【はいふり】繋げシーレーン!〜モグラのふねの輸送道中奮闘記〜 作:すとらっぷ
カジキの殺傷能力を甘く見てはならない
そして夜になった
男「就寝時間だ、当番以外はくそしてねろ!」
クロウ「酷え挨拶だ」
誰も見ていないのに顔芸しながら艦長は号令する
男「と言う訳でクロウ、当直頼むぞ。俺は寝る」
クロウ「分かった……あれ?貴様どこで寝るんだ?」
男「え…?」
クロウ「いや、貴様昨日の猿島救助のとき、艦長室を医務室にしてたろ。ベッド無いぞ…どこで寝るんだ…?」
男「……どうしよ、どこで寝よう…」
クロウ「…田所に艦長室を返して貰えばいいだろう」
男「医務室は必要だろ!何かあったときに体制は万全にしたい!」
クロウ「うーん……取りあえず今日は我のベッドで寝ろ。処遇は明日の朝話し合って決める」
男「おいおい俺が乙女なら惚れちゃうぜ!サンキュー」
クロウ「おうおう存分に惚れろ、お前が乙女ならな」
男「それじゃ御神体のこと頼んだ、お休み」
クロウ「どんだけ気に入ってるんだよまるゆ様」
そして、
当直以外が寝静まった頃…
クロウ「見張り員、特に異常はないか?」
マサイ『ないですよー、無いですけど暇なので話し相手になって下さい』
クロウ「そうだな……じゃあまず…貴様誰だ」
マサイ『酷い…ずっとこの船に乗ってるのに…』
クロウ「いや、関わり薄かったから声だけじゃ誰かわからん」
マサイ『えー、僕の名前はソロモン・K・キサンバ。ケニアからの留学生です!』
クロウ「すまん、印象に無い」
マサイ『嘘でしょ!?留学生ですよ!マサイ族ですよ!?わざわざ長槍と首飾りと足輪まで着けてツッコミ待ちしてたんですよ!?』
クロウ「まだキャラが薄いな」
マサイ『これでも薄いのですか!?』
クロウ「このキャラの濃いまるゆ乗員の中、産まれた民族が有名なだけでキャラが立つとか片腹痛いわ!我だって何とか副長と中二病キャラにしがみついてるんだ!このキャラ捨てたら俺なんて主人公の隣にいるだけの劣化主人公だ!もっともがけ!」
マサイ『切実!?』
副長の苦悩、切実
しかし、そんな平和な夜が一変する知らせが入る…
モブ「副長大変です!救難信号を受信しました!」
クロウ「何!?」
モブ「東舞鶴の伊201が爆雷攻撃を受けたとのこと!」
クロウ「伊201…ええと…あっー!初日のアイツら!アイツらか!!」
まるゆ一度は奴らに因縁があるのだ
モブ「一応ブルーマーメイドが受信して現場に向かってるようですが…まだ時間がかかりそうです」
クロウ「伊201から一番近いのは?」
モブ「もちろん我々です」
クロウ「…艦長をたたき起こせ、判断を仰ぐ。まあ結果は分かってるが」
モブ「了解です!」
クロウ「そうだ、聞き忘れた、伊201はどこのどいつから爆雷を受けたって?」
モブ「………航洋艦『晴風』…だそうです」
クロウ「…………それも含めて、報告だ」
夜はまだ、明けない
〜兵員室〜
モブ「艦長!艦長!起きてください!」
男「馬鹿野郎…ブルマ履いてうどん打つバカがいるか…相撲しろ…ムニャムニャ」
モブ「アンタどんな夢見てるんですか!!いいから起きろ緊急事態だ!救難信号!!」
男「ムニャ…ムニャ…む…にゃ、にゃにぃぃ!?」
モブ「早く艦橋に!」
男「分かった!おいお前ら全員着替えろ!救難信号だ!」
男は手早く制服に着替える
男「今行く!」
チビ「艦長、忘れ物!」
遅れて起きたチビが軍帽と軍刀を投げる
男「わ、悪い!ありがとう!」
腰に付けながら寝てる乗員の間を駆け抜ける
阿部「ガブッ、痛ッ!おい艦長鞘が顔に…って聞いてねぇや…」
男「待たせた!状況を教えてくれ!」
クロウ「東舞鶴の伊201から救難信号、航行不能、既にブルマーに連絡済だけど時間はかかりそう、そしてその現場はここから割りと近い、というか通り道」
男「助けに行かない理由は無いな、動けないってことは浸水の可能性もあるしな。ところで原因は?」
クロウ「………爆雷を受けたそうだ……晴風にな」
男「…そうか」
クロウ「どうする?晴風が本当に反逆者だったら我々も危険だが?」
男「答え分かって言ってるだろ」
クロウ「指令がなければ動けないぞ、艦長?」
男「それも、助けにいかない理由にはならないな。機関前進強速!これより本艦は伊201の救助に向かう!」
男「モブ、伊201とブルマーにに連絡取ってくれ、一応これから向かうって」
モブ「それが…」
クロウ「どうした?」
モブ「ブルマーには連絡したんですが伊201と連絡が取れないんです…」
男「更なるトラブルかも知れない…急ごう。モブはブルマーにこちらで伊201と連絡が出来ないことを伝えて」
モブ「了解」
男「あと向こうの艦に乗り移れるように足場用意してくれ」
チョウ『僕がやっておきます』
男「あと阿部さんは俺らと救難者の夜食作ってくれ」
阿部『まかせろ』
男「マサイは探照灯用意」
マサイ『承りました!』
男「もし怪我人がいたら運ぶかも知れないから何人か準備しといてくれ。ええと、熊野、田所辺りはガタイいいから参加してくれ」
男「その他各自自分にできる事を探しながら待機!」
チビ「そろそろ目標地点ですが…」
男「モブは聴音機で探してくれ、マサイ、探照灯照射始め!」
『了解!』
パッ!
探照灯に光が灯った
モブ『いました!10時の方向です!』
男「マサイ照らせ!」
マサイ『目視確認!安定して浮上しています!』
男「よし!チョウ、通信は?」
チョウ『駄目です、相手の機械が故障しているのか、反応しまセン』
男「仕方ない…じゃあ俺らで接舷して乗り移るか…クロウ、指揮権は任せる。俺は相手の艦長に挨拶してくる。戦闘じゃないしこれくらいはいいだろ?」
クロウ「…まあいいか、相手が艦長出してきたらこちらが艦長出さないのも失礼だしな」
クロウ「機関停止!接舷準備!」
男「そんじゃ田所、熊野……あと誰か付いてきて」
チョウ『じゃあボクが行きマス!ハシゴ持って行きマスネ!』
男「ひゅー…夜の海は怖いな…足元暗っ」
ひょいひょいと伊201の甲板にのり移る
そして装甲板を叩く
男「聞こえるか!?助けにきたぞ!」
ガンガンガン!
ガパッ!
伊201のハッチが開き、乗組員が一人現れる…
乗組員「あ……あぁ…」
が、様子がおかしい
男「どうした?どこか怪我か?」
心配になり近寄る…
チョウ「か、艦長ッッ!!逃げてッ!!!!」
男「は!?」
乗組員「あ゛あ゛あ゛ッ!!!!!」
彼は、重い鉄パイプを振りかぶり、
そして振り下ろした
ブルマでうどんを打つ夢は実際に僕が見た夢です