今話、短いです。
「というわけで、今日からオカルト研究部の顧問になった。皆、俺の事をアザゼル先生と呼べ。あぁ、清羅は『お義父さん』でもいいぜ?」
あの会談から後、俺たちの前で着崩したスーツ姿のアザゼルが部室のソファで寛いでいた。
・・・・・・・・なんで!?
「・・・・・・・清羅、これはどういうこと?というかなんでヴァーリとフリードもここにいるの!?」
部長は声を荒げ、清羅の隣にいるヴァーリとフリードの二人に視線を向ける。
部長の言葉に、清羅が応答する。
「そうですね。簡単に説明すると、アザゼルさんがこの町に滞在するために、皆さんの未成熟な『
ヴァーリ君とフリードさんがいる理由は、単純にこの町の戦力強化のためです」
「・・・・そ、そう。一応理解したわ」
清羅の説明に、溜息をつきながら一応の理解を示す部長。
「ま、清羅の説明の通りだ。これからこの町は、三大勢力の重要な拠点となる。それに、『
アザゼルが補足説明をしてくれた。
そ、そっか。俺達、将来的な抑止力として期待されてるんだな。
ていうか、ヴァーリと清羅はもう抑止力として数えられてんのかよ!
「・・・・すいません。気になったんですが、『ヴァーリチーム』のメンバーって、ヴァーリと清羅以外に誰がいるんですか?」
俺は気になったことを質問してみる。
「俺のチームのメンバーは、清羅と俺、フリードを含めると、七人と一頭だ・・・・・・・・それにしても、偶然にしてはできすぎてると思わないか?清羅、フリード」
「えぇ、そうですね」
「そうッスね〜」
俺の質問に答えてくれたのはヴァーリたった。
・・・・・・・・それにしてもできすぎてる?
どういうことだ?
メンバーの事を聞いたら、更に謎が深まったぞ?
「その様子だと、更に謎が深まったみたいですね、兄さん。安心してください、また改めて紹介しますので・・・・・・・・あぁ、それと小猫ちゃん」
「・・・・・・・・なんですか?清羅」
「貴女のお姉さんの指名手配が、この前の会談にて、正式に解除されました」
「!?」
いつもの無表情を一変させ、目を丸くする小猫ちゃん。し、指名手配?小猫ちゃんのお姉さんが?ど、どういうこと?
周りを見れば、グレモリー眷属の皆も目を丸くしていた!
「清羅、どういうことなの!?『SS級はぐれ悪魔』黒歌の指名手配が解除されたですって!?」
部長が慌てて清羅に問いかける。
ッてSS!?なんだよそれ!!
そんな俺の・・・・いや、俺達の疑問に答えたのは、清羅ではなく、アザゼルだった。
「あぁ、清羅。ここは俺が説明する。
実は、黒歌の罪には悪魔側に大きな非があってな。それを証明するため、以前からサーゼクスと共に、清羅を通じて秘密裏に調査してたんだ。で、この前ようやくその証拠を掴み、黒歌の罪を晴らすことに成功したというわけだ」
お、おぅ。なんかすごいことになってるぞ。
清羅、サーゼクスさん、アザゼル。そんな事をしてたんだな・・・・
それを聞き、皆が驚愕している。
「じゃ、じゃあ、姉様は力に飲まれたわけじゃなかったん、ですか・・・・?」
「あぁ、そうだ」
小猫ちゃんが、涙を必死に堪えながらアザゼルに問いかける。
「・・・・姉様にまた・・・・会えるんですか?」
「あぁ、会える。そうだな、今度うちの組織に来い。そして、姉妹で腹を割って話し合え」
「・・・・はい・・・・ッ!」
小猫ちゃんが堪えていた涙を流す。
なんだろう、よく見ると、小猫ちゃんの何かが吹っ切れたように見える。
「本当に良かったですね、小猫ちゃん・・・・!」
「うん・・・・!」
再び小猫ちゃんの方を見ると、清羅と二人で抱き合っていた。
なんかよく分かんないけど良かったな、小猫ちゃん・・・・!!!
―●●●―
「落ち着いたか?小猫」
「はい、お見苦しい所をお見せしてすいません」
小猫ちゃんはあれから数分位泣いて、今は完全に落ち着いている。
「何言ってるの、小猫。見苦しいわけないじゃない」
「あ、ありがとうございます」
そうだぜ。部長の言う通り、見苦しいなんて絶対に思わないさ。
「さて、話を戻させてもらうぞ?
いきなりで悪いが現状の確認だ。
まずは木場裕斗。お前、どの位『
アザゼルが、まず木場に質問した。
「現状、一時間程度が限界です」
「・・・短いな。三日は維持できるようにしろ」
厳しいなぁ。
「俺は限定条件付きで十秒ですが・・・・」
俺が言うと、アザゼルは呆れた様子だった。
「お前は一から鍛え直す。ちなみに、ヴァーリと清羅は『
・・・・・・・・一ヶ月か。
正に、天と地の差だ。
・・・・・・・・俺、追い付けるかな?
アザゼルが俺への話を終え、次に朱乃さんへ視線を向けた。
「さて、朱乃。まだ俺らが―――バラキエルが憎いか?」
・・・・そうか。そういえばそうだった。
朱乃さんは堕天使幹部の実の娘なんだ。
アザゼルの質問に対し、朱乃さんは厳しい表情で言葉を返す。
「えぇ、許すつもりはありません」
「・・・・そうか。お前が悪魔になったとき、アイツは何も言わなかったよ」
「当然です。あのヒトが私に何か言えるはずがありませんから」
「・・・・そういう意味じゃないんだがな。ま、グレモリー眷属になったのは悪くないと思うぜ。ただ、それ以外だったらどうなってたかな」
「・・・・・・・・・・・・」
朱乃さんとアザゼルは、互いに複雑な表情を作って、黙り込んだ。そして、その状態が暫く続いたあと、何故かアザゼルが俺に顔を向けてくる。
「おい、確かイッセーだったか?
お前、ハーレムを作るのが夢なのか?」
「え?あ、はい!」
あぁ、そうだ。ハーレムは俺が本気で叶えたい夢の一つだ!
そんな俺に対して、アザゼルはとんでもない事を言い出した!
「なら、俺がハーレムを教えてやろうか?これでも過去数百回ハーレムを形成した男だ。話を聞いておいて損はさせねぇさ」
―――え?
「マジ・・・・ですか・・・・!?」
「あぁ、マジだ」
ウォぉぉぉ!!!
来た!キタキタキタキタァァァ!!
すると、次の瞬間。俺が興奮してるところへ、衝撃的な一言が叩き込まれる事となる。
「アザゼルの言葉に乗るな、『お義兄さん』。確かに、アザゼルは過去数百回のハーレムを形成した。だが、裏を返せばそれは過去数百回崩れているという事だ。それに――」
「そ、それに?」
俺はヴァーリの次の言葉が気になり、待っていると、何故か清羅が口を開く。
「アザゼルさん以外の周りの人達が妻子持ちなのに対して、アザゼルさんは一人寂しく、独身街道一直線ですからね」
「おい!お前ら!人が地味に気にしてる事を言うんじゃねえよ!!!」
二人の宣言に声を荒立てる総督殿。
・・・・そうか、そうだよね。そんなうまい話ないよね。
アハハハハハハ・・・・・・・・
「・・・・ま、よくよく考えたら、ここにいる女達が、お前の貞操をそう簡単に手放させるわけないか」
アザゼルは、独身の話題を出されて、一人納得しちゃってるし・・・・・・・・
え?ていうか俺の童貞、管理されちゃってるんですか!?
「えぇ、その通りよ、アザゼル。――それにしてもイッセー?ヒトの貞操を守っておいて、自分の貞操は他で散らすってどういうことなのかしら?」
おぉう!部長が怖い!!
そんな俺が部長に言われているのを見て、アザゼルは腹を抱えて笑う。
「ハハハハ!そうかい、そうかい!やっぱり教えるまでもねぇな!だったら俺は、お前らの修行を手伝う事に専念させてもらおうか!」
うーん、ハーレムを教えてもらえないのは残念だけど、童貞が管理されてるんじゃ仕方ない。
お願いしますよ、先生。
「おっと、言い忘れるところだったぜ」
え?なんだろうか?
「サーゼクスからの伝言だ。
『魔王サーゼクス・ルシファーの名において命ず。グレモリー眷属の女性陣は、スキンシップ向上のため、兵藤家で共に暮らす事』だそうだ」
・・・・・・・・え?
それ、本気ですかい?
「それと、これは俺からヴァーリへ・・・・いや、ヴァーリチームへの指令だ」
「なんだ?」
「この町に暮らす際、お前達も兵藤家で暮らすこと。いいな?」
「それは清羅と同棲しろ、と言うことか?」
「なんだ?嫌なのか?」
「そんなわけ無いだろう、大歓迎だ!・・・・・・・・ただ、ちゃんとそちらの親御さんの許可はもらったのか、ということの心配をだな」
おいおいおい、ちょっと待て。
朱乃さんたちだけじゃなく、ヴァーリとその愉快な仲間達まで来るっていうのか!?
「ヴァーリ、そこは心配するな。この事を話したら、向こうは快く許可してくれたぞ。ていうか、寧ろウェルカムといった雰囲気だったな」
父さん!母さん!あんた達、何許可出してんですかァァァ!?
「フッ、そうか。なら問題ないな。というわけで清羅。早速、今日からお邪魔させてもらうぞ」
「はい、分かりました!・・・・・・・・ところでアザゼルさん。部屋の方は――」
「当然、お前達二人は同室だぜ。もちろん、向こうと俺が話し合って決めた」
嘘ォ!!
父さん、母さん!あんた達本気で何考えてんだ!?こんな見るからに性欲旺盛な男を、可愛い可愛い娘と一緒にするなんて!!
クソッ!!これも堕天使総督の策略かっ!
「さて、これから同じ家、同じ部屋で同棲だ。よろしく頼むぞ?清羅?」
「はい、もちろんです。こちらこそよろしくお願いしますね?ヴァーリ君」
くぅ!向こうは向こうで幸せそうだし!
羨ましいことこの上ないぜ、チクショウ!
ていうか、清羅との距離がさっきから近いんだよこの野郎!いい加減離れやがれ!!
ありがとうございました!
まだ次回もお楽しみに!