ー私は豪華な家庭の次女としてこの世界に誕生した。
豪邸で有意義な暮らしをしていた私、ルーカスは6歳になったぐらいのころに両親に捨てられた。
両親曰く私は必要では無かったらしい。
両親は私の姉をとても可愛がり、私には目を向けてすらくれなかった。
町外れの貧しい村へと捨てられた私はその村でも、親元が分からない子供だといじめられた。
生きている意味を忘れかけた頃、私の目の前に私と同じぐらいの少女が手を伸ばしてくれた。
名前は「シーナ」小柄で今にもポキッと骨が折れそうな見た目の子だったが、思っていた遥か上を行く強さで、私は少女に抵抗したつもりが投げ返されてしまっていた。
「あなた、私と生きる気無い?」
透き通るような綺麗な声で私に手を差し伸べてくれた。
こうして私はこのシーナという少女にいじめが絶えない生活から救ってくれたのだ。
一緒に過ごしているとシーナの事が少し分かってきた。
いざとなった時はとても頼りになって勇敢な子だけれど若干わがままだったりする。
私とシーナはわがままを言い合いながらも互いを理解し共に成長して行った。
ある日、
「ねぇルーカス」
「ん?なにー?」
「特殊能力を使えるようになってみたいって思わない?」
「とくしゅのうりょく?その能力によるかなー」
「色々あるらしいんだよね、簡単に空を飛べたり、新幹線並みに速く移動できたり」
彼女曰く特殊部隊を育てる施設があるらしく、私はシーナのやりたい事について行くことにしているので行ってみるだけ行ってみた。
流石特殊部隊を育成させている場所だけあって空気の重さが全然違かった。
しかし、幸いと言っていいのか分からないけれど二人共能力の才能があると言われ、施設に通い詰め、遂には本当に特殊部隊へとなってしまったのだ。
「なんかノリで来てたのに本当になっちゃったね……!」
「2人一緒に行けるなんてね」
特殊部隊になると国から目的や守る物や任務に関して説明され、初めての任務に私とシーナが命名された。
14歳で特殊部隊になったのは最年少らしく特殊部隊の人からは好評の言葉を貰うばかりだった。
二人同時に特殊部隊のワッペンを付けると任務へと向かう。
任務内容は対象の人物を殺すと言うよくある任務だった。
その場には私とシーナ、隊長さんと他数人で来ていた。
隊長さんがここだ、と言うと私は昔の記憶に釘が刺されたように思い出す。
「………私の家だ…」
「えぇ!?」
シーナと出会う前に住んでいた豪邸そのままだった。
隊長さんからは対象はここに住んでいる人全員と聞いたため、父と母、そして姉、雇っているメイドや執事も殺すという事だろう。
「ターゲットは3人か、なかなかいい情報が得られたな」
「何を言っているんですか隊長!!ルーカスの実家ですよ!?そんな簡単に……!!」
「任務は任務だ、逆らう事など出来ん」
「そんな………」
シーナは私を思って、隊長さんに懸命に任務の中止を要望したが、流石のシーナでも食い止めることは出来なかった。
「いいんだ、シーナ。私を捨てた人なんてもう家族じゃないよ」
シーナにそう言うと、心配そうにしていた顔が緩く微笑むような顔に変わった。
恐らく、シーナ自身は私の家族だろうとなんだろうと殺せるけど、そのせいで私に何かあった時のことを考えて心配してくれていたのだろうと思う。
「じゃあ行くぞ」
隊長さんに言われ私達は対象の居る豪邸へと足を運んだ。
「あ、ちょっと待ってください!」
私は正面の扉を開けようとした隊長さんを呼び止める。
「恐らく正面には執事が居ると思うので裏の扉から入りましょう」
「分かった」
昔の記憶を辿って、屋内の図を展開する。
「内装を知っている人が居ると安心しますねー」
シーナは裏の扉まで来るとそう囁き、扉を開けた。
見渡す限り人は居なさそうだが大人数で移動するのはリスクに伴うため、私とシーナ、隊長さんで中に侵入する。
「恐らく母はキッチンでしょう、父は書斎だと思われます。姉は自分の部屋ですね。父と姉は2階だと思います」
隊長さんは分かったと呟き、恐る恐る中へと入っていく。
私は追記で執事はかなりの腕前だと伝えておいた。
それぞれ隊長さん、私とシーナという2組に分かれ任務を遂行する。
「〜♪」
私とシーナはキッチンに向かうと、キッチンから母の鼻歌が聞こえる。
「ここは私が行く……」
シーナは首を縦に振り、私は扉を開けた。
「なぁに?まだご飯は出来てないわよ?」
誰か入ってきた事には気付いた母だが、誰までとは分かっていない様子だった。
「楽しく過ごしてそうだね、お母さん…」
母は私の声に微かに聞き覚えがあったらしく体をビクッと震わせながら私の方に振り向く。
「………ルー……カス……?」
「捨てた事はもう恨んでないよ、恨んでないけれど許せはしないかな」
私は拳銃を母に向ける。
「まって!ルーカス、帰って来なさい!私はルーカスを捨てるつもりは無かったわ!!脅されていたの!!」
昔からの母の悪い癖、嘘をつくと口元が緩む。
それで私を騙そうとしていた。
パァン!!
「一度捨てて、また戻ってくるとかありえないっしょ」
母の頭にヒットさせた私はそう呟いてその場を去った。
去り際に母を見るとピクリとも動かずに血が滴り落ちるのが見えた。
「流石ルーカスだね、手を抜かない!」
「シーナには言われたくないなぁ、次シーナの番だよ」
シーナははいよーといい執事に出会さない気を付けて2階へと登った。
2階の廊下には隊長さんがいて、姉の部屋の前にしゃがんで準備をしていた。
「隊長さんに姉さんは任せて、私達は父さんのところに行こう」
私はそう言って書斎へと向かった。
父も母と同じだった。
私を見るなり震えて、帰って来いと嘘をついた。
シーナは容赦なく父の首を切断した。
「ルーカスの気持ちも知らないで、クソ野郎が…」
シーナはそう呟くとルーカスに笑顔を見せて、いっしょに廊下に出た。
丁度隊長さんも仕留めた後らしく、廊下で鉢合わせした。
メイドはシーナが広範囲の特殊能力で一掃し、残りは執事だけとなった。
「これはこれは、物騒な方が入り込んでいましたね」
エントランスに向かうと執事が鞘に手を付いて歩いてきた。
「ここは俺に任せな」
隊長さんがそう言うと前に出た。
隊長さんと執事共に刀を持っているが、特殊能力を持った隊長さんなら大丈夫だろうと言う考えが私とシーナにはあった。
刀同士の戦いは長期戦に及び、結果は2人同時に刀で体を突き刺され倒れて終わった。
「隊長さん!!」
「お前らはここから脱出しな、俺も後から行くから…」
そう言うとすぐにシーナがこの場から去っていったので私もシー着いて行った。
「シーナ!なんで助けなかったの!?」
「見たでしょ?隊長さんは心臓を貫かれていた。助かる余地は無い…」
「それは分かったけど!!」
シーナと私は外に出ると、空にヘリコプターが飛んでいるのが見えた。
私とシーナは任務終了後の帰還する方法だと思っていたが全くもって違かった……
空からはかなりの数の爆薬。
数百個投下されたのだ。
「アレって………国のヘリでしょ……?」
「ルーカス危ない!!」
次の瞬間周りの空間全てが爆発した。
勿論豪邸も爆発の被害に会う。
ドォォォォン!!!
爆音と共に暴風が吹き荒れる。
肌は熱く、今にも吹き飛ばされそうな勢いだった。
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気が付くと爆発は止み、爆発に巻き込まれた豪邸からは黒煙が立っていた。
上半身を起き上がらせると上にはボロボロになったシーナの姿が……
「シーナ………?シーナ………」
「ルーカス?」
爆発の前にシーナは私を庇って私が下、シーナが上と言う状況を作っていた。
「シーナ…!!しっかり!!」
「良かった……ルーカスが無事でぇ………」
シーナの背中は酷く赤黒くなり、何よりも皮膚が溶けているようだった。
「シーナ!!今手当てを!!」
「ルーカス……あなたに声を掛けててホントに良かった……」
「まって!シーナ!嘘でしょ!?死なないで!!」
「特殊部隊はそんなに甘くなかったよ……アハハ……ルーカスと何かやりたいって思ったんだけど………失敗だったよ……」
「シーナはドン底に居た私を助けてくれた、楽しい生活にしてくれた!これからも………!!」
「私みたいに理解してくれる人は他にもいるはず………だって、ルーカスは素直だもん……」
「そんな事ない!!シーナがいたから!!!」
「ルーカスは死なないでね………」
そう言うとシーナはグタッとなり、それからは2度と動くことはなかった。
その夜の空爆事件の場に1人の泣き声が響き渡った。
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それから4年、特殊部隊の最年少入団をしたルーカスは今現在特殊部隊の中でダントツで一番長く滞在している。
シーナが言っていた理解してくれる人を求めて………
ご覧頂きありがとうございます!
今回は14.5話ということでルーカスの過去をざっくり物語で書いてみました。
これでもっとルーカスの事が分かったのではないでしょうか……()
新作はもう少しお待ちください
それでは( ´ ▽ ` )ノシ