want to war want to win 作:ゲオザーグ
『ヒドイ冗談だなアンジー、オマエも、オレたちも』
決して広いとは言えないが、
『勝つために人形になったってのに、それでこのザマかよ! 何が望みだったのかなんざ、もう覚えちゃいないけどな!』
機体が何度も爆発し、その都度衝撃で大きく揺れる中でも、そのパイロットは聞いているかもわからない
『ハッハハハ! ハハハハハハハハッ!』
遂に炎に呑まれたコクピットの中でも笑い続けるパイロット。その笑いに込められたのは、果たしてただ敗れたことへの悔し紛れか、それとも「人形」として生きざるを得なかった自分たちへの皮肉か、あるいはその運命から解放されたことへの安堵か。その真意は機体と共に焼け果て、無に帰した以上、部外者がそれを知る術などなかった。
「――あぁ、あの時のか……懐かしい夢を見たもんだ」
高層ビルの屋上にて目を覚ましたのは、金属質のパーツの付いたドレスに身を包んだ、見るからに場違いな装いの少女。だが絶世の美少女たるその容姿に反し、右手で覆い隠し、皮肉気に笑みを浮かべる顔から感じられるのは、相応のあどけなさではなく、むしろ歴戦の猛者を思わせる迫力。実際彼女が宿す記憶と人格は、容姿とは真逆とも言える、長きに渡って戦いに身を投じてきた
「『酷い冗談』か……。今思えば、あの時の方がまだマシだったかもしれんな。勝手も様子もまるっきり違う、どことも知らぬ土地でただ1人生き返った挙句、こんな姿になっちまうとはな。アンジーよ、オマエはオレに何をさせようってのさ?あるいは、そこまでオレを嫌っていたってことか?」
広がる青空に目を向け、所在を調べる術すらない――そもそも同胞共々自分と同じ様にこの世界で生を受けたかもわからない、かつての指揮官に思いを馳せていたところに、どこからか複数の人影が
「識別名【プリンセス】を確認!総員、戦闘開始!」
隊長格と思われる人物の号令とともに、各員が手にしたガトリングガンやミサイルランチャーといった銃器を向け、容赦なく発射する中、その標的となった少女――【プリンセス】は大きく後方に飛び、隣接するビルに飛び乗ると、大袈裟な動作で呆れる様にため息をつき、数度軽く首を横に振ってから、改めて相手の方を見据える。
「いつもいつも名乗ってやってるってのに、そんなちゃちい呼び方をするんじゃない。何度も言わせるな、――オレはNo.10だってよ……」
直後その身を光が覆い、収まる頃には【プリンセス】の呼び名を否定し、No.10と名乗った少女は姿を消していた。代わりに周辺の物体を破壊しながら現れたのは、巨大な人に似た上半身に、戦車の様な下半身のロボット。甲冑を思わせる頭部には、左側頭部にだけ上下2つ並んだカメラが付き、右手にはフレームだけのような銃身の大口径砲、左手には一昔前のマシンガンに似た形状で、持ち手を隠すような半円型の弾倉が付いた銃、両肩はそれぞれトースターを2つ並べたような形状で、外側には手に持ったものに比べ、幾分小柄な
「展開を許したかっ!総員、散開と同時に攻撃開始!増援の要請も怠るな!」
出来れば姿を現す前に片付けたかったために、初撃を失敗したせいでその姿を見る羽目となった指揮官は苦々しい表情を浮かべるが、即座に意識を切り替えると、敵の攻撃に備え部隊を展開させる。
「さあ、始めようじゃねえかアンジー、オレたちの
同時に「