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夢を見た。俺が彼女に殺される夢。
憂鬱な気分が晴れないまま朝食を貪る。そしたら、今になって清羅に心配そうな顔をさせている事に気付いた。
妹にこんな顔させてしまうなんて兄失格だ。いつも妹に心配かけてばかりだけど、毎日心配させているから分かる。今日のこの顔は少し変だ。いつもは呆れたような顔で心配してくる妹が、今は不安が混じったような顔で心配している。
妹の心配を少しでも和らげるために、事実を明るい感じで伝えてみる。
「あぁ、実は夜に変な夢を見て気分が悪くってさ。だから大丈夫。そんなに心配しなくていいって。」
取り敢えず夢で気分が悪いだけと伝えて大丈夫だと言ってみる。そしたら妹はひとまず安心したのかホッとした顔で。
「…そうですか。わかりました。今晩はいい夢が見られるといいですね。」
「そうだな!んじゃ、先に学校行ってくる!」
妹の心配はひとまず治ったみたいだから学校に向かう。そして登校中にいつもとは違う違和感を感じた。
まず、朝の日光がすごい眩しく感じる。あと日光を浴びるだけで気分が悪くなる。
おかしい。俺は決して朝に強いというわけではないが、ここまで朝に弱いわけじゃなかったはずだ。取り敢えずこの疑問を頭の隅に追いやり、俺は学校に向かった。
―●●●―
学校に到着するなり、俺はため息をつきながら席に座った。すると、俺の同士である松田が声をかけてきた。
「よぉ、同士達よ昨日貸したAVはどうだった?特にイッセー、お前はちゃんと妹にばれずに鑑賞できたか?」
こいつ、実は運動神経抜群のスポーツ少年なのだが、その力を運動部に活かさず写真部に所属し、女子高生を撮影する日々を過ごす変態の一人である。
「おうとも松田、昨日は素晴らしいものが見れた。今でもこの高揚が抑えられんよ。」
そういってカッコつけて喋っているメガネが俺の同士の一人でもある元浜だ。こいつはメガネを通して体型を数値化するというスカウターのような真似ができる。
この二人が俺のエロの同士にして親友でもあるのだが、なぜだろうか?夜に見た夢が最悪だったからかこいつらとあった途端気分が滅入る。
その後、いつものようにエロ話をしてて、女子にドン引かれながら学校生活を過ごしていた。途中、俺がエログッズに反応しないことを心配されたが、俺は今日そんな気分じゃないんだ、と返したら二人にかなり驚かれた。
「お前、ホント今日どうした?あぁ、あれか。俺には彼女がいましたっていう幻想の影響か?」
話の中で、俺には彼女がいたという話をしてみても、どうしたんだこいつ?という感じで見られるだけだった。
「俺たちそんな子知らないぜ?これに関しては精神科行くべきだ。」
「まず第一、お前に彼女なんてリアルでできる訳がない!!」
最初はからかってるだけなのかと思ったが、その後の会話で本当に知らないと確信した。
変だなぁ。俺は確かに彼女ができた。それをこいつらにしっかりと自慢して「お前らも早く彼女作れよ」って余裕に溢れた言葉を言ったはずだ。
こいつらに俺には彼女がいたんだ、という証拠を見せつけるために、夕麻ちゃんの携帯のメアドと電話番号を探したが、そんなのは一切見つからなかった。
俺には確かに彼女がいた。でも、メールや電話の記録すら無くなり、友人達もこのことを覚えていない。じゃあ、夕麻ちゃんという人物は誰だったのだろうか?
本当に幻想だったのでは?と思いもしたが、幻想にしては顔をしっかりと覚えている。
やっぱりどうしても納得いかない。
そうして考え込んでいると、松田が声をかけてきた。
「まあ、俺達も思春期真っ只中の高校生だ。そんな幻想を見ることもあるだろう。ここは俺の家に来るといい。秘蔵のコレクションを三人で鑑賞しようではないか!」
「いいじゃないか!これは是非とも行くべきだよ!イッセー君!」
明らかに危ない笑みを浮かべながら提案してくる二人。まあ、俺も普段は人の事言えないわけだが。
俺はこの誘いに、ヤケクソ気味になって答える。
「…わかったよ!!今日は無礼講だ!!!派手に祝賀会でもやるぞお前ら!!」
もう仕方ない。この件はひとまず保留にして欲望に真っ直ぐになろう!
その後、この学園の二大お姉様の一人、リアス・グレモリー先輩と目があって少しビビったけど、取り敢えず俺は、松田の家での鑑賞会に向けて期待を膨らませていた。
―●●●―
松田の家で鑑賞会が終わったその帰り。気分が高揚しすぎて収まらない!いやぁ、泣いた泣いた!鑑賞中に松田は、何故俺には彼女がいないのかという理由で号泣。
元浜は、体育館裏に呼び出され、女子にカツアゲされたことを思い出して号泣していた。これには俺も思わずもらい泣きしてしまった。
そうして、エログッズ鑑賞会で泣くという馬鹿げたことをした帰り、俺は違和感を感じた。まず、ものすごく五感が鋭くなっている。
それと、身体能力がすごい強化されている気がする。今の俺ならインターハイに出ても優勝できる。といったぐらいだ。
マジで何なんだろうかこの力は…俺はいつの間にか夜型人間になってしまったのか?
そうしてまた考え込んでいると、ふと、俺に何か視線が向けられた気がした。明らかに敵意を含んだ冷たい視線を。
こういうのを殺意っていうんだろうなと思って震えていると、眼前の怪しい男と目があった。
「ほう、珍しいものだ。このような場所で、貴様のような存在に出会うのだからな。」
とか言ってこっちをみている。ヤバイ、これは逃げるしかない。今にも襲い掛かってきそうだ。
「こんな場所でうろつくなど主なしか…ならば殺しても問題あるまい。」
不審者が層言っるてる間に強化された身体能力で逃げる!
逃げ続けて15分程だろうか…俺は公園に辿り着いた。ここは間違いない。夕麻ちゃんと行ったデートで最後に来た場所だ。
「逃げられるとでも思っていたのか?」
そう言いながら不審者が現れた。なんかコイツも後ろから羽出してるんですけど!?
いくらなんでもファンタジーすぎないか!?そう思っていると不審者が。
「貴様の主は誰だ?いや、こんなに困惑しているのを見るにはぐれか?ならばこんな反応なのも納得いく。」
なんかまた変なこと言ってるけどこの状況はまずい、夢の通りだと俺はこのあと…
「ふむ。間違いないな、特に主の気配もなし、ならば殺しても問題あるまい。」
そう言いながら目の前の不審者は光る槍を構えた。
ヤバイ、あの夢と同じだ。このままだと俺はあの槍に貫かれて…
「グ…ァァァ…!」
そう思っていたら夢のように既に貫かれていた…
痛い痛い痛い痛い!!槍を引き抜こうにも触れただけで火傷する。
「どうだ?光は貴様らにとって猛毒。さぞ苦しかろう?」
そう言いながらまたゆっくりと目の前の不審者が近づいてくる。マズイ!!これは逃げられない!!
そう思っていたら、目の前で爆発が起きた。そして、煙が晴れたあとには、赤髪のあの人が立っていた。
「その子に手を出さないでもらえるかしら?」
「赤髪、そうか…お前は。」
「お察しの通りよ。リアス・グレモリー、こんばんわ、墜ちた天使さん?」
なんかよくわからない問答を繰り返している。
「となるとそこのガキはお前の眷属か…ならば詫びよう。だがな、一つ忠告しておこう。下僕を放し飼いにするのは良くないぞ?また今日のように私が狩ってしまうかもしれんからな。」
そう言って不審者はどこかに行ってしまった。それに安堵したからか、今までかろうじて保っていた意識が消えかかる…
「…これはまずいわね、ひとまずあなたの治療を」
リアス先輩が何か言い終えるより前に俺は意識を失った。
―●●●―
清羅です。兄を起こしに来た今、兄と先輩が裸で一緒に寝ていました。この状況に対して、なんと言えばいいのでしょうか…
「先輩、これはどのような状況で?」
取り敢えず、確実に事情を知っているであろう先輩に質問します。やっていたことは治療なのでしょうが、万が一という可能性もあるので念のため聞いておきます。
「えぇ、実は昨日、この子が襲撃されてたみたいだから裸で抱き合って治療してたのよ。」
うん。そうだとは思いましたが、両者ともに裸なのであらぬ誤解を招きそうです。もし起こしに来たのが母さんだったら確実に誤解してたでしょう。
「取り敢えず、ご飯出来てるので早めに降りて来てください。」
まあ、要件だけ伝えて降りる事にします。途中、兄の悲鳴じみた叫びが聞こえてきましたが気にしないでおきましょう。
―●●●―
学校に登校してから数分後、周りがやたらと騒がしかったので、何事かと外の様子を見てみると、兄と先輩が一緒に登校していました。
あぁ、これは多分、あれでしょうね。リアスお姉様があんな変態と一緒に登校だなんて!的なやつですね。
案の定、さっき思った通りの言葉が言われていました。そして、何故か兄が男二人に殴られていました。
…もう気にしなくていい気がしてきました。気にしたら余計疲れるだけでしょう。
そう思って携帯をいじっていると、小猫ちゃんが声をかけてきました。
「…兵藤先輩に事情を説明するそうなので授業後部室に来てほしいそうです。いいですか?」
あぁ、やっと説明するんですか。そろそろ私の事とか、先輩達の事とかも説明しておきたかったので丁度良かったです。なのでこの返事には。
「わかりました。授業後向かいますね。」
授業後に向かう事を伝えておきました。そうしたら。
「ありがとうございます。お菓子たくさん用意しておきますね。」
これはますます行かなければなりませんね!では、今日の授業後、説明会といきますか!
ありがとうございました!次は説明会です。お楽しみに!