ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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久しぶりの日常


78 格好つけるのは良いけど、過ぎると現実に追いつかせるのが難しい

「あーん。重いですぅ。リヴァルさん、ちょっとこの資料を運んでもらっても良いですか?」

 

「何だよイブちゃん任せろって!こういうのは男の仕事だ」

 

「ありがとうございますぅ。こういうことができる男の人って素敵ですよねぇ〜」

 

生徒会室でイブに褒められて顔を赤くしながら思いっきり照れているリヴァルを見てルルーシュは色々と思うことがあり過ぎて仕事を進めながらも顔を引きつらせていた。

 

流石に無視しきれなくなったルルーシュは、ちょっと来いとリヴァルを呼び出してイブに聞こえないようにルルーシュは話し始めた。

 

「リヴァル…一体、どういうつもりだ?」

 

「どうって何だよ?イブちゃんのサポートしてるだけだろ?…まさか、お前ルルーシュ!イブちゃんまで落とそうとしてるんじゃないだろうな!?ずるいぞ、お前ばっかり!」

 

リヴァルの頓珍漢な質問にルルーシュは頭が痛くなる。いやまあ、あれの中身がアレだと知らなければしょうがないのかもしれないが本能で危険を察知しても良さそうなものだが。

 

「安心しろ。100億%それはない。俺はただ、お前のためを思って言っているんだ。お前はイブに好意を持って接しているのか否か…どうなんだリヴァル!」

 

「お前オブラートに包めよ!?いやまあ、そりゃ、俺はあの人一筋だけどあんなに可愛い子に好かれるのは悪い気はしないというか何というか…」

 

顔を若干赤くしてもじもじ話をし出したリヴァルを見てルルーシュは天を仰いだ。あの人というのが誰かは分からないが、今はそれよりも重大なことがある。

 

ルルーシュはリヴァルの肩を掴んで目を見つめながら言葉を紡ぐ。その目は限りなく真剣そのものだった。

 

「そうか…なら友人として忠告しよう。リヴァル。アイツだけはやめておけ…お前の手に負える相手じゃない…」

 

「な、何だよそりゃ!!俺とじゃ釣り合わないってのかよ!自分ばっかりカレンさんみたいな良い子を捕まえたからって上目線できやがって!」

 

「そういう次元の話ではない!お前が世界一のイケメンだったとしても止めている!アレだけは止めておけ!」

 

「あの〜、すいませ〜ん。ちょっと良いですか?」

 

少しヒートアップしているルルーシュとリヴァルの会話を遮ったイブは二人の視線が自身に集まったことを確認してからスッと指を生徒会室の入り口に向ける。すると、そこには見覚えがない男子生徒が立っていた。

 

「お客さんですよ」

 

「あの…すいません。ランペルージ副会長にお尋ねしたいことがあるんですけど…」

 

おずおずといった感じで質問してくる男子生徒を見てとりあえず自身の知り合いではないと確信したルルーシュは何時もの副会長スマイルで対応することにした。

 

「何かな?恐らく君とは初対面だと思うんだけど、どんな質問だい?」

 

さりげなく椅子を示して座ることを促しながら説明するルルーシュに、男子生徒は感嘆の声を上げた。

 

「流石です副会長!そんな副会長だからこそ、お尋ねしたいんです!」

 

「だから、どんな質問だい?」

 

イブが用意した紅茶を口にしながら、尋ねるルルーシュは意外にも美味しいイブが淹れた紅茶を少しばかり味わっていたが

 

「カレンさんみたいな美人を落としたテクについてです!」

 

盛大に吹き出した。

 

何だその質問は?予想外にも程があるぞ。

 

ルルーシュの頭は意外すぎる質問にプチパニックを起こしていたが、イブとリヴァルは意外過ぎる質問にテンションが急上昇していた。

 

「あー。分かりますぅ。どうやってルルーシュ君がカレンさんを好きなように弄べる権利を手にしたのか気になりますよねぇ」

 

「だよな!思うよな!俺も実はずっと聞きたかったんだよ!どうやってルルーシュはカレンさんを落としたんだ!?」

 

自分を差し置いて勝手に盛り上がっている連中の声を聞いてルルーシュは頭が痛くなる。というか、一人は確実に知ってるだろ。お前が原因なんだから。

 

とは言え、そんなことを言うわけにもいかないルルーシュはコホンと先をしてから告げた。

 

「落としたとか、そんなんじゃないよ。気付けば一緒に居たってだけさ」

 

「で、でも!凄いです!カレンさんみたいな清楚なお嬢様みたいな人とそんな関係になれるなんて!」

 

清楚なお嬢様?アレ?誰のことだっけ?と一瞬本気でルルーシュは誰のことを言っているのか分からなかったが、直ぐに落ち着きを取り戻して返答した。

 

「ま、まあな。時の運というか何というか…そんなところだ」

 

「ああいう子って守ってあげたくなりますよねぇ。副会長はそう思いません?」

 

「いや、全く」

 

思わず素で返答してしまったルルーシュの回答に男子生徒とリヴァルが、え?と疑問の顔を浮かべるのを見てルルーシュは慌てて付け加えた。

 

「全くもって同感だ!なるなる!守ってあげたくなるよな!」

 

「ですよね!やっぱり、カレンさんって全身からそういうオーラ出てるからなぁ」

 

「たく、本当にあんな男の理想みたいな女の子捕まえて羨ましいぜ!よっ!色男」

 

相談に来た後輩とリヴァルの盛り上がりとは対照的に今度はルルーシュだけでなく、イブも一瞬とは言え顔を引きつらせた。中身を知っているが故の反応である。

 

この話を続けるのはあまり精神的によろしくないと考えたルルーシュは、話を変えようとズバリ本題を聞き出す。

 

「さあ、俺の話はもう良いだろう?それで何で君はそんなことを聞きに来たんだい?」

 

「あ、そうでした…実は、僕好きな人がいるんですけどどんな風に告白して良いのか分からなくて…それで経験豊富な副会長に相談に来たんです!」

 

(経験どころかマサラタウンから一歩も出てないけどな)

 

(黙れ!)

 

激しくルルーシュを勘違いしている発言に思うことがあったイブはチラリとルルーシュを見るが、その目で何を考えているのか分かったのかルルーシュもまた目で答える。ある意味無駄に仲が良い二人である。

 

とは言え、確かにイブの言う通りルルーシュに恋愛経験などない。当然告白したこともない。普段であれば、やんわりと適当なことを言って追い返すのだが…

 

再びチラリとイブを見る。

 

ニコニコと笑っている姿はルルーシュから見ても可愛いが、中身が悪魔だということをルルーシュは知っている。仮に…仮にルルーシュがこの質問に対して適当なことを言って誤魔化せば…

 

『えー。ルルーシュ君ってもしかしてちゃんと告白したことないんじゃないですかぁ?カレンさんと付き合ったのももしかしてカレンさんから告られるのを待ってたりとか?やだぁ。ルルーシュ君ダサすぎぃ』

 

(死に勝る屈辱!)

 

脳内で自分を見下したように嘲笑うイブを想像したルルーシュは怒りに震える。

 

(誰が恋愛経験のない頭でっかちの童貞だ!俺はそんな奴ではない!)

注:事実です

 

そんなことを言われる未来を避けるためにも、ルルーシュはしっかりとしたアドバイスをしなければならない。しかし、そんなアドバイスをできるような経験はルルーシュにはない。

 

ならば、残された手段は一つ

 

「甘えるな!」

 

何か良い感じのことを言って経験者を気取るしかない。誤魔化すのと大して変わってねぇ!

 

そう考えたルルーシュは目を広げて、机を叩きあたかも叱咤激励をしている副会長を演じる。効果はあったようでイブはともかく、相談に来た後輩だけでなくリヴァルも驚いている。

 

「アドバイス?人から貰った言葉で告白してどうする!お前にはお前の気持ちがあるはずだろう!」

 

「い、いや、それはそうなんですけど経験者からの言葉が欲しいというか」

 

「そんな言葉が相手に届くか!人が100人いれば100通りの告白がある!先日、俺がカレンに結婚を迫った時も俺は誰かにアドバイスなど求めていなかったぞ!」

 

「お前結婚迫ったの!?付き合ったばかりだろ!?」

 

「愛と時間は比例しない!常識に囚われるな!」

 

しかもサラリと限りなく嘘に近い真実を伝えてマウントを取ることも忘れない。まあ、確かに嘘ではないのだが。

 

「だからこそ!」

 

ルルーシュの発言に驚いていた後輩の肩を掴んでルルーシュは叫ぶ。

 

「お前はお前の告白を伝えることが大切なんだ!そうすればきっと相手に届く!俺はそう信じている!」

 

なお、ルルーシュは本当に信じているだけである。よって、この告白が失敗しようとも何も気にしないし、責任も取らないつもりだ。最低である。

 

しかし、そんなルルーシュの考えを知る由もない後輩は目を輝かせる。

 

「副会長…僕が間違ってました!自分の思いを告白してきます!」

 

勝った!ルルーシュは内心でニヤリと笑った。後は、この後輩の告白が成功しようが失敗しようが知ったことではない。俺は俺の役目を果たしたのだ。

 

そんなことを考えているルルーシュに、今まで黙っていたイブがニコリと笑いながら尋ねた。

 

「やっぱりルルーシュ君て凄いですね。そんなルルーシュ君が惚れたカレンさんってやっぱり素敵な方なんですね」

 

「当然だ。おしとやかだし、美人だし、文句のつけようがない」

 

「例えば?」

 

「…え?」

 

「だから、例えば?どんな所がおしとやかなんです?」

 

イブの質問にルルーシュの時間が止まる。ドンナトコロ?こんな難しい質問などルルーシュは人生で受けたことなどなかった。

 

ドンナトコロ…ルルーシュは頭脳をフル回転させながら何とか答えを絞り出そうとする。

 

5分後

「か、家族を大切にするところ?」

 

全身から冷や汗を流しながら何とか答えを絞り出したルルーシュにイブは笑顔で逃げ道を塞ぐ。

 

「それっておしとやかって関係ありますぅ?」

 

「か、関係あるだろ!ほら…アレだ!なぁ、そうだろ!」

 

答えに窮したルルーシュはリヴァルに何とか同意を求めようとするが、答えはすげないものだった。

 

「いや、関係ないだろ」

 

「僕も関係ないと思いますが…」

 

(この馬鹿どもが!…くそ!こうなったら、ギアスを…ダメだ!彰には既にギアスは使えない!)

 

それ以前に、そんなことでギアスを使われてはC.C.が可哀想過ぎるので止めてあげてくれ。

 

(どうする!?無いなどと言おうものなら、カレンの演技がバレる可能性がある…そんなことになれば…)

 

ルルーシュの冷や汗が彼の顎からポタリと落ちる。

 

(俺はカレンに殺される!)

 

自分の騎士にボコボコにされる未来を想定してルルーシュは青ざめる。

 

今更だけど敢えて言おう。

 

主人ってどっちだったけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今更ですけど、何でカレンってあんな雑な演技で本性がバレなかったんだろう

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