クリスの胸部に刺さった包丁は切歌の手で抜かれ、そこから血が滴り落ちる。
「え………」
「ごめんなさい、先輩……」
切歌はそう言っているが辛うじてクリスは切歌の顔を見るがボヤけていて表情が分からなかった。
次第にクリスは視界がボヤけていくが、それでも負けるまいと立ち上がる。
「もう、辞めてください先輩……こっちも…やりたくないんデスよ……」
「お前は………ゴホッ……意識があるのか………?」
「体が……言うこと聞かないんデスよ……」
すると切歌はさっきの包丁ではなく、ポケットからやや大きめの包丁を取り出し突き刺すと、今度は腹部へ突き刺した。
「ぐっあぁぁ……!!」
クリスの体は血塗れで、口からも血が出ていた。
それでも、まだ意識があったクリスは膝を着き、安定して体を支えるために地面に手を着いた。
「お前は……あたしが治してやる……だから……」
クリスが話している途中でも切歌はまた走ってくる。
刃毀れするであろう包丁をクリスへ向かって突き刺す。
その瞬間クリスは包丁で腹部を刺されるも切歌を抱きしめた。
さっきの2発は切歌の僅かな力の制限で刃の置くまで刺していなかったがクリスが抱き締めた為、刃は置くまでしっかりとクリスの腹部を貫通していた。
「自我を保て………お前はそんな弱い奴じゃない…だからあたしが保証してやる……だから……これを後悔すんな……」
「クリス……先輩………」
体が言う事を聞くようになったのか切歌は即座に刺した包丁を抜いて、クリスを抱き抱える。
クリスは既に意識が無かったが、口は笑っていた。
「クリス先輩……ごめんなさい……すぐに…手当てをするデス……」
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切歌はクリスを寝室という名のメディカルルームへクリスを運ぶ。
エルフナインの手当てが済んだ奏はそのクリスの重症に気付き、近付いてくる。横になっているが意識はあったエルフナインも異様な光景に目を向けた。
「どうなってんだ!!何があった!!」
「全部、私がやったデス……」
「は!!?」
「早く手当てを……!」
「………息はしてる…よし、急ぐぞ!」
「デス!!」
奏と切歌はエルフナインの指示を助けに、2人で何とか処置をした。
しかし、血が大量に出ていた為助かる可能性は低かった。
奏と切歌は出来ることを全力でやり終え、後はクリスを見つめながら2人は椅子に座った。
「どうしてこうなりやがった……」
「私がマインドコントロールに対抗できなかったから……体が勝手に動いたデス……」
「クソッ!似たもの同士だとか言って、少しは共通関係が生まれたと思ったのに……おい!エルフナイン!クリスは死なねぇよな!?」
奏はあまりにも焦りすぎて横になっているエルフナインに大声で聞く。
「見ている限りでは……その可能性の方が……高い……と…思われます……」
「ふざけるなッ!そんなの認めねぇぞ!!」
奏は怒りが爆発し、椅子をガタンッと倒しながら立ち上がる。
しかし奏は何も出来ない事に気付き落ち着く。
奏と切歌はクリスの傍に寄り、クリスが息をしているかをちょくちょく確認する。
その時は突然来た。
「まて……」
クリスの様子がおかしい事に気付いた奏が声を上げてクリスの心臓の音を聞く。
「嘘だろ……冗談はよしてくれ……」
奏の顔が青ざめたのを確認した切歌は続いてクリスの心臓に耳を当てた。
「と、止まってる……デス……」
クリスはその時息が止まっていて、心臓の鼓動も聞こえなかった。
「クリスが………死んだ………?」
奏はガクッと体が重力に引っ張られ、膝を着く。
「私のせいデス……私がクリス先輩を殺したんデス!!」
切歌は頭を抱え、その場にしゃがみ込む。
「何でた……なんでだよ……!なんでクリスが死ななきゃならねぇんだよ!!」
悔しそうに床を叩く奏の目からは涙が流れていた。
「クソが…………」
「クリスさん……」
エルフナインが呟いた時……
「ガハッ……!ゴホッゴホッ………ヴッ……はぁ…はぁ…」
驚く事にクリスが息を取り戻した。
「クリス!?」
「クリス先輩!!」
「……あぁ危ねぇ…死ぬところだった………」
「もう一時死んでたぞ、クリス…でも何で……息を取り戻した……?」
「いてててっ、あたしは死なない…死ねない……可愛い後輩が居るんだからな……」
「クリス先輩ごめんなさい…!私のせいで……!!」
切歌は泣き目になりながら懸命にクリスに謝る。
「こうなったのはあたしのミスでもある、後悔すんなって言ったろ?」
「で、でも……」
「安心しろ……あたしは………………」
話してる間にクリスは眠ってしまった。
奏は心臓に耳を当てて動いているか確認する。
「ふぅー、一時はどうなるかと思った……」
「ごめんなさいデス…」
「クリスも言ってたろ?そんな謝るな、ごめんなさい禁止な」
「でも、こうなったのは私のせいデス……」
「自分を責めるな、アタシだってクリスも切歌の事責めちゃいねぇよ」
切歌は奏に頭を下げると、奏は切歌の頭を撫でる。
安心した奏は寝室から出て、連れていかれた5人の装者を助けるべく、特訓し始めた。
ご覧頂きありがとうございます!
完全にミアの存在を書き忘れましたが、目を瞑ってください……
今回はクリスが死にました(一瞬)
クリスが被害を受けましたがクリスはしにましぇん!
殺したらまず感想欄が「死ね」で埋まります…ですが、自分はこの物語では装者を殺す予定です…
覚悟の方をよろしくお願いします。