ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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前半と後半のギャップが凄い


48 転校生の仕事は積極的に周りに声をかける事だと思う

「藤堂さん!部下に示しがつきません!桐島を今すぐに日本解放戦線から追放すべきです!」

 

頭が痛い。

 

朝比奈の話を側で聞いていて、卜部はそんなことを思っていた。

 

「落ち着け朝比奈。確かにアイツは問題行動も多いが、実力は確かだ。解放戦線に…いや、日本のためにあいつは必要だ」

 

「理由もハッキリ言わないで、女装して高校に潜入捜査する奴が必要だって言うんですか!」

 

それだけ聞けば、変態を擁護してるようにしか聞こえないなと卜部は思った。一緒に聞いている仙波さんも似たような気持ちだろう。千葉は…分からんなぁ。

 

藤堂もそう思ったのか、難しい顔をして押し黙る。

 

「それだけじゃありません!この間も勝手に銀行強盗をした上に、奪った金を無断で全額寄付するなんて独断専行以外の何物でもないでしょう!多少実力があるからって、そんなことを認めて良いと本当に思ってるんですか!?」

 

ぐうの音も出ない程の正論である。

 

色々彰から事情を聞いている卜部からしてみれば、色々弁解をしてやりたい気持ちもあるのだが、ここで卜部まで大っぴらに彰の肩を持つような発言をすれば後でしこりが残るし、何より朝比奈の言うことは疑いようもなく真実であるがために庇いようがない。本当に組織人としては失格の男である。

 

「…確かにな。では、今度私が直接アイツから事情を聞こう。この話はそれで終わりだ」

 

そう言って藤堂は逃げるように部屋から出ようとする。ぶっちゃけ問題の先送りでしかないのだが、藤堂にはそれが限界であった。

 

藤堂はあくまでも武人であり、こういう人間関係の問題を対処することには長けていないのだ。

 

当然、そんな説明で満足するはずもなく、朝比奈は藤堂の後を追いかけて文句を言っている。

 

その結果、部屋に残された他の四聖剣の三人の内の卜部と仙波は頭が痛いと倒れこむ。千葉はその二人の姿を見ながら淡々と言い放つ。

 

「全てあの馬鹿が撒きまくった種です。弁解の余地はありませんよ」

 

「…分かってるから頭が痛いんだろうが」

 

卜部と仙波とて、彰が原因の問題であると分かっている。とは言え、実力は認めているし、何より彰のことを気に入ってる二人からしたら、見捨てるなどという選択肢はあり得ない。

 

「千葉。お前も何か良い案を出してくれよ。アイツとは解放戦線の中でも一番長い付き合いだろ?」

 

「ええ、そうですね。つまり、それだけ私が一番アイツを殺したいと考えている期間が長いことになりますが」

 

言うと同時に千葉から殺気が溢れ出す。言う相手を間違えたと卜部は反省した。卜部から見ても、千葉とレイラだけは彰を殺しても罪には問われなくて良いのではないかと思っている。

 

「まあ、この問題は簡単には解決しまい…朝比奈の個人的な思いも絡んでいる問題だからな」

 

諦めたように言う仙波の言葉が全てを物語っていた。何かしたくても、ここにいる三人ではどうにもできない問題だと言うことだ。

 

「朝比奈の問題?どういうことですか?」

 

仙波の発言に疑問の声をあげる千葉。どうやらこの問題の根っこにあるものに千葉は気付いていないらしい。千葉が気付いていないということは、藤堂も彰も気付いていないだろう。

 

「「はあ…」」

 

卜部と仙波は同時にため息を吐く。本当にどうしたものかと頭を悩ませながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃話題の問題児は

 

「すいませーん、私は何処に座れば良いんですか?とりあえず、席がないならルルーシュ君の上に座っても良いですよ?」

 

相変わらず馬鹿なことを口走っていた。

 

周囲の生徒は、いきなりのルルーシュへの告白と大胆な発言に、戸惑いを隠せずにざわついていた。

 

その中でも、黙って見ているわけにはいかない生徒筆頭であるシャーリは、慌てて立ち上がった。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!良いわけないでしょ!?席なら他のところが空いてるんだから他のところに行きなさいよ!」

 

「えー、だってー、初めてのところって緊張するじゃないですかー。そういう時にはやっぱり知り合いの側の方が安心するんですよー。それにそもそも…何で貴方にそんなことを言われなきゃならないんですかー?彼女さんですか?違うなら口出しできる立場じゃないと思うんですけど?」

 

ルルーシュとカレンは、心の中でお前がそんなタマなわけあるか!と全力でツッコミを入れていたが、更に騒ぎが大きくなるのが明らかだったので黙っていた。

 

一方、シャーリーはイブの言葉に反論できなかった。確かに彼女でもない自分が口を出せる話ではない。なので、シャーリーはあくまでも一般論としての説得を試みる。

 

「そ、そうかもしれないけど、ほら、やっぱり転校生は知らない人と積極的に話しかける方が良いと思うの!ほら、スザク君の隣とかどう?スザク君も転校してきたばかりだし」

 

「えー、そうなんですかー?じゃあ、それでも良いですよー。どうせ、ルルーシュ君とはプライベートでも会いますし」

この言葉は嘘ではないが、果てしなく誤解を生む言葉なので、当然のようにシャーリーだけでなくリヴァルまで反応する。

 

「え!?プライベートでも会うような関係なの!?」

 

「おいルルーシュどういうことだよ!?前にあの子とは何でもないって言ってたじゃないか!」

 

リヴァルの言葉を受けて、周りの生徒も興味を惹かれる。

 

え?前から関わりあったの?どういう関係なの?と言った呟きが所々から聞こえてくる。

 

ルルーシュは頭の中でどうやってあの天災を黙らせ、周りの誤解を解こうかと自慢の頭脳をフル回転させるが、未だに答えは出ていなかった。

 

その隙をついて、イブはシャーリーの質問に顔を少し赤くしながら恥ずかしそうに答える。

 

「えー?ここで聞いちゃうんですかー?そうですねー、簡単に言えば…一緒にお風呂に入ったり、ルルーシュ君のベットで寝たりするような関係ですねー」

 

この言葉も嘘ではない。一緒に風呂に入ったことくらいはあるし、ルルーシュの家に泊まった時にルルーシュのベットで寝たこともある。もちろん、男同士なのだから特に問題があるわけでもない。

 

しかし、カレンとルルーシュを除いてそんなことを知らない周りの生徒は歓声と悲鳴を上げる。今まで黙っていたが、ルルーシュの親友として黙っていられなくなったスザクやBL団まで加わって、更に場はカオスの状態になる。

 

「ルルーシュ!カレンさんがいるのにどういうことだ!君は二股をしてたって言うのか!?何時からそんなフシダラな人間になった!」

 

「そ、そうだよ!ダメだよイブさん!ルルにはカレンっていう恋人がいるんだから!ねぇ、そうだよねカレン!ってアレ?」

 

スザクの言葉にシャーリーの心の中で希望が湧いた。そうだ。恋人であるカレンならば、自分と違ってイブさんを止める権利がある。

 

そう考えたシャーリーは、喋りながらカレンの席を見るが居なくなっていた。何処に行ったのだろうかと周囲を見渡すと、無言で教室から出ようとしていた。逃げようと思ったからである。

 

「え?あ、うん。良いんじゃないかしら。どうでも」

 

「いや、良くないよ!?どうしたのカレン!?彼女なんだからちゃんと言わなきゃダメだよ!」

 

「大丈夫よ、シャーリー。私は心広い系彼女だから。幾らルルーシュ君がその子とイチャイチャしてても一向に構わないわ。それじゃ、私はうなじツヤツヤ病にかかったから一年ほど休学するわ。というわけで皆さんさようなら」

 

「それ絶対にどうでも良い病だよね!?」

 

シャーリーの言葉も受け流して、カレンはこの場から去ろうとする。だが

 

「まあ、待て彼女」

 

「離してくれないかしら、彼氏」

 

その肩をルルーシュが掴んで止める。顔はにこやかだが、一人で逃げる事は許さないと言わんばかりに、普段のルルーシュには考えられないほどの力が込められている。火事場の馬鹿力とは良く言ったものだ。

 

そんなルルーシュにカレンも笑顔で応えているが、今すぐこの場から離脱したい思いで一杯である。

 

「彼氏が誘惑されてるんだぞ?彼女として庇って欲しいな」

 

「ルルーシュ君なら私が居なくても大丈夫よ。自信持って」

 

「いや、俺にはお前が必要だ。もうお前無しでは生きていられない。お前もずっと側にいると約束してくれただろう?」

 

「いやいや、確かに約束したけどアレはこういう意味のアレじゃないから。アレはそういうアレだから」

 

「いやいやいや、アレはそういうアレじゃないだろう。アレはこういうアレだろう。俺が言うんだ、間違いない」

 

そんな二人の会話を聞いていたイブは涙目になりながら二人の会話に加わった。

 

「やめて!私のために争わないで!」

 

「「お前(あんた)のせいで争ってるんだ(のよ)!!!!」」

 

余りに見当違いのイブの発言に二人は青筋を浮かべて怒鳴りつけるが、イブはその怒りを受けてハッとした顔になりすまなそうに答える。

 

「すいませーん。もしかしてルルーシュ君は私が上に座るのが嫌なんですか?私を下に座りたいんですか?でも、ルルーシュ君が良いならそれでも良いんですけどー、経験値がないルルーシュ君じゃ難しいと思いますよ?彼女のカレンさんで先に練習した方が良いんじゃないですかー?あ、ごめんなさーい。カレンさんもまだマサラタウンから一歩も出てない未経験者でしたねー。お互いがまだコラッタも倒してないんじゃ経験値何て持ってるわけないですよねー」

 

ぷぷっと笑いながら謝ってるのか喧嘩を売ってるのか分からないイブの発言に、ルルーシュとカレンの額に青筋が浮かぶ。

 

「ルルーシュ君。イブちゃんはどうやら自殺志願者みたいなの。私手伝ってあげても良いかしら」

 

「何だ、そうか。お前はそんなに死にたかったのか。早めに言ってくれれば良かったのに。喜んで手伝ってあげれば良いだろう。出来るだけ苦しめてから殺してあげろ」

 

色々とキレたカレンは諸悪の根源を殺そうと思い、笑顔で殺気を振りまきながら椅子を持ち上げる。自身の病弱設定は完全に忘れているようだ。

 

流石に黙って見ていた周りの生徒も慌てて止めに入る。

 

「いや、それはやりすぎじゃない!?落ち着いてカレン!!」

 

「ダメだよルルーシュ!二股がバレたからってそんなやり方は間違ってる!」

 

「ヤッて良いんじゃない?何故だかルルーシュとイブちゃんの組み合わせなら、許せる気がする」

 

「良い訳あるか!ニーナも黙ってないで止めろ!」

 

教室は完全にカオスと化した。そのカオスを担任教師が止められるはずもなく、今日は授業にならなかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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