【はいふり】繋げシーレーン!〜モグラのふねの輸送道中奮闘記〜 作:すとらっぷ
お前がアトランティスになるんだよ!
男「ふぁ〜〜」
艦長殿の大きな、やる気のないあくびが眠気を誘う
クロウ「アレだな、遅刻確定したら急ぐ気にならなくなる理論」
男「ただでさえこのフネ遅いからな…巡航何ノットだっけ?」
チビ「8ノットです」
男「なるほど成人男性の歩行速度の約三倍の速度だ。通常の三倍って言えばかっこいいな」
チビ「赤い彗星のまるゆ…」
男「うーい、各員何か異常はあるかー?」
『艦長!トイレが臭いです!』
男「あーうん…ですよね……ちょっとした工夫くらいじゃ…どうにもならないよね…」
『こちら機関室、機関長の熊野が意地でも熊のきぐるみを脱ごうとしません!』
男「気にするな、ソイツは結婚式から葬式まで全部きぐるみだ。俺でさえ素顔を見たことが無い」
『ただでさえ暑い機関室できぐるみなんて熱中症で死んじゃいますよ!』
男「ソイツのきぐるみ、エアコン完備だから」
『何それズルい!ハイテクっ!熊野さんそれ僕にも貸してくださいよ!』
きぐるみ『断る、お前にはまだ早い…』
『声渋っ!?熊野さん声渋ッ!』
チビ「エアコンといえば、このフネってエアコン完備なんですよね」
男「ありがたいことにな。……エアコン付けられるならトイレも欲しかったよ……」
『艦長、阿部さんが廊下にベンチ置いて座ってます』
男「間違ってもホイホイ付いていくなよ…あと阿部さんと呼ぶな。彼はくそみそテ◯ニックとは一切関係無い。いいね?」
チョウ「ふぁぁ〜」
一方、こちらは可愛いあくびのチョウ君
ピピピーピピピーピピピー
チョウ「ん?…………ッ!?」
チョウ「カンチョウっ!横須賀女子海洋学校教官艦『猿島』より受信デス!」
ガタガタッ!
男「ど、どうした!言ってみろ!」
チョウ「『猿島』が…学生艦『晴風』より攻撃を受ケ……大破………救難信号デスッ!!」
男「う…ウッソだろおい……反乱…なのか…?そんな馬鹿な…」
チビ「反乱なんてそんなのあり得るんですか!?」
男「自身の意思か……何者かに乗っ取られてるか…なんとも言えないな…そもそもはっきり言って駆逐艦クラスでブルマーの艦倒せるか…」
クロウ「考察は後にしろ艦長!」
男「そうだな…場所は!?」
チョウ「西之島新島沖!例ノ集合地点!」
男「遅刻したからとは言え…ここからなら…すぐ駆けつけられる!機関長熊野!速度は何処まで引き上げられる!?」
きぐるみ『第四戦速までなんとか持たせてやる!幸い燃料はまだまだ豊富だ、さっき事故ったお陰でどさくさに東舞の新品の部品掻っ払ったから修理は出来る。でも壊れない程度に飛ばせ!』
男「わかった!熊野頼むぞ!あと熱中症には気をつけろ機関室暑いから!」
きぐるみ「おうよ…」
男「チョウ!猿島に応答して!」
チョウ「我知道了ァ!!」
男「これより本艦は『猿島』乗員の救助活動に移る!両舷前進第四戦速!」
ネクラ「…両舷前進第四戦速」
男「不良はスキッパーで先行、潜水装備は積んでないから無理はしない!」
不良『スキッパー載せてるのか!?これ潜水艦だぞ!船外にそんなもん載せたらぶっ壊れるわ!』
男「対水性能トップクラスのスキッパー!水中でエンジン起動でもしない限り水には強い優れもの!水圧にも強い!バカ校長が高い金払って買った装備品だ大切に乗り潰せ!」
不良『…了解だァ…うわ……ワカメ付いてる…』
不良『艦長、猿島発見!……まずいな…沈没しかけてる…でも…妙だ』
男「妙?」
不良『かなり左舷に傾いて沈みそうになってる…んだが…穴は空いてない』
男「どういうことだ?」
不良『大破って言う割にはまず砲撃を受けた様子はない。となると雷撃だァ。実際に魚雷受けたような痕はある。でもだ…不発か訓練弾が当たったとしか思えないレベルの被害だ。シロートでも体勢復帰出来るぜェ。例え内部の機械に影響があったとしても大破とは言えないなァ』
男「ダメコンサボってたのか……そんな訳ないなブルマーだもんな」
不良『機械の不良…ってか?』
男「詳しい話は後だ、とにかく生存者の救助、事情は助けた奴に聞くぞ。おっと、まるゆ目標地点に到着した」
男「最低限の人員を残して救助開始!救助信号、旗上げて!」
どうやってスキッパー載せたんですかね