ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

96 / 127
少し久しぶりの投稿。
映画見て久しぶりにテンション上がりましたわ!

何とかして映画のキャラ出したいけど、どうやって出すかは考え中…


96 自分の価値ってのは相対的なもの。相手によって変わるんだよ

窓はないが、通常生活を送るには何の問題もない牢屋に押し込められた彰は三時間ほど時を経て目を覚ました。

 

現状把握をかねて周囲を見渡し、脱出が不可能であることを悟ってため息を吐く。暫く項垂れていたが、顔を上げると目の前にいた男ーアキトーをジト目で見る。

 

「出しちゃくれませんかねぇ、ロリト君よぉ。君の主人のヤンデレっぷりに付き合ってるほど暇じゃないんですけどぉ?」

 

「それだけ喋れれば問題ないな。安心しろ。3食付きの牢屋だ。黙っていれば、1週間ほどで出られる」

 

「1週間…ねぇ。随分、具体的じゃないですかぁ?」

 

ガリガリと彰は頭を掻く。妙に具体的な数字だ。しかもどうにもその数字に自信も感じられる。何故、そんなに自信があるのか…など問わずとも答えなど一つだ。

 

「テメェら…俺たち日本解放戦線を売ったな?」

 

アキトは目を瞑ったまま答えない。しかし、その沈黙が一つの答えだ。

 

「答えろよロリト。売ったのはキョウトの老害どもの中の誰だ?」

 

その彰の問いにアキトが答えるよりも前に、アキトの隣にあったこの部屋の唯一の出入り口である扉が開く。そこから出てきた老人は面白いものを見たかのように顎を触りながら口を開く。

 

「カカカ。そこにかぐや様を出さないとは随分と優しいのぉ、彰。馴染みの人間には甘いか?」

 

「あんなロリと馴染みになった覚えはねぇなぁ、桐原のジジイ…黒幕はテメェか?」

 

「ワシだけではない。キョウトの総意よ。かぐや様も含めてな」

 

ただ、お前を監禁したのはかぐや様の発案だとどうでも良い情報を捕捉してくるが、発案者などこの際どうでも良い。

 

「止めようと思えばいくらでも止められたろうが。幼女のせいにしてんじゃねぇよ」

 

「まあ、それは否定せんな」

 

否定などしたことで意味がないことを知っている桐原は平然と彰の答えを肯定する。桐原の言葉を聞いた彰は内心でルルーシュの言葉を思い出して舌打ちを打つ。

 

『精々、気をつけるんだな』

 

あの言葉の意味を今更ながらに悟ったが、今更知ってもどうにもならない。

 

「過保護なこったな」

 

吐き捨てるように言い放つ。この状態で彰を期間限定で監禁することで生じるメリットなど一つしかない。

 

「まさか、あのキョウト様に守っていただけるとは思いもしなかったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、ルルーシュ。彰に連絡しなくて良いの?」

 

「何でそんなことをする必要がある?」

 

「何でって…ブリタニアが解放戦線を攻撃するって情報があるんじゃなかったの?」

 

秘密の作戦行動中ー黒の騎士団の中でカレンだけはルルーシュから聞いて作戦の内容を知っていたがールルーシュとC.C.だけになるタイミングを見計らってカレンは気になっていたことを尋ねた。

 

「あるが、それがどうした?」

 

「どうしたってアンタ…」

 

微妙な顔をしているカレンにルルーシュはため息を吐く。カレンのこういう性格を知ってはいるのだが、知ってはいるからこそ甘いと言わざるを得ない。

 

「何度も言わせるな。お前がアイツとプライベートで仲が良いとしてもそれを此処に持ち込んでくるな。アイツは敵ではないかもしれんが、仲間ではない。言わない情報などあって当然だろう」

 

「そりゃ、そうかもしれないけどでもさ…」

 

要は彰が心配なのだろう。ルルーシュからすれば、あんなのを心配するだけ時間の無駄だと思うのだがカレンはそうではないのだ。

 

「それに今のアイツに何を言ったところで何もできん。どうせ捕獲されているだろうしな」

 

「そうよね…ん?アンタ、今何て言った?」

 

反射で同意してしまったが、今この男は妙なことを言わなかったか?」

 

「捕まったと言ったんだ。藤堂や四聖剣もキョウトに呼ばれているようだから、確実だな」

 

「はあ!?」

 

あっさりと当たり前のことのように曰うルルーシュにカレンは驚きすぎて少し裏声になった声を上げるが、ルルーシュからすれば至極当たり前の結果だ。

 

「彰や四聖剣だけじゃない。他にも有力な連中は何らかの理由をつけて、全員ナリタから離れさせているはずだ。これから起こる戦い…いや、最早虐殺だろうな。それによる無駄死にをさせないために」

 

「何なのよそれ!?だったら、キョウトが解放戦線に教えてやれば良いじゃない!」

 

「教えることはない。教えたら今度はキョウトが危ないからな」

 

この解放戦線潰しはアッサリキョウトに知られた…あのコーネリアが…だ。クロヴィスならともかく、コーネリアならあり得ない。情報管理など作戦の基本中の基本。にも関わらず作戦はあっさりと露呈された。ギアスを使っているルルーシュはともかく、キョウトもあっさりと情報を得ているのはどう考えてもおかしい。つまり、これは作戦の元情報がばら撒かれているということだ。今回の侵攻作戦の情報をキョウトに繋がっていると思われる者たちに限定的に流されている。

 

「恐らく、今度の作戦の本当の狙いはキョウト…解放戦線はそのついでだ」

 

所在地が判明しており、力で叩き潰せばそれで良い解放戦線よりも影で暗躍するキョウトの方がコーネリアにとっては目障りな存在だ。だからこそ、解放戦線を餌にキョウトを釣り上げようとしている。

 

仮にキョウトが解放戦線を助けなくとも解放戦線を潰せるので損はない。助けたとしたら尚良しの二段構え。コーネリアなら見ればどちらでも構わない結果だ。

 

そして、そこまでしてキョウトが解放戦線を助ける理由はない。自らの身が危なくなるような真似をキョウトの老人達が許容するわけもない。今回の彰や藤堂、四聖剣の隔離が最大限の横槍だろう。

 

ルルーシュの説明で如何に今の解放戦線が危険かを悟ったカレンは神妙な顔になる。

 

「確か、かぐや様って彰と顔馴染みだっけ…友達を守るためにかぐや様はそんなことを…」

 

「そんなわけないだろう」

 

そんなおセンチな理由でキョウトが動くはずがない。顔見知りなのは本当の様なので、その理由も無いわけではないのかもしれないが、主軸は別にある。

 

「じゃあ、どんな理由なのよ?」

 

首を傾げてルルーシュの答えを待つカレンを見て、ルルーシュは思った。コイツ、自分で考える気がないなと。

 

「自分で考えろ」

 

「…え?」

 

予想外の言葉に停止するカレンを放置してルルーシュは自分の仕事を進めようと外に出るための準備を始める。今から行うハイキングはこれまでの作戦とはレベルが違う。しなければいけないことは山のように存在する。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!何でよいきなり!?」

 

「お前が何でも俺に聞くからだろう?ヒントは与えてある。後は自分で考えてみろ」

 

良い練習だと言うルルーシュに、役割だの何だのカレンは答える。しかし、これは誤解していると言わざるを得ない。

 

「お前に求めるものは戦闘能力だけの訳じゃない。それも無くては困るが、今後、隊長になった際にはある程度現場の判断をしてもらう必要がある。何でもかんでも俺に聞くな」

 

「…私って隊長になるの…?」

 

「ああ。今後は親衛隊長になってもらうつもりだ」

 

「…初めて聞いたんだけど?」

 

「言ってないからな」

 

そもそも、現状の黒の騎士団に隊長などという役職は存在しない。全てゼロであるルルーシュのトップダウンによる指示のもと決定されるのでそれ以外の役職など不要である。

 

しかし、今後人数が増えていき組織と呼べるほどの規模になった場合、ルルーシュ一人で全て回すことなど不可能だ。

 

だとすれば、役職を作り権限を分散すること自体は至って尤もな考えだ。

 

しかし、その場合問題が生じてくる。

 

「…扇さん達には?」

 

「言っていない。言う必要もないからな」

 

「…ギアスをかけて私にも言ってないことにしてくれない?」

 

「何を言ってるんだお前は」

 

馬鹿なことを言うなと呆れ顔のルルーシュだが、カレンからすれば至って本気だ。そして、実のところルルーシュもその原因について思い当たることがあるのだがこの問題に限ってはルルーシュが手を出すわけにはいかない。下手をすれば藪蛇になる。

 

カレンもそれをわかっているため、ルルーシュに相談することはしない。そもそも、ルルーシュが如何に大変か1番側で見ているため、これ以上負担を増やすこともしたくなかった。

 

ルルーシュのカレンに対する特別扱いには一部から不平不満が上がっている。中にはゼロの愛人だの恋人などというぶっ飛んだ意見もあると扇から聞いた時は思わず吹き出してしまった。嘘から出た真とはこのことである。

 

そんな状態でまたカレンにだけ今後のことを教えたとなれば玉城辺りは絶対に黙っていない。玉城が文句を言うことで、周囲の不満が減る効果はあるし、玉城だけ不満を言っている状態であれば扇や井上などだけで十分対処可能なので大きな問題にはなっていないのが救いではあるのだが。

 

「俺はこの後の作戦を扇と井上には話を通しておく。カレンはその間に考えておけ。ヒントならC.C.に聞け」

 

「おい。私は手伝うなど言っていないぞ」

 

「確か最近ピザの新商品が出たらしいな」

 

突然、巻き込まれたC.C.は抗議の声をあげるがルルーシュの半分脅迫のような発言に推し黙る。新商品とカレンの手伝いであれば、カレンの手伝いが勝ったようだ。

 

この女はやる気がないだけで、そこそこ鋭い上に抜け目がない。先程の話は加わらなかっただけで聞いていただろうし、キョウトと自分たちの関係から正解に答えを導き出すことは容易いだろう。

 

そこまで考えたルルーシュは後ろを振り返ることなく部屋を出ていく。モタモタしていてはあの女二人の文句が次々と出てくるに違いない。

 

(さて、ここまでは予想通りの流れだが…)

 

一人になったルルーシュは歩きながら改めて今後の作戦を思い浮かべる。カレンには言わなかったが、ルルーシュの作戦としてはコーネリアに解放戦線を潰してもらった方が都合が良い。むしろ、積極的に後押ししたいほどだ。その邪魔にしかならない彰と四聖剣を隔離してくれたキョウトには感謝しかない。しかし、そのルルーシュの戦略を読んだものが彰以外に存在するとは思わなかった。

 

(皇かぐや…彰が苦手というだけはある…)

 

ルルーシュがキョウトを利用したように、かぐやはルルーシュを利用しようとしている。勿論、ルルーシュも利用されるつもりはないが今回に限っては大人しく利用された方が得策だろう。

 

「だが、最後に笑うのは俺だ」

 

コーネリアにキョウト、かぐやにルルーシュと様々なプレーヤーの作戦が交錯する中、ナリタの侵攻作戦が動き出した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。