「諸君、私は戦争が好きだ。諸君、私は戦争が大好きだ。」
大隊へと声が朗々と響く。
「殲滅戦が好きだ。電撃戦が好きだ。」
それを真剣に聞く兵士たち。
「…。」
「…。」
俺が言葉を止めると、兵士たちは何も言わず俺の次の言葉を待っている。
「えーと…。」
「…。」
「あー、あれだ。何て言おうとしていたか忘れた。」
一糸乱れぬ動きで兵士たちがズッコケた。忍でもないのに、あんなに長い文章を覚えている少佐マジパネェ。…ただの人間だったらな。
ゴソゴソと懐からカンペを取り出し、文を確認するフリをして再び話を始める。まぁ、文章を忘れたとか言ったが、実は嘘だ。セリフがあまりにも長いもんで、スパッとカットしているだけ。じゃあ、なんで嘘をついたのかって?それは、彼らの為だ。
兵士たちの様子を見ると、俺が失敗した様子を見て少しは緊張が解れたのが見て取れる。後は、上手く乗せるだけ…。
「諸君、私は戦争を地獄の様な戦争を望んでいる。諸君、私に付き従う大隊戦友諸君、君達は一体何を望んでいる? 更なる戦争を望むか?情け容赦のない糞の様な戦争を望むか?鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な闘争を望むか?」
あらかじめ声を上げるように指示して置いたザクが声を上げる。
「…
『
ザクに釣られ、兵士たちが声を上げていく。場の雰囲気は最高潮だ。
「よろしい…ならば
カンペを破り、細かくなった所で風に舞うように投げ捨てる。
「我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとする握り拳だ。だが、この暗い闇の底で半世紀もの間堪え続けてきた我々にただの戦争ではもはや足りない!!」
拳を振り上げながら熱弁する。
「大戦争を!!一心不乱の大戦争を!!我らはわずかに一個大隊 千人に満たぬ敗残兵に過ぎない。だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している。ならば我らは諸君と私で総力100万と1人の軍集団となる。我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう。髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう。連中に恐怖の味を思い出させてやる。連中に我々の軍靴の音を思い出させてやる。」
掌を上にし、腕を真っ直ぐ前に伸ばす。
「天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる。一千人の忍の
静かに言葉を終わらせる。そして、一転、声を張り上げる。
「音隠れ大隊各員に伝達!大隊長命令である。…さぁ、諸君。」
大蛇丸様譲りの悪い顔で宣言する。
「地獄を作るぞ………。目標火の国、木ノ葉隠れの里!木ノ葉崩し…状況を開始せよ!」
余談ですが、ヨロイは「一千人の忍の戦闘団」といっています。しかしながら、音の忍は実は1000人を余裕で超える程の戦力で攻めています。