始まります!!
「ドライグッッッッ!この鎧の制限時間は!?」
『ふむ、本来のお前なら十秒と保たんだろうが、今はこの腕輪が対価となりお前にかかる負担を全て請け負っている。最低でもあと数分は保つぞ』
そうか。この力が保つのはあと数分か。だったらその間にライザーとの戦いを終わらせるッ!
「はぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!」
「はッッッッ!!」
お互いの拳がぶつかり合う。力と力がぶつかり合ってフィールド全体を振動させる。
そして、ライザーが地面を強く踏み込むと同時に俺に業火を纏った肘打ちを仕掛けてくる。俺は咄嗟に腕をクロスしてガードするけどその勢いを防ぎ切れずに数メートル程後方に飛ばされた。
チクショウ!こいつ!全く隙が無い!!遠距離で戦いたいけど俺にはそんな戦い絶対に無理だし・・・・
『相棒。薄々気付いてると思うが相手の格闘術はリアス・グレモリーのとこの「
分かってるよ!!でも俺には近接以外の戦闘方法が無い!!今だって鎧の力と小猫ちゃんから教わった最低限の格闘術でなんとか防戦に持ち込んでる状況だ。
不味いな。ここは一定の距離を保ってドラゴンショットの連発に移るか?でもそんなことしたら制限時間より先に鎧の効果が切れちまう。でも、やるしかねぇか!!
飛ばされた距離を保ったまま、俺は相手に手を向け、今出せる自身の最高の技を放つ!
「喰らえ!ドラゴンショットォォォッ!!」
デカイ!!あの時山を破壊した一撃の数倍はあるんじゃないか!?コレならいける!!
「ほう、龍の波動をさらに倍加して放つか!ならばッ!」
ライザーはそう言うと足に業火を集中させ、強く足を踏み込み、空間を包むほどの業火とともに回し蹴りを放った。
激しい爆発音がフィールド全体に響く。やったか!?と思っていたら、そこには平然と立っているライザーの姿。
ッ!嘘だろ!?俺の渾身のドラゴンショットを回し蹴りで相殺させやがった!!
「中々の威力だが、鎧が体に馴染みきっていないためにまだまだパワーを引き出しきれていないな!」
チッ!ライザーの言う通りだ。俺が鎧を使えるのだって、今装着している腕輪のおかげに他ならない。体が馴染んでないのも当然か。
「どうしたどうしたァ!!お前の思いはこの程度か!?これではリアスは守れんぞ!!」
「ッ!!んなわけねぇだろ!!だったら今すぐ証明してやる!!」
中距離からの攻撃はだめ。だったら俺には近接戦闘しかない!!
俺は覚悟を決めてライザーに迫る!もう引き返さねぇ!いくら技術が足りなくてもやるしかねぇ!!
俺の背部にある噴出口から魔力を噴き出し、一気に相手の懐まで迫る。
迫ると同時にその勢いを利用して全力の打撃を放つ!
―スカッ
しかしその打撃は当たらなかった。
どういうことだ!?俺は確かにライザーに一撃をかましたはず!!なのに消えた!?
少しの間困惑していると、ドライグが警告してきた。
『相棒!!横だ!!』
ッ!?慌てて横を見ると、そこには今にも拳を放とうと構えるライザーの姿。
いつの間に!?あの時確かに俺の目の前にいたはずだ!!マズイ!!やられる!!
「ガハッッッッッ!!!!」
ライザーに盛大にぶっ飛ばされた俺は校舎の壁に激突して血を吐いてしまった。
痛え!うまく呼吸ができねぇ!鎧も半壊してやがる!プロモーションしてなかったら確実にリタイアしてたな。
俺はボロボロの体に鞭打ってふらつきながらも立ち上がる。クソッ!あの一撃が未だに体に残ってやがるぜ!
「・・・・驚いた。あれを受けてまだ立ち上がるか。確実に仕留めるつもりで撃ったのだが・・・・」
あぁ、知ってるよ!現に俺はボロボロだ!なんで立ててるか自分でも不思議でたまらねぇよ!!
そんな本心を隠して、俺は虚勢を張る。
「何言ってやがる!あの程度の一撃で俺が倒れるとでも思ったか!!あんなパンチ、痛くも痒くもねぇよ!!」
この発言に対して、ライザーは大きく目を見開いて俺を見ている。
「!・・・・そうか。それは失礼した。どうやら俺はお前を甘く見すぎていたようだ」
ライザーがそう言うと、発せられる炎が増大した。
ッ!!まだ上があるっていうのか!?だとしたら俺にもう打つ手はないぞ!?どうすりゃいいんだ!?
絶賛ピンチの中、俺の篭手から声が響いた。
『・・・・なぁ相棒。一つ案があるんだが・・・・』
・・・・え?マジかよ!?よし!その案を今すぐ教えてくれ!ドライグ!!
『まぁそう急かすな。・・・・だがな、これは非常に危険な賭けだ。お前の左腕を俺に差し出す事になるがそれでもいいのか?』
・・・・なんだ、そんなことかよ。俺の腕一本であいつに勝てるんだったら安いもんじゃねぇか。
あぁ、構わない。左腕の一本くらいお前にくれてやるよ!だから勝てる案を教えてくれ!ドライグ!!
『了解した。じゃあまず、お前の制服の内ポケットを見てみろ』
は?内ポケット?そういやさっきからなんかあるなぁとは思ってたけど・・・・
中身を確認してみると、そこには、聖なる輝きを放つ一振りの短剣があった。
なんだよこれ?俺こんなの持ってたっけ?と思っているとドライグが。
『ここだけの話、その短剣は使わない方針だった。本来、悪魔ならそんな聖なるオーラを内包した武器を扱えるわけがないからな。そこで、お前さんの腕を龍化させてその武器を使うという最終手段を、お前さんの妹に用意してもらったわけだ』
ッ!!マジかよ!俺知らなかったんだけど!?
『当然だろう。言ってないんだから』
だよなぁ!でもありがてぇ!!これで左腕を差し出して龍化すればあいつに勝てるんだよな!!感謝するぜ!ドライグ!清羅!
『まぁ、そうなんだが。問題は相手にどうやって短剣の一撃を与えるかだ』
ッ!忘れてたぜ。そもそもライザーに一撃当てるってことがまず容易じゃない。あっちも本気モードみたいだしさっきよりもっと攻撃が当て辛くなるだろう。
『フッ。なんにせよお前は撃ててあと一撃だ。だったらその一撃に今のお前ができる倍加を全てつぎ込んでやれ!』
そうか!だったらやることは一つだ。
そして、俺は鎧の力を使って一気に限界まで倍加する。左手で短剣を力強く握り締め、相手に向ける。
『いいか!力を譲渡して構え続けろ!次相手が攻め込んできたときがチャンスだ!』
了解!!短剣に力の譲渡完了!!
さあ、来いっ!!ライザー・フェニックス!!
「怖気づいたか?・・・・いや、その一撃で終わらせる覚悟か・・・・いいぞ、乗ってやる。せいぜい後悔するなよ、兵藤一誠!!」
ライザーが言葉を言い終えると同時に飛び出す!!
さぁ、こっちに来い!!
まだ耐えろ、まだ使っちゃダメだ。
もっと距離を詰めて、短剣が当たる範囲まで来い!
ライザーが拳を振りかぶる。
ここだッ!!!
『今だ!相棒!!』
「アアアアア!!!」
グサッ
ライザーの拳に短剣が突き刺さる。
「ッ!?こ、この短剣は!?まさか!?」
自分の拳に刺さった短剣に困惑するライザー。
「その短剣には悪魔の苦手とする聖なるオーラが内包されてる!倍加によってオーラが増大した一撃はいくらあんたでも大ダメージは逃れられないはずだ!!」
「本気か!?つまりお前はこの一撃のためだけに左腕を支払ったというのか!?」
ライザーは驚愕に染まった瞳で俺を見ている。
「あぁ、そうだ!だって俺の腕一本で部長が自由になれるんだ!だったら腕の二本や三本くれてやるよ!!」
グッ!!こうは言ってみたもののもう体が本当に動かねぇ!鎧もさっきの一撃で解除されちまったし・・・・
それでもライザーはまだ立ってる。
ここまでか?
「・・・・ククク・・・・・・・・・・・・フーッハッハッハッハッハッハ!!!!!!」
なっ!?いきなり笑いだしたぞ!?
「何がおかしい!!」
「ハハハ。いや、失礼。まさかお前がここまでやるとは思ってなくてな。わざわざフェニックスの涙まで使ったかいがあって安心したよ」
・・・・褒められた・・・・のか?今の言葉をそのまま受け取ったらそうなるんだけど・・・・
「・・・・信じられんって顔してるな。兵藤一誠。・・・・見ろ」
言われるままに俺はライザーを見る。
すると、いつもは再生するはずのライザーの体が再生していなかった。
「つまりはこういうことだ。・・・・・・・・安心したよ」
?何を安心したんだ?自分がやられたってのに?
「俺とここまで戦える覚悟と強さ。そして思いをお前が背負っているってことだ。これならリアスをお前に任せても問題なさそうだな」
「誇れ、兵藤一誠。お前はこのライザー・フェニックスに打ち勝ち。お前の愛する主の婚約を阻止したんだからな」
そういうことか・・・・
俺の腕を対価にして叩き込んだ一撃は通用したんだな・・・・
あぁ、俺の覚悟はやっぱり無駄じゃなかったみたいだ。
そしてそれを、目の前の敵はそれを証明してくれた。
本当、感謝してもしきれないや。
「
こうして、初のレーティングゲームは、俺達の勝利で幕を閉じた。
―●●●―
「・・・・お見事です、兄さん。これはヴァーリ君が喜びそうですね」
レーティングゲームが終わり、私は転移で既に家に戻っていました。
あの短剣。ドライグと相談して用意したんですが、無駄じゃなかったようです。
さて、あの腕輪の性能をアザゼルさんに報告するとしましょうか。
試作品だったみたいですけどちゃんと機能するあたり、流石アザゼルさんといったところでしょうか。
では、兄が帰ってきたら、労いの言葉をかけてあげるとしますか。
ありがとうございました!また次回!お楽しみに!!