want to war want to win   作:ゲオザーグ

2 / 4
意味のない遭遇

「フウー、今回は随分と派手に決まったみたいじゃないか。まあ、この様子じゃ連中もすぐに駆けつけてくるだろうな……」

 

 事前に以前から執拗に襲ってくる連中――国次第で「AST」だの「SSS」だのと呼ばれているそうだが、No.10にとって倒す敵の名前などはどうでもいい情報のため、碌に確認すらしていない――に備え、早くも展開した「黄道十()二天宮・()天秤座()」の中から、自身の周囲を感心するかのように見渡すNo.10の視界には、見事なまでに大きくそそり立つなだらかな断崖絶壁が広がっていた。

正確には現在No.10のいる地点が、アイスクリームをディッシャーでゴッソリと掬った跡のような半円状のクレーターの中心部であり、つまり崖の淵から見える向こう側こそが本来の地面だったのだが、戦闘中瓦礫(がれき)や残骸に等しい周囲の建造物が破壊され、大なり小なり地形が変わることがザラだった世界で生きてきた彼女にとっては、このある種の天変地異が――前回のように起きずに済むときもあるが――例え自身を由来としたところで、さほど意味などなかった――むしろ足回りの都合で高所への移動に大きな制限のある「黄道十()二天宮・()天秤座()」にとっては、こうした更地の方が自由に移動できるため、――贅沢を言えば身を隠す遮蔽物の1つか2つくらいはあってほしいところだが――敵を待ち伏せするにはかえって都合がいい。

 

「(いまのところ、索敵(スキャン)モードを展開しても周囲には何もなしか……。連中が来ればすぐに引っかかるが、それまでは退屈…ん?)」

 

 ふと、モニターの1画面に何かの反応を発見したNo.10が目を向けるとどうやら人間が穴の中に転がり込んできたらしい。連中を待つ間、暇そうなのでそちらを眺め続けているが、落ちてきた人間は「黄道十()二天宮・()天秤座()」の姿に脅えているようで、何とか穴の外へ逃げようとするも、形状の影響もあってなかなか登れないようだ。さながらアリ地獄に落ちてしまった、哀れなアリと言ったところか――幸いにも当のNo.10(アリジゴク自身)は、ただ眺めているだけで食いついては来ないが。

 

「(こちらに対するあの反応からして、どうやら連中の関係者って訳じゃなさそうだな。連絡する様子すらない辺り、度胸試しにでもきた野次馬か……)っと、ようやくお出ましのようだな」

 

 索敵(スキャン)モードを展開して、しばらく目の前の人間しか捉えてなかったが、ようやっと高速で接近する複数の反応を確認したNo.10は、「黄道十()二天宮・()天秤座()」のメインシステムを戦闘モードへと切り替えると同時に、右手に持った砲身がスカスカの大口径砲――KAMILLE PC16を構える。同時に砲身にエネルギーが溜まっていき、やがて猛スピードで射出されると、しばらく進んだ先で炸裂し、接近中だった敵のうち、避けきれずに被弾したいくつかはそのまま墜落していく。

 

「まあ上々ってところか。鬱陶しいくらいすばしっこいが、いくら頑張ったとこで、あの装備じゃACの装甲なんざ到底破壊できまいさ」

 

 残った敵に向けて、前進していく「黄道十()二天宮・()天秤座()」。途中何度か攻撃を受けて軽く動きを止めることはあっても、せいぜい数秒ほどの足止めにしかならず、問題なく直進を続ける。

見た感じ装甲がなく、ある程度大型の銃火器を持った者もいれど、基本機動力に特化した装備の敵勢力に対し、火力はあっても弾速が遅い「黄道十()二天宮・()天秤座()」の装備は極めて相性が悪く、ほぼ左手のKAMILLE PC16に頼りきりになってしまう。幸い相手の攻撃も「黄道十()二天宮・()天秤座()」の装甲を突破するには至らず、また万が一弾切れになろうが装備を放棄(パージ)しようが、1度解除して再度具現化すれば、万全の状態で現れるため、搭乗してやり過ごす分には然程気にはならないが、かと言って周囲を飛び回るハエを無視できるかと言えばそうもいかないように、結局鈍重な金属質の巨人は、目障りな虫を叩き落とすべく奮闘することとなる。実際これまでもそうすべく全滅させんとしてきたが、生憎とそこまで行く前に逃げられるか、もしくは逆にNo.10自身が「こちらの世界」にいられる「制限時間(タイムリミット)」を迎えどこぞに呼び寄せられ、その場から姿を消すかの中途半端な結末しかなく、連中の相手自体にも物足りなさを感じてきたこともあって、No.10は現状に不満を感じていた。

 

「今日こそはいい加減2、3人くらい仕留め切りたいところだが、こうもアイツがいてくれたらと思うことになるとはな……」

 

 かつてあの荒廃した世界にいた頃、偶然にもお互い指揮官から敬遠されがちだったことで意気投合し、いつしかコンビを組んで活動していた相棒のことを思い出す。いわゆる「キワモノ」と言われるような独特のキャラゆえに、最初の頃はNo.10自身でさえも敬遠していた程だったが、少なくとも口調や振る舞いこそインパクトはあれど、感性に関しては大差ないことから、その点さえ知れば非常に頼れる優秀な狙撃手(スナイパー)だった。最期の時こそ破られたコンビネーションも、それまではリーダー格のコンビ以外連戦無敗だったことは、密かに自慢でもある。

 

「っと、今日はヤケに突っかかってくる奴がいるな。ちょうどいい、まずはコイツから仕留め――っ!」

 

 らしくもない回想から戻ったNo.10の目に飛び込んできたのは、周囲の制止を無視した敵の1人が突撃してくる姿。好都合とばかりに、ここ最近、弾速の遅さから容易く回避されるために使っていなかった、左手の大型銃器――UHC-24/Rを構え狙いを定めるが、その直前に予兆を感じた「制限時間(タイムリミット)」のせいで狙いが外れ、暴発した弾は、クレーターの淵で踏ん張るように残っていたビルの上にあった看板を、抉るように突き破っただけに終わる。直後「黄道十()二天宮・()天秤座()」も最初からその場になかったかのように消滅し、突撃してきた敵もその場で急停止し、周囲を伺う。

 

「【プリンセス】、反応ロスト……。残念だけど、今回も逃げられたわね。撤収しましょう、動ける者は、撃墜された者の補助を」

 

間もなく追いついた指揮官の号令で、撤収していく。しかしこの時、誰も気にしていなかった。飛来前にNo.10が観察していた民間人が、いつの間にか姿を消していたことに。




ぶっちゃけなんとなしに映画館で(確かギャレゴジ辺り見に行った時)ポスター見た時に興味持って、何となしに調べてみたり、ここで原作の読んでみたりしたんですが、正直ラタトスクの面々見て「こいつら、何のつもりだ!?(BYファットマン)」ってしか思えなかったんですよね。極端な話「核弾頭以上の脅威を持つ」って能力と「デートでデレさせる」って無力化の方法がどうしてもかみ合わなくって


後どうしても個人的に琴里と折紙がアイザック以上に好きになれないです
「生意気」とか「残念」とかって次元じゃなくてもういうこと成すことが不快でしかなくて・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。