トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話 作:ZUNEZUNE
水が流れる、金色の光が飛び散る。他で激しい戦いが繰り広げられている最中ここでも同じようなことが行われていた。
更識簪の打鉄弐式、姉の楯無の
金色に輝く長い尾は縦横無尽に展開され2人の姉妹を近づけんとする。そして防御状態のままで金色の火球を何発も放ってくる。
「ッ……ハァ!!」
楯無はその間を潜り抜け蒼流旋による一突きを繰り出す。しかし両肩から展開される金色のバリアに防がれてしまい火花と金属音が虚しく散るだけであった。するとその瞬間、彼女の全身を纏っていたナノマシンの水が一気に四方へ発散、光の壁の隙間を通り抜け金色のISを身に纏うスコールを拘束した。
「――簪ちゃん!」
「うん……!」
姉が作ってくれたチャンスを無駄にしない為に簪は恐怖を打ち消して突撃、薙刀を強く握りしめ一気に飛翔し斬りかかった。
そのままスコールに一太刀入れられると誰もが確信した。しかし刹那その機体は今までで一番強い金色の力を解き放つ。
「キャア――!?」
「な、何よこれ……!?」
あまりの閃光に目がくらむ2人、その隙にスコールは水の拘束から抜け出し光の中に姿を隠して飛びぬけていく。
その手には、先ほどまで無かった紫色の刀が握られていた。その刃は簪の薙刀を弾き地上へ突き飛ばす。
(私の水が……
「あら失礼、随分と捌きやすそうに見えたから」
「簪ちゃん……大丈夫!?」
「な、何とか……!」
打鉄弐式の薙刀「夢現」がこうも簡単に競り負けた、その事実は2人の間を驚愕として突き抜ける。ましてや拘束されていた状態から一瞬で抜け出しすぐに斬りかかるなど常人にはできない芸当であった。
禍々しく光り輝くスコールの刃、妖刀のように煌めきそれがIS技術によって作られたものではないことは一目瞭然であった。
「その刀は一体……!?」
「これは刀じゃないわ、
「包丁……?じゃあ一夏さんと同じ……!?」
どう見ても調理用には見えない刀を「包丁」と呼ぶ人種は一夏たちグルメ世界の料理人しかいない。それを知っている簪はその言葉を知って驚愕した。
「……私も昔は名の知れた料理人だった。この包丁はIS用に美食會の研ぎ師が作ってくれた特注品、『逢魔時』というのよ」
衝撃の事実だった。名の知れた料理人、向こうの世界の技術で作られた武器、それが何を意味するのか——その答えを導き出す前にスコールが動き出した。
「——ハァ!」
「くっ……!」
逢魔時による剣撃を受け止める楯無、しかし彼女もその威力に押し負け弾かれてしまう。彼女の剣捌き――否包丁さばきに圧倒されていた。
「もうこの学園は私のまな板の上、でも捌いても食べられそうにないわね。適当に切って捨ててしまいましょうか」
追記7月20日
「トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話」を読んでくださる読者の皆様いつもありがとうございます。グルメ89が短かったわけは前書きにも述べた通り多忙という個人的な理由によるものです。
今までこの作品は日曜日の九時に毎週投稿していたわけですが、一週間の間に次の話を作成するというのは学業、個人的な理由によりきついものがありました。そしてこの作品を愛してくれている読者の皆様には申し訳ございませんが、私としてはなろうで執筆中の作品に集中したいのです。
これらの理由により申し訳ございませんが当作品の週刊制は無くします。週に決まった時間までに投稿することがこの作品の大半を統べる評価であることを自負し、何卒読者の皆様に理解をしていたたくこの追記を書いております。
勿論更新を止めるわけではありません、創作家としてこの作品は最後まで書き続けようと思っています。しかしそのペースは大幅に遅れ下手をしたら一か月に一話という話になってしまうかもしれません。
しかし日を空けた分一話ごとのクオリティ、及び長さは今まで以上の物にすることはお約束します。
これは待ち望んでいる読者の皆様に対し謝罪とどうかこれからもこの作品を読んでくださいという身勝手な願望です。私の個人的な理由を許してくれるという寛大な心をお持ちの方は、これからもこの作品をお願いします。