ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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狂犬ちゃんはステータスが高過ぎて使いずらかったんですけど、使わざるを得なかった…キャラが良過ぎる。

なお、ステータスは実際よりも落とす予定です。流石にカレン並みのナイトメアの腕あったら強過ぎるので四聖剣くらいです。まあ、充分に強いですが。




89 人を見た目で判断すると後悔することが多い

「はい、C.C.さん、ちょっと集合〜!」

 

「え?」

 

決死の覚悟を決めた表情で話をしようとした女の子は予想外の彰の言葉で素っ頓狂な声を上げた。

 

「おい、やべぇよ、駆逐とか言い出しちゃってるよ。何あのエレン・イェーガー」

 

「ラスボス系主人公の匂いするな。始祖の巨人でも秘めてるんじゃないのか?」

 

「おいおい勘弁してくれよ。ウチにはただでさえメンタル激弱のラスボス系主人公が一人いるんだよ?これ以上は対処し切れねぇよ、許容範囲超えてんだよ」

 

「あ、あのー、ちょっと?何の話をしてるんですか?」

 

「あ、ああ、すまん、ちょっと確認しててな」

 

呼ばれた彰とC.C.はコホンと咳払いをしながら女の子の側に近寄る。

 

「君の話を聞く前に確認したいことがあるんだが良いか?」

 

「あ、はい。何でしょう?」

 

「君って幼い頃に父親から謎の注射打たれたことない?」

 

「ありません」

 

迷いの無い断定だった。しかし、まだ安心できない。記憶を失っている可能性がある。

 

「アッカーマン系の幼馴染は居ないか?」

 

「アッカーマン系って何ですか?いや、というより幼馴染が居ませんが…」

 

不思議そうな顔をしている少女に彰とC.C.は懸念を深める。こんな大人しそうな顔をして中身は世界を滅ぼそうとする主人公の可能性がある。油断などして良いわけがなかった。

 

「誰かにマフラー巻いてあげた経験ないか?」

 

「生きてれば一度くらいはありますよ…というかさっきから一体何の質問なんですか?」

 

先程からの質問に懸念を深めている少女を見て二人は冷や汗を浮かべる。このままでは壁の中の巨人が動き出すかもしれない。

 

「なあ、エレン」

 

「誰ですかエレンって」

 

どうやら名前を忘れているらしい。

 

「君の名前だよ」

 

「私はマーヤ・ディゼルって言うんですけど…」

 

「そうか、分かったよ。で、エレン、君は爆弾を持って何をする気だったんだ?」

 

「いや、何も分かってないですよね?何で名前言ってるのに呼んでくれないんですか」

 

「偽りの名前を呼ぶ気はないんだ」

 

「生まれてからこの名前なんですけど!?」

 

納得し難いのか異常に反発してくる。これ以上刺激するのは世界のために危険かもしれない。

 

「冗談だよ、マーヤ。で?何でマーヤは爆弾なんて持ってたんだ?」

 

「その前に約束してください。今から話すことは誰にも言わないでください」

 

「大丈夫だ。俺は生まれてから約束を破ったことがない」

 

生まれてから約束を破ってしかいない男が何か言っていた。こいつ嘘しかない世界で生きてるなとC.C.は思った。

 

「良かった…では、巻き込んでしまった以上話します。実は…」

 

マーヤは、最初に自分の過去について話し始めた。

 

7年前のブリタニア侵攻時に両親が殺されたこと。

 

その際に両親の知り合いに養子として拾われたこと。

 

現在ブリタニア人として暮らしており、何不自由ない生活を送っていること。それが耐えられないこと。

 

先日のシンジュクゲットーへの攻撃で大切だった子供達が殺されたこと。

 

彼女の話を纏めると上記の通りだった。

 

「なるほどな…母親が殺されてしまったから調査兵団に入りたいと」

 

「いや、誰も言ってませんよね!?黒の騎士団に入りたいって言ってるんです!」

 

「いやいや、無理だよ。黒の騎士団って正義の味方だよ?お前さんはブリタニア人を駆逐したいんじゃないの?できないじゃん」

 

「ブリタニアを滅ぼせるなら構いません」

 

「一々、発想が狂気なんだよ」

 

改めて言うところによると、どうやらブリタニアとブリタニア軍人は駆逐したいが別にブリタニア人そのものを駆逐したい訳ではないらしい。まあ、ならギリギリ黒の騎士団に入りたいって気持ちは分からなくもない。発想は大分、物騒だけど。

 

しかし、となると疑問が生じてくる。

 

「今の話と爆弾が結びつかないんだが?」

 

「あの爆弾はそもそも人気のない場所で爆発させる気だったんです」

 

「何の目的で?」

 

「ブリタニア軍人の頸を狩りたいんです」

 

「はい、ストップ」

 

おかしい、今、急に話がワープ進化した。アグモンが進化してグレイモンになるかと思ったらスカルグレイモンになった気分だった。どうしてこうなった?誰がこの娘を暗黒進化させたんだ?やはり、エレンは頸を取らないと気が済まないのか?

 

「と、とりあえず落ち着きましょう。今の話から何でブリタニア軍人の頸をとることに繋がるんですか?」

 

未知への恐怖から思わず敬語になってしまった。

 

「今の私が黒の騎士団に普通の方法で入れると思えないからです」

 

「ハーフだから?」

 

「それもありますが年齢もあります。私だってブリタニアの学生が入団したいとやって来たら追い返すと思いますし」

 

変なところで冷静である。

 

「その保険としてブリタニア軍人の首だと」

 

「はい。爆発で誘き寄せて影から奇襲するつもりでした。とりあえず、10人程首を取ってそれを見せれば私の真剣さが伝わると思ったんですけど…足りないでしょうか?」

 

「いや、俺に聞かれても…」

 

真顔で首を傾げる少女に彰は冷や汗を浮かべている。隣で聞いているC.C.も同様だ。考え方は悪くない。行き当たりばったりで行動する連中と比べれば遥かに頭は良いのだろう。それは認めざるを得ない。だが…

 

((方法がマッド………))

 

問題の特定まではマトモなのに、その問題の解決策が猟奇的すぎる。特に表情を変えずに、淡々と伝えていることが尚更恐怖を増大させた。二人はブリタニアの支配が生んだ闇の集合体を見た思いだった。とんだアポカリモンがいたものだ。

 

「ま、まあ、理由は分かったよ。お前にも事情があるようだし私を巻き込んだことは許してやるとしよう」

 

寛大な処置に見えるが彰はC.C.がこの少女に結構ドン引きしているのを感じていた。

 

「ありがとうございます。お二人がブリタニアに私のことを告げ口しないでくれて良かった」

 

「まあ、俺日本人だしな。言ったところで信じてくれないだろ」

 

「既得権益というものが嫌いなんだ。奴等の得になることはしたくない」

 

「本当に良かった。これを使わずに済んで安心しました」

 

そう言うとマーヤはほっと息を吐き、服の中に隠し持っていた箱を取り出した。彰とC.C.は冷や汗が止まらなかった。確かめたくなかったが、確かめざるを得ない。

 

「あの…マーヤさん…これは?」

 

「ダイナマイトです。私のことを話されて捕まるくらいなら自死を選ぶしかないと考えていましたので」

 

「すいませーん、お巡りさーん!ここに心の闇が深過ぎる少女がいるので助けてくださーい!」

 

「おい、馬鹿やめろ!爆発されるぞ!」

 

思わず全力で助けを呼ぶ彰をC.C.は止める。最悪爆発されても自分だけは助かるのでまだ余裕があったためだ。結構、酷い。

 

「おいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!何だよ、このガワがギャルゲーのヒロインで中身は進撃の世界の住人!エレンよりもエレンしちゃってるじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「な、何ですか急に!何かおかしなこと言いましたか?」

 

「自分が狂ってることに気付いてないよこの娘!!知らない間にブリタニア滅ぼすのに心臓どころか身体全部捧げてるよ!」

 

ブリタニアを殺すためなら自分の身すら全く考慮しない狂戦士を見た思いだった。どういう生活を過ごしていたらこうなるのだろうか?最早、ここまでいくと実験対象として扱わなければならないレベルだ。

 

「お前はよぉ、とにかくブリタニアを滅ぼすこと以外にも人生の価値を見出すべきだ」

 

「私はこのまま卑怯者の自分では居たくないんです!私の目的を叶える最適の手段が黒の騎士団に入団することだと思ってます!そのためならどんな手段も取る覚悟です」

 

「だからって自害までするのかよ…何処の時代の人だお前は…」

 

危ういにも程がある考えだった。このまま放っておけば近い将来何かしらの事件を起こすだろう。その結果によっては予期しない事態を引き起こす可能性もあった。

 

そう考えた彰はすっとC.C.のことを指差して告げた。

 

「俺は違うが、コイツは黒の騎士団の関係者でな。コイツに頼めば黒の騎士団への入団の推薦をしてくれる可能性がある」

 

C.C.が驚愕の表情を浮かべた後、睨みつけてくるが意図的に無視する。

 

「…本当ですか?」

 

信じていない目つきだ。流石はエレンだ。仲間以外のことは信じていないらしい。現状コイツに仲間のような存在は居ないようだが。そう聞くと悲しい人間に聞こえるがこの場合危険なのは他の人間達だ。守る人間が居ないエレンなど不発弾より遥かに危険である。

 

「信じられない気持ちは分かるが本当だ。後はコイツに聞いてみると良い。じゃあ、俺はこの辺で」

 

「おい待て、クズ」

 

逃げようとした彰の頭をC.C.が後ろから踏みつける。見事な踏み込みだった。慣れ親しんでいるとしか思えない行為だが、人の頭を踏むという行為に慣れ親しんでいるのは人としてどうなのだろうか。

 

「始祖の面倒を私と黒の騎士団に押し付けるな」

 

「仕方ねぇだろ、日本解放戦線にハーフが入れるわけねぇんだよ。黒の騎士団は正義の味方だろ?だったら何とかするのが役目だろ」

 

「正義の味方と関係ないぞ」

 

「あるだろ。このままじゃ何をするかわかんないよ?地ならし起こしちゃうもしれないよ?」

 

彰の言うことは責任逃れも甚だしいが一理あると考えたC.C.は頭を悩ませる。正直、これ以上ボケキャラを周囲に増やすのは真っ平ゴメンだった。このままでは自分への被害が拡大する可能性が高い。

 

しかし、このまま放っておいたところでこれは解決する問題なのだろうか?答えは否だ。遅かれ早かれ、ボケは勢いを増して自分へと迫ってくるだろう。

 

C.C.はこめかみを抑えた。何故こうなってしまったのだ。前兆は無かったのか?本来、自分はこんなことで頭を悩ますようなキャラでは無かったはずだ。

 

「やむを得ん…採用試験を受けてもらうか」

 

「本当ですか!?」

 

マーヤは希望に目を輝かせている。対してC.C.の眼は死んでいた。

 

「本当だ…今から採用担当を呼ぶから少し待て」

 

「お前、連絡先知ってんの?」

 

「アイツに家でダラダラしてるくらいなら手伝えと言われてな。渋々手伝っているせいで覚えたよ」

 

チーズ君を人質に取られた交渉だった。脅迫と言い換えても良い。断る選択肢は無かった。

 

C.C.は何やら電話をかけると要件だけ伝えて電話を切った。

 

「事情は伝えた。では、行くぞ。試験内容については歩きながら説明する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




シャーリーがルルーシュをデートに誘った時の話

シャリ「ルル!あのね…今度の休み…二人で出かけない?」ドキドキ

ルル「今度の休み…?ああ、いいよ」アッサリ

シャリ「本当に!?良いの!?」驚愕

ルル「ああ、特に予定もないしな」黒の騎士団の予定とナナリーとの予定

シャリ「でもあの…カレンに確認とかしないで良いの?」アッサリ過ぎて不安

ルル「何故確認する必要があるんだ?」

シャリ「彼女だからだよ!」

ルル「最近思うんだが彼女って何だろうな」遠い目

シャリ「哲学!?」


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