want to war want to win 作:ゲオザーグ
平日のまだ日が昇る時間ながら、生徒はおろか教師も姿を消した無人の来禅高校。その廊下を駆ける生徒が1人だけいた。
『まずいぞシン。【
『新兵器ですって!?急ぎなさい士道!何としてでも先に接触して引き留めるのよ!』
「無茶言うな!今でも十分急いでるよ!」
生徒の名は五河士道。先日No.10と遭遇後、いつの間にか姿を消していた民間人その人だが、戦闘中探していた妹の琴里から事情を聴き、彼女達の計画に協力することを決め、そのための
その計画とは、『精霊とデートして、
しかし彼等は手段にばかり目を取られ、自分達が前提からして間違いを無視したまま、真面目に道化として振舞っていることに気づいていない。
まずNo.10は現在の
次にそもそも兵士たるNo.10は「デート」どころか「娯楽」自体に興味関心がない。直属の指揮官としても、「そんな暇があったら次の
そして根本的な話として、No.10は救いを求めていない。士道が決意を決めた愁いを帯びた顔も、
要するに『フラクシナクス』側のなすことは完全に無駄足であり、むしろ『
言ってしまえば双方の事情は平行どころか対向ですれ違っており、交差したところで争いを『不毛』と避けたがる『フラクシナクス』側がNo.10に蹂躙されるだけに終わる。
『間に合わなかったか、グラウンドの中央で戦闘が始まった。すまないが回収させてもらうぞ、このままASTに姿を見られるのは得策じゃない』
「ま、待ってください!校舎内から声をかければ……」
『やったところで反応しないわ、それより気付かれるリスクが大きすぎる!大人しく退きなさい!』
結局士道は
「隊長、間もなく例の兵器が到着するそうです」
「わかったわ。各員は兵器が到着次第周囲の警戒に徹し、【プリンセス】が逃亡するか暴走しない限り手出し無用よ。まぁ、向こうの話じゃ私達より戦果が期待できるそうだけど……」
部下からの報告に忌々しげな様子で指示を飛ばす隊長だが、それ以上に敵意を隠そうとせず、今すぐにでも突撃しそうな様子の隊員――鳶一折紙が勝手な真似をしないか目を光らせていると、見慣れない銀色の大型ヘリに吊るされた件の兵器達が姿を現す。
『お待たせしました、
『
投下された兵器――UNACのうち、U1と名乗る最前列にいた細身の2本脚の機体が着地すると同時に『
「何だよアイツ等、AC持ってたんならもっと早く出せばよかったろうに」
ようやっと待ち望んだ
早々に脱落した僚機を一切気にしないU1は両腕に装備したブレード――BD-0 MURAKUMOを構え接近し、援護に回るU2は後に続きながら右腕のガトリングガン――AM/GGA-208と左腕のバトルライフル――Au-C-H30を発砲してくるが、前者はUHC-24/Rで
「なんだ?随分大したことねぇな。まさか最近入手したばっかか?」
残る4機のうち、脚部の跳躍力を活かし、跳ね回りながら付かず離れずの距離からレーザーライフル――Au-L-K37とヒートマシンガン――AU25 Kalongを撃つU4とU5、両腕のオートキャノン――AM/ACA-218と両肩から放たれるヒートロケット――AZUSAYUMI mdl.1で弾幕を張るU6に対しては、ひたすらに移動しながら攻撃を繰り返す。向かってくる敵に対しては重装甲と大火力で押し切るのが容易だが、機動力に特化した相手を追うのは大きく劣るために苦手だし、同じ重装甲型の場合は互いの装備次第で千日手になりやすい。それでも何とか足回りを射抜いて、身動きを封じた火力頭のU6を
「UNAC部隊が全滅!?しかも新手の反応が
「総員警戒を厳に!最悪どちらかだけでも
無人兵器故か呆気なくやられながらも、全滅するまでNo.10に与えたダメージはこれまで自分達が相手してきた時より与えられていることに歯噛みしていたASTの面々は、即座に3機を片付けた
「アンジー!?何でお前までこっちに!それにさっきのAC……お前もしかして、No.3か!」
「そうよぉ!久しぶりねぇNo.10!まぁ、お互い見違えるどころじゃない凄い変化したから、そう驚くのも無理ないでしょうけど!」
『『お久しぶりです、No.10。あなたの帰還を歓迎します』』