ケイオスオーダー 異世界英雄のホーリーグレイル!! 作:グレン×グレン
………ヤベ、コレ何日か眠り続けてるぐらいの睡眠時間だ。
薄目を開けて確認すると、そこには一応誰もいなかった。
ふむ。これはまあ、一応起き上がるべきだろう。
「………ったく。想定してしかるべきだったか」
上半身を起こしながら、俺は想定ミスを素直に認めることにする。
冬木での戦いで、俺はレフから聖杯を奪い取るという大技を成し遂げた。
成し遂げたが、どうやらそれで奴に警戒心と高評価を与えてしまったらしい。
警戒心は、もちろん俺たち異世界の存在に対する警戒心。
アザゼルのように勘付いている連中はいないだろうが、しかしいつか人理焼却によるどでかい影響を受けた地球を見つける可能性がある。そうなれば必然的に外側の大量の異世界に警戒心を抱かれる可能性が発生する。
そして高評価は、必然的に俺の暴れっぷりだ。
どうやら向こうも、異世界の能力を優れたものだと認めたらしい。
おそらく今回の特異点ではそのテストを行っているのだろう。
それが、あの聖槍使いだ。
くそ、いまだに全身が微妙に痛い。ただでさえ聖槍は俺の天敵だが、それにしたって効果ありすぎだろう。俺、避けたよな?
「……起きたようね」
その声に視線を向ければ、そこにはほっとした顔のオルガの姿があった。
「悪い、心配かけた」
「まったくね。……既にマシュ達は連合ローマ帝国の首都に向かってるわ」
そういうと、オルガは俺の服を投げつける。
「さっさと行くわよ。早くしないと、戦闘が始まるわ」
「だな」
先に行けばいいのにだなんてことは言わない。
依存していいといったのは俺なのだ。それぐらいは許さなければならないだろう。
「で? 状況はどうなってる?」
「其の辺りについては、アザゼルが説明してくれたわ」
ざっと説明を聞いたが、しかしまあ、やはりというかなんというか。
このローマに縁のある聖槍の持ち主としてブディカを召喚。ローマを滅ぼす為に行動を行っているということか。
……これは、俺が動くしかないだろう。
「じゃあ急ぐか。……ブディカの相手の代わり位は、俺がするしかないだろう」
流石にブディカの存在はイレギュラー中のイレギュラーだ。そのバランス調整位はしなければならないだろう。
「行こうかオルガ。俺にも仕事というものがある」
「待って」
速足で移動するその瞬間、首根っこを掴まれた。
ぐへあ!
「な、なにをするオルガ……」
なんでだ。なんでだオルガ。
早く俺が行かなければ、連合ローマ首都攻防戦が勃発するぞ。
そうなれば連合ローマ帝国の首都にいるブディカが、ブーディカのいるローマ帝国との戦闘が勃発するぞ。ややこしいな。
だが、オルガは静かに首を振った。
「その前に行くべきところがあるわ。私は、そこに貴方を連れて行く為にここに残ってたのよ」
「あ? この一大事にサーヴァントを置いていく必要性がある場所って、いったいどこだよ?」
特異点の修復を決める大一番の直前だぞ? 時間がないのは想定できる。
すぐにでも車を使う必要性に迫られているのにも関わらず、いったいどこに移動しろと?
「エドナ火山よ。そこで、アザゼルとダ・ヴィンチが切り札を用意してくれているわ」
おお、マジでか。
立花達は、今目の前で激戦を繰り広げていた。
連合ローマ帝国首都にて、遂に連合ローマ帝国のトップを目視する。
それは、帝国になる前のローマを作り上げた存在。ロムルスである。
その事実に流石のネロも心が折れかかるが、しかし立て直した。
なぜならば、連合ローマ帝国の首都には笑いがない。
それは、認められ無い。
その意思があるから、立花ははっきりと言い切った。
「其のままでいいよ! さあ、始めようか!!」
「……うむ! そうだな、最後の激励に感謝するぞ!!」
そして、戦闘が勃発する中、それを俯瞰する者がいた。
「さて、そろそろネロとロムルスが戦闘を開始する頃合いか」
ブディカは、聖槍を持ちながらその光景を俯瞰する。
既に進入路を確保した立花達は、ロムルスのいる城の内部へと潜入している。
それを理解して、ブディカは来るべき決戦の為に自身も城の中に入ろうとして―
「―いや、悪いがそれは許さない。……
その言葉と共に、光の矢が大量に降り注ぐ。
それを槍を回転させて弾き飛ばしながら、ブディカは鋭い視線を投げかける。
「……貴様か。私の邪魔をする気か?」
「……するともさ。ローマであってもローマでないこの国に、お前の恨みつらみをぶつけさせるわけにはいかないからな」
宮白兵夜は決してブディカの蹂躙を認めない。
何故ならば、彼は正当性のない報復を決して認めない。
この世界において、ロンディニウムの蹂躙はネロの過失ではあれど落ち度ではない。
そして、その当事者であるブーディカ自身が、ローマを守ることを選んでいる。
ブディカである彼女であろうと、異世界といっても過言ではないほどにずれているこの世界で、ローマに復讐するのは筋違いだ。
「さあ、聖杯戦争を始めよう。……お前の復讐は、ここでついえる」
その瞬間、双方から極光が放出された。
反撃の策は既にあります。ケイオスワールドのシリーズを読んでいる方なら、よくわかる方法です。