おそ松さん×ヒロアカとかいう軽率なクロスオーバー。

いつの間にか転生していたトド松は女の子になっていた。トド子と名付けた親には殺意はあるがまぁ許す。
雄英に通い人生勝ち組だな、と調子に乗っていたトド松の元にちょっとした不幸が訪れた。

短編です。書きたいとこだけ書きました。

おそ松さんは長男と末弟。ヒロアカは誰も出てこない。所謂世界観お借りした状態に。なんでや




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元末弟の不幸

 

なんだか知らないが、死んでいたらしい。

そしていつの間にか第二の人生を歩んでいた。

自分でも何を言っているのかさっぱりわかっていないので説明が雑なのはお許し頂きたい。だかまぁ、なんだかんだで楽しく生きている。

 

前世では六つ子の末っ子と、兄にいじめられてきた可哀想な存在だった。今世では一人っ子。願ったり叶ったりである。

でもまぁ、一人っ子というのは存外寂しいものだった。前は何をするにしても誰かしらが一緒だった学生生活。だがまぁ思ったよりもはやく慣れることができた。

寂しさを感じることはあったが、この世界に兄弟はいない。そう自分に言い聞かせて寂しさに慣れた。

 

 

この話はひとまず置いておく。

さて、この世界の話をしよう。

この世界にはヒーローと呼ばれる存在と、ヴィランと呼ばれる存在がいる。

簡単に言えば特撮モノが現実になった世界だろうか。どちらかといえばアメコミ?まぁアメコミは前世でも見てないんだけどね。善と悪、そんな感じだ。

 

みんなが”個性”という超能力みたいなものを持っている。個性が優れた人物がヒーローやヴィランとして名を馳せる。

 

 

まぁ、ヒーローという職業もあるわけだ。

下世話な話だがヒーローという職業はうまくいけば非常に儲かる。

ボクはお金が欲しい。

 

そんな不純な動機でヒーローを目指した。

 

 

ヒーローとして出世する可能性が大きい雄英に進学することを決めたのは小学生の時期だった。

中学からさっさと勉強した。前世では全く勉強しなかったが、始めてみるとまぁ、そこそこ面白い。

 

 

そういえばボクの個性について何も触れていなかった。

ボクの個性は多分珍しい回復タイプだ。

回復といってもただの回復ではない。腕が取れていようがくっつくし、瀕死状態でも治る。有り得ない程の回復力だ。因みに生物でなくとも使える。スマホを落としたりしても個性を使えばヒビが直る。便利すぎかよ!

 

難点としては、何の問題もない物に個性を使うと一周してしまうのか壊れてしまうことだ。

人間には恐ろしくて試したことはない。多分瀕死にしちゃうと思う。

 

でも攻撃に回れるとか勝ち組すぎる。前世がブッチギリのカースト最底辺だったからか、今世では勝ち組。一軍の仲間入りだひゃっふー!

 

 

あぁ、あと補足させてもらうと、ボクは今世で女の子になっていた。童貞卒業したかったのに。

男から告白されても靡くことはなかった。金持ちの告白を断るのはきつかった。せめて前世の記憶がなければ……!と何度思ったことか。

 

トド子とか女の子につける両親はほんとおかしいと思う。いじめられるぞこんなの。まぁ広い心で許すけど。

 

 

説明が面倒なので省くが、雄英には無事合格した。

クラスメイトとも中々うまくやれていると思う。

 

ある日の訓練でのことだった。

USJとかいう訓練施設でヴィランが大量に現れた。

 

 

 

あるヴィランを見た瞬間ボクの目は見開かれる。

なんでここに?

 

 

ひゅっ、と息を飲んだ音が自分自身に聞こえた。

赤いつなぎを腰の辺りで結んでいて、白いシャツにボクのコスチュームについているものと同じ松マーク。

 

ニヤニヤと好戦的な笑みを浮かべている彼は。

 

 

「…おそ松、兄さん?」

 

 

その呼びかけに彼は肩を震わせ反応した。

 

 

「…、トド松?」

「おそ松兄さ、なんで」

 

 

瞬間おそ松兄さんが目の前に移動したと思えば感極まったようで抱きつかれた。

周りの仲間達は驚いた様子。

攻撃してこないのはボクが人質にとられていると思っているからだろうか。

 

 

「トドまちゅ〜!!お兄ちゃん嬉しい!ひっさしぶりに兄弟に会えた!……ん?つかお前胸あんの?……ってことは女の子!?…あーでも、そんなにデカくないね」

「は?」

 

 

サラッとディスりやがる兄にトーンを低くして尋ねれば、苦笑しつつようやく離れてくれた。

さり気なく胸を揉んできたのは許さない。絶対だ。

 

 

「ごめんごめん…ってか、お前雄英だったんだ?エリートじゃーん。今はトド子ちゃんだっけ?」

「うん」

「そっかぁ。まぁ呼ばねーけど……なあ、お前なんでヒーローなんてやってんの?」

 

 

急に低くなった声に肩が震える。

 

 

「ね、俺と一緒に来いよ。大丈夫、トド松がなーんも出来なくても俺が守ったげるし」

「ヒーローは、稼げるんだよ」

 

 

別に、正義感からヒーローになろうなんて思っちゃあいない。

稼げるから。雄英出身のヒーローなら有利だから。ただそれだけ。

 

 

「へ?そーなの?なら俺もヒーローになろっかなあ」

 

 

一気に殺気が消えたおそ松兄さんに苦笑した。

相変わらずがめついなぁ。

 

 

「でもおそ松兄さんはヴィランだし今更無理感あるよね」

「うわまじか……あ、死柄木ぃ、コイツ俺のもんだし殺さなくていいよな?まぁだめだっつーなら俺は敵連合抜けるわ〜」

「どうしておそ松兄さんはそんなボクがクラスメイトから仲間はずれにされそうなことを言うのかな!!?」

 

 

見てよみんなの反応を!

困惑しきった目だよ!?

そう捲したてると、彼はさっきとは違い、真剣な声を出した。

 

 

「………居場所がないんなら俺のとこに来なよ」

「!」

 

 

何を考えているのか検討もつかない。

不敵な笑みを携える彼は、世間なんて気にしていない。ボクに新しい選択肢を与える兄さんは前世と何も変わっていない。

前世からずっとそうだった。兄さんが提案して、それをみんなで実行してた。懐かしい思い出だ。

 

なぜおそ松兄さんがヴィランなのだろうか。

 

 

発動条件でもある触れるというものを満たしているのに。武器はすぐに取り出せる位置にあるのに。ボクにはおそ松兄さんを傷つける勇気がない。

 

 

「ね、トド子ちゃん、俺のこと倒さないの?」

 

 

そう笑顔で聞いてくる兄さんと視線を合わせた。

なんでそんな意地悪言うのかなぁ、この人は。

 

 

「ボクがそんなこと出来る訳ないって知ってるくせに。おそ松兄さんったら意地悪だ」

 

 

そうだ、ボクに兄さんを傷付けるなんて出来やしない。

だってボクにとってのおそ松兄さんは前世からずっとヒーローなんだから。

ヒーローに手なんか出せないよ。ずるいなぁほんと。ボクは人生勝ち組だったのに。前世同様引きずり下ろされちゃったよ。

 

無言で自分から強く抱きつくと、おそ松兄さんが肩を震わせて笑ったのがわかった。

 





かきたいとこだけかいたので続きは特にありません。


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