ちょっと?変わったコードギアス   作:はないちもんめ

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映画の勢いのまま投稿!


97 緊急事態には命大事にを忘れるな!とにかく逃げろ!

 

「お前、いきなり正体不明の存在が現れてそいつを信じるか?」

 

ルルーシュに依頼されたカレンへの講義はC.C.の問いかけから始まった。

 

「何なのよいきなり…信じるわけないでしょ」

 

「当然だな」

 

カレンの返答にC.C.は同意する。

 

「じゃあ、ゼロに対するキョウトの心象も分かるだろう?」

 

「…まあ、なんだコイツ?とは思うでしょうねあんな不審者」

 

黒い服に謎の仮面をつけた全てが謎の存在。カレンから見ても不審者以外の何者でもないだろう。

 

「そうだ。目的も経歴も不明な存在を信じることは難しい…というより信じる方がどうかしている」

 

「言っとくけど、アンタそれ盛大なブーメランだからね」

 

カレンは目の前の目的と経歴どころか人類かどうかすら疑わしい存在をジト目で見る。

 

そんなカレンの言葉を無視してC.C.は続ける。

 

「だが結果を残し続けているのであれば、ある程度は信じなければいけない。解放戦線が無くなるのなら尚更な」

 

「代わりがいないものね…ん?」

 

自分で言ってカレンは違和感を覚えた。代わりはいない…本当にそうか?いるのではないか?他の諸々の不確定要素を除いたら仮面の不審者…ゼロに成り代われる人間が。

 

「もしかしてキョウトは…彰をゼロの保険にしたがってる?」

 

「恐らくな」

 

「無理でしょ」

 

カレンは即答で断言した。能力以前に人間性に問題がありすぎる。ゼロがいきなり奇行に走ったら団員たちとて気づくだろう。

 

「資質があるだけマシだろう。そもそも英雄に人間性を求めることが間違っている」

 

「いや、限度ってもんがあるわよ」

 

「保険だから構わないのだろう。彰がゼロの代わりになる必要がない可能性だってあるわけだしな」

 

何より代替案がない。ルルーシュの代わりになりうる存在など候補だけでもごく僅かだろう。

 

「だからキョウトとしては彰を負け戦で失うわけにはいかない。死んだら保険が居なくなるからな」

 

「見直ししなさいよそんな保険…」

 

ともあれ、事情は分かった。そういうことであれば、彰は無事ではあるのだろう。こちらではどうしようもない以上、後はこちらの問題に集中しなければいけない。黒の騎士団始まって以来の大勝負だ。しかし、その前に既に憂鬱のことがある。

 

想像してカレンは頭を抱える。

 

「ナリタのこと絶対揉めるわよね…」

 

「始まる前からわかるな」

 

「アイツは絶対に碌な説明しないだろうし…ああ、もう!間に立たなきゃいけない私の気持ちも考えてよ!」

 

「私に当たるな」

 

吠えるカレンにC.C.は渋い顔をする。とはいえ、C.C.以外に文句を言う相手がいないカレンはC.C.に当たるしかない。

 

ナイトメアに乗ってる方がよっぽど気楽だとカレンは思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーキョウトー

 

「俺がアイツの代わりなんてできるわけねーだろ」

 

彰はキョウトが自分を監禁する理由を推測し、その考えを否定する。

 

そもそもキョウトはわかっているのだろうか。ゼロはルルーシュは完全なる化け物だ。化け物は代わりがいないからこそ、化け物なのだ。代わりなどいるはずがない。

 

逆にルルーシュも彰の代わりなどできない。人間性を除いても、ルルーシュは彰の戦闘力など待ち合わせていないのだから。

 

「それくらい分かっておるわ。だが、儂が知り得る限りではお主が1番可能性が高い。まだお主がゼロの可能性も捨てきっておらんしのぅ」

 

「それはマジでやめろ!」

 

あんなシスコンと同一視されるなど真っ平だ。最大の侮辱だった。

 

「じゃあ、ゼロにコンタクト取ってみろよ。絶対通じるからよ」

 

「お主なら影武者くらい用意しとるじゃろ?都合が良いことに仮面じゃから、お主のような変装技能がなくても成り代わるのは容易じゃしのう…やはり、お前さんがゼロじゃろ?」

 

「違うと言ってんだろうがジジイ!」

 

「カミングアウトするなら今じゃぞ?今がギリギリじゃ。後でネタバラシしてもシラケて終わる。ほら、お小遣いあげるから」

 

「舐めんなジジイ!俺がその程度で揺れ動くと思ってんのか!まあ、聞くだけ聞いてやるけど!幾らくれんだよ!」

 

「いや、ブレてるだろう。揺れ動きまくってるだろう」

 

「勘違いすんなよロリト!揺れ動いてねぇから!不動のスタンス取ってるから!」

 

「カカカ。相変わらずじゃのう。変わりがなくて安心したわい」

 

「変わりはありまくってんだよジジイ。解放戦線に余計な手を出しやがって」

 

「ほう?何のことじゃ?」

 

「とぼけんなジジイ。片瀬さん殺ったのはアンタだろ」

 

彰の質問に桐原は全く表情の変化を見せない。側から見たら彰が見当違いのことを言っているとしか思わないだろうが、彰は違う。桐原のタヌキっぷりを知り尽くしている。

 

「おお、片瀬は自害したようじゃな。悲しいことじゃ」

 

「良く言うぜ。お陰で日本解放戦線はガタガタだ」

 

「それは元からじゃろう。片瀬のことは関係ない。それに…もし片瀬がお主の言葉を聞いていれば片瀬が自殺することもなかったかもしれんしのう」

 

彰は片瀬に助言していた。何を置いても逃げろと。しかし、片瀬はそれを聞かなかった。今まで得た地位と暮らしぶりが邪魔をした。

 

それは彰も知ってはいた。片瀬が命を最優先に行動できなかったことを。

 

桐原の言う通り、片瀬が即座に何処か外国にでも逃げていたらそこまで追うつもりもキョウトには無かっただろう。酷い話だが、そこまでの価値は片瀬にない。適当なところで手打ちにすることも可能だった。

 

だが、自らの財産を持ち逃げしようとすれば話は違ってくる。もともと片瀬の財源はキョウトの物だ。それを片瀬が横流しし、そこから得た利益の一部を着服していたに過ぎない。それを持って逃げることなど許そうものならキョウトにとって目障りな前例となる。そのようなことは許さないと示す必要がある。結果として片瀬を処分する理由ができてしまった。

 

「人間なんてそんなもんだ。アンタらだって同じだろうよ」

 

「そうさな。だが、それは自らが選択したということ。自らの選択の責任を取るのは当たり前じゃ」

 

確かに片瀬は自身が望む形で逃亡が成功していれば、今頃は安全な場所である程度は裕福に暮らせていけただろう。成功しなかったから、こうなってしまっただけだ。

 

「あんたらキョウトがそれを言うのかよ?テメエらキョウトだって根っこは保身の塊だろうが」

 

「否定はせん。儂はキョウトの存在がまだ日本のためになると信じておるからの」

 

「ここまで色々変わってか?キョウトが滅べば日本が復興できるってわかったらアンタどうすんだ」

 

「儂が儂諸共潰すだけ。シンプルじゃな」

 

笑いながら桐原は自らの首にトンと手刀を当てる。

 

それを見て彰は舌打ちをする。知っているからだ、この言葉に嘘偽りはないことに。

 

自分の保身しか考えていないキョウトの中で、この桐原とかぐやだけは本気で日本を取り戻すことに命をかけている。

 

「で?だからこそ、俺を逃すわけにはいかねぇってか?」

 

「当然じゃ。儂の命よりもお主の方が日本のためには役に立つ」

 

「だからって俺を助けて日本解放戦線を潰すとはな…人の大切なものを次から次へと奪いやがって」

 

「…純粋な疑問なんだが、お前そんなに解放戦線に愛着あるのか?」

 

アキトは彰から解放戦線の愚痴を聞いたことは山ほどあっても、誇りだのといった話は聞いたことがない。藤堂や四聖剣といった満面が無事なら別に拘ることはない気はするのだが。

 

「あるに決まってんだろうが!日本解放戦線は俺にとって…命の次の次の次の次の…あれ?どんくらい言ったっけ?メンドイな…あー、上から数えて29番目くらいに大切なんだよ!」

 

…結構低くね?

 

桐原とアキトは純粋にそう思った。

 

「いや、お前割と低いだろ。なら助けなくて良いじゃないか」

 

「ふざけんな!楽しみにとっておいた次の日の朝のカレーの次くらいに大切だ!」

 

「カレー以下か。約10年いた組織への愛着がカレー以下ってお前の情緒どうなってるんだ」

 

「情緒がロリに偏ってるテメェに情緒語られる筋合いはねぇよ、この変態が!」

 

「桐原翁。このクズやはり処刑しましょう。介錯は私が務めます」

 

「それは日本が解放されたらいくらでもさせてやるわい。ところでアキト。そろそろ時間じゃないのかの?」

 

処刑しようと刀を構えていたアキトは時計を見て顔を顰めると残念そうに刀を納める。このクズの命を取る絶好の機会だが、かぐやの命令よりも優先するものはない。

 

無言で部屋を出て行こうとするアキトの背中に彰は声をかける。

 

「今度は黒の騎士団に取りいるつもりか?あんまり上手くいくとは思わんがな」

 

「上手くいかせるさ。それにお前の脚本からは既に外れているだろう?」

 

「主にお前らのせいでな。だが良く覚えてろよアキト。俺もアイツもお前らの筋書きに大人しく付き合うタマじゃねぇぞ。精々、リテイクに気をつけるこった」

 

「知っている。E.U.時代から十分にな。ゼロ殿」

 

「だからゼロじゃねえって言ってんだろうが!」

 

そう叫んだ彰の言葉を無視してアキトは部屋を出て行った。そんなアキトの背中を見送ると彰は苛立ちを隠せずに舌打ちをする。

 

「どいつもコイツも…俺はゼロじゃねぇと言ってるのに…話聞けよ!会話にならねぇだろうが!」

 

「そりゃ、お前さんが人の話を聞かんからじゃろ」

 

「うるせぇよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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