【はいふり】繋げシーレーン!〜モグラのふねの輸送道中奮闘記〜 作:すとらっぷ
びしょ濡れの古庄教官って絶対エロいよね。俺も救助したい。どさくさで胸を触りたい。
チョウ「『天神』より報告!要救助者全員救助完了!死者行方不明者0デス!!」
男「良し!!全員よくやった!褒美に後で校長から財布せしめて焼肉いくぞ!」
理不尽に奢りが決まった!ゴチになります!
ネクラ「……校長…………南無」
男「ところで阿部さん、救助者にメシ作れる?温かいやつ。低体温で衰弱とか怖いから」
阿部「そう言われると思ってもう配ってる。温かい味噌汁とおにぎり。………ちなみにこれ、俺らの今日の夕飯な」
男「…仕方ないだろ……うん…夕飯は遅くなりそうだな…」
男「…取り敢えず天神に指示を仰ごう。どこに寄港していいかもわからんし。チョウ、頼む」
チョウ「了解!」
男「後、もし出来ることならならシャワー貸して下さい。お願いしますと伝えて。この船、シャワー無いから」
チョウ「天神より返信、横須賀女子海洋高校に寄港、そこで猿島乗員を降ろすそうデス。シャワーは…近くに銭湯があるからそこにいけト…費用はブルーマーメイドが出してくれるそうデス」
男「そりゃありがたい!……ところで我々、トラブル続きでまだメシを食べていないんだが…ついでに言うとつい先程夕飯が消え去ったんだが……と、遠慮がちに送って」
クロウ「送るも何も…先程から手旗信号で『ハラヘッタ メシクレ』ってラブコールしてる馬鹿がいるが?」
キモオタ「ボ、ク、タ、チ、ハ、オ、ナ、カ、ガ、ペ、コ、ペ、コ、デ、ス」ブンブン
お手本のように正確で切れのある手旗信号
男「こらキモオタぁ!!メシをタカるときは悲壮感漂わせて情けで食わせて貰うんだよ!元気にタカってどうする!」
チビ「見張り員から報告、天神艦長、大爆笑してます」
男「よしっ!好感触だ!キモオタ続けろ!」
クロウ「見事な手の平返し…」
チビ「艦長!キモオタが調子に乗ってモブ二人引き連れて手旗信号にヲタ芸を交え始めました!なんもう美しいです!芸術的なダンスの域です!」
男「ヲタ芸は昔から芸術だぞ!」
チョウ「艦長!美しい手旗ヲタ芸に免じて一人頭750円までナラ奢ってくれるそうデス!」
男「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!チビ!横須賀で美味い店探せ!」
チビ「抜かりなくホッ◯ペッパーで検索済みです!」
クロウ「無駄に手際がいいな」
人命救助で培われたチームワークは時としてしょーもないことに使われる
男「前進強速ヨーソロー!このまま海辺のラーメン屋に揚陸する!」
クロウ「待て待て待て待て!救助者引き渡してからだから!横須賀女子に向かうんだよぉ!」
猿島乗員「………」
モブ「良かったら温かいお味噌汁とおにぎりどうぞ〜」
猿島乗員「ああ、ありがとう…」
猿島乗員はなぜか壁を見つめている
モブ「いかがされましたか?」
猿島乗員「いや、すまない、何でもないんだ…ただ…」
モブ「ただ?」
猿島乗員「いい船だな、と」
モブ「…………嫌味ですか?」
猿島乗員「いやいやいや、そんな意図は無い!無いから!」
モブ「…猿島に比べて、お世辞にも良いとは…悪臭漂いますし…トイレ無いし…」
猿島乗員「それでも……何故かいい船だと思えるんだ」
少しの間、沈黙が支配した
モブ「…………これからいい船になるんですよ」
猿島乗員「?」
モブ「校長に聞いたんです。この船のこと。この船は昔の陸軍に造られたものなんです」
猿島乗員「陸軍に?」
モブ「陸軍が潜るからモグラなんて言われてたそうです。シーレーンを確保出来なくても敵艦に発見される事なく輸送出来るようにって…当時、ドイツが潜水艦を運用し始めてすぐでしたから各国はまだ潜水艦に対応出来てなかったんです。だから水上艦にバレずに輸送出来ると…。
でもこの船が出来てからすぐに本格的な対潜ソナーが開発されて…必要とされなくなった…落ちこぼれなんです…僕らと一緒で」
猿島乗員「そんな事は…」
モブ「落ちこぼれは事実ですよ。僕らはみんな他の海洋学校に落ちてますから…でも、そんな僕らでも、こうやって誰かの役にたてるんです。これからもっと」
猿島乗員「……かっこいいじゃないか」
モブ「……まあ僕未だに名前貰えてないモブなんですけどね!」
猿島乗員「へ?モブ…?」
モブ「いえいえこっちの話!じゃあ僕はご飯配ってくるんで!」
猿島乗員「ああ、ありがとう」
猿島乗員「……俺は…俺達は…何故彼らと同じ様な生徒達に…発砲したんだ………なんで…なんで思い出せない………」
古庄教官のびしょ濡れは絶対にエロい。むしろ救助されたい。息を荒らげながら「大丈夫?怪我はない?もう…もう安心していいのよ…」とか言われて優しさと胸に包み込まれたい。包み込まれたくない?俺は包み込まれたい