妹は聖槍使い!?   作:天覧会の部長

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お待たせしました!

始まるよ!


第二十五話

 

 翌日、私達は、若手悪魔の会合を終えて帰還したグレモリー眷属達と共に、温泉に浸かっていました。

 

「いや〜、流石名家グレモリー家の温泉!極楽だにゃ〜」

 

「本当ですね!黒歌様!清羅様!」

 

 隣には黒歌さん、ルフェイちゃんがまったりしていました。

 あぁ、今までの疲れが取れていきます。

 本当、気持ちいいです。 

 

「ところで清羅。またおっぱい成長しのかにゃ?」

 

 そうやってまったりしていると、突然黒歌さんが訳のわからない質問をしてきました。

 

「突然何を言い出すんですか、あなたは・・・・」

 

「えぇ〜、いいじゃにゃい。今は女の子だけなんだから〜」

 

 確かにそうですけど・・・・

 あとルフェイちゃん、地味にそうやってから知りたそうな顔をしないでください。

 

「ぁん・・・・って!何するんですか!?」

 

 いきなり黒歌さんが胸を鷲掴みにしてきました。

 さ、触り方が嫌らしい・・・・!

 

「むむむ、やっぱり大きくなってるにゃ!触り心地もいいし・・・・」

 

「ちょ・・・・!どこ触ってるんですか・・・・!」

 

「どこって・・・・おっぱいだけど?」

 

 私の質問に平然と答える黒歌さん。

 そ、それはそうですが!

 

「んぁっ・・・・こ、小猫ちゃん・・・・助けて・・・・んぅ・・・・下さい・・・・!」

 

 私は、この黒猫の魔の手から逃れるため、近くにいた、親友である小猫ちゃんに救援を求めました。

 

「・・・・・・・・嫌です・・・・!」

 

「な、なん・・・・で、ですか・・・・ふぁ!」

 

 しかし、そんな私の救援要請は、小猫ちゃんには届かなかったようです。

 な、何故ですか・・・・!親友だと思っていたのは私だけだったんですか・・・・!!

 

「あぁ〜、なるほど・・・・白音、妬けちゃったみたいにゃ」

 

 どこか納得した様子で呟く黒歌さん。

 や、妬けた?何故?今のやり取りの、どこに妬ける要素が?

 

 

 

「ぬわぁァァァァ!!」

 

 そうやって、小猫ちゃんが嫉妬した理由を一人考え込んでいると、空から兄さんが降ってきました。

 

 兄さん、ついに壁を乗り越えてまで覗きに来るレベルの変態に成り下がりましたか・・・・!

 

「み、皆!これは、アザゼル先生に投げ飛ばされて・・・・!」

 

 兄さん。いや、この場合はもう『馬鹿兄』でいいですね。その馬鹿兄が必死になって弁解してますが、言い訳無用です。

 

「・・・・最低ですね、変質者先輩」

 

 小猫ちゃんも、構えていつでも拳が放てるようにスタンバイしてます。

 

 

「清羅、お前・・・・おっぱい成長したな!お兄ちゃん嬉しいZE!」

 

 そんな状況の中、無駄に良い笑顔でふざけたことを言う馬鹿兄。

 

 ほ〜う。どうやら、死にたいようですね。

 ならば・・・・・・・!

 

 

「『黄昏にて光を放て。其は空を裂き、地を繋ぐ。――嵐の錨。――黄昏にて輝ける槍(ロンゴミニアド)!』」

 

 加減したとはいえ、聖なる力を込めた言霊による詠唱により、ある程度の力を持った一撃が、馬鹿兄に向けられる。

 

「ギャァァァァ!!!」

 

 そんな一撃を受けた馬鹿兄は、悲鳴をあげながら、遥か彼方へと飛んでいきました。

 

 

「清羅・・・・・・・・流石にやりすぎなんじゃないかしら?」

 

 それを見て、心配そうにしているリアス先輩。

 甘い、甘いですよ。リアス先輩!

 

「リアス先輩、甘いですね。あの様な変質者は、これくらいするのが丁度いいんです!」

 

「その通りです、部長」

 

 私の言葉に同意した言葉を投げかける小猫ちゃん。

 これには、リアス先輩も一応納得したのか、馬鹿兄を心配することはなくなりました。

 

 

 

―●●●―

 

 

 

 俺、兵藤一誠が女湯を覗いた事により、妹に吹き飛ばされてから一日が経った。

 

 今日から修行を始めるため、グレモリー家の広い庭の一角に、眷属の皆とヴァーリチームの皆が集まっていた。

 ヴァーリチームの皆がここにいる理由は、俺達の修行を手伝うためらしい。

 

「よし、全員集まったな。これより修行を開始する。まずはリアス、お前からだ」

 

 先生は部長を呼ぶと、修行内容が記された紙を部長に渡した。

 

「・・・・これって、特別すごいメニューには思えないのだけれど?」

 

 渡された紙を見て首を傾げる部長。

 

「そりゃそうだ。なんてったって、基本的なトレーニング方法だからな。お前はそれでいい。ただ、問題は『(キング)』としての資質だ。『(キング)』というのは時と場合によって、力よりも頭が求められる事の方が多い。だから、お前は期限までにレーティングゲームというものを知れ。データや戦略を頭に叩き込むこと、いいな?」

 

 的を得た説明お見事です!先生!

 やっぱ、説得力が違うなぁ・・・・

 

「次に朱乃」

 

「・・・・はい」

 

 先生に呼ばれ、かなり不機嫌になっている朱乃さん。

 そんな不機嫌な朱乃さんに、先生は真正面に言う。

 

「お前は自分の中に流れる血を受け入れろ」

 

「ッ!」

 

 ストレートに言われた事により、顔をしかめる朱乃さん。

 

「フェニックス家との一戦、見せてもらったぜ。本来のお前のスペックなら、敵の『女王(クイーン)』を苦もなく打倒できたはずだ。いいか?雷だけでは限界がある。光に雷を乗せ、『雷光』としなければお前の真の力は発揮できん」

 

 キッパリと言い切った先生。

 そうだよな、朱乃さんは堕天使の血を引いてるわけだから、光の力も使えるってわけだ。

 

「・・・・私は、あのような力に頼らなくとも」

 

 それに対し、朱乃さんは複雑そうな表情だった。

 

「否定はするな。最後に頼れるのは己の体だけだ。否定がお前を弱くしている。自分を全て受け入れろ。でなければ今後の戦闘でお前は邪魔になるだけだ。『雷の巫女』から『雷光の巫女』になってみせろよ」

 

「・・・・・・・・」

 

 先生のストレートな言葉に、朱乃さんは黙ったままだった。

 

「さて、次は木場だな」

 

「はい」

 

「お前は、まず『禁手(バランス・ブレイカー)』を開放している状態を一日保持することだな。それに慣れたら、次は実戦形式の中で一日保持させる。それを続け、状態維持を一日でも長くできるようにするのがお前の目的だ。『神器(セイクリッド・ギア)』の扱い方は、あとでマンツーマンで教えてやる」

 

 なるほど。木場は『禁手(バランス・ブレイカー)』を保持する時間を長くすることが目的か。

 

「剣術の方は・・・・お前の師匠、アーサー、フリードから実践形式で学ぶという事でいいんだな?」

 

「はい、その通りです」

 

 な!?

 こいつの師匠にも驚いたけど、あの二人からも実践形式で学ぶのか・・・・

 木場、修行終わったらすごいことになってるんじゃないか?

 

「次はゼノヴィア。お前の目的はデュランダルを今以上に使いこなせるようにすることと・・・・もう一本の聖剣に慣れてもらうことにある」

 

「もう一本の聖剣?」

 

 ゼノヴィアは先生の言葉に疑問を感じた様子。

 も、もう一本の聖剣?

 

「あぁ、ちょいと特別な剣だ」

 

 ニヤける先生。

 しかし、すぐに笑みを消すと、次はギャスパーに視線を向けた。

 

「次はキャスパー」

 

「は、はいぃぃぃぃぃ!」

 

 先生に声かけられてここまでビビるかね、この引きこもりくんは・・・・

 

「そうビビるな。お前の最大の壁はその恐怖心だ。まずは、それを克服せにゃならん。元々お前の血筋、『神器(セイクリッド・ギア)』は相当なスペックだからな。というわけで、お前専用の引きこもり脱却プランを考えておいた。いいな?」

 

 先生の言うとおりだな。まずは自分自身の精神が安定しないとだめなんだよな。

 

「はいぃぃぃぃぃ!が、頑張ります!」

 

 そう言いながらダンボールに入ろうとするのはどうかと思うが・・・・

 

「次はアーシアだ」

 

「は、はい!」

 

 お!アーシア、気合入ってるな!

 今回の修行を得て、今まで以上に自信を持ってもらえると嬉しい!

 

「お前の場合は基本的なトレーニングをこなすことに意味がある。まぁ、メインは『神器(セイクリッド・ギア)』の強化にあるんだがな」

 

「アーシアの『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』は最高ですよ?触れるだけで大体のものは治せますし」

 

 正直、これ以上回復能力を高めても意味はないと思う。今でも回復スピードはかなりのものなんだしさ。

 

「そのことは理解してる。回復能力の高さとスピードは大したもんだ。だがな、問題はその『触れる』って点だ。態々至近距離まで行かないと回復が出来ないってとこにある」

 

 確かにそうだ。アーシアの『神器(セイクリッド・ギア)』は至近距離まで来ないと回復が出来ない。

 

「あぁ。ということは、アーシア先輩の回復範囲を広げる気なんですね?」

 

 そうか!そんなことできるのか!

 清羅の言葉を、先生が肯定する。

 

「その通りだ、清羅。こいつは裏技みたいなもんなんだが、『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』の真骨頂は効果範囲の拡大にある」

 

「なるほど、やっぱりそうでしたか」

 

 清羅は普通に納得してたけど、ソレってかなりすごいことじゃないのか!?

 

「しかし、効果範囲の拡大には、やはり問題があってな。敵味方の判断ができずに回復させてしまいそうなことだ・・・・こればっかりは、アーシアの問題だ」

 

「何が問題なんですか?」

 

 俺の質問に対し、先生は真剣な面持ちで応える。

 

「『優しさ』ってやつだよ。アーシアは例え敵だったとしても、そいつのことも回復したいと思ってしまうだろう。こればっかりは生来のものだからどうしようもない」

 

 そっか。アーシアの優しさが敵も癒やしてしまうと。範囲拡大もいいことばかりじゃないんだな。

 

「というわけで、もう一つの可能性を見出す。それは、回復のオーラを飛ばすという力だ」

 

「そ、それは、離れた所へいる人に、こんな感じで私が回復の力を送るということですか?」

 

 アーシアが指鉄砲で何かを撃ち出すジェスチャーをした。

 

「あぁ、そんな感じだ。今簡単に説明したのは、アーシアが何となくやっていたが、飛び道具バージョンだな。これならば、直接触れずとも回復ができるようになる」

 

 回復能力が飛び道具で可能に!

 すげぇ!そりゃあすげぇ!

 

「アーシア!やったな!大活躍できるぜ!」

 

 アーシアは、この情報に驚きながら、自分が活躍できると聞いて、嬉しそうだった。

 

「直接触れるよりも多少回復能力は落ちるだろうが、遠距離の味方を回復できるようになるのは、戦略性が広くなる」

 

 アーシア、本当にすげぇや!

 アーシアの『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』は、フェニックスの涙か回復薬よりも、汎用性と信頼性が段違いだもんな!

 

「アーシア、お前の力はこのチームにおいて強力な武器となる。あとはアーシアの体力次第だ。基礎トレーニング、しっかりこなせよ」

 

「はい!頑張ります!」

 

 ファイトだぜ!アーシア!

 

「次は小猫だな」

 

「はい」

 

 小猫ちゃんも、静かながらも気合の入った返事だ。確か、今回は小猫ちゃんのお姉さんも修行に付き合うんだっけ?

 

「お前は申し分ないほどオフェンス、ディフェンス、『戦車(ルーク)』としての素養を持っている。更に、ここにお前の仙術が加われば、上級悪魔クラスだ。確か、仙術に関しては黒歌に一から教わるんだったよな?」

 

「はい、一から教えてもらう予定です」

 

「任せるにゃん!お姉ちゃんが一から手とり足取り教えてあげるから!」

 

 あれれ?なんか、小猫ちゃんより小猫ちゃんのお姉さんの方が気合入ってないか?

 

「さて、最後はイッセーだ。お前は・・・・ちょっと待て、もうすぐ来るはずなんだが」

 

 そう言うと空を見上げる先生。

 え?何故空を見るんですか?先生?

 

 皆で空を見上げてみると、俺達の視界に巨大な影が写った。

 何事!?敵襲ですか!?こんな時に!?

 

 その巨大な影は、大きな音と土煙を上げ、俺達がいた地面の近くに降り立った!

 

 

 そして土煙が晴れたあと、目の前に現れたのは、ドラゴンだった。

 

「お久しぶりです、タンニーンさん」

 

「久しいな、タンニーン」

 

 そんな現れたドラゴンに、いきなり挨拶をしたのは清羅とヴァーリだった!

 ちょ!?何してんだ二人共!?

 

「あぁ、久しいな、清羅、ヴァーリ。お前達も相変わらずそうで何よりだ」

 

 え?知り合いなの?

 ていうか喋れるんだ!このドラゴン!

 

「やっと来たか、タンニーン」

 

 先生もこのドラゴンの事知ってるみたいだ。

 

「アザゼル、よくもまあ、悪魔の領土に堂々と入れたものだな」

 

「ハッ、こちとらちゃんと魔王様直々の許可をもらってんだぜ?文句でもあんのかよ」

 

「フン。まぁいい。今回はサーゼクスの頼みだから特別に来てやったんだ。その辺を忘れるなよ、堕天使総督殿」

 

「ヘイヘイ。てなわけで、イッセー。こいつとヴァーリがお前の先生だ」

 

 ほうほう、この二人が俺の先生というわけだね。なるほどなるほど・・・・・・・・って

 

「えええええぇぇぇっっ!?マ、マジですか!?」

 

 マジでどういう事!?ヴァーリはまだ分かるけど、このドラゴンも俺の先生!?

 

「そちらも久しいな、ドライグ、アルビオン。聞こえているのだろう?」

 

 ドラゴンは俺の籠手の方に語りかけてくる。

 すると、俺の左腕が赤く輝き、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』が出現する。

 隣を見れば、ヴァーリも『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』を出現させていた。

 

『あぁ、懐かしいな、タンニーン』

 

『我ら三体がこうして揃うなど、先の大戦以来ではなかったか?』

 

 ドライグとアルビオンは、俺とヴァーリだけでなく、周囲の者達にも聞こえるように音声を出した。

 

「ドライグ、知り合いなのか?」

 

 気になって聞いてみると、ドライグは肯定してくれた。

 

『こいつは元龍王の一角、「魔 龍 聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)』タンニーンだ。その火の息は、隕石の衝撃に匹敵するとさえいわれている」

 

 おぉう、元龍王様ですか。初めて見るけどすげぇ迫力!

 ていうか俺、これからこれクラスのヤバイ奴に狙われるってことだよな!?

 恐ろしいぜ・・・・

 

「タンニーンが悪魔になって、『六大龍王』から『五大龍王』になったんだったな。今じゃ転生悪魔の中でも最強クラス。最上級悪魔だ」

 

 さ、最上級悪魔!?ていうかこのドラゴンさんは悪魔だったのか!

 

「というわけでタンニーン、ヴァーリ、修行に付き合ってやってくれ」

 

 先生の言葉に、タンニーンさんは何か納得したようだ。

 

「なるほど。ドラゴンの修行と言えば元来から実戦方式。俺とヴァーリでこの少年をいじめ抜けと言うわけだな」

 

 とんでもない事を言い出すタンニーン。

 待って待って!俺、今からいじめられるの!?

 

「あ、私のヒュドラも行かせますね」

 

 サラッと、笑顔でとんでもない事を口にする清羅!

 

「おぉ、それは素晴らしいな。ぜひとも頼む、清羅」

 

 何納得してるんですか!?タンニーンさん!?

 元龍王に白龍皇。これだけでも十分死ねるのに、そこにヒュドラ!?俺、一体何百回死ねばいいの!?

 

「カール、兄さんをしっかり鍛えてあげて下さいね」

 

「キュアアアアアアア!(お任せください!我が主!)」

 

 待て待て待て!

 カール君、すげぇ気合入ってるけど、俺本当に大丈夫!?ていうか名前カールって言うのね!?

 

「それじゃあ皆、各自各々に修行メニューをこなすこと!いいわね」

 

 部長と先生は俺を置いて話を進めていた!

 

 ちょっとちょっと!俺はこのままですか!?

 俺、化け物に襲われて死んじゃうよ!?

 

「兄さん!ファイトです!」

 

 清羅が、ものすごく良い笑顔で俺にエールを送ってくれている!

 

「何をしている、『お義兄さん』早くあの山で修行するぞ」

 

 そう言って、俺の首根っこの部分を掴んで背中の光翼で飛び立つヴァーリ。

 

 

「た、助けてくれぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 お父さん、お母さん。そして、天国にいるお祖父ちゃん。

 冥界での夏休み。

 僕は、山で怪物達と過ごすこととなりました。

 お祖父ちゃん、待っててください。僕もすぐにそっちに行きます。

 

 

 

 ・・・・・・・・いや、よくよく考えたら、俺、悪魔だから天国(そっち)には行けないじゃん。

 アハハハハハハハ。

 

 




ありがとうございました!
次回もお楽しみに!
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