第十五話!始まります!
・・・・僕、木場裕斗は今、ゼノヴィアと共に目の前に立つ圧倒的な存在と対峙していた。
フリードが先程放った一撃。
あのデュランダルを優に超える一撃だった。
名のある魔剣とは言えあそこまでの一撃を放てるとはね・・・・
覚悟を決めて聖魔剣を強く握り締める。
隣にいるゼノヴィアも同じ様子だ。
圧倒的にこちらが不利だけどそれでも僕はいく!
僕を信じてくれた仲間達のためにも!
「覚悟は決まったかい?青髪ちゃん。『騎士』君?こっちはいつでもオーケーだぜ?
__来いよ__」
「はァァァァッッッ!!」
僕より先にゼノヴィアがデュランダルを携えて飛び出す!
出遅れたか!!一瞬遅れて僕も飛び出す!
ガキィィィン!!
響き渡る剣戟音。ゼノヴィアは必死に打ち込んでいるのに対し、フリードは涼しい顔をして受け止めている。
「よっと!」
そして、何回かの打ち合いの末にゼノヴィアが空中に弾き飛ばされた。
しかしゼノヴィアは体制を即座に立て直し、一気に斬り込む。
僕もそれに合わせて斬り込んだ。
「ふーん。即席にしてはまぁまぁの連携ッスね・・・・・・・・でも」
ギィンッッッ!!
「「クッ!」」
「それだけじゃまだ足りないぜ、お二人さん」
一瞬だけど僕も打ち合って痛いほど実感した。
差がありすぎる!!
僕は
それに対してフリードはバルムンクを完全に使いこなしている!
「フッ。私がデュランダルを使いこなせていないのに対して向こうは完全に使いこなしているか。
ここまで差があると笑えてくるな」
ゼノヴィアもそう言っているけど本心ではとても悔しそうだ。
・・・・僕も同じだ。
いや、そんなことで諦めてどうする!!
コカビエルといい圧倒的な差があるのは分かりきったことじゃないか!僕は勝つ!!
「まだだ!!」
「あぁ!そう来なくっちゃなぁ!!」
行くぞ!僕の思いに応えてくれ!
「
幾重にも聖魔剣を創り出してフリードを包囲する
「・・・・舐められたもんッスね。これで囲ったつもりッスか?」
しかしフリードは魔剣を一閃するだけで周囲の聖魔剣を難なく破壊した!!
やっぱりだめか!!
だったら正面突破だ!!
僕は真正面からフリードに斬りかかる。
しかしフリードは一切動じずに僕の聖魔剣を受け止める!
「・・・・やっぱりまだうまく使いこなせてないッスね」
フリードはそう呟くと、聖魔剣を破壊し、僕を吹っ飛ばした。
「グアッ!」
くッ!やっぱり勝てないのか!?
まだフリードだけでなくコカビエルまでいるというのに!!
「はぁぁぁッッッ!!」
僕が倒れてすぐにゼノヴィアが立ち向かう。
デュランダルとバルムンク。
名のある名剣どうしが幾度となく剣戟を繰り広げる。
しかし、使い手の実力差により、ゼノヴィアは吹き飛ばされた。
「・・・・ま、こんなもんかねぇ」
デュランダルを持ってしても敵わないのかっ!
そう歯噛みしていると、フリードが声をかけてきた。
「いやぁ〜、別に悔しがることはないっスよ。そっちの『騎士』君は
「・・・・というかデュランダルは特に制御できなくて普通なんスよ。
・・・・・・・・まぁ、先代の担い手がほぼ完全に制御して使いこなしてたって例はあるっスけどね」
そうは言うけどやはり悔しい!
こうして情けをかけられていることが特に悔しさを助長させた。
そんな中、もう一人余裕ある顔をする人物がいた。
__コカビエルだ。
コカビエルは僕達の様子を見て苦笑し、言葉を放った。
「ふふふ。まさかフリードが魔剣バルムンクの使い手だったとはな。・・・・・・・・しかし、仕えるべき主をなくしてまで、お前達神の信徒と悪魔はよく戦うものだな」
「どういうことだ?」
地に伏すゼノヴィアが怪訝な様子で聞く。
すると、コカビエルが衝撃の一言を放った。
「・・・・あぁ、そうだったな!お前達下々の者たちは知らないのだったな!!なら教えてやろう!先の大戦で、四大魔王だけでなく、神も死んだんだよ!!!!」
__は?
なんだって!?
周りを見渡すと、フリード以外の皆が同じ表情だった。
「これは知らなくて当然のことだ。神が死んだという重大事実。誰に言える?特に人間に知られてみろ。大混乱が起こる。これを危惧した三大勢力の長たちはこの事実を封印したのだよ!あぁ、ちなみに、先程その事実に近づいたバルパーは俺が殺したがな」
嘘・・・・だろ?
これが事実だとしたら・・・・僕らは一体何のために
「嘘だ・・・・嘘だ・・・・嘘だ・・・・」
僕の隣にいるゼノヴィアは特に狼狽していた。
証拠に目が虚ろで力が抜けている。
・・・・無理もないか。彼女は僕と違って現役の信仰者だ。生き甲斐を失うのとほぼ同義だろう。
僕らが衝撃の事実に項垂れていると、コカビエルは憤怒の形相を浮かべ、強く語りだした。
「俺は戦争がしたいんだよ!神と魔王を失った悪魔と天使は戦争継続は無意味と判断して引き下がり、アザゼルさえも『二度目の戦争はない』と宣言する始末だ!耐え難い!ふざけるなぁっ!!あのまま継続すれば確実に俺達が勝っていたのだ!!!」
バタリ
「アーシア!しっかりしろ!アーシア!」
アーシアさんは衝撃の事実に倒れ込んでしまった。
彼女は悪魔になっても信仰心は死んでなかった。やっぱりこうなってしまったか・・・・
「俺は戦争をする!お前達の首を土産に!俺だけでもあの時の続きをしてやるッッッ!!!」
コカビエルは拳を天にかざして戦争続行の意を示した。
フリードといい、僕達が挑むべき相手ではなかったのかもしれない。
そう思いながらも、僕は剣を握り締め立ち向かおうとした。
__パチパチパチパチ__
そこに突如拍手の音が鳴り響いた。
音源を見れば、そこには手を叩くフリードの姿。
どういうことだ?彼はコカビエルと同じく戦争を望んでいるんじゃなかったのか?
それなのにフリードはコカビエルを馬鹿にした様子だ。
コレにはコカビエルも少々苛立った様子。
「・・・・フリード。貴様。どういうつもりだ?」
「ククッ。いやぁ?見事目論見通り動いてくれたなぁって思ってさぁ」
目論見通り!?どういうことだ!?
「どういうこと!?」
部長も驚いた様子だ。
すると、フリードは衝撃的な一言を発した。
「何を隠そう!俺の役割はグレモリー眷属達とコカビエルが衝突してグレモリー眷属達が死なないように現場を調節することだったのだよ!!!ってな!!」
!?嘘だろ!?
・・・・いや、でも、よくよく考えたらフリードがその気になれば僕達を殺せる瞬間なんて数え切れない程あったはずだ。
・・・・そういうことだったのか。
「・・・・そうか。ではお前が相手になるか?フリード・セルゼン?あれ程の剣士なのだ。さぞ楽しめそうだ」
っ!マズイ!ここで戦いが始まるのか!?
だとしたら皆が危ない!
そう危惧していると、フリードは驚きの一言を放った。
「うーん。それもいいッスけど俺っちはか弱い人間!なーのーでー!俺はパスしまーす!」
んな!?正気なのか!?
コレには僕達だけでなく、コカビエルも目元を引きつらせている。
「・・・・何故だ?ここにいるグレモリー眷属達だけでは俺には敵わないと思うが?まともに戦えるのはお前だけだろう」
「なっ!私達が負けるとでもいうの!?ふざけないで!」
「・・・・・・・・ふざけてんのはてめぇらの方だっつーの。何?本気で堕天使幹部に勝てるとでも思ってたのか?」
!!フリードから発せられる圧が増大した!
これほどのものなのか!?
現に僕や部長達の震えが止まらなくなっている!
「ふん。先程の威圧だけで動けなくなるとはな。
それでフリード。結局、お前以外に誰がこの俺を止めるのだ?」
「まぁまぁ、そう慌てなさんな。
・・・・・・・・お?やっとご到着か〜」
フリードがそう言って天を見た。
僕達も釣られて天を見る。そこにはいたのは眩いばかりの白。
__勝てない__
天から降り注いできたそれは、僕達に圧倒的な存在感と力量差を感じさせた。
よく見ればあれは白く輝く鎧。似ている・・・・
一誠君の『
ならば答えはひとつ。目の前の存在の正体は!
「・・・・・・・・『
「黙れ」
コカビエルが言葉を言い終えるより前に彼から血が吹き出した!
疾いっ!!!僕も何が起きたか全然分からなかった!
「おのれ!!」
コカビエルは数え切れない程の光の槍を形成し、白龍皇に攻撃する。
しかし白龍皇はそれをものともせず、腕を横に払うだけで消失させた。
「・・・・・・・・弱いな。半減を使わずしてこの程度とは・・・・つまらん。一刻も早く終わらせるか」
白龍皇は落胆したように呟くと、光の軌跡を生み出して僕達の視界から消えた。
ドンッッッ!!!
白龍皇の鋭い拳がコカビエルに突き刺さる。
そして、コカビエルは力なく地面に倒れ込んだ。
「こ、この俺が、そんな」
「いい加減黙れ。見苦しい」
ゴンッッッ!
白龍皇は喚くコカビエルを殴って意識を奪った。
僕達が手も足も出なかったコカビエルをいとも容易く・・・・・・・・
「さて、ご苦労だったな、フリード」
「ほいほーい、別にこの程度どうってことねぇっスよ」
白龍皇は意識を失ったコカビエルを抱え、そしてフリードは白龍皇に掴まり、空に飛び立とうとした。
『無視か、白いの』
『起きていたか、赤いの』
互いの宝玉が光って言葉を発している。
二天龍同士が会話を始めたのか?
『せっかく出会ったのにこの状況ではな』
『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある』
『そうだな。しかし赤いの、今回は敵意が全く伝わって来ないが?』
『そちらこそ、敵意が段違いに低いじゃないか』
『お互い戦い以外の興味対象があるということか』
『そういうことだ。こちらはしばらく独自に楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろう?また会おう、ドライグ』
『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』
二天龍は会話した後、別れを告げた。
しかし、一誠君は納得できなかったようで。
「おい!どういうことだよ!?お前達は何者で、何をやってんだよ!?」
この問に対して、白龍皇は一言だけ残した。
「まぁ、全てを理解するには力が必要だ。強くなれよ?いずれ戦う俺の宿敵君」
そして、再び白い光の軌跡を生んで飛び立っていった。
__終わった・・・・のか。
この町は救われたんだ。思わぬ乱入もあったけど・・・・
そうして考え込んでいると、ふと後ろから叩かれた。
「やったな!木場!へぇ〜。それが聖魔剣か!なんかこう。幻想的だな!」
「あ、ありがとう。一誠君」
「裕斗」
僕と一誠君が聖魔剣について話していると、部長から声をかけられた。
「裕斗、本当によく帰ってきてくれたわ。それに
「部長!僕は改めて誓います!僕、木場裕斗はリアス・グレモリーの眷属__『
「ありがとう。さて、裕斗?」
ん?何か部長が手に魔力を集め始めたぞ?
・・・・すごい、嫌な予感が。
「勝手な事した罰よ。お尻叩き千回ね」
__その後、学園の後処理が行われ、僕は痛むお尻を抱えながら、家に帰った。
ありがとうございました!!
また次回もお楽しみに!!