ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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今年最後の投稿!間に合って良かった〜


25 サプライズってのは、本当に隠し通してこそサプライズなんだ

「千葉さん‥もうちょっと空気読んでくれよ‥今のは完全に乗る流れでしょーよ」

 

「何時も空気などカケラも読んでいないお前が何を言うか!わざわざ呼び出して何かと思えば‥今まで何回思ったか分からんが、お前馬鹿だろ!!馬鹿なんだろ!!」

 

千葉さんが怒りで顔を真っ赤にして言い放つ。

 

いきなり会って人の事を馬鹿呼ばわりするとは何て人だろうか。これだから余裕のない年齢の大人は困るんだ。皆は、こんな大人になっちゃいけないよ。お兄さんとの約束だ。

 

「落ち着いてくれ、千葉さん。確かに千葉さんくらいの微妙な年齢の人に熟女呼ばわりは失礼だった。今度からは、アラサーと呼ぶことにするから許してください」

 

「よーし、遺言はそれで良いんだな。おい、大人しく首を出せ。切腹に協力してやる。10年以上の付き合いの縁だしな」

 

そう言うと隠してあった刀に手を掛けるのが見えた。何を考えているんだこの人は。

 

「何考えてるんですか、千葉さん。こんな人前でそんなの出そうとするなんて死にたいんですか?もうちょっと節度がある行動をしてくれないと困りますよ」

 

「何故だろうな‥言っていることは正論なのにお前が言うと殺意しか湧かないのは‥色々な問題を先延ばしにしても良いから今この場で斬り捨てたい気分だ」

 

「だから、落ち着いてくださいよ。そんなことしたら千葉さんの夢が叶えられなくなりますよ?」

 

「う‥まあ、そうだな。今、潰える訳にはいかんか‥」

 

「そうですよ。自分が書いた本を世に広めるという夢を実現するまでは死んじゃいけませんて」

 

「何時、誰がそんなことを言ったぁ!!勝手に私の夢をねつ造するな!」

 

「え?違うんですか?そうだと思って俺も優しさから布教活動に協力してたんですけど」

 

今のところ信者は三人だけだが、ブリタニア人も二人いるという国際色豊かなメンバーだ。今後の伸びが期待される。

 

「何を勝手なことをしている!本当にブチ殺されたいのか、お前は!」

 

興奮した千葉さんは俺の襟首を掴みながら体を揺らしている。多分照れ隠しだろう。今後も布教活動を続ければきっと何時かはデレてくれるはずだ。

 

「あ‥あのー」

 

「何だ!」

 

突然始まった寸劇に今まで呆然としていたナナリーが会話に参加してくる。てか、千葉さん幼女相手に大人気ないよ。

 

「私は彰さんのお友達のナナリー・ランペルージと申します。貴方は千葉さんと仰るのですか?千葉さんは彰さんとお知り合いなのですか?」

 

首を傾げながら尋ねるナナリーに千葉さんも少し冷静になったのか、俺から手を離し、こほんと咳払いをしてから答える。

 

「誠に遺憾ながら‥知り合いだな。名前は千葉だがフルネームは勘弁してくれ。ちなみに、欲しいものはタイムマシーンだ。何故なら、こいつとの出会いをなかったことにできる可能性があるからだ」

 

「彰さん、貴方一体何をしたんですか?」

 

「いや、普通のことしかしてないけど」

 

「千葉さん……ご苦労をなさってきたんですね‥」

 

「分かってくれるか、ナナリー!」

 

ガシッと手を掴み合う千葉さんとナナリー。謎の意気投合をしたようだ。百合百合の関係が好きな人が、でへへへしそうな雰囲気である。

 

「私の苦労を分かってくれる存在がこんな所にいるなんて……しかし、ナナリーのような子が何でこんなのと一緒にいるんだ?」

 

「おい、弟分にあんまりな言い方じゃないですか?」

 

「私は、こんな弟分を持った覚えはない」

 

ピシャリと言い放った。ツンデレの対応は分かり辛くていけない。

 

しかし、何がおかしいのか俺たち二人の対応を聴きながらナナリーはくすくすと笑う。

 

「ふふ。仲が良いんですね。ちょっと、妬けちゃいます」

 

「「今の対応の何処に仲の良さを感じた?」」

反論の言葉がハモってしまった。その事実にナナリーは更に笑みを深める。

 

「そういうところがですよ。ちなみに、私が彰さんと一緒にいるのは、彰さんに頼んでデートをして貰っているからです」

 

ナナリーの言葉を聞いた千葉さんは犯罪者を見る目つきで見てくる。いや、あんたも犯罪者だから。

 

「お前、ロリコンだったのか?」

 

「よし、千葉さん喧嘩しよう。とりあえず、殴って俺に対する誤解を解消させる」

 

「考えてみれば片鱗はあったな……かぐや様にも妙に好かれていたし」

 

「おい、誤解を招く言い方はやめろ」

 

あの人は例外だから。あのロリ姫の考えは俺たちとは次元が違うから。

 

「かぐや様?もしかして、彰さんの恋人ですか?」

 

突然出てきた知らない人物の名前にナナリーがとんでもなく的外れな言葉を投げかける。

もちろん、彰は全力で否定する。

 

「いや、ありえねーから。俺はもっと大人の魅力に溢れてる人がタイプだから」

 

「いや、そもそもお前結婚してるだろ」

 

それ以前の問題だと呆れながら、千葉さんがツッコミを入れてくる。良いんですよ、そんなこと気にする相手じゃねーですし。

 

しかし、ナナリーは千葉さんの発言で石化していた。一体どうしたのだろうか。

 

「け、け、け、け、け、けけけ結婚!?彰さんが!?どうやって騙したんですか!?」

 

「おう、とりあえず何故俺が結婚してたら相手を騙してるという事実に行き着いたのかの理由から聞こうか」

 

千葉さんが当然だという風に頷く。

 

「ナナリーの考えは最もだが、驚いたことに事実のようだぞ。私も詳しくは知らんがな」

 

千葉さんの答えに、顔を引きつらせながら、恐る恐るといった雰囲気でナナリーは疑問を投げかける。

 

「相手は……人類ですか?」

 

「実は私もその可能性を考えていてな…ターミネーターや、エイリアンやナメック星人であった場合でも驚かないようにしているんだ」

 

「張っ倒されたいのか、あんたらは」

 

急に仲良さげにヒソヒソ話を始めた知人達に彰は、ため息を吐く。何故、急に仲良くなっているのだろうか。

 

「というか、彰さん酷いじゃないですか!紹介してくれても良いのに黙ってるなんて!」

 

「言ってなかったっけ?まあ、とにかく紹介するのは無理だよ、俺も暫く会ってないし」

 

「どれくらいです?」

 

「三年くらい?」

 

「長くないですか!?何で会いに行かないんですか!?」

 

「まあ、会うには距離があるというのもあるが…」

 

「他にもあるんですか?」

 

「会ったら殺されそうな気がしてな」

 

「結婚してるんですよね!?本当に、結婚してるんですよね!?」

 

中々良い感じに混乱している場の空気を落ち着けるために、千葉さんも会話に参加する。

 

「まあ、こいつの結婚相手になるくらいだ。相手も普通の神経はしていまい。ナナリー。気にするだけ無駄だ」

 

アイツが聞いたら泣きそうなセリフである。

 

「確かにそうですね。でも、残念です。会えるなら会ってみたかったんですけど。そうすれば、一緒にプレゼントも買えましたし」

 

「プレゼント?ナナリーはプレゼントを買いに来たのか?」

 

「はい。実は今日は私のお兄様の誕生日でして、以前に注文していた品を彰さんと受け取りに来たんです!」

 

「なるほどな。デートとはそういうことだったのか」

 

得心がいったと千葉さんは首肯する。まあ、俺も聞いた時はそういう反応だったのだが。

 

何でもルルーシュは自分の誕生日を覚えていないらしく、毎年ナナリーがサプライズパーティーをするそうだ。

 

あんだけ頭が良くて、何故自分の誕生日を覚えていないのか疑問だが、まあ、アイツらしいと言えばアイツらしい。

 

それを聞いた千葉さんはニヤッと笑い、面白そうに告げる。

 

「責任重大だな、桐島。何としてでもサプライズパーティーを成功させろよ?失敗は許さんぞ」

 

やれやれと思いながら肩をすくめて答える。

 

「まあ、一応頑張りますがね。難しいと思いますよ」

 

何故なら、既にサプライズでも何でもなくなっているのだから。ナナリーの失敗は自分の兄のシスコン具合を甘くみていたことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、こんなことじゃないかと思ってはいたけどね。どう?ルル杉?満足した?」

 

音声が聞こえない現状に我慢がならなくなったルルーシュは、カレンを連れて一緒にショッピングセンターに侵入し、彰とナナリーの様子を隠れて見ていたのだが、蓋を開けてみれば何のことはなく、ルルーシュが心配するようなデートではなかった。

 

カレンはこれで文句はないだろうとルルーシュを見ると何やら考え込んでいる。自分が今までしてきた行動を恥ずかしがっているのだろうと考えたカレンは無視して電話でユキヤに話しかける。

 

「そんな訳だから、ユキヤ、馬鹿騒ぎは終了よ。倒れてるリョウとアヤノを回収にでも行きなさい。無理なら私がやるけど」

 

『あー、つまんない。彰をボコれるチャンスだったのに。しょーがない、ネットショッピングでもするか。あー、別にあの二人は放っといて良いよ。リョウは縛られてないし、自分で何とかするでしょ」

 

「……あんた、案外酷いわね」

 

『これが僕のスタイルなんで。それじゃ、また』

 

ブツっと電話が切れる。まあ、あそこまで同居人が言うのだから、あの二人は放っといて構わないのだろう。であれば、自分はルルーシュを連れて早く帰るか。南?そんなロリコンは知らない。

 

「んじゃ、帰るわよ、ルル「こうしてる場合ではない!カレン!急いで準備するぞ!」うわ、びっくりした!ど、どうしたのよ急に?てか、準備って何の?」

 

突然訳の分からないことを叫び出したルルーシュにカレンは疑問を投げかける。

 

理解が遅いカレンにルルーシュは舌打ちをする。

 

「何故分からない!いいか!?ナナリーは俺のためにサプライズパーティーをしようとしてるんだぞ!」

 

「らしいわね。その前までの話は遠くて良く聞こえなかったけど」

 

「じゃあ、何故ナナリーはサプライズパーティーなど開くと思う!!」

 

「そりゃ、あんたを驚かすためでしょうね」

 

「正確には、俺とカレンをだ!だから、カレンにも黙っていたんだからな!しかし、このままでは、サプライズにならない!何故ならサプライズされるべき俺とカレンがその事実を知ってしまったんだからな」

 

「ええ。あんたのせいでね」

 

そもそも、ルルーシュがバカなことをしなければこんなことにならなかったのだ。というか、今日ルルーシュの誕生日だったのか。一応、彼女として何か買った方が良いのだろうが、何を買うべきか。

 

焦っているルルーシュを差し置いて、カレンはそんなことを考える。

 

「この場合俺はどうでも良い!問題はお前だカレン!」

 

「は!?私!?何で!?」

 

「俺にとっては演技など簡単だ!ナナリーのために自分の誕生日を忘れることに比べれば造作もないことだ!」

 

「あんた意識的に誕生日忘れてんの!?凄いわね、無駄に!」

 

「しかしお前は別だ!とてもではないが、お前が演技が上手いとは俺には思えん!」

 

「あー、まあ……うん」

 

「だからこそ、今からサプライズに驚く訓練をせねばならん!行くぞ、カレン!俺の誕生日プレゼントなど、それで構わんから付き合え!」

 

「それで良いの!?あんたのプレゼントそれで良いの!?」

 

「当然だ!行くぞ!」

 

「ちょ、ま、待ってよ!さっきから電話かかってきてんのよ!」

 

「電話とサプライズパーティーへの対策と、どっちが大切だ!」

 

「電話に決まってんでしょうが!良いから五分待ってよ」

 

そう言ってルルーシュから少し離れたカレンは電話を取る。ルルーシュが遠くから睨んでいるが、気にしない。

 

『カレンか。今大丈夫か?』

 

「扇さん。少しなら大丈夫ですけど、何かあったんですか?」

 

『驚くなよ。例の日が判明した。何と明後日だ」

 

「明後日!?そんな急に!?」

 

『ああ。だから今から皆で集まりたいんだが大丈夫そうか?』

 

「あ、うん、すぐには無理だけど、夜なら何とか」

 

『分かった。待ってるからな』

 

そう言うと、電話が切れる。それを確認してカレンはため息をはく。

 

(明後日…か。まさか、そんな急になるなんてね)

 

「おい、カレン!電話が終わったのなら急げ!」

 

遠くからルルーシュの怒鳴り声が聞こえて、カレンは現実に戻った。急いで、いつも通りの自分をイメージして、答える。

 

「わ、分かってるわよ」

 

「?まあ良い。行くぞ!」

 

その後、パーティーの時間ギリギリまでカレンはルルーシュと生徒会メンバーによって行われた訓練に参加することになったのだった。カレンにとっては、戦闘訓練よりも大変だったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、訓練の甲斐もあり、サプライズパーティーは見事に成功?した。

 

参加してくれた生徒会メンバーを見送ったルルーシュは、とりあえず終わったかと一息つく。しかし、そんなルルーシュの目にふとある人物が入ってきた。

 

「何だ、カレン。まだ帰ってなかったのか」

 

「あー…うん、まあ」

 

何ともはっきりしないカレンの態度がルルーシュには、奇妙に見えた。

 

何となくパーティーの前あたりから様子が変だと感じていたのだ。

 

「あのさ、ルルーシュ。変な事聞いて良い?」

 

「何だ?」

 

「私のこと…好き?」

 

「はあ?」

 

意味不明なカレンの質問にルルーシュは眉を顰める。ふざけるなと一蹴しようとしたが、余りにも真剣なカレンの様子を見て真面目に答えることにした。

 

「好きか嫌いで言えば嫌いではないが……一体何だこの質問は?」

 

「そっか。じゃあ、私のお母さんとお兄ちゃんは?」

 

「おい、俺の質問に「いいから、答えて」…仁美さんを嫌いになる理由がない。お前の兄に関しては分かるわけがないだろう。何せ、寝ている所しか見たことがないんだからな。これで満足か?」

 

「うん…私は、ルルーシュのことが好きよ。ナナリーも小夜子さんも。私がブリタニア人で好きになったのはあんたら兄妹が初めてでしょうね」

 

「急になんなんだ?」

 

その質問には答えず、カレンは寂しげに笑う。

 

「何でもない。ただ…もし…もし…ルルーシュや彰と会うのがもう少し早かったら…私がルルーシュや彰のことをもう少し嫌いになれてれば…別の道があったのかもしれないって…そう思うの」

 

「…カレン、本当にどうした?」

 

余りにも変な様子のカレンに流石のルルーシュも少し心配する。

 

しかしカレンは笑いながら質問には答えずに、ルルーシュの脇を通り過ぎ、玄関へと向かう。

 

「何でもないったら!じゃあ…またね」

 

「…ああ、またな」

 

問い詰めようかと思ったが、後日聞けば良いと判断してルルーシュはカレンを見送る。

 

この時の判断をルルーシュが後悔するのは、明後日のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次から原作です(原作通りとは言っていない)

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