ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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珍しい投稿の速さ


24 似ているけど、違うものって結構ある

やれやれ、ナナリーに買い物に誘われたから何事かと思ったが…

 

「デートの誘いかと思ったんだがねぇ、こんなオチとは。ガッカリ感は拭えないな」

 

「あら?私と一緒に出掛けることだけじゃ不足ですか?」

 

「とんでもない。お姫様と一緒に居られるだけで十分ですよ」

 

「ふふふ。相変わらずですね、彰さんは」

 

のんびりしながら、中身のない会話をするナナリーと彰。

 

とは言え、2人ともこういう会話をするのは好きなので、実は結構平常運転だったりする。

 

ここにルルーシュがいれば、会話の邪魔をしようと乱入してくるのだが今日はいないので(実は近くにいるのだが)気楽な会話を楽しんでいる。まあ、居れば居るでルルーシュをからかうことに会話の内容がシフトするだけなので、2人がそれはそれで楽しんでいるのは余談である。

 

「最初の出会いはアレでしたけど、お兄様とも仲良くなって良かったです」

 

「ばーか、お前あんだけインパクトがある、はじめましてもねーだろうよ」

 

「まあ、インパクトはあったでしょうね‥それがプラスかマイナスかは置いておいて」

 

何を言っているんだ間違いなくプラスだろう。おかげで未だに関係が続いているのだから。マイナス点と言えば、濃密な殺気を浴びたくらいだ。ちょっとだけ死ぬことを覚悟したぜ。

 

「ナナリー。人生は結果オーライなら良いんだよ」

 

「その人生は流石に博打が過ぎると思うのですが‥」

 

その通りだが、人生はその方が面白くないか?それに、俺が今の職業を選んだ時点で今更だ。明日死ぬかもしれない人生など博打も良いところだ。まあ、多かれ少なかれ、人間は皆そうなのだが。

 

彰がそう言うと、ナナリーが今までの明るい雰囲気を変えて、慎重に言葉を選んで話し始める。

 

「彰さんは‥今の職業を変えるつもりはないのですか?」

 

「ないよ」

 

俺が選んだのは修羅の道だ。一度選んだ以上、後戻りをすることは許されない。そんなことをすれば、今まで俺に殺されたブリタニア兵に申し訳が立たない。

 

「ナナリー。お前の気持ちは分からんでもないが‥無理だ。この道は一方通行なんだ。一度選んだ以上進むしかないんだよ」

 

その覚悟がない奴はこの道を進んではならない。

 

「しかし、辞めてとは言わないんだな」

 

少し意外だと彰が言うと、ナナリーは泣きそうな顔になりながら答える。

 

「私にそんな資格はありませんから。彰さんの思いは、彰さんにしか変えられません。だから、私は、私の夢のために願うだけです」

 

「夢?」

 

「世界が平和になりますように」

 

その言葉に彰の思考が一瞬止まる。それは一瞬だったのだが、ナナリーはその変化に気がついた。

 

「彰さん?」

 

「いや、何でもない。恩人が昔、言っていた言葉と同じだったから驚いただけだ」

 

「そうでしたか。とは言え、私の言っている平和はそんな大したものではありませんよ?」

 

ナナリーは続ける。

 

「私の平和は‥彰さんが会長やニーナさんと悪巧みをして、それをお兄様が怒って、怒ったお兄様をカレンさんやシャーリーさん、リヴァルさんが止めて、それを私や小夜子さんや仁美さんが笑いながら見ているそんな毎日で‥そんな平和が続けば良いなって‥思ってるんですよ」

 

「いや、無理だろ」

 

気持ちは分からんでもないが、彰は即答する。今の状況は偶然が重なりに重なって起こった奇跡みたいなものだ。何かが少し変われば、一瞬で全てが崩れ落ちる程の危うい均衡の中で。

 

その返事を聞いたナナリーは頬を膨らませる。

 

「彰さんは意地悪です。少しくらいは優しい言葉をくれても良いじゃないですか」

 

「叶わん夢は見ない主義だ」

 

見るのは現実と実現可能な未来だ。後、可愛い女の子。

 

「もう‥そう言えば、彰さんは以前私に一つだけお願いを聞いてくれるって言ってましたよね?」

 

「そういや、そんなことを言ったな。でも、仕事を辞めろとかはなしだぞ

 

爆弾テロに巻き込んだ時に。命の恩人とは言っても完全にマッチポンプなので、一つだけお願いを聞いてやると約束したのだ。

 

「そんな難しいことは言いませんよ‥ただ‥」

 

そう言ってナナリーは小指を差し出す。

 

「また来年の今日も‥一緒に出かけてください。再来年も一緒に。約束ですよ?」

 

笑顔で言うナナリーに肩をすくめる。苦笑しながら、彰も小指を出す。

 

「オーライ。善処するさ」

 

「はい。お願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、殺すぞ。今殺すぞ。すぐ殺すぞ」

 

「落ち着きなさい、ルル杉!どう見ても、指きりしてるだけでしょうが!」

 

「何処を見ている!どう見ても、あいつがナナリーに「俺の肉奴隷になれ」と

言っているようにしか見えんだろうが!」

 

「あんたこそ、一体何処を見ての発言よ!?ねぇ、ユキヤ!これ、映像だけじゃなくて音声も拾えないの?」

 

『無理だね。向こうのシステムにそもそも音声は付いてないみたいだから』

 

ユキヤのお陰で館内にいる彰とナナリーの様子を盗聴することが可能になったのだが、姿を見ているにも関わらずルルーシュの暴走は止まらない。最早、妄想である。

 

カレンはため息をはく。まあ、先程までルルーシュ以上に暴走していたアヤノが落ち着いただけマシなのだが。

 

『これは落ち着いたって言うわけ?』

 

「言うのよ‥これしか方法がなかったんだから。あんたも、アヤノをこれ以上からかうんじゃないわよ?』

 

チラリとカレンは縛られて寝ている親友を目にやる。このままでは本当に飛び降りてしまうと思われたので気絶させて縛ったのだが、罪悪感は拭えない。リョウ?縛られたアヤノを見てられなくなって、少し前に自ら頭を打ち付けて気絶したよ。

 

「こうなれば俺も黙って見ているわけにはいかん。リョウが使えなくなった今、射殺はできん。次の手段だ」

 

「何をする気よ?まさか、爆破するとか言わないでしょうね?」

 

「馬鹿を言うな。そんなことをすればナナリーも巻き込まれるだろ」

 

「ねぇ‥あんたの今の話だとナナリーが巻き込まれなきゃ爆破しても構わないっていう風に聞こえるんだけど?」

 

カレンのツッコミを無視してルルーシュは電話をかける。その相手に何かを言っているのだが、カレンには聞こえなかった。

 

「あんた今誰に電話をしたの?」

 

「見てれば分かる。くくく、彰め‥ナナリーと指きりをした罪の重さを知るが良い」

 

「指きりって一体何なのよ‥」

 

少なくともカレンが知っている指きりとは違う意味を持っているらしい。

 

暫くすると、映像に1人の日本人が現れた。その人物は男性であり、眼鏡をしている。カレンには、その男性に見覚えがあった。いや、見覚えとかそんなレベルではなく

 

「南さんー!!??ちょ、あんた、南さんと知り合いだったの!?」

 

思いっきり知り合いだった。思わずルルーシュの肩を掴んで、事の次第を確かめる。

 

「知り合いと言えば知り合いだが‥何だ、カレンも知り合いか?お前、友人は選んだ方が良いぞ?」

 

「彼氏も、もうちょっと選べば良かったって後悔してるわよ!」

 

思わずカレンから本音が溢れる。例によって、そんなカレンを無視してルルーシュは続ける。

 

「あいつは犯罪者だぞ?あまり、付き合わん方が良いと思うがな」

 

「いやまあ、そうなんだろうけど、それを言えば私も彰も同じだし‥」

 

ぶっちゃけ今更だろうとカレンは思う。というか、事情を知って自分や彰との付き合いを続けているルルーシュがそんな事を気にするのは意外でもあった。カレンがそう言うと、ルルーシュは、ふんと鼻を鳴らして答える。

 

「別にお前らの場合は、俺にとって何の害もないからな。むしろ、ブリタニアを潰したいという思いだけなら共感するくらいだ」

 

「あんたは、そういう奴だったわね‥あれ?じゃあ、南さんは?」

 

その基準でいけば南さんも別にルルーシュが嫌う必要はないと思うのだが。

 

「俺が奴を嫌うのは別の理由からだ。まあ、良い‥行け、南!彰に向かって攻撃だ!」

 

「あんた本気!?南さんが彰に敵うわけないでしょ!?」

 

「俺が居なかったからな。何のために俺がいると思っている?」

 

ルルーシュがそう言うと、画面に映っている南が巨大化してきた。肌は赤黒く、鬼のような姿になっている。と言うか

 

「何よ、あれ!?どうなってんの!?」

 

「マジックカード発動!ロリコン注入!」

 

「あんた、何言ってんの!?」

 

説明しよう。ロリコン注入とは、ロリコンにしか効果を発揮しない装備アイテムだ。半径10メートル以内に中学生以下の女の子がいる時に発動できる。付けたロリコンの戦闘力は、5倍になる。

 

「奴は真性のロリコンだからな。奴のためにあると言っても過言ではないカードだ。全く変態とは恐ろしいものだ」

 

「知りたくなかった!そんな事実知りたくなかった!てか、あんた、それなら妹を愛し隊に南さんは入ってるの!?」

 

「馬鹿を言うな。良いか?カレン。ロリコンとシスコンは似て非なるものなんだ」

 

「どっちもタダのど変態でしょうがぁ!?てか、どうすんのよ、あれ!?ほとんどパニック映画みたいな光景よ!?」

 

カレンが指差す画面では完全なロリコンと化した南が彰とナナリーに向かっている。年齢規制がかかるような光景である。

 

しかし、ルルーシュの顔は晴れない。

 

「これで倒せれば良いんだがな‥あいつがそんなに簡単にいくか‥」

 

「いやいや、あんなの彰だってどうしようもな‥」

 

瞬間。南の体が急速に縮んでいく。何が起きたのか理解ができないカレンを尻目にルルーシュが舌打ちをする。

 

「やはりトラップカードか!」

 

「トラップカードって何!?」

 

『流石は彰。的確な判断だね』

 

「何でユキヤまで知ってんのよ!?」

 

カレンのツッコミの間にも画面は続いていく。

 

「カウンタートラップ発動!熟女降臨!」

 

説明しよう。熟女降臨とは、ロリコンにしか効果がないカードだ。ロリコンの戦闘力を通常時の半分にまで低下させ、1人だけ熟女を召喚することができる。

 

「俺に、そんな安易な攻撃が通じると思ったことが間違いだったな!現れろ、千葉さん!」

 

日本解放戦線の千葉が現れた。明らかに不機嫌である。

 

「さあ、敵を滅ぼせ!滅びの熟女ストリーム!」

 

「お前が滅びろぉ!」

 

千葉の滅びの熟女ストリーム(かかと落とし)が彰に直撃した。彰のライフはゼロになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そろそろ原作に行きます

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