DRAGON QUEST -ダイの大冒険- 神が投げた小石たち 作:大岡 ひじき
材料が揃ったところで、魔法インゴット製の『星皇剣』の作成に再び入る為、先生はあたしを連れて、ルーラで小屋へ戻ってきた。
…思えば、この剣が完成させられないことに思い悩み、先生に素材採取という名のハイキングに連れ出された日から、一週間ほどしか経っていない。
あの後勇者パーティーが訪ねてきて、そこから随分色々あったように思う。
…うん、まあなんだ。色々だ。
しかし考えてみれば、ダイが故郷の島を旅立ってからバーンパレスに突入するまで、勇者アバンの言によれば3ヶ月ほどしか経っていないとの事だったわけだし、あの連中に関わると時間の密度が濃くなるのは仕方ない事なのかもしれない。
…少なくとも正史の世界での勇者ダイは、勇者としての生きざまを3ヶ月ほどで駆け抜けたわけか。
いや、多分物語が終わった後も、彼はどこかで戦い続けたのだろうが、それは勇者としての戦いではなく、
…それは、彼がこの3ヶ月、人間たちの世界で得た様々なもの故に。
けど、やはりそれは違うと思うのだ。
ダイが、最後に大魔王と単独で戦ったのは、結局は彼以外の者がたどり着けない領域の戦いになったからというものの、元はと言えば『ただの力そのもの』となった自身の姿を、仲間たちに見られたくなかったからだ。
最後の最後で、彼は人間を、仲間を、信じられなかったのだと言える。
そして戦いが終わった後、ポップを庇って地上から消えた事は、想定外の事態ではあったが、そんな彼には都合がいい事態でもあった筈だ。
…冗談じゃない。
人間の立場として、それは認められない。
たとえその時、信じてもらえてなくても、その信用を得る時間も話し合いもないまま、恩人の勇者を逃すわけにはいかないのだ。
少なくともベタベタに甘やかして幸せになってもらわなければ割に合わない。
…その為にどうすべきかは、今はまだわからないけど。
先生の道具を、使いやすい配置に広げながら、そんな事を考えていた時のあたしは、僅か2時間足らず前に送り出したひとの顔を、すぐまた見る事になると、まだ知らない。
☆☆☆
わたし達を乗せたパプニカの気球が、カール王国に近づくにつれ、その異変が見てとれた。
その大陸の海を挟んだ向こう側にある死の大地が、ほんの一週間ほど前、わたし達がそこに足を踏み入れた時とは、明らかに違う様相を示していたのだ。
それは天をも貫くほどの高さを持つ岩山。
前に行った時にはなかったはずのそれは、雲の上まで伸びており、まるで天からわたし達の、ささやかな抵抗を見下ろしているようだ。
バラン率いる超竜軍団の攻撃により滅びたカールの王都は、かつては華やかさには欠けるが治安は良く、国立の大きな図書館はわたしにとっては魅力的な施設だった。
それが今や見る影もなく、王城など以前ヒュンケルとともに訪れた時よりも、更に廃墟と化した気がする。
気球のゴンドラが地についたと同時にわたし達は飛び出し、周りの状況を確認した。
ここで信号弾を打ち上げて、この近くにある拠点の同志に合図を送って、迎えに来てもらう手筈になっており、その準備が整ったそのタイミングで、後ろから鋭い声がかかる。
その声に振り返り、ダイやヒュンケルが戦闘の構えをとったが、声の主はベンガーナの戦車隊を率いていた、アキームさんという名前の戦車隊長だった。
確か、ミストバーンとの戦いの時に居た他国の兵士だ。
死の大地の異変から、信号弾を打ち上げる合図はわたし達の位置を敵にも知らせる事になると判断して、気球が降り立つであろうこの付近で、待機していてくれたのだという。
「わかりました。
取り急ぎ、作戦基地へ案内してください」
レオナ姫の指示で、全員が彼に続く。
各国から集めたという強豪たちはその作戦基地ではなく、このカール王都の北にあるサババという漁港にある、造船基地の方に集結しているそうだ。
そこでベンガーナ王の全面出費で、死の大地へと向かうための大型船を作っているのだとか。
あの国の監修で作った船となると、かなりのレベルのものになりそうだ。
単に移動だけでなく、移動中の環境も考えた、快適なものとして完成するのだろう。
・・・
「やあ!!待ちかねたよ諸君!!」
多分、どこかの貴族の屋敷だったのではなかろうかと思われる壊れかけの建物の、恐らくは地下倉庫のような場所で、わたし達を出迎えてくれたのは、左目から頬にかけてまだ新しい傷痕のある、40前くらいのワイルドなイケメンだった。
やはりここと同じくバランに滅ぼされたリンガイア王国の戦士団、その総司令官だったというバウスン将軍というひとらしい。
どうやら彼がここの責任者であるようだ。
彼が率いるリンガイアの生き残りの戦士団と、ここまで案内してくれたアキーム隊長率いるベンガーナ軍、ロモス王が先の武術大会で集めた強者達、そしてわたし達勇者パーティー。
これで選抜隊は揃い、後は例の大型船が完成するのを待つばかりという。
もっとも現時点であらかた完成をみて、一通りのテスト航行で問題がなければ、すぐにも出発できる運びらしい…というバウスン将軍の説明があったあたりで、外から轟音と振動が響き、わたし達のいる地下の部屋の、天井から埃が降ってきた。
…ねえ、強度的にこの地下室も危ないんじゃないの。
攻撃か、と思ったが、すぐにルーラの着地音だとわかる。
そして、わたし達も降りてきた地上に続く階段から、ローブを纏った男性が一人、よろめきながら降りてくるのが見えた。
警戒して構えを取るわたし達だったが、そんな中でポップが、あっと声を上げる。
「あんた確か、ロモス武術大会の時の魔法使いっ…!!?」
どうやらポップが見知っている顔だったらしい。
男はそれに返事をする余裕もないようで、息も荒く言葉を発する。
「たっ…大変だっ!!!サババが…襲われたっ!!!!
建造中の大型船のドックに、全身銀色の、金属の塊みたいな奴らが攻めてきて…」
彼の説明に、リリィを腕に抱えていた金属人間の姿が一瞬にして思い浮かぶ。
間違いなくリリィが言っていたハドラーの親衛騎団、オリハルコンの戦士達だ。
各国の戦士達もまるで歯が立たず、せめてルーラの使える彼だけは報告に行かせるべく、必死に守って戦って送り出されたのだという。
その後のことは、彼にはわからないだろう。
ひどい傷を負って今にも倒れそうな彼にベホイミをかけ、大きい傷だけ治療してあとはエイミに託す。
恐らくは戦いになるだろうから、少しでも魔法力は温存しなくては。
ん…待てよ、魔法力の温存?
「助けに行こうっ!!!」
ダイが躊躇うことなくそう言うが、
「ま、待てよ!
行った事ねえ場所にゃあ
そう、ポップの言う通り、少なくとも今ここにいるルーラ持ちに、サババという港に行ったことのある者はいない。
わたしもカールは何度か来たがその漁港まで足を運んだ事はない。
このギルドメイン大陸から、パプニカのあるホルキア大陸へは、ベンガーナからの定期船で渡ったし、そちらへ足を運ぶ仕事もなかったのだ。
さっきの魔法使いは完全に気を失ってしまったようだし、そうでなくても今の彼に頼るのは酷すぎるだろう。
仲間であると言っても、あちらにいるメンバーにはわたしは会ったことがないので、リリルーラでの転移もできない。けど。
「北へ向かって真っすぐ飛べばいいんだろ!!?
おれとポップと、グエンだけでも先に…」
「少しだけ待って。
それよりも、わたしに考えがあるわ」
今にも飛び出して行きそうなダイを制して、なるべく穏やかにそう言った…ところで、予期しない方向から、聞き覚えのない声がかかった。
「その必要はないよ…ボクが行けば済むことだ…」
声の主は、恐らくは年の頃はマァムやポップとそう変わらない、まだ若い男だった。
黒の混じった青銀の髪に、意志の強そうなダークグレーの瞳。
だがその視線には、どこか不遜な彩が混じっている。
「……あなたは?」
「……人呼んで…“北の勇者”!」
いや名前名乗ろうか。
カッコつけたい年頃なのか知らないけど、事態が緊迫してる状況にもかかわらず、一瞬吹きそうになったじゃないの。
そんなわたしの己との戦いに気付く事なく、『北の勇者』くんは言葉を続ける。
「サババの船はボクが救う。
こういう有事のために、ボクはここで待っていたんだ。
わざわざ背伸びして戦いに加わった、“自称・勇者一行”の力など、借りる必要はない!!」
睨みつけた視線には、明らかな敵意があった。
ははーん。つまりはそういうこと。
彼の言葉に相当イラッとしたらしいポップが拳を握りしめたところで、わたし達の後ろから声がかかった。
「よさんか、ノヴァ!!!」
バウスン将軍は、厳しい目で青年を睨みつけている。
どうやら、ノヴァというのがこの『北の勇者』くんの名前らしい。
そのノヴァ青年は、バウスン将軍が向ける強い視線に全く怖じる事なく、その目を見返す。
…よく見ると瞳の色が同じだ、この2人。
「…なんですか、父さん?」
…って親子か!
ワイルドイケメンのバウスン将軍に対して、ノヴァ青年は割と中性的な顔だちであまり似ていないから、すぐには気付かなかったわよ!
そして実にどうでもいい情報だが、個人的には父親の方がわたしの好みだ。
「失礼いたしました。
このノヴァは私の息子でして…リンガイア戦士団の団長を務めている者です…。
ノヴァ!勇者どのたちに、何という無礼な言葉をっ!!」
けど、子供の教育には失敗してるっぽい。
まだ若いとはいえひとの上に立つ立場なら、もう少し礼儀をわきまえていてもいいと思うのだけど。
だが父親の叱責にも態度を変える事なく、ノヴァは馬鹿にしたように言葉を返した。
「どいつもこいつも、勝手に勇者を名乗っていること自体不愉快だ!
真の勇者は、一人で充分!!」
「そりゃこっちのセリフだあっ!!!」
遂にポップがブチ切れて、ノヴァに殴りかかっていこうとするのを、そのベルトを掴んでダイが止める。
「今はそんな事してる場合じゃないだろ!!?
…
みんなで戦った方が確実だ!!!」
…いつかマトリフ様が言っていた。
勇者とは器用貧乏で、なんでもできる反面、全ての事がその道のスペシャリストには敵わないと。
彼が曲がりなりにも勇者を名乗るなら、1人で戦えると思うのは、完全に思い上がりだ。
まして、これから戦う相手は、チームワークを駆使して向かってくると予想される相手。
こちらもチームワークをもって戦わねば話になるまい。
だから、ダイのその申し出は、この場において至極当然であり、一番正しい意見だった、筈だ。
「そうか…君が勇者ダイだな…!?」
そう申し出てきたダイを初めて視界に入れ、ノヴァが硬い声でそう呟く。
声とともに上げられた右手を、ダイが握ろうとし……
「危ない!」
咄嗟に、ダイの身体を掴んで胸に抱き寄せる。
刹那、ノヴァの右手から放たれた闘気弾が地下室の天井を破壊して、見上げたそこに青いお空が見えていた。
…一応ここ、潜伏場所というくくりなんだけどね。
敵が探していたらどうするつもりだったのかしら。
いや、それより。
「何をするのよ!」
「…ごめんだな!!
行くのはやはりボク一人だ!
こんなチビと同列にされていたのかと思うと腹が立ってきたよ」
こちらを見下ろすノヴァの視線に、明らかに侮蔑の彩が浮かび、さすがにこれまで穏やかに対応していたわたしも、じわじわと怒りが滲んできた。
そもそも、ダイに危害を加えようとしたのは許せない。
「……随分な自信だこと。
目の前の相手の力量を読むほどの力はないようだけれど?」
「…本当のことを言ってなにが悪い。
仲間たちはボクが守ってやる、安心して待ってろ!!」
「待て!!待ちなさいノヴァ!!!」
「
父親の制止も聞かず、ノヴァは飛び立っていった。
…てゆーか、天井壊したのはこの為か!
屋内で
ちゃんと歩いて表に出なさい、不精するな!!
「ふっ、ふざけやがってェ〜ッ!!」
「…壮絶に自己中心的な勇者ねぇ〜〜」
ポップが呻くような声を発し、更にレオナ姫が呆れたように呟く。
まったく同感である。
「…しかも自信過剰ときたわ。
うんあれ、典型的な井の中の蛙ね。
あの闘気技は刮目すべきだけれど、それさえ注意すればわたしの見る限り、ヒュンケルとタイマン張れば5分以内でヒュンケルの圧勝くらいのレベルよ」
「女性が、タイマン張るとか言うな」
「…面目ありません。
男手ひとつで育ててしまったせいか、我儘な性格の子で…」
わたし達に頭を下げた彼の父親が、息子の飛んでいった先を見上げて、ため息をついた。
「…我がリンガイアが滅ぼされたのは、ノヴァがオーザムを救うべく遠征している途中だったのです。
あの子は、自分がいれば魔王軍を撃退し、リンガイアを守れたと信じています。
そのせいか最近では、父の私の言うことすら聞かなくなってきまして…」
「リンガイア王国を滅ぼしたのは、魔王軍最強の軍団長…誰が戦っても勝てはせん」
実際にバランの強さを身をもって知っているヒュンケルが、バッサリぶった切るのにわたしも頷く。
「そうよねえ…むしろその場に居なかった事を、ラッキーだったと思うべきだわ。
なまじ戦う力がある分余計にね」
バランの戦い方を思い出すに、本能的にその場で最も強い者から先に潰す傾向があったように思う。
もし彼がバランと対峙していたら、真っ先に殺されていた可能性が極めて高い。
割と血気に逸る性格みたいだし、一番槍で突っ込んでいきそうだから、余計。
「やらせときゃあいいんだよ!!!
ああいうタイプは、一回痛い目みねぇとわかんねえんだ!!
それで負けたら自業自得だろ?」
「…確かに、説得して判るような性格の方には見えませんでしたわ…」
あの性格の相手ともはや共闘は無理と判断した空気が、この空間を支配して、けど流れを変えたのは、レオナ姫の言だった。
「待ってよ、今は港を救うことの方が重要でしょ!!?
確かに彼は性格サイテーで自己中心的、いかにも甘やかされたボンボンって感じだけど、それとこれとは話が別よっ!!!」
「レオナ姫、オブラートォッ!!!
それ育てた父親が目の前にいるんだから、もう少し表現は彎曲に!!!!」
あまりにもあまりなレオナ姫の言葉に、わたしは思わずつっこんだ。
少し離れて立つバウスン将軍が、若干涙目になっていたのは気のせいではなかろう。
「みんな行こう!!レオナの言う通りだよ!!」
この場合、『言う通り』がどっちにかかるのかという問いは不粋だろう。
侮られた結果今の状況になっているというのに、ダイはあくまでも勇者様だった。
「別にどうでもいいじゃんか、誰が勇者か、なんて。
強い仲間なら何人いたっていいし、勇者は一人だけって決まりがあるわけでもないし。
2人だって3人だって…100人いたっていいんだからさ!!」
…かつてダイはクロコダインとの戦いの後に言ったという。
自分の力だけでは勝てない、一緒に戦ったみんなが勇者であると。
そして彼の凄いところは、これが信念とかそういった固いものじゃなく、ごく自然にそう思っているだけだという事だ。
『真の勇者パーティーの一員』という驕りが、むしろわたし達の方にもあった事を思い知らされ、反省させられる。
これですっかり不穏な空気は消え、正義の勇者パーティーらしい、健全な空気がその場を支配した。
「急ごう!!」
「よっしゃあっ!!!
おれとダイは一足早く
「だから待ちなさいってば。
わたしに考えがあるって言ったでしょう?
……この状況を解決できるひとを連れてくるから、ほんの少しだけ待ってて」
わたしは2人の頭を撫でて落ち着かせ、小さく手を振ってから、もはや使い慣れた便利な呪文を発動させた。
「リリルーラ!」
☆☆☆
………………………
「お待たせ〜♪」
「…やあ、さっきぶり」
長身の美女に肩を抱かれて、さっきパプニカで送り出したひとたちとまた顔を合わせてしまった気まずさを、あたしは緑色のなにかを操れそうな挨拶で誤魔化した。
「リリィ!?」
「おいグエン!!
なに勝手にひとの妹連れて来てんだよ!」
「使えるものは親でも使うのがわたしの信条よ!」
…いやあびっくりしたよ。
先生の剣を完成させるにあたり、ちょっとデザインが厨二ちっくな気がしてあーでもないこうでもないとディスカッションしていたところ、突然目の前にグエンさんが現れたんだから。
そして、
「緊急事態なの!リリィ、一緒に来て!!」
とあたしに手を伸ばすグエンさんより早く、ロン先生があたしを引っ張って背中に隠し、状況の説明を求めてくれなかったら、心身ともになんの準備もできずに拉致されてたところだった。
カール王国は割と北に位置する為、オーザムほどではないにせよ、ランカークス村やベンガーナに比べると寒い。
死の大地での経験を生かし、今はフード付きの丈の長い毛皮のポンチョと、やわらかウールのミトンを身につけています。
「君は…!」
と、兄たちより後方から聞こえてきた落ち着いた男性の声に振り返ると、かつて見たことのある『おじさん』が、目をまん丸く見開いてこっちを見つめているのがわかった。
「…お久しぶりです。
5年前にランカークスの森で迷ったところを助けていただきました、武器屋の娘です。
その節はお世話になりました」
「…覚えているよ。
大きくなったね。すっかり娘らしくなった。
…と、旧交を温めている場合ではないか」
「ええ、積もる話は後ほど」
…なんか横で『いや、まだ全然ちっちゃいじゃん』とか言ってるバカ兄貴は、よく見ればさっき別れた時より、ちょっと服装や装備がカッコよくなっている。
これ確か読者投稿デザインの服だったよな、とか思っていたら、あたしの肩を抱いたまま、グエンさんが声をかけてきた。
「ごめんなさいね、リリィ。
早速だけど、わたし達をサババへ連れて行って貰える?」
「了解しました。
…ぐんにゃり感は、この際耐えてくださいね」
結局は使う事になったじゃんと思いつつ、あたしは時空扉を出現させた。
・・・
「いやいや!
だからあたしが通ったら扉、閉じるって言いましたよね!?
それから5分使えないんですよ!?
なにをツラッと、あたしまで引っ張ってきてんですか!!」
「…そうだったわね。まあでも、いいじゃない。
今度は絶対に攫われたりしないよう、わたし達が必ず守ってあげるわ!!」
いやフラグ立てんのやめてもらっていいですか姐さん。
半目で睨んだあたしの視界の端で、ヒュンケルさんが済まなそうな顔でこっちを見ているのが目に入った。
☆☆☆
サババの港へ降り立った北の勇者・ノヴァは、自身の足元に倒れた鎧の兵士と、首を掴まれて吊るし上げられる巨体の
「まだザコが現れたのか。
本命の勇者達はいつ来るのやら…」
4体いる金属人間のうち、手前に立って
「どうやら、貴様らの目は節穴のようだな!!
…その本命が現れたんだぞ!!」