一話の量が少ないのもありますが、幾らなんでも脱線しすぎなのでは…と思いつつこの話も脱線…成田の出番は何時だ…!?
「どう考えても許されることじゃないと思うんです」
心底どうでも良い話を聞きながらC.C.はピザを食していた。
「…何がだ?」
「決まっているだろう。ルルーシュとシャーリーがデートに行った件についてだ」
一人でお気に入りの店でC.C.はピザを食べていたのだが、そこに偶然来た彰に見つかり二人で食事をすることになった。
別にそれは良いのだが、なぜ既に知っている話を再び聞かなくてはいけないのだろうか。
「何か問題があるのか?」
「あるに決まっている。奴にはカレンという彼女がいるんだぞ」
「主にお前のせいでな」
酷い言いがかりだと彰は思った。確かにあの事件に関して僅かばかりの関わりはある気がするが、あれは避けられない事故のようなものであり、必然に近いものだった。運命と言い換えても良い。その運命を自分のせいにされることなどあってはならないことだ。
「それについては異論しかないが、今はそれは良い。と言うか、別にシャーリーとデートに行くのも構わない」
「じゃあ、何が問題なんだ」
「問題なのは何故あのクズがそんなにモテるのかと言うことだ!」
彰はダンと机を強く叩いた。非常に迷惑行為だった。結果として、クズの連れだという誤った認識によって共に店から追い出された。慰謝料としてテイクアウトのピザを注文させた。歩き食いにシフトした。
「…他人に対して人当たりが良いからだろ」
「そんなことはない!俺は奴のネガティブキャンペーンに余念がない!奴の心象は底辺のはずだ!」
「お前そんなことやってたのか…」
確かに最近、学園で自分の妙な噂が飛び交っているとルルーシュが頭を悩ませていた。元凶の特定に時間がかかっているという話だったが、コイツが犯人だったとは。
「まあ、後はイケメンだからだろ」
「はい、出たよ結局それなんだよ!何を言っても結局それだ!リヴァルが可哀想だと思わないのか!?リヴァルに謝れよ!」
「そこでリヴァルを出したお前が謝れ」
「クソ!あの女タラシが!イケメンの面を刻んでやろうか」
「まあ、奴が女たらしなのに否定はないがお前も美女の知り合いは多いだろう」
「知り合いってだけじゃ意味ねぇんだよ!!と言うか、おかしいだろ!何でここまで色んな人と出会って色んな出来事あったのに恋愛フラグ立たねぇんだよ!仕事してんのか!」
「それに関して原因はお前だ。まあ、それで縁が切れてないのだから人タラシの才能はあるんじゃないか?」
そんな訳がない。この品行方正で何時も誰かのことを考えている自分に原因があるなど考えられない。反論しようとすると横から衝撃を感じると同時に持っていたバックを落としてしまった。
衝撃の原因たる黒髪のブリタニアの少女は尻餅を着くと、痛そうにしながらも素早く立ち上がりぶつかってしまった彰に謝罪をする。
「痛た…ごめんなさい、急いでるんです!では!」
そう言うとブリタニアの少女は落ちているバックを急いで拾ってそのまま走り去ってしまった。余りに早すぎて彰が文句を言う暇すら無かった。
「たく、何を急いでんだか…それに、こんな展開ならパンでも咥えてイベント発生の流れだろうが。全く、様式美というものを分かって…」
落ちているバックを肩にかけると妙な違和感を感じた。
「おい、どーした?」
「ん、いや、何か妙な違和感が」
よく見れば自分のバックと違うことに気が付いた。
「さっき、ぶつかった女とバック間違えたんじゃないか?」
「まあ、そうだろうな。しかし、こんな下手な…」
何か妙に重い気がする。というか、このバック越しの感触も合わせて嫌な予感が…
「…何か恋愛じゃないフラグ立ってないか?」
「おい、止めろ!余計なこと言うな」
カッチ、カッチ、カッチ
「…何か時計のような音がするんだが?」
「や、やだなぁ、C.C.さん。大きな時計なだけですって」
ピー爆発五分前
「…何か爆発とか言ってるんだが?」
「だ、だから冗談に決まってるじゃないですかー。ほら、バックの中開けてみたら普通の時計が」
普通のダイナマイトが入っていた。
「…何かダイナマイトに見えるんだが?」
「ですねぇ」
彰とC.C.は顔を見合わせる。
「じゃあ、私はこれで」
「待てコラぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!この状況で何処行く気だ!?」
無関係を装い、自分だけ逃げようとするC.C.を彰は掴んで止めた。コイツだけ逃げるなど絶対に許さなかった。こうなってしまっては絶対に道連れにしてやるという彰の決意がそこにはあった。
「話しかけるな。知り合いだと思われる」
「知り合いどころじゃないもんなぁ。捕まってる所を助けた恩人だもんなぁ」
「助けた後に殺すような奴に言うお礼などない」
ピー爆発1分前
「おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!マジで時間ねぇぞ、どうすんだこれ!?」
「だからとりあえず私を離せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!私を掴んでたって何もならんだろぉぉぉぉぉぉ!!」
「お前が爆弾持って逃げれば良いだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!不死の魔女なんだろ!?ここでその設定活かさないでどうすんだ!!」
「不死だろうが痛いのは嫌だと何度言えば分かるんだこのクズ!と言うか設定とか言うな!事実なんだからなコレは!」
「おい、お前ら何をやってるんだ」
何やら街の真ん中でふざけているイレブンと緑色の髪をした女という目立ちすぎる組み合わせの二人に警官が声をかける。
「イレブンの分際で道の真ん中で騒ぎやがって。逮捕してやろうか!」
「うるせぇ、この税金泥棒が!今はそれどころじゃねぇんだよ!」
「な、何だその口の聞き方は!イレブンの分際でこんな良いバック待ちやがって!寄越せ」
「「あ」」
半ギレになった警察は彰の手からバックを奪い取るが勢い余ってそれは空中へと放り出される。
その次の瞬間、そのバックは空中で盛大に爆発した。
盛大な爆音の後、無音が辺りを支配するが、爆発に腰を抜かした警官も辺りのブリタニア人も全員が爆発の中心部にいた彰とC.C.をじっと見ている。
彰とC.C.は冷や汗が止まらなかった。今回に限っては自分達の非は間違いなく存在せず、真実を知れば誰に聞いても自分達が悪いとは言わないと思うのだがそんな事実など誰も真実だと思ってくれる気がしなかった。
結果
無言で彰とC.C.は全速力でその場から逃走した。
「テ、テロリストだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
未だに腰を抜かしている警官がそう叫ぶが二人はそれを完全に無視して走り続ける。
「あのブリタニアのクソガキがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!何つう物持ち歩いてんだ!」
「それよりお前だ!何で私を巻き込んだ!?私は無関係だ!」
「俺だって無関係だ!善良な一市民だ!」
「元々テロリストだろうが!」
「二人とも、こっちこっち!来てください」
走り続けながら責任を押しつけ続ける二人に声をかける少女がいた。というか、その少女はどう見ても先程のバックを持ち歩いていた少女にしか見えず
「「こっちこっち…じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」」
「ギャロップ!」
彰とC.C.の二人に盛大な蹴りをぶちかまされた少女は見事に吹き飛ばされる。
二人は吹き飛ばされた少女の元にキレ気味の笑顔で近づき、指を鳴らす。
「いやあ、コレはあれですね、ボコにするしかないですよねぇC.C.さん」
「当然だな。今日の私は盛大に機嫌が悪い。喜べ。最大級のトラウマを思い出させてやろう」
「巻き込んだことしまったことは申し訳ありません…ですが、私にはやらなければいけないことがあるんです」
申し訳ない顔を見せつつも、ブリタニア人の少女の目には決死の覚悟のようなものが見えた。
「爆弾持ってやらなきゃいけないことって何?貴方、テロリストか何かですか?」
「テロリスト何かじゃありません!私はブリタニアを駆逐したいだけです!この世から」
その覚悟の奥にあるのは憎悪だろう。彰もC.C.もこのような目は過去に幾度となく見てきた。憎悪にも種類があり、様々な人間が様々な理由で激らせるものだがそんな目をした人間は総じてこう呼ばれる
「徹底的に!」
復讐者と。
さらっと狂犬ちゃん登場