ケイオスオーダー 異世界英雄のホーリーグレイル!! 作:グレン×グレン
あと今回比較的短め
その前に、サーヴァントを召喚することにした。
「正直、いくらカルデアのサポートがあるといっても立花くんの負担は大きいと思うんだけど」
「いや、そのサーヴァントに頼みたいのはカルデアの防衛だ」
ロマンに兵夜はそう答える。
「俺達が危険視されたら、間違いなく奴らはカルデアを探して攻撃を仕掛けてくるだろう。レイシフトで戻るまでの時間を残す為にも、こちら側にサーヴァントを残した方が得策だ」
「言われてみればそうね。レフはカルデアのことは熟知してるもの。サーヴァントの一人ぐらいいないとすぐに壊滅するわ……」
自分の体が吹き飛んだ爆発のことを思い出して、オルガマリーが体を震わせる。
しかし確かに脅威として認定されるべきだろう。
なにせ、相手は人理を焼却した規格外の化け物。攻勢に転じるだけでなく、防衛も考慮するべきだった。
「そういうわけだ立花。サーヴァントの召喚を頼む」
「オーケーお兄ちゃん! そういうわけでレッツゴー!!」
なんかすごく不真面目な印象だが、しかし立花としては真剣である。
そして、魔力が充満しサーヴァントが召喚される。
魔力が形となり、そして人となったその姿は―
「初めまして! 私がキャスターのサーヴァント、マザー・ハーロット―」
「帰れ!!」
開口一番、兵夜は速攻で声を荒げた。
当然といえば当然だろう。
長い髪を持つ、スタイルのいい美女。
しかし、彼女は人間ではない。
祖は、天界を堕落させた悪魔。
祖は、終末の獣の末裔。
祖は、淫乱たる者達の頂点。
祖は、悪魔の長の正統たる後継者にして、それに相応しき実力者。
祖は、魔王すら滅ぼす赤き龍を打ち倒す剛の者。
兵夜にとっての難敵の1人、エルトリア・レヴィアタンだった。
「全員下がれ!! 全裸にされた上で犯されるぞ!!」
「……まあ、その反応が正当でしょうね」
その兵夜の過激な反応に、マザー・ハーロットは納得したかのようにため息をついた。
「安心して。ギリギリのところで人格の主導権は私が握ったから。おかげで私個人のスキルは殆ど使えないけど、エルトリア・レヴィアタンの意識は「食べちゃいたいなぁ」という欲求不満だけで収まってるから」
「立花! 令呪を使って再確認するんだ!!」
兵夜は本気で慌てながら立花に令呪の発動を促した。
「ちょ、ちょちょちょちょっとまって兵夜君! 流石に令呪を使うのはちょっと……」
「仮にもカルデアの召喚に応えてくれたサーヴァントよ? そこまでしなくてもいいと思うけど……」
ロマニどころかオルガマリーもまた止めに入るほどだが、しかし兵夜は落ち着かない。
当然といえば当然だろう。なにせ相手はエルトリア・レヴィアタンである。
子供も見ている生中継の中全裸になり、相手を裸にするアーティファクトを使い、そして天界で乱交パーティを開いた。
「エルトリア・レヴィアタンは世界中を変態にする為に、手始めにキリスト教の天国で乱交パーティを開く業の者だぞ!! 変態達から力を借りて元気玉ぶちかます女など危険すぎて安心できるか!!」
「わぁ、ビッチさで座に登録だなんてちょっと緩くないかな!?」
速攻で全員が納得した。
ロマンの反応が大体皆の感想だろう。
如何に変態とはいえ、まさかここまでとは誰も思わなかったはずだ。
そして令呪の強制力で再確認して、何とか安心できた。
「しかし、マザー・ハーロットって神霊クラスでしょう? いくらカルデアでもそこまでできるわけがないわよ?」
「厳密に言えば、私は当時のキリスト教達にマザー・ハーロット扱いされただけの聖娼だけどね。だから依り代を求めたんだけど、まさかこんなのだったなんて……っ!!」
感心するんだか呆れるのだか分らないオルガマリーに、ハーロットはため息をついた。
それはそうだろう。マザー・ハーロットの押し付けをされたとはいえ、彼女自身はまあ普通なのだ。
キリスト教徒がちょっと不幸な目に遭うのを見てスカッとするだけの悪性はあるが、さりとて自分と無関係の人間がむざむざ殺されるのを見て平気でいられるほど悪性でもない。
だが、まさか依り代がまさにマザー・ハーロットを名乗るに足る存在だとは想定外だっただろう。っていうか想定できるわけがない。
「おかげで、スキルそのものは依り代でだいぶ。宝具を使うとエルトリアが表面化して暴走しそうだし、これは使えないわね」
「……ねえ兵夜。この子、使えるの?」
「エルトリアの戦闘能力が並のサーヴァント以上なのは確約しよう。仮にの悪魔の長の末裔だ。足止めぐらいはできるだろう」
不安げなオルガマリーの視線を受けながら、兵夜は太鼓判を押す。
なにせ彼女は強敵だ。今の自分では決して勝てない存在だ。
だが、それは裏を返せば戦闘能力の高さがシャレにならないということだ。
サーヴァントとして召喚されたということで必然的に分割されているが、しかしそれでもその能力は圧倒的。
間違いなく、最低限の守りは完了した。
「では、改めてレイシフトの準備をしようか」
「そうだねドクター。頑張るよ!!」
と、気合を入れる立花の隣で、ハーロットはすぐさまもらい受けた一室に布を巻いてきた。
そしてそこに書いてきたのは「性欲発散、受け入れます!!」
「……ハーロットくん、君は何をしているんだい? いや、聖娼も立派な娼婦だから当然といえば当然だけど」
「ごめんなさい。エルトリアが「せめて来るものは拒まず!!」と強い念押しを―」
……カルデアに娼館が誕生し始めていた。
「ねえ兵夜。あれは止めなくていいの?」
「ストレス発散にエロは重要だろう。従軍慰安婦何て概念が生まれるぐらい、過酷なストレスには娯楽が必要不可欠だからな」
オルガマリーにそう答える兵夜は、安心の意味で息をついた。
あのエルトリアが黙って禁欲生活をするわけがないと思っていたが、しかし娼館の設立ぐらいなら目をつぶるべきだろう。
下手に禁欲生活をさせて、エルトリアの側面が暴走したら目も当てられない。エルトリア・レヴィアタンは極めて強敵なのだ。魔王の末裔として恥じない実力者なのだ。実力派
それに、ストレス発散の為の施設ができるのは良い事だ。兵夜はそういう事には寛容である。
第一―
「この物資に困る状況で、ただ飯ぐらいを置くわけにはいかない。趣味と実益を兼ねた貢献をしてくれるのなら、それに越したことはないだろう」
「………あなたも、使うの?」
「さて、嫁の許可なき娼館の使用は不倫になるかどうかが問題だな」
言葉はきちんと濁していた。
その言葉に、なんとなく安心したのは誰だったのだろうか。
兵夜としては、唯一の不穏分子を人理焼却の下手人が潰しに来るのは当然想定してしかるべきこと。ゆえに防衛戦力を確保するのは当然中の当然。
……なんだけど、どうしてこうなった。
以前どっかでアンリと同様パターンで召喚されたマザー・ハーロットネタがあったのです。なのでその方向性で最もぴったりなエルトリアは早期に思いつきました。真面目な話性的なストレス発散はこの緊急事態だからこそ必要だと思うのです。
ちなみに、彼女の見せ場はきちんと予定しております。ある特定の存在にたいしていえば、天敵です。