【16話】罪悪の始まり
ーお前はまだ動ける。
ーお前はやるべき事がある。
ーお前は破壊するんだ。
ーさあいけ…
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気付くと私は花畑の中に立っていた。
足元の花を見るとマリーゴールドとスノードロップが咲いている。
それぞれ花は開花季節が異なる。
マリーゴールドは夏から秋に向けて、スノードロップは冬から春にかけて開花する。
しかし、この空間はマリーゴールド、スノードロップ共に開花している。
私、月読調はその不思議な空間に居たのだ。
「私はもう、切ちゃんと一緒にいる事は出来ない…」
やがて視界が歪む………
「……………」
目を覚ました時間は夜中の2時半。
隣には切歌とクリス。
調は2人に手を出そうとしたが、伸ばそうとした右手を左手で抑える。
「まだ、まだその時じゃない……」
「月読……起きたか…」
寝室の扉が開くと風鳴翼の姿が見える。
「月読……お前………」
感の鋭い翼は調の異変に気づいたかと調は心の中で思ったがそこまで心配する必要は無かった。
「ゆっくり休めよ」
そう言うと翼はゆっくり扉を閉めた。
調はふぅーと小さく息を吐く。
暗くなった空間に調のピンク色の瞳は微かに光っていた。
それは月の光なのかは分からないが、誰が見ても不気味な雰囲気があった。
「響ー?そろそろ起きないとー」
「んー、後5分だけ……」
「もう………」
時間は8時前。
装者達は疲れたのか未だに寝ている方が多い。
しかし、その眠りは切歌の叫びでみんなを一気に覚ました。
「調!?調が居ないデス!!」
未来は慌てて調と切歌とクリスが寝ていた部屋へと駆ける。
ガチャン!と音を立てながら部屋に入ると、窓が開いていて部屋には所々に包帯が見える切歌、まだウトウトしているクリスが居た。しかし、何処を見ても調の姿は無い。
切歌達が寝ていた部屋は2階、1階に降りてくる方法は室内の階段を使わないと出てこないが、その1階はスペースが広く。2階から降りてきたら誰でも分かる空間だった。
未来はその空間にずっと居たが調は降りてこなかった。
「月読………夜中は居たのに……」
何故だ、と翼は頭を抱えながら考えている。
「翼さん、夜中には居たって言うのは……」
「私が水分を取るため水飲みに言った時なんだが、こっそり月読達の部屋を覗いたら丁度月読が起きていたんだ。私はゆっくり休めよと言って部屋から出たんだが……」
奏も2階から降りてきて状況を把握する。
「ただ昨日は何かボーッとして調らしくなかったな」
奏がそう言うとマリアも2階からトコトコと足音を立てながら降りてきた。
「翼さん、夜に調ちゃんを見たのは何時頃ですか?」
未来に聞かれると顎に手を当てて少し考えると返答する。
「確か2時半ぐらいだったな」
未来が起きた時間は6時。
つまり、2時半~6時の間に調は姿を消したという事だ。
時期に響もクリスも起きて来る。
切歌はショックを受けたのか俯きながら椅子に座っている。
「そう言えばミアは…?」
奏がそう言い見渡すがミアの姿が無い。
「ミアは行動範囲広いからそのうち出てくると思うけれど…」
ガチャッとその時外に繋がる扉が開いた。
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ルーカスは調の様子を伺うために夜中装者が居座っている小屋へと足を踏み入れた。
調の様子は特に変化なくぐっすりと眠っている様だったが、何故か寒気がしてならなかった。
その夜ルーカスはそのまま拠点へと戻ったが、朝また来てみると未来と奏が起きているのを確認出来た、しかし……
「あれ……?」
調の姿は無かった。
外から見る限り調は居ない、何よりも調が居た部屋の窓が空いている時点で抜け出した可能性が高かった。
その時、村の方面から悲鳴のような声が聞こえた気がしたので、ルーカスは村へ向かった。
村の外れにある小屋から村まではかなりあるが、ルーカスは能力を使いスピードアップをし、村へ近づく。
「何……これ……」
村の様子が見えてくるとルーカスは驚愕する。
至る所から悲鳴が聞こえ、泣き声も聞こえる。そして中央の1件には火が点火している。
畑の方にはおばあちゃんが腰が抜けたように座り込んでいる姿があった。
「おばあちゃん!大丈夫!?」
「ありがとねぇ、ちょっと驚いてしまったんだよ」
「ここは危ないから安全な場所に移動して!」
「お嬢ちゃんはどうするんだい?」
「私はまだ危ない人が居ないか見てくるから」
おばあちゃんはルーカスの手を掴み立ち上がると気を付けるんだよとゆっくり燃えている家から反対方面へと歩き出した。
火は1つの家を飲み込み、次の獲物を捉えようとしていた。
「そんな強くないけど、能力使うしか……」
ルーカスやミアなどの特殊部隊の人達は全て
《速》《飛》《攻》の3つが基礎。
その中の《攻》は状況によって使うものが違う。
ルーカスは今その特殊能力で水を出そうとしていた。
燃えている場所へ両手を向け、手のひらから水を放つ。
「私だけじゃ………」
その時、ザザザッとルーカスの繰り出した水量とは比べ物にならない程の水が燃えている家に降り掛かった。
その水はまるでバケツの中の水をひっくり返すような勢いで家に降り注いで、一気に火は消火した。
姿は見えなかったが、私を助けてくれた人は大体予想ついた。
「ミアかな……」
ミアは特殊能力に関しては飛び抜けて強い為あの水量でミアだと推測した。
「キャァァァァ!!」
村の北方面。南側にある小屋とは真逆の方面から悲鳴が聞こえる。
ルーカスは急いでその悲鳴が聞こえた場所へ向かう。
「………これは……」
あまりにも無残な光景がルーカスの目に映し出された。
家に居る人は全て血を流し死んでいる。
道端に倒れている人も居たがそれも皆血を流し、死んでいた。
「う………ぁ………」
1人だけ、傷口を抑えてなんとか生き長らえている男性が居た。
「大丈夫?誰にこんな事を……」
見る限り、胴体に何箇所か斬られた痕、そして首が斬られたのか布で首元を抑えて出血を抑えていた。
「ぁ……ぶない………は……やく………にげろ…………」
男性はそう言うと抑えていた手がダランと力が抜け、地面に叩きつけられた。
「手遅れってやつか……」
ルーカスは男性に向けて手を合わせて拝んだ。
そして、北側へ進む。
「見つけた………」
ルーカスはある人の背後に姿を現すとある人は後ろを向いた。
「よく分かったねぇ、小屋にでも行ったかなぁ」
その人の右手には何処で手にしたのか刀を持っている。
そして左手にはもう死んでいるだろう人間の首を掴んでいた。
「私の洗脳は解いた。つまりあんたは自分の意志か、将また他の誰かに洗脳されたか……」
「これは私の意志だよ、ルーカス」
ご覧いただきありがとうございました!
今回から新章に入らせていただきます!
2章では装者と別行動しているルーカス、1章であまり活躍の無かったミアなどの話が盛りだくさんの章になります!
2章の敵はまさかの………
という事で、最近更新頻度が戻って来たかなと薄々思っています
それでは( ´ ▽ ` )ノシ