東方花憑伝 作:残念美人布教教会関東支部支部長斎藤宰慈
誤字を報告していただき、ありがとうございます
また、4話についてですが、
〔~子供の頃『の』夢~〕
云々は誤字ではなく、
〔~子供の頃『に抱いた』夢~〕
という意味で使ったのですが、分かり難かったと思われるので、上記の文にそのまま変えさせていただきました
今後も誤字脱字が無いように気を付けますが、もし、見かけましたらご報告いただけたらありがたいです。
結論だけ言ってしまうのならば、山の妖怪達は策謀を張り巡らせていた、なんてことは気のせいだったわ。
実際のところ紐解けば単純な話で、圧倒的強者の怒りを買わない為に揉み手擦り手で相手の顔色を窺って何事もなく立ち去って貰おうとしていただけの話だったってわけなのだけれど、私は暫く此処に居座る予定なのよね。
何故か?
理由は簡単よ。この山がある近辺の地下には巨大な地脈が存在していて、紫の修行には適当な立地だから暫くこの地に滞在して紫の修行に力を入れようってわけ。
今まではガイアという存在が持つ叡智から魔法を学んで治癒を早めてたけれど、地脈がここまで大規模な範囲で広がるこの地ならば紫自身に魔法を教えて自分の怪我を自分自身で治せるように出来るのよ。
地脈はマナと言い換えることができるから、大規模な地脈があるこの地ならば魔法は大部扱い易いということと、万が一の時に地脈があると大規模な魔法が使い易いというのがあるわね。
………私は誰に説明しているのかしら?
まあいいわ。
取り敢えず、此処に居を構える前にしなきゃいけないことがあるわね。そう、私に対して物凄く鬱陶しい絡み酒を発揮しいてる、天狗の長と敬われている筈の天魔サマをどうにかしないと何をやるにしても面倒になるわね。
「────聞いておられるのか? ワシは別に覗いてた訳じゃないんじゃ。ただ、見目麗しい
始めの頃は私も相槌を打って愚痴を聞いていたわ。
でもね、これは間違いなく天魔サマが悪いのよね。だって、側近の犬走柊って子の話を段々と聞いているとわかるのだけれど、惚れさせるだけ惚れさせておいて、ずっとお預けされている彼女には天魔サマを刺す程度の事はやっても良いんじゃないかって位お預けされてるのよ?
例えば、「今夜二人きりで話したいことがあるから少し付き合っておくれ~」と言い出しておいて、酒の相手をさせられながら愚痴も聞かされた挙げ句、酔った後始末をさせられて終わったり、相手の気など自覚せずに「ワシは柊が一番大好きじゃよぉ」と抱き付きながら耳元で何度も囁くのはスキンシップの一環として当たり前、しかしその後は放置ときたら流石に刺されてあげても良いんじゃない?としか言えず、天魔サマに同情の一片すらも浮かばない現状を永遠と聞かされる私。
紫でも七花でもいいから、この犬をも食わない痴話話を終わらせて欲しいわ。
───あっ。そこの白狼天狗のお嬢さん。この駄天魔を引き剥がしてくれないかしら?
───…………いや、顔赤くしながらふるふると首を振られても困るのだけれど。
───ああ、この駄天魔が言ってた娘は貴女なのね。
───この駄天魔に惚れてるなら、無理矢理既成事実作った方が手っ取り早いわよ?
───上司と部下の関係?
───そんなもの気にせずに押し倒してしまいなさい。
───恥ずかしいから無理?
───そんなこと言ってると他の天狗に奪られるわよ?
───ほら、覚悟決めて一晩しっとりと敷け込みなさいな。
───それじゃあ、私が準備してあげるから今夜襲っちゃいなさい。酔った拍子に犯した過ちってことで片付けてしまえば大抵の事は赦されるのよ。
───そう、その意気よ。アレの生やしかたはわかるわね?
───そう。それじゃあ、今晩は全力でヤっちゃいなさい。
ふふ。良い仕事したわね。
これで駄天魔が大人しくなるだろうから、私は後で御祝儀を持って駄天魔を揶揄いに行ってから柊ちゃんも序でに揶揄って弄れば面白いことになりそうね♪
明日が楽しみだわ。