そろそろ、シリアス書かなきゃまずいんじゃ?って思いながら、今回もシリアスは死んでいます……
「さあ、残すところは決勝戦のみ!優勝するのは大本命のカレン選手か!はたまた、ダークホースのニーナ選手か!一瞬も眼を離せない展開になって参りました!」
「いや、幾らでも眼を離して良いから。そもそも見る価値もないから、こんな茶番劇」
「こんなもの見るだけ時間の無駄だ……そもそも、何故俺がこんなものに付き合わされているんだ……」
「今更でしょ……私も完全に同感だけど……」
苦労人ポジションが定着してきたカレンとルルーシュは死んだ眼をしながら、虚空を見つめる。
しかし、諸悪の根元である二人は、そんなことを気にも留めないのであった。
「さて、最終種目の発表に移ります」
「おーっと、熊さん、展開が早いですね。では、どうぞ!」
「待たせる男は嫌われるんでね……最終種目は……デートです!」
「「デート?」」
「響きが素晴らしい言葉が来ましたー!ところで
、デートでどうやって勝負するんですか?」
「ふっ。まあ、焦らないで下さいよ。判定基準は私も知りません。判定するのは優勝賞品(ルルーシュ)です」
「おい、お前俺を物扱いしたな。というか、俺が決めるのか?」
熊の発言にルルーシュは額に青筋を浮かべるが、その発言の内容に一応確認を取る。
「そうです。あなたの恋人なのですから、その最終判断はあなたに決めて貰う必要があると思いまして」
「無駄に正論だな。本当に無駄だが。では、俺の希望に沿って今すぐこれを終わらせるという選択肢はないのか?」
「え?あると思ってるんですか?」
「……本当に一度くらい死んでくれないか、頼むから」
ストレスで体を震わせながら漏れでるルルーシュの本音だが、周りの皆は聞いてすらいない。
唯一カレンだけが、本当に可哀想な者を見る目で見つめていただけだった。
「先行はニーナ選手です。行く場所はくじで決めてもらいます」
ニーナは意気揚々と席を立ち、ルルーシュは心の底から面倒だと思いながら、その後に続いた。
ニーナはミレイから差し出されたくじ箱の中に手を突っ込み一枚を引き当てた。場所は
『動物園』
「二人のデート場所は動物園となりました!では、レプリカを用意しましたので、所定の場所について下さい」
デート場所としては定番だが、カレンとルルーシュは何だか拍子抜けした気がした。
「何というか……普通ね」
「ああ……驚くくらい普通だな」
しかし、だからこそ、何となく嫌な予感がする二人だが、そう考えると本当に実現しそうだったのでなるべく考えないようにしていた。
「では、デートスタートです。二人とも頑張って下さい。」
「よし!じゃあ、行きましょうルルーシュ!」
「デートに頑張るも何もないだろうが……それで、何でニーナはそんなにやる気満々なんだ」
「決まってるじゃない。彰君以外にルルーシュを渡すわけにはいかないのよ」
「……何を言っているんだニーナは」
「まあ、渡すとしたら高いハードルがあるわね。日本人でルルーシュと幼馴染みたいな関係で親友同士で爽やかイケメンみたいな男の人なら譲っても良いわよ」
「嫌に具体的だな!もう、一人しか思い当たらないんだが!?ていうか、ニーナはそいつが誰か知ってるんじゃないか!?」
『二人は良い雰囲気を出しながら、動物園を歩いていった』
「ナレーション付きなのか!?手が込んでるな!全く状況説明はできていないが!」
『そこにはたくさんの動物たちがいた。二人のテンションは次第に上がっていった』
「あ!ルルーシュ、ライオンよ」
「本物を用意したのか!?こんなくだらないことに何をやってるんだ……」
『ライオンは猫科の肉食獣であり、百獣の王として知られている』
「聞いてないわ!そもそも、そんな説明必要ない!」
「ルルーシュ、人間もいるわよ」
「別に不思議でもないだろ。動物園なんだから」
ニーナの言葉に動物園なのだから、エキストラとして他の人間でも呼んだのだろうと考えたルルーシュは何を当たり前のことをとでも言うように返事をする。
「いや、私たちみたく見物じゃなくて」
しかし、残念ながらルルーシュの言葉とは違い、檻の外にではなく
「俺をここから出せや、こらー!」
『玉城』と書かれる檻の中に立っていた。
「檻の中に。玉城だって」
「ちょっと待て!何で動物役で人間を採用したんだ!」
「ていうか、メチャクチャ知ってる人何ですけど!何、何!?どうなってんの!?」
突然の展開にルルーシュだけでなく、眺めていたカレンも突っ込みを入れる。しかし、もちろんナレーションは気にしない。
『玉城はヒト科の雑食であり、素人童貞として知られている』
「そんな説明の前に言うべきことが山程あるだろ!」
『彼は時給880円で協力してくれました』
「安い!?あの人簡単過ぎでしょ!」
「こんなバイトなんて聞いてねーぞ!カレン!助けてくれ!お姉さんと良いことができるバイトだって言われて騙されただけなんだ!」
「え?カレン知り合いなの?」
「いえ、私はあんな動物は知りません」
「カレーン!この薄情者が!」
騙された内容を知ったカレンは突然ゴミを見る目で見るようになり、知らない動物だと断言した。
『しかし、ここでトラブルが発生した』
「何?トラブルだと?」
「あ?鍵が開いてる?」
『玉城の檻の鍵が外れてしまったのである』
「お前が遠隔操作で外したんだろうが!」
「ラッキー、これで出られるぜ」
『しかし、そこにルルーシュが立ちはだかった』
「俺か!?何故、俺がそんなことをやらねばならん!」
「ちっ、邪魔すんじゃねえよ」
「誰も邪魔などしていない!行くなら、さっさと何処にでも行け!」
『彼は貧弱だが勇敢だった。例え敵わないとしても立ち向かう勇気があった』
「だから、俺はそんなことをやらんと言ってるだろ!何なんだ、このナレーターは!全く状況を伝える気がないだろ!」
「そこまで必死に止めるかよ。なら仕方ねえな」
『何があっても止めてみせるというルルーシュの気迫を恐れた男は懐からナイフを取り出した』
「お前は何で俺の状況ではなく、全く役に立たないナレーターを信じているんだ!通っても良いと言ってるだろ!」
「俺はどうあっても先に行く!そこをどけ!」
「人の話を聞け!早く行け!」
『男はそのままルルーシュに襲いかかった。しかし、そこに』
「お呼びじゃないのよ」
「へっ?ギャーーーー!?」
『何処からか飛んできた砲撃が降ってきて、男は吹き飛ばされてしまった』
「ちょっと!?本当に降ってきたんだけど!?死んでないわよね!?」
『どうやら、カレンはギャグパートで人は死なないという真理を知らないようである』
「知るわけないでしょ!そして、何でこのナレーションは外野にまで口を出してるのよ!」
「というか、お前はやり過ぎだ!俺まで危なかったじゃないか!」
『余談ですが、これは私の仕掛けたものではありません』
「「え?」」
「ブサイクがルルーシュに近づくのは許さないわ。私と、この」
颯爽と立つニーナの隣にそびえ立つ巨大な大砲
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲が」
「「何だ、それは!?」」
『あれはネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲ですね。完成度高いな、おい』
「その無駄に長い名前は何だ!?そして、形状が完全に学園にあってはならない形をしているんだが!?」
それらの声を聞きながら、ニーナは悔しそうに語る。
「残念ながら、まだフレイヤは完成していなくて……」
「おい、馬鹿やめろ!絶対にまだ出てきちゃいけない兵器をこんなくだらんことで出そうとするな!」
『はい、ではそこまでです。時間がきましたのでデートは終了です。ニーナ選手が男らしくルルーシュを庇う様はルルーシュポイントが高そうですね』
「ルルーシュポイントって何だ!?」
「どの辺が!?今の有様でどの辺がポイントが高そうに感じたの!?」
『では、次はカレン選手の出番です。男らしさを出してルルーシュを守ってあげて下さいね』
「私、女何だけど!?」
コード「俺たちの」
ギアス「出番は」
反逆「まだか!」