扇と会話をしていたのは千葉だけです。
そして、彰の過去を全部知っているのは今となっては千葉だけです。以下みたいなこんな感じ。
全部知ってる…千葉
開放戦線に来る前のことも部分的に知ってる…朝比奈、シャーリー
解放戦線に来る前のことはあまり知らない…藤堂、卜部、仙波、レイラ(他の亡国メンバー全員)、かぐや
あまり知らない…カレン、C.C.、マーヤ、ナナリー
知らないうえに興味もない…ルルーシュ
上記みたいな感じです。過去編やんなきゃダメなんですけどねぇ、本当は…
「星刻…確か、麒麟児とも呼ばれている中華でも指折りの天才だったな。それが何でこんな所にいる」
「ブリタニア打倒という共通目的がある同志を探しにきた。我等と共に、革命の火を燃やそうではないか」
「先程までの貴公の奇行を見ていなければ考慮していたのだがな」
今となっては論外だった。こちらには変態が溢れているのだ。これ以上、増やす余裕など何処にない。
「ほう。つまり、考慮ではなく決定になったと」
「どんなポジティブシンキングよ…」
「おい、日本人だろう。簡単に英語を使うのはやめなさい。これだから文化が衰退していくんだ。伝統を何だと思っている。あ、すいませんコーラください」
「文化の衰退がどうだのって言ってたわよね!?」
「カレン殿。時には外の風に触れ、染まり、その結果文化というのは発展していくんだ」
「さっき言ってることと全然違うんだけど…何なのこの人…こんなのが中華の次世代の希望…」
絶望しかなかった。他所の国のこととはいえこんなのが希望なのかとドン引きしたが、良く考えたら自分たちも大差なかった。だからと言って、何の救いもないが。
「何か変な人が多いわね、黒の騎士団の周りは」
「いや、同じ土俵に立ってるみたいな顔しないでくれる?アンタ向こう側だから。先頭ランナーの1人だから」
猛烈な抗議を申し立てるマーヤを無視してカレンは星刻を見ると、星刻の後ろに立つ周香凛は顔を引き攣らせながら星刻の側に寄っていた。
「星刻様。お黙りください。馬鹿がばれます」
「甘いな、香凛。そんなことを言っていては新世界で生きていけんぞ」
「その新世界って何ですか?馬鹿しかいない世界ですか?滅ぼして良いですか?」
何だろう彼女とは親友になれる気がした。親友になるには時間なんて関係ないのかもしれない。今すぐ抱きしめてハグを交わしたかった。
「それで?同志を探しに来たのは結構だが、何故わざわざこの時期に?」
ゼロが変わりかけた話題を修正する。この変人がいつ日本に来ようが自由だが、自分達がキョウトに来たタイミングと同じなのが気にかかった。確実にキョウトの手配だろうし、機密であれば漏らさないだろうが聞けるなら儲け物という考えだ。
「もちろん、理由はある。待っていたのだ我等は。長い間、この時を」
雌伏の時間だった。この時を彼等は長い間待っていたのだ。
「待っていた?何を?」
「言うまでもなかろう。ブリタニアを打倒できる勇者だ」
「ブリタニアを妥当できる勇者…ゼロのこと?」
「違う。ゼロではない。世界で最も有名な勇者だ。その勇者のために私は並んだ。そして、ついに手に入れたのだ。オルテガの子供をな」
「ドラクエ3の話かいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
長々と話しているが、要するにドラクエ3を購入するためにわざわざ日本に来たらしい。馬鹿なのだろうか。馬鹿だった。
「バカなの、アンタ!ゲーム買うために日本来たの!?」
「違うな。ロトになるために来たのだ」
「いや、良いからそういうの!ロトじゃないから!アンタはただのバカだから!」
「ふっ、誰も進んだことのない道を進む時、人は勇者をそう呼ぶのだ」
妙にドヤ顔で誇っている馬鹿にカレンは青筋を浮かべる。
「そんなバカ以外の何物でもない道を進む奴なんて私の周りにはいないわよ!…いないわよね?いないって言ってよぉ…」
言ってる間にそんな道を進むバカの顔が幾らでもカレンの脳裏に蘇ってきて、カレンはゼロに縋り付く。良く考えなくても、カレンの周りには大分頭がおかしい連中の宝庫なのだ。多少、頭がおかしいレベルでは相手にならない程の。
「情緒不安定か!落ち着け!…つまり、ゲームを買いにきたついでにキョウトに呼ばれたので此処に来たと。その結果、私達が滞在していることに気がついたから会いにきた…そういうことか?」
「うむ。そういうことだ」
「帰れ」
まともに相手をする価値などなかった。カレンではないが、自身もこれ以上変態の相手など真っ平である。
「流石はゼロ。ロトには負けるが勇者の器だ。どうやら、俺のとっておきを出す必要があるようだな」
ならばと、星刻は懐から写真を取り出し机に叩きつける。そこには、可愛らしい幼女が写っていた。
「私の最推し!天子様の写真だ!どうだ!お主といえども、興奮せずにはおられまい!」
「燃やします」
その写真を控えていた香凛は躊躇なく燃やしにかかる。火炎放射は星刻ごと燃やしにかかるが、心配する者などいなかった。
「天子様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!香凛!何をしている!」
「これ以上、やられると中華のイメージが汚れます。汚れるのは貴方だけにしてください」
「汚れる覚悟なくして得られるものなどない。勝利を得るためには、犠牲を覚悟しなければいかん。そうだろう、ゼロ」
「その通りだが、一緒にしないでもらおうか」
言っている内容に理解はできるが、背景は終わっている。ただのロリコンの末期状態だ。
「うむ、確かに私の過去を知らずに一緒にはできんか。申し訳ない」
「いや、違う。お前の過去など、どうでも良い」
「そう、あれは私がまだ大志を抱く前のことだった」
「話を聞け!」
そんなゼロの言葉を無視して星刻は話出す。
「私は下級役人であった時、囚人の監視の任務についていた」
「本当に話し出したわねコイツ…」
全て無視して回想に入った星刻の様子にカレンの頬は引き攣る。
「中には、不当に逮捕された囚人もいた。その囚人は病に苦しんでおり、その人の為にできることはないかと思った私は行動に移した」
「薬でも買いに行ったの?」
マーヤの言葉に星刻はうむと頷く。
「ルイーダの酒場に行った」
「その時もアンタ、ドラクエやってたんかいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
思わずカレンは絶叫する。病の囚人の隣でドラクエやってる役人とかクズ以外の何者でもない。
「もちろん、薬草は与えたぞ」
「何処で威張ってんのよ!アンタ、ドラクエ続けてるだけだからね!?」
「その後、規則を破ったことで俺は罰則を与えられた」
「そりゃ、勤務中にドラクエをやってたら、そうなるでしょうね…」
「ゲームを1日1時間に制限されてしまった」
「それ、どんな罰則!?小学校!?」
「ゲーム禁止令のせいで俺は苦しんでいた…そんな時に来たのだ…あの方は」
ドラクエができずに項垂れていた星刻の元に幼女ー天子様はふと訪れて尋ねてきた。
『何に苦しんでいるの?』
『ドラクエをするのを禁止されているんだ…』
『そっか。じゃあ…』
星刻の言葉に天子は笑顔を浮かべてゲームを取り出した。
『私がゲームやる姿を見てて良いよ』
「天子様鬼畜過ぎるでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
話の結末にカレンはツッコミを入れる。天子様との良い出会いの話を聞けるのかと思ったらヤベェ奴等の話だった。この話のどこに、感動しろと言うのだろうか。
「その姿を見て私は興奮した」
「とんでもないとこでヤバい性癖開発されてたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
「そこから俺は誓ったのだ。性交同意年齢を一桁以下にする世界を作ろうと」
「よーし、コイツ殺しましょう!もうダメよ!完全に手遅れ!ちょっとそこの人!こんなになるまで何で放置してんのよ!」
後ろで胃を押さえている香凛をカレンは指差して追求する。
「もう少し待ってください…ブリタニアを倒した後は私が責任を持って心中しますから…」
「あれ、もしかしてこの人はこの人でヤバいの?救いはないの?」
「星刻様は貴方が仕えるゼロ殿に匹敵する知略とカレン殿並みの戦闘力を持ちます。神が二物を与えた傑物。ブリタニアを倒すには必要です…ですが…」
涙を抑えるように香凛は顔に手を当てた。
「マトモな神経を与えてはくれなかった…」
「ごめんね責めて…貴方が悪いわけじゃないわよ…こんなイカレてる馬鹿どもが全部悪いの…」
「カレン殿…」
香凛は救世主を見る気持ちでカレンを見つめた。こんな言葉をかけてくれた人は初めてだった。もしかしてこの人なら自分の気持ちを理解してくれるのではないだろうか。そんな気持ちでカレンを直視する。
「私も貴方を支えるわ…だから…だからね…」
ニコリとカレンは香凛を見つめ返す。
「貴方も私を支えてくれないかしら?」
「あ、ごめんなさい。それは無理」
「何でよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
突然、梯子を外されたカレンは香凛に縋り付くが、香凛の生物としての危機感がここで同意をするのを戸惑わせた。同意をすれば、自らの主に匹敵する怪物達の相手をさせられる未来が垣間見えた。
「ふっ、お互いの側近は仲良くしているようだな。微笑ましい光景だ」
「たまにカレンもおかしくなるのよね。何でだか知らないけど」
「お前も原因の一端だがな」
他人事のように言うマーヤにルルーシュはボソリとツッコミを入れる。本当は自身もたまにその原因の一端になっているのだが、本人は知る由もない。
その時、突然外からのバズーカが星刻の座っていた場所に直撃する。
全員が声を失っていると、空いた壁からバズーカを撃った張本人ーアキトが現れる。
「ゼロ。キョウトの重鎮の準備が完了したそうだ。準備しろ」
「おお、アキト殿。危ないではないか。危うく当たってしまうところだったぞ」
「当たっても問題なかったからな」
アキトのバズーカを躱して笑顔で挨拶する星刻にアキトは舌打ちする。かぐやを守るアキトにとって、このロリコンは下手をすればブリタニア以上に危険人物だった。
「何を言う。共に新しい世界を作ろうとする同志ではないか。照れることはない」
「誰が同志だ、この犯罪者が。言っておくが、かぐや様に近づいたら問答無用で首を刎ねるぞ」
「アキト殿…アキト殿が独占趣味なのは理解しているが、あまりにも束縛が過ぎると嫌われるぞ」
「言っておくがお前、かぐや様から全力で嫌われてるからな」
「かぐや様は素直でおられない。そこが可愛いのだがな」
「相変わらず言語が通じない男だ」
アキトは無言で刀を抜く。
「ゼロ…悪いが俺はこのロリコンを駆逐してから向かう。お前たちは先に向かっていてくれ。案内は廊下の男がする」
「ああ。了解した」
全力で巻き込まれたくなかったゼロ達は一目散に逃げ出す。その直後、2人のロリコンによる戦闘音がその空間を支配した。
「で?貴方はどうするのだ?」
「暫くすれば落ち着くと思うので頃合いを見て静止します。大丈夫です…国際問題にはなりません…私の上司が全部悪いんです…」
胃が痛くなり過ぎて顔色まで悪くなっている香凛の肩にルルーシュはそっと手を置く。
「良い病院を紹介しようか?」
「その病院は頭の治療までしてくれますか?」
「あそこまでいくと治療法はないだろうな」
「ですよね…」
香凛は沈んだ表情でまだ戦闘が続いている部屋を見ていたが、ゼロ達はそれに同情しながら会合の部屋に向かった。