海「ありがとう!」

 

それでは・・・

 

一同「いただきます!」

 

夏海「んー!」

智花「んー!」

怜 「ん!」

 

夏海・智花・怜「おいしい!」

 

こうしてガンドイルとのランチは和気あいあいで終わったのであった・・・。


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