ケイオスオーダー 異世界英雄のホーリーグレイル!! 作:グレン×グレン
「……ええい! マスターのいさかいにサーヴァントが介入するとは、モンペなのか!!」
「いや、あんだけ相方がいちゃもんつけられちゃ割って入りたくなるのは人情だろ」
散々ディスってたからな。あんた。
「しかしどうする? 第三の保護対象であるライダー陣営と行動を共にできなかったのはまずいんじゃないか?」
「気にしなくていい! どうせあいつらは聖杯戦争が動かなけりゃ、部屋でせんべい食いながらビデオ見てるだけだ!! ギルガメッシュが相手でなければ充分勝てる!!」
ジークにそう言い放ちながら、二世は葉巻をぷかぷか吹かせながらストレスを溜めている。
「まあ、誰しも未熟な自分を見せつけられるのは苛立たしいものだ。それが誇りに思う存在に庇われたともなれば、ストレスを溜めてしまうのは当然というものだ」
うんうんと頷きながら、エミヤはとりあえずの陣地で手早く調理を済ませていた。
「とにかく今日はもう休むぞ。明日になればサークルも安定化して通信が可能になる」
と、言いながら出されるのは日本の郷土料理の数々。
だし巻き卵。筑前煮。炊き込みご飯。わかめと豆腐の味噌汁。
「今日のところは食べて休むぞ。食は栄養補給とストレス発散を同時に行える便利なものだ。時間があるのならしっかりしたものを食べるべきだな」
おお、マジで美味そう。
「エミヤありがとー! いっただきまぁっす!!」
「ありがとうございます、エミヤ先輩」
「ありがたく頂かせてもらうわ」
と、生身組が食べ始め、サーヴァント組も食事を開始する。
……かなり美味いな。食材は元より、調理の仕方も丁寧だ。
こいつ料亭でも経営してたのか? 俺も飯屋開けると言われるぐらいには腕があるが、その上を行くな。
「まあいい。それはともかく、当分の間は自由時間だ」
と、冷静さを取り戻した二世がそう言った。
「ここから会談までは特にする事がない。兵夜とミス・アニムスフィアは資材確保に動く事になるのだろうが、それ以外は休息をとっていたまえ」
「え、大丈夫なの?」
立花が首を傾げるが、しかし二世は断言した。
「白昼堂々戦闘を仕掛けるほど、聖杯戦争の参加者は愚者ではない。人気のないところに行かないようにして、サーヴァントを常につけていれば大丈夫だ。まあ、気分転換以上のことをされても困るわけだがね」
まあ確かに。
之が聖杯戦争である以上、不用意に神秘の秘匿を破る意味はないからな。護衛をきちんとつけていれば、致命傷にはならないだろう。
「了解です。じゃあマシュ、買い物に行こ?」
「え、私がですか!?」
思わぬ展開にマシュがたじろぐ。
まあ、聖杯戦争のど真ん中で買い物ってのもあれかもしれんが―
「クロもついて行ったらどうだ? 私服はろくになかったからな。金は俺が出す」
「あらいいの? だったらちょっとぐらい高い物でも買ってみようかしら」
クロをそそのかしてみると、すぐに乗っかってくれたようだ。
「え、ですが、私は先輩のサーヴァントですし、おしゃれというのはあまり分からないところが―」
「かまわないわ。こういうのは経験も必要だもの」
と、戸惑うマシュにオルガまで後押し。
「しょ、所長まで?」
「貴女ももうちょっと女のたしなみを覚えるべきだわ。人理焼却中にそんな機会は滅多にないのだから、少し覚えてきなさい」
そういうと、オルガは食事を終えて立ち上がる。
「面倒な業務は
「そうだな。なら、俺も少し散歩ぐらいするとしよう」
まあ、こんな休息期間があっても罰は当たらないだろ。
そんなこんなで欲しかった物を全て買い込む事には成功した。
嗜好品の類をごっそり集める事が出来たのは好都合だ。当面の人理修復案件において、ストレス発散の類はだいぶマシになるだろう。
「……さて、あと四時間ぐらいでロード・エルメロイとの会談だったわね」
「だな。ロードが予定通り令呪を確保したとは思うが、そろそろ合流するべきかね」
と、合流ポイントで俺達はぼやいていた。
現段階では俺達と言う大戦力と連携を取り、令呪の数でも凌いでいるランサー陣営が一歩リードってタイミングだ。
突っかかってくるからこのタイミングを逃すわけにはいかないんだが、さてどうなるか―
「……あ」
「どうしたの?」
俺がやばいものを見つけて顔をしかめると、オルガがそれに気づいて首を傾げる。
そして俺は、オルガを抱き寄せた。
「え、え、ちょっと―」
「セイバーとアインツベルンの姫さんだ。顔は知られてないだろうが勘付かれるな」
と、とりあえず羽目を外しているアベックみたいな感じでごまかす方向で行かせてもらう。
速やかに使い魔で確認するが、どうやら誤解してくれたようで、場所を移そうとしてくれている。
よしよし。念の為に周辺も確認しながら、俺はそのままどっか行ってくれと願う。
まだそっちと揉めるわけにはいかないんだ。このまま平和的に終わってくれ―
「あ゛」
「今度は何?」
オルガに怪訝な表情を向けられるが、そんなことを気にしている余裕は欠片も消えた。
俺は即座に得物を展開すると、そのままセイバー陣営へと駆け出す。
ったく。この状況下でマジ面倒なことになりやがったな、オイ!!
「セイバー! 彼女を庇え!!」
俺は声を放つと同時に、宝具を開放して一斉に攻撃を放つ。
そしてその瞬間、その弾幕を掻い潜りながら赤フードのサーヴァントが姿を現した。
「チッ。余計なことを」
「悪いな。今ここでセイバーに脱落されては困るんでな」
俺はそう憎まれ口を叩きながら、軽く舌打ちする。
まずいな。今の弾幕を回避する際、あのサーヴァントは動きが急激に早くなっていた。
どういう理屈かは知らないが、ぱっと見時間操作系の宝具か何かか?
「……なに、これ? 聖杯の招きによる召喚じゃないサーヴァントが、2人も!?」
しかもアインツベルンのお姉さんには俺らの異常性がもろばれのようだ。
割とまずい展開だが、しかしここでセイバー陣営がやられることはできる限り避けないとまずい。
「おいセイバー。お前はその……マスターから目を離すな!! 前衛はこちらで引き受ける!!」
「……事情は分からないが、マスターを助けてくれた借りは返さないといけませんね。いいでしょう、信用します」
手っ取り早くて助かるぜ!!
「……アサシンのサーヴァント、いったいどうやって召喚したのかは分からないけど、今の段階で私を殺せば、聖杯は現出しなくなるわよ」
アインツベルンのお姉さんはそう警告するが、しかし目の前のアサシンだったっぽいサーヴァントは意にも介していない。
そう、ちょっとぐらい動揺してもいいだろうに、まったくそういった感じがない。
……まさかと思うが、人理焼却側が用意したサーヴァントって可能性は―
「好都合だ。そも、僕の目的はお前だけだ」
―ないな。完璧。
人理焼却の可能性である聖杯を意図的にぶち壊すわけがない。どうやらこれは別件らしい。
と、いうことはこいつこそがこの冬木が特異点になった理由に関わっている可能性が高いというわけで―
「なら色んな意味で相手をするしかないようだな」
……仕方がない。どうやらここは俺が出張るしかないようだ。
「セイバーはそちらのアインツベルンをカバーしてな。あとは伏兵が一人でも居れば良かったんだが、流石にそこまでは無理強いか」
「……そういうブラフは良い。あれだけの集団なのだから、一人ぐらい潜んでいると考えるべきだろうしね」
そりゃどうも。引っかかるほど間抜けじゃねえか。
だがまあ。
「貴様には聞きたいことがいくつもある。しっかり全部吐いてもらう!!」
「そうはいかない。人倫の枠に囚われた者とは相容れないし、言っても理解はできまい」
そうかい。
なら力づくで話を聞き出すだけだ……っ!!
そんなこんなで兵夜VSエミヤ(アサシン)。ガトリングガンとサブマシンガン。弾幕が舞い踊る戦闘はどちらに傾くのか!!