東方花憑伝 作:残念美人布教教会関東支部支部長斎藤宰慈
突然だけど、生前に抱いた子供の頃に抱いた夢って花屋なのよね。まあ、花言葉なんてモノには微塵も興味は沸かなかったけれど、花の美しさは素直に感動したわ。
私は今でも思うのよね。会社員を定年で退役したら、きっと花屋を開いてたんじゃないかって。でも実際のところは、有休消化の為に遠くの温泉に行った帰りの途中で事故死。
さて、振り替えるのもこの辺にして、大和の國本丸の門を派手に吹っ飛ばしましょうか。
「背番号4番、風見幽香がいくわ」
唐突に思い出して言いたくなったネタを言いながらも、バットを構えるように私の体の一部とも言える白色の傘を持ち、全力で振り切ると────
まあ、なんということでしょうか!目の前に在った城門やら櫓、塀やらが綺麗サッパリ消滅してるではありませんか!劇的にbefore four afterしています。無駄なモノが綺麗サッパリと消え、なんとも美しい更地が目の前に姿を表しているではないですか!?
この口調は面倒臭いわね。それに、巫山戯るのも大概にしないと、紫が真似し出したら大変だわ。
「な、何事ですか!?」
「あら?態々出てきてくれたのね。感謝するわ」
慌ただしく出てきた割には身成が整ってるわね。
黒の長髪を後ろに一房に纏める髪型(俗称ポニーテール)に赤と白等の十二単衣を身に纏う端整な顔立ちの美女でスタイルも抜群とは、世の喪女に喧嘩売ってるわね。
まあ、私は生憎と生前は(血生臭い意味で)モテた方だから…………誰かしら、文字の間に不要なものを挟んだ不届き者は。殺すわよ?
「あ、貴女は何者ですか?大いなる意思と気配を感じます。それこそ、天地に存在する全ての化身であるかのような存在感を感じます」
「勘が良いじゃない。まあ、私はガイアと呼ばれていることもあるわ。ただし、今は風見幽香と呼んで貰うけれどね」
勘が良いみたいだけれど、まだ私が来た理由に気付いていないから及第点はあげられないわね。
まあ、目の前の神がこの國の大黒柱なんでしょうけれど、あの卑劣な文書を書くような性格ではないということは確かなんでしょうが、部下を確りと躾してないことを見れば
「貴女、この文書に心当たりあるかしら?」
「ッ!? な、なんですかこれは!?」
「部下の管理は確りなさい。私は危うくこの國を潰すところだったわよ」
「申し訳ありません!!
これに関わる該当者全て追放処分とし、大和への以後の立ち入りを禁止し、立ち入ろうとしたら相応の対処をするので、どうか、この無礼を御許しください!」
「わかったわ。
今後は公平な対話で國の拡大をし、このような脅迫紛いの事態を起こしたら私が直々に潰しに来るから覚悟なさい。
そして、このような対応で軍門へ下した國があるならば、それらへ相応の謝罪と誠意を見せて許しを請いなさい。でなければ、貴女の國は瓦解するわよ」
「はい!
風見様の忠言を心に刻み、改善へと邁進することをここに誓わせていただきます。
そして、風見様の御手を煩わせぬよう、最良の國へと目指し、精進することを此処に宣言します!」
…………可笑しいわね。
私は単純に気に食わないから改善しろと言ったに過ぎないのだけれど、まあ、忠告はしたのは確かだけれど、それは気紛れに過ぎないし、勘違いされるのは癪だわ。
けれど、敬われるのは悪い来はしないから、一つだけ贈り物をしてあげようかしら。
「貴女には、この簪を授けるわ。銘は【
「あ、ありがとうございます!
肌身離さずに持つこととします!」
「ついでに、この【
それじゃあ、さようなら」
私の役割はここで終わりね。
後は、大和の國と諏訪の國で対話し、解決する問題だわ。ささっと諏訪の國に帰ってから、諏訪子に話をしてから、紫を連れて旅に出ましょうか。
それじゃあ、次は何処に行こうかしら?