全シャーリーファンの方々申し訳ありません。
普通じゃないクイズだとは思っていたが、同時にシャーリーは戸惑ってもいた。
(何で……何でニーナがルルのことをそんなに知ってるの?私だって、私だってルルのことを沢山見てきたはずなのに分からない何て)
この心の声をルルーシュとカレンが聞けば「いや、それが普通だから」と訂正してくれただろうが、生憎と心の声なので二人には聞こえていない。
しかし、何だかんだで目敏いミレイはシャーリーの顔を見て彼女が悩んでいるのを悟った。
「どうやら、迷っているようね、シャーリー」
「会長……え?私が迷っている?」
「ええ。司会の立場の私が選手に助言するなんて間違ってると思うんだけど、少しだけ言わせて貰うわ。熊さん。大丈夫ですか?」
「良いでしょう、許可します」
「ありがとう、熊さん。さて、シャーリー」
優しくも厳しい顔になり、ミレイは続ける。
「何でずっとルルーシュのことを見てきたあなたがニーナに負けたのか……それは覚悟がなかったからよ」
「覚悟?」
「ええ。自分の好きなものには素直でいるという覚悟よ」
その言葉に、シャーリーはごくっと唾を飲む。確かに、自分はルルーシュのことがずっと好きだったのに、行動に移さなかった。そのツケが今になって回ってきたのかもしれない。
項垂れるシャーリー。
一方で
「いや、覚悟なんて関係ないから。そんなもんがあろうがなかろうが、人のスリーサイズ何て分からないから」
「というか、何に感銘を受けてるんだシャーリーは。今の会長の言葉ペラッペラだぞ。コピー用紙より薄いぞ」
カレンとルルーシュは突然始まった寸劇にツッコミまくっていた。
しかし、そんな二人を無視してミレイは続ける。
「シャーリーまだ遅くはないわ。あなたの本当の気持ちは何だったの?思い出して」
「わ、私の……本当の気持ちは」
顔を赤くするが何も言えないシャーリー。それを見て再びミレイは笑う。
「無理はしなくて良いわ。例え今は無理でも後で出来るようになる。絶対になれる。嘘じゃない。今からあなたは今までのシャーリーじゃないわ。今日からあなたは
ガン○ムよ」
「「何でだぁーーーー!!!!!!」」
思うところはあったが、黙って寸劇を見守っていたルルーシュとカレンだが突然の展開に流石に横槍を入れた。
「ちょ、ちょっと邪魔しないでよ、ルルーシュ、カレン」
「うるさいわよ!文句を言うなら自分の言葉を見直して下さいよ!良い話の雰囲気出してたのに、何でそこでガン○ム!?意味わかんないんですけど!?」
「いや、気持ちは分かるよ?確かに、困ったらガン○ムやれば人気出るっていう考えには確かに俺も同意できない」
「お前が言ってるのは視聴率の話だろうが!話が拗れるからお前は黙っていろ熊!」
「私も思うところがあってね……来週からスーツ週間を始めようと思ってるの。一週間だけ生徒はリクルートスーツかモビルスーツを着ないと登校できないってね。面白そうでしょ?」
「それってスーツはスーツでも全く違うもんだろうが!!!」
「ちなみに、先行して私だけ今日からリクルートスーツとモビルスーツを両方着て着心地を確かめてるの」
「いやあ、さっきから目線の高さが合わないから話しにくいと思ってたんですよね」
「今着てるの!?そんなもん着ながら司会やってたの!?」
「とりあえず、暖房設備がイマイチね。熊さん。記録に残しといて」
「はい。既に」
「ありがとう。流石ね」
「じゃないだろ!絵がないからって好き放題やるんじゃない!何でモビルスーツを着ながら司会をやってて今まで誰もツッコまなかったんだ!」
「皆素直の良い子達なのよ……」
「「そんなんで納得ができるか!!」」
そんなことで、一部の参加者は別の意味で盛り上がりを見せていたが、シャーリーの耳には入っていなかった。さっきの会長の言葉が頭に残っていたからだ。
(私の本当の……望みは……)
そんなシャーリーをルルーシュ達の話に参加していなかったニーナが見つめて話始める。
「シャーリー。そんなに難しい話じゃないわよ。自分の心の目で見れば良いのよ」
「ニーナ……心の目って?」
「自分の本心なんて考えたって見えないよ。だから、目をつぶって考えて……自分が好きな人のことを」
言われた通りにシャーリーは目を瞑った。そこで出てきたのはやはりルルーシュだった。
「考えた?そうしたら、脱がしていくの……1枚一枚ゆっくりと……そうしたら、たどり着けるはず……私と同じ境地に……ラフ○ルに」
シャーリーの想像したルルーシュは服を脱ぎ始めた。その姿を見てシャーリーは自分の意識が覚醒していくことに気付いた。
(これが……ニーナの見ていた景色……やっと私も同じ場所に立てた。今なら、分かるよ、ルル!ルルのことが!あああ、身体が軽くなっていく……)
「ギャーーーア!?シャーリーが鼻血を吹き出したぁ!?何この子いきなりどうしたの!?」
「いや、どう考えてもヤバイだろ、この量は!?救護班!救護班を呼べ!」
(今ならニーナにもカレンにも負けない!誰にも負けない!空の向こうにも飛んで行けそうな気がする)
「いや、鼻血の出し過ぎで意識飛びかけてんのよ!行っちゃいけない所に行きそうになってんのよ!」
「というか、血の供給が全く追いついていない!?供給と同時に鼻血が吹き出してるぞ!?」
カレンとルルーシュと救護班の助けにも気付かずにシャーリーは至った。
(そうか……これが……答え……)
そして、同時に倒れた。
「「遂にぶっ倒れたぁ!?」」
自らの意識が不明瞭になっていくにも関わらず、シャーリーは近くのルルーシュの手を握った。
「ごめんルル……私……失敗しちゃったみたい」
「いや、みたいじゃないだろ!明らかな失敗だろ!良く分からんが!」
「周囲が凄いことになってるんですけど!?血まみれ何だけど!ほとんど殺人現場何だけど!ていうか、これが全部鼻血ってある意味凄いわね!」
「私……何度生まれ変わっても……きっと、また、ルルのことを好きになる」
「そのセリフここで言っちゃうの!?原作の名シーンのセリフをこんな場面で使っちゃうの!?」
「ていうか、死んで良いのか!?こんなアホみたいなシーンで死んで良いのか!?」
「いいよね、ルル。生まれ変わってもまたルルを好きになっても……」
「いや、好きにすれば良いんじゃないかしら!?死なないけどね!こんなくだらないシーンで絶対に死なないけどね!」
「何度も……何度も……好きに……」
その言葉を最後にシャーリーは喋らなくなった。
その姿を見て
「「「「シャーリー!!!!」」」」
周りにいた会長や熊やニーナや生徒達は悲しみの涙を流した。
だが
「「いや、お前らこんな茶番のどこで感動した!!!」」
カレンとルルーシュは泣かなかった。当然である。
「普通に生きてるぞ!あんなんで死ぬわけないだろ!」
「何に感動したのか全く分からないわよ!ただ、変態が鼻血出して倒れただけじゃない!」
「うう……感動の場面でしたね……まさか……まさか……シャーリーがこんなことで死ぬなんて……」
「だから、死んでないって言ってるでしょうが!ぶっ飛ばしますよ会長!モビルスーツごと!」
「しかし、非常に残念ですが……勝負は続きます……シャーリー選手が脱落してしまったので、第一種目はここで終了……次は勝ち残ったカレン選手とニーナ選手で第二種目を行います」
「まだ続くの!?こんなクソくだらないことをまだ続けるの!?」
「いい加減にしろ、もう良いだろ!何時になったら原作にいくんだ!?そろそろ読者だって怒り始めるぞ!ただでさえ、コードギアスをこんなくだらない小説にしたってことで反感を買ってるんだから!」
「では、次でまた会いましょう」
「「話聞けよ!!」」
この話終わったら、流石にもう少しふざけないでやりますので、お許し下さい。