ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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これでこのギャグ話も一区切りです。


15 遊びと仕事の両立が人生には大切

「知らない天井だ」

 

「何言ってんの、あんた」

 

眼が覚めたシャーリーは暫く現場把握ができなかったが、赤髪の女の子の呆れたような声で、自分が保健室にいることを悟った。というか、この子は

 

「カレン……?勝負はどうなったの?」

 

「あー、何というか……一応私が勝った……のかもしれない」

 

「何その曖昧な発言」

 

うっさいわね、私だってあんなんで勝ちなのか分かんないのよと顔を赤くしながら話す。

 

「どうやって勝ったの?」

 

「聞かないで」

 

突然真顔になるカレン。とても怖い。何があったのだろうか。

 

「え?でも、「聞かないで」……」

 

ここまで否定されると却って気になってしまう。そんな私の考えを感じたのか真顔のままカレンは立ちあがり、隠し持っていたナイフを構えた。

 

「それ以上聞くなら私にも考えがあるわよ」

 

突然出てきた凶器に戸惑ってしまう。これ以上聞くなら私を殺すと言うのだろうか。

 

「え!?まさか、それを使って」

 

「そうこれを使って私は」

 

そう言うとカレンはナイフを自分に向ける。

 

「自害する」

 

「そこまで!?安心して、カレン!これ以上は聞かないから!だから、構えたナイフを下ろして!今のカレンだと本当に自害しそうで怖いから!」

 

私の説得が伝わったのかカレンはナイフを下ろす。安心してため息を漏らす。

 

ところで、さっきから気になっていたのだが。

 

「カレン、クラスの時と大分……というかかなり雰囲気が違くない?」

 

「私にも色々あんのよ。言えないけど。とりあえず、他の人には秘密にしといて。ルルーシュと彰には言っても良いけど」

 

残念ながら私には理由を話してくれないようだ。まあ、カレンにも色々あるのだろう。私としては、普段の大人しいカレンより今の方が話しやすいので別に構わない。

 

「そっか。まあ、別に良いよ。ただ、悔しいなあ。負けちゃったか」

 

「あー、その話なんだけど……ね」

 

「どうしたの?」

 

首を傾けながらカレンの話の続きを待つ。

 

「これも悪いんだけど、詳しいことは言えない……けど、私はルルーシュと恋人関係になる必要はあるんだけど、別に好き合ってる訳じゃないというか、別に嫌いではないというか」

 

「何を言ってるの?」

 

「うっさいわね!私だって何を言ってるのか分からないわよ!」

 

両手で頭をかきむしりながら、カレンは続ける。

 

「別に私はルルーシュのことを嫌いじゃない。どっちかと言えば好きだと思う。けど、シャーリーほどじゃない。だから」

 

真剣な眼をシャーリーに向けながら更にカレンは続ける。

 

「私はシャーリーが嫌だっていうなら、私は勝ちをシャーリーに譲る。困ることはあるけど……別の方法で絶対に何とかするから」

 

つまり、カレンはこう言っているのだ。

 

ルルーシュの恋人には、本当にルルーシュのことを好きなシャーリーが相応しいと。

 

勝たなければいけない理由はカレンにもあったが、シャーリーの一途さにカレンの心は動いたのだ。

 

「カレン……ありがとう」

 

そんなカレンの気持ちはシャーリーには

 

「でも、私は絶対に負けないから!」

 

「へ?」

 

欠片も届いていなかった。

 

「カレンの気持ちは分かったよ!でも、大丈夫!私は全然諦めてないから!」

 

「いや、全然分かってないけど!ねぇ、さっきの私の話を聞いてた!?」

 

「聞いてたよ。勝負に負けた私を励ましてくれたんでしょ?確かに今はカレンの方がルルのことを好きなのかもしれない。でも、何時か絶対に追いつくから!」

 

「全然聞いてないわよ!何時かどころか現在既にシャーリーの方がルルーシュを好きだって話を」

 

「ねぇねぇ、何かこういう展開ってワクワクするよね。好きな男の子を巡って女の子同士で争うとかさぁ」

 

「何この子、メチャクチャ面倒臭いんだけど!恋する女の子モードが暴走しまくってんだけど!」

 

この後もカレンは説得を続けたが、暴走したシャーリーの耳には全く入らず、結局カレンがルルーシュの恋人ということで落ち着いたようである。

 

何だかんだあったが、結局当初のもくろみ通り、ルルーシュとカレンは恋人(笑)になることに成功した。

 

 

 

 

 

「会長!」

 

「ルルーシュ?どうしたの?」

 

騒ぎが終わり、周りを見渡すと桐島の姿が見えなかったので嫌な不安を感じたルルーシュは桐島のことを探していた。

 

「桐島を知りませんか?騒ぎが終わってから姿が見えないのですが」

 

「あー。彰なら少し校内に用事があるって言って校舎の方に向かったわよ」

 

「……え?許可したんですか?」

 

「もちろん」

 

頭を抱えるルルーシュ。何を考えているんだ、この人は。まあ、わざわざ宣言するあいつもあいつだが。あいつの変装技術があれば、そんなことを言わずとも潜入できるだろうに。

 

「……会長」

 

「何かにゃ?」

 

「何を考えてるんです?部外者の日本人を一人で校内に入れるなんて。問題が起きれば、会長の責任問題になりますよ」

 

「そうだねー。でもまあ、大丈夫、大丈夫。何とかなるって」

 

笑いながら何も問題はないと言うミレイのことがルルーシュには信じられない。

 

桐島のことをある程度知っているルルーシュから見れば、確かにあいつが、こんなところで悪事を働く意味はないことから問題は起こさないだろうと理解できるが、ミレイは桐島のことをほとんど何も知らないのだ。

 

もし、自分がミレイの立場なら、絶対に一人で行動させるようなことはしないと断言できる。

 

普通の相手なら、「馬鹿な奴だ」と思いながら特に言及はしないが、ルルーシュはミレイに対して恩がある。なので、一応今後のことを考えて助言することにした。

 

「会長。余計なお世話かもしれませんが、無用心過ぎです。あんな不審人物を野放しにしておくなんてどうかしています。会長だって、あいつが普通の日本人だなんて思っていないでしょう?」

 

「あはは。それを言われると少し弱いんだけどね」

 

ルルーシュの言葉に困ったように笑いながらミレイは続ける。

 

「確かに私は彰のことをほとんど何も知らないし、普通に虐げられてる日本人だとも思ってないよ。多分何かを隠してると思う」

 

「そうであれば「でもね」え?」

 

ルルーシュの眼を真剣に見つめるミレイ。

 

「私に分かるのはここまで。私はルルーシュほど頭が良くないからさ。彰が何を隠しているか分からない。でもさ、一つだけ分かってることがある」

 

「それは?」

 

満面の笑顔になるミレイ。

 

「彰が理由もなく皆に暴力を振るうような人間じゃないってこと。あの子が何をやっているのか分からないし、どこから来たのかも分からない。私にできるのは、私の目で見た彰を信じることだけよ」

 

ルルーシュはミレイから眼を背けた。つまり、ミレイはこう言っているのだ。

 

自分の目で見た彰を信頼すると。

 

(本当に敵わないな、この人には……)

 

データもなく、情報の裏付けもない日本人。

 

そんな人物を自分が信じると決めたから信じることができるミレイの強さ。

 

それは、ルルーシュが決して持ち得ないものだった。

 

「ま!面白そうなトラブルを起こしてくれる気はかなりするけどね。まあ、そうなっても、大丈夫、大丈夫。私には頼りになる副会長がいるからね」

 

そう言いながらウインクをするミレイ。もう、真面目な話はお仕舞いということだろう。

 

それを理解したルルーシュはため息を吐きながら、話に乗っかる。

 

「俺としては勘弁して欲しいんですけどね。これだけ、重労働なら有給を頂きたいくらいですよ」

 

「なーに言ってんの。若人にそんなものあるわけないでしょ。ガッツ、ガッツ!若さがあれば、何とかなるわよ」

 

ミレイの無茶苦茶な理論に苦笑するルルーシュ。しかし、それも悪くない。そんな風に思うルルーシュもいた。

 

 

 

 

一方、その頃話題の桐島は

 

「こんな所かねぇ。しっかし、かなりの量があるな」

 

桐島は、学園の図書館とアッシュフォード家の蔵書から、ブリタニアの歴史と貴族関係の本を片端からコピーして、データに納めた。

 

(折角こんな機会があるならと欲張り過ぎちまったか……一人じゃキツいな)

 

そう考えた桐島は携帯を手に取り、連絡を取る。相手は

 

『働きたくないんだけど』

 

「まだ、何も言ってねぇよ。それと働けユキヤ」

 

引きこもりの代名詞のユキヤである。第一声からダメ人間全開のセリフである。

 

『だってさー、彰からの連絡とか絶対に面倒ごとじゃん。もうすでに嫌なんだけど』

 

「決めつけんじゃねーよ。もしかしたら、違うかもしれないだろ?まあ、違わないんだけど」

 

『ユキヤ寝まーす』

 

「諦めろ。起きろ」

 

本当に渋々といった感じでユキヤはため息を吐く。

 

『あー、やだやだ。で?何?』

 

「調べて欲しいことがある。ブリタニアの貴族と皇族についてだ」

 

『は?何を今更?』

 

「話は最後まで聞け。調べるのはアッシュフォード家と関係があって、アッシュフォード家より位が高い貴族と皇族だ。亡くなってるとか、既に没落してるとかであってもリスト化してくれ」

 

『何でそんなことをって言うわけないか……てか、普通に大変なんですけど?何人いると思ってんの?』

 

「んじゃ、後はよろしく。資料はもうお前にメールしたから」

 

『……何時か地獄に落ちろ』

 

「はい、聞こえない。じゃあな」

 

ピッと携帯を切る。まあ、何だかんだで仕事はしっかりやる奴だから大丈夫だろ。

 

(調べたからって別にどうなるもんでもないんだが……気になっちまったからなぁ)

 

桐島は頭をかきながら、最近妙に関係が深くなっているブリタニアの兄妹を思い出す。

 

(あの二人の気品とか立ち振舞いからすれば、どう考えても二人は位の高い貴族か下手すれば皇族だ。それがこんな所にいるということは既に没落しているか、捨てられたかのどっちかだ。だが、ルルーシュのブリタニアへの憎しみとわざわざ、アッシュフォード家の敷地に住まわせて貰ってるということは……)

 

桐島の思考は更に先へと進んでいく。

 

(捨てられたんだろうな。母親が亡くなったとか言っていたが、その辺りのことが関係してるのか……まあ、分からんな。ともかく、捨てられたにも関わらずアッシュフォードがわざわざ後ろ楯になろうとする程の大物なのは間違いない。それも今の状況から一発逆転を狙えるほどの……な)

 

桐島は懐に入れてある以前ルルーシュとナナリーと自分の三人で写っている写真を見ながら思う。

 

(ルルーシュとナナリー……か。本当に何者なんだかな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作まではもう暫くお待ちを!

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