ゴールまであと少しだから、頑張れ自分......
もう誤字脱字なんて気にしない......
日常
どこかの建物で少女たちの声が聞こえる。
「おらぁ!......そぉい!」
「えい!......やっ!」
少女の掛け声とともに風を切るような音が聞こえる中、眼鏡をかけた女性は正座をしながら彼女たちを見ていた。その場所は周りを湖で囲まれ木々が生い茂り、自然豊かな場所で思わず寝てしまいたくなるが、少女たちはそれとは逆に気合が入っている。
「ハァ......フッ!やっ!はぁぁぁっ!!」
「うぅぅぅぅぅ!フッ!」
1人は槍を上段から振り下ろし、身を捻ってから切り上げなどの立ち回りをしていて、もう1人は両手に斧を持ちながら回転し、回転した勢いに乗せて両方の斧を振り切っている。そして、もう一人は湖に浮かぶ的に向かって走りながら矢を放ち、見事ど真ん中を射抜きながらも止まらずに走り、次の的に狙いを定めている。
「わぁぉぉぉ」
矢を放つ際に生じた風を浴びて思わず斧を持っている少女は動きを止めた。放たれた矢は的ではなく湖に浮かばせるための土台に当たり、衝撃を与えるとそこから水柱が立ち的が上空に放り出される。そして、上空にある的を狙ってもう一度矢を放つと今度は的のど真ん中を射抜いた。
眼鏡をかけた女性のそばにある砂時計が全て流れ落ちると女性は声を飛ばした。
「そこまで!」
少女たちは一息ついてクールダウンをしてから、女性のもとへ集まった。先程の合図は訓練終了の知らせであったため、少女たちは肩の力を抜いて年相応の表情になっていた。
「勇者の力は、神樹様に選ばれた無垢な少女でなければ使えない。あなたたちに頑張ってもらうしかないわ......そこで、つぎの任務は......」
「ごくっ」
「しばらくの間しっかり休むこと」
「「「えっ?」」」
「安定した精神状態でなければ変身はできない、張り詰めっぱなしでは最後までもたないからね」
「いやった!休むのだったら任せてください!」
「私も私も~!」
「「いえ~い!」」
「何する何する?」
「イネス?」
1人は休みをもらったことに安堵し、他の2人は手を合わせ喜び合いながら、休みに何をするか決めていた。
「そうだ!信悟にも伝えておかないと!」
「それなら三ノ輪さんお願いできるかしら?」
「はい!任せてください!」
「信くんがここにいたら絶対叫びまわってたよね~」
「ええ、信悟くんならそうしていたわね」
「まったくだ、あ~あ、信悟も今日来れば良かったのに」
「仕方ないわよ銀、信悟くんは風邪をひいてるんだから」
「そうだね~直ぐに良くなるって言ってたけど心配だよ~」
「冗談だよ、まあ信悟の事だから大丈夫でしょ!明日には子供は風の子元気の子!とかいいながら外を走り回ってるって!」
「ふふっ、そうね、信悟くんならそうするわね」
「信くんはいつも元気だもんね~」
「元気なのは良いことなのだけど、学校ではもう少しおとなしくして欲しいわ」
「「「先生......」」」
先生から本音を聞かされて同情する3人、それ以外何もしてやれないので3人は、ため息をついている先生をそっとしておいた。
「あ?そういえば先生一つ質問してもよろしいですか?」
「ええ、良いわよ。それで、鷲尾さんは何を聞きたいのかしら?」
「先程、勇者の力は無垢な少女でなければ使えないと仰っていましたけど、信悟くんは男なのに何故勇者の力を使えるのでしょうか?」
「あ!それ私も気になってた!」
「私もだよ~!」
「ああ、その事ね。確かに鷲尾さんたちが疑問に思うのは当然よね.....そうね、みんなは神世紀の初めの頃の都市伝説は聞いたことあるかしら?」
「「「都市伝説?」」」
「皆は知らないようね」
「それってどんなのなんですか?」
「これは文献にもない話なんだけど、神世紀になった頃にも勇者がいたのだけれど、その中には男性の勇者がいたって言われてるのよ」
「本当ですか!?」
「それは分からない、私も親から聞いた話だから真偽の確かめようがないわ.....でも、もしこの話が本当だとすると、桜井くんはその男性の子孫の可能性があるわ」
「なるほど~」
「んん?どういうことだ?それと信悟が勇者になったことに何の関係があるんだ?」
「それはねミノさん、信くんが勇者になったのは勇者になれた男性の血を引いているからだってことなんだよ~」
「ええ、乃木さんの言う通りよ」
「えっと、つまり、信悟は勇者になった男性の血が流れているから勇者の力が使えて、だから勇者に選ばれたってことか?」
「そういうことよ三ノ輪さん、でも、これは可能性があるというだけで本当の事はわからないわ.....こればかりは神樹様に聞くしかないわね」
「まあいいじゃない銀、信悟くんが居てくれたから、誰も欠けず私たちは今日もこうして日常を過ごせているんだから」
「いやそうなんだけどさ.....なんか須美、適当に答えてないか?」
「なんだか信くんみたいだよ~」
「そうかしら?」
「そうだよ~信くんに影響されてるよ~」
「信悟の事いつも観察してたんじゃないか~?」
「へっ!?そ、そんな事あるわけないじゃない!」
「いや、冗談で言っただけなんだが......」
「冗談?そう、冗談だったのね......良かった......」
「須美ー、最後何か言ったか?よく聞き取れなかったんだけど」
「な、何でもないわよ!それより2人は休みにどうするか決めたの?」
「それなんだけど、全然決まらないんだよね」
「別に今ここで考えなくてもいいんじゃないかしら?」
「んー、それもそっか!須美の言う通りだな!」
「じゃあ、予定が決まったらみんなに教えるのはどうかな~?」
「流石園子!それいいね!」
「そうね。私もそのっちの意見に賛成よ」
「じゃあ、決まったら連絡するって事で!あぁ、何しようかなー?」
「ミノさんまた考えてる~」
「まったく銀は......」
その後、先生に今日の訓練のお礼をしてから解散になった。
一方、その頃の信悟は......
「はっくしゅん!......ずびび、バカは風邪ひかないんじゃなかったのかよ......いや待てよ?風邪をひいた俺はバカじゃないってことじゃないか?......いよっしゃーーーーーー!!!「静かに寝てなさい!!」ごめんなさーーーい!!!」
昨日からこじらせた風邪を治すために母親に看病され、自室のベットに寝ていた。
「あれ?銀からメッセージがきてる?『明日からしばらくの間は休みになったぞー』......明日には絶対治してやる!待ってろよ!俺のグータライフーーーーーーー!!!!」
「いい加減にしなさい!!そろそろ怒るわよ?」
「あ、ナンダカキュウニネムクナッテキタ、オヤスミナサイ」
俺の第六感が母親から危険を感じ取り、すぐさま布団を被って寝た......最後に見た母親の顔が印象深く残っていて、夢の中まで出てきたのには驚いて、思わずこれが人間のやることか!?と叫んで飛び起きたのは内緒だ......
次の日、よく寝て安静にしていた事が良かったのか栄養をしっかりとっていたのが良かったのか朝目が覚めた時には風邪が完治していた。閉めていたカーテンを開けると、外から太陽の光が差し込み、その光を浴びてから今度は窓を開けて外の空気を吸う。朝早い事もあり、少しだけ清々しい気分になった俺は今日はいいことがあるといいなぁと呑気なことを考えてから、パジャマのままで自室から出て一階のリビングに向かう。
「おはよう2人とも!今日もビューティフルでワンダフルな一日の始まりだ!!」
「どうしましょうあなた、昨日よりも悪化してるわ」
「素人の俺達にはどうにもできない、今すぐ病院に連れて行こう」
「ちょっと待てい!俺は正常で風邪も治ってるよ!」
「正常ですってあなた」
「正常でこれか......やはり病院に連れて行こう」
「もうやめて!これ以上は本気で立ち直れなくなるから!」
「冗談よ」
「冗談だ」
「なーんだ、冗談か良かった......ちなみにどれくらい?」
「「米粒一つくらい」」
「最早冗談じゃない!?もうなんなんだよ!俺に恨みでもあるのかよ!?」
「それは......ねぇ?」
「ああ、ここ最近夜の「言わせねーよ!?」......」
「何言おうとしてんの!?しかも俺小学6年だぞ!?」
「それがどうした?年齢以前にお前は男だろ?なら問題ないだろ?」
「大ありだよ!?男以前に年齢が問題だよ!?」
「あらあら、元気になったのは本当みたいね」
「そうだな。これなら安心だ」
「嫌な確認の仕方だな!?......ぐぅぅぅ......お腹空いた」
「うふふ、朝ごはん出来てるからみんなで食べましょうか」
「そうだな、信悟もお腹が空いているようだからな」
「はぁ......もうお腹空いてるから早く食べよう?」
「ええ、そうしましょう」
「よし、それじゃ話はあとにして食べるか」
「話?......まあ、いいや」
朝から無駄に大声を出してお腹が空いた。朝食はすでに用意できてるようなので両親と一緒にダイニングへ行き、自分のいつも座る席に座ってからみんなで手をそろえていただきますと言って食べ始めた。
食べ始めてから時間が経ち、ミルク!を飲んでる俺に突然父親が話始めた。
「そういえば信悟、今日の予定は何か考えてるのか?」
「いや、今日は特にやることと言えば、段ボールを乾燥させて少し水分をとばして強度をあげることくらいだなぁ」
「つまり暇なんだな」
「うぉい!なぜその結論になるんだ!暇だけど!」
「なら別にいいだろ......」
「いや、ここで認めたら負けだと思って......」
「そ、そうか......それは置いといて、今日は出かける用事があるんだが予定がないなら信悟も来てくれ」
「俺も?ハッキリ言って邪魔にしかならないと思うよ?」
「そんな事言われなくてもわかってる」
「そこは否定してほしかった!?」
「......とにかく!今日は一緒に行くぞ!異論は認めん!」
「ねぇ知ってる?それ、強制連行って言うんだよ?......俺じゃなくて母さんじゃダメなのか?」
「私は用事があるから行けないのよ......代わってくれるなら行ってもいいんだけど」
「じゃあ、俺が代わるよ!それでどこに行けばいいの?」
「あら、ありがとう!実は今日イネスで特売セールがあってね......」
「よし父さん!今すぐ出発しよう!そうしよう!」
「そうだな!ごちそうさま!それじゃ母さん俺達は行ってくるけど母さんも気をつけてね!信悟、早く着替えて来るんだぞ?俺は車で待ってるからな!」
「ごちそうさまでした!それじゃ母さん!俺も着替えたらすぐ行かないとだからあとよろしく!」
「あ、ちょっと......2人ともひどい......」
母親が落ち込んでいたが、今回は見て見ぬふりをした。振り返ってはダメだ!イネスのバーゲンはバトルロワイヤルのように殺伐としていて、下手すれば生きて帰ってこれない。この前は1人が重傷、7人が軽いけがをしたと聞いた。そこに行けば確実に、小学6年の俺は犠牲者の1人になってしまう。自室に戻りすぐに着替えてスマホを持ってから玄関まで全力疾走した。
家を出る前にダイニングを覗いてみたが、まだ母親が一人寂しく食事をとっていたのを少しばかり心が痛んだが仕方がないことだと割り切って家を出て、車に乗り込み出発した。許せ母さん......俺もまだ死にたくないんだ......でも何故いつも母親は無傷なんだ?
車で出発してからスマホを取り出してみると勇者4人のSNSにメッセージがきていた。
「園子からだな、『レッツエンジョイ!カガワライフ!』......これは遊びのお誘い......だよな?」
その一文以外には何も書かれていなかったが、付き合いもそこそこの俺は意図を察することが出来た。絶対に園子を知らない人が見たらどう返信すればいいかわからないだろう......
「うーん、今日はこれから用事あるからな~......『悪いな、ちょっとへましちまった......俺はもうダメかもしれない......』よしっ!これでいいだろ!」
園子のノリに合わせた返事を送ると、すぐに返事がきた。
『お前のことは』 『一生』 『忘れないぜ......』
「いや助けろよ!?見捨てるとか酷すぎだな!?しかも連携取れすぎだろ!?」
園子、須美、銀の順で返事がきたが、打ち合わせでもしていたかのようなタイミングで書かれた内容は3つ合わせると一文になっていた。
「『ここで合同訓練の成果を発揮させるのかよ!?』」
あまりの連携に思ったことを書いてしまった......
「お?今度は銀か?『何か予定でもあった?』......銀は妙なところで気が回るよなぁ......『今さっき予定が出来たんだ、ごめん』っと」
銀の質問に正直に答えて書くと、今度は『そっかぁ、残念だなぁ。』と書かれていた。他の2人も『そうなんだ~(´・ω・`)』 『そうですか、予定があるなら仕方ないですね』と書き込みがあった。
「本当に残念だよ......『今度暇なときまた誘ってくれ(`・ω・´)ゞ』これでいいか」
3人には悪いが今回は予定のほうが先だったので、次回には誘ってもらいたいものだ......そう思って窓の外を眺めていると、何だか見たことがあるような道を走ってることに気づいた。確か誰かがこの道の方向に帰っていたような気がするのはなぜだろう?
そう考えてる内にもどんどん車は走り、やがて周りに家が見当たらない光景になっていた。これから向かう先は果たしてどんな場所か想像するもまったく見当がつかない......必死に自分の記憶の中からこの光景に心当たりのあるものを探していると車が止まった。
「どうしたの父さん?もしかしてトイレ?」
「あぁ。これから向かう前にトイレに行きたかった......」
「え?ちょっと!?それどういうこと?俺はこれからどんな場所に行くんだよ!?」
「落ち着け、そんなには驚く場所じゃない......はずだ」
「はずだって言われても俺知らないし」
「まあ大丈夫だろ、それよりもここの駐車場からは歩いていくぞ」
「歩いていくの?......何か嫌な想像しか浮かばないんだけど......」
「何、心配するな......なるようになるさ」
「それ諦めてるよね!?」
「仕方ないんだよ、今回は呼ばれた側だから悪いようにはならないはずだから安心しろ」
「余計に心配になってきたよ!」
「ほら、先方には連絡してあるから時間に遅れないようにしないとなんだ......とにかく歩くぞ」
「......まあ、イネスのバーゲンよりはマシと考えればいいか」
2人は車から降りて、目的の場所まで歩いて行く。イネスのバーゲンよりマシであるかどうかは到着するまで分からないので今は歩くことだけ考えていよう、きっと大丈夫だ......
その時の俺はそう思っていたが、今目の前にあるものを見ると自分の考えの甘さに反省した。
「さあ、着いたぞ」
「え?ここってもしかして?」
「そうだ、今日呼ばれたのはここの......乃木家のご両親に呼ばれて来たんだ」
「乃木って、あの乃木?マギの間違えじゃない?」
「お前は時々意味のわからない事を言うよな」
「俺もそう思う」
「自分で納得するなよ!?......今日は信悟にも以前話したが、大赦での地位について話があるそうなんだ、信悟の行いがあまりにも酷いから縁を切ってほしいとかだったりしてな!......ここまで来たからには腹をくくるぞ!」
「......もうどうとでもなれ......」
こうして父親と俺は、乃木家の敷地に足を踏み入れた......すぐに門前で執事が来るまで待つことになったけどね!
執事に案内されて門を通ると、ここは本当に家なのか疑問に思った。家というよりお寺や神社と言われたほうが納得するだろう、乃木の敷地はそれほどまでに広大でとても俺のような少年が居ていい場所ではない。それでも、我慢して父親と一緒に玄関前まで歩いた。そこで改めて周囲を見回すと、手入れされてる木は今日も手入れしたのか枯れたものはなくとても美しい。他にもいろいろ思う事があったが今はそれを考える事も出来なかった......そして、ついに耐えきれなくなり、家の中に入るのを拒んでしまった。
「もうだめだよ、父さん......俺はここまでのようだ......」
「何を言ってるんだ?いいから早く行くぞ」
「そんな!どうして父さんは元気なんだよ!?」
「それはな......実は父さん、もう死んでるんだぜ?」
「なん......だと......!?」
「あの~そろそろよろしいでしょうか?」
「「すみませんでした!!」」
「はぁ、分かったよ......もしも用事がある時は呼ぶから、その時は必ず来るんだぞ?」
「父さん!ありがとう!!それじゃ俺はこの辺りを散歩してるよ!」
「そうするといい......えっと、息子がこの辺りを散歩しても大丈夫でしょうか?」
「ええ、構いませんよ」
「やった!ありがとうございます!」
「こらこら信悟、もう少し落ち着け。本当にありがとうございます」
「いえいえ、お礼を言われるほどでもありませんよ。それに、子供は元気なのが一番ですからね」
「ありがとうございます、そう言って頂けると助かります」
「父さん父さん、もう散歩に行っていい?」
「お前はどうしてそんなに元気なんだ?さっきまではあんなに辛そうな顔をしていたのに」
「ソンナコトナイデスヨ、コレハウマレツキデス」
「お前言葉がおかしくなってないか?......まあいい、それじゃ俺は行くからくれぐれも迷惑だけはかけるなよ?本当に」
「ブー、ラジャー!!」
「......すごく心配になってきた......まあそこまでバカなことはしないと信じよう......すみません、お待たせしました」
「お構いなく、それではどうぞ中にお入りください」
「分かりました」
「いってら父さん!当たって砕けろだ!」
「砕けちゃダメだろ!?」
父親は最後まで普段通りの受け答えをしてから、家の中に入り執事も家の中に入ってから玄関のドアを閉める。玄関のドアが閉まるまで俺は手を振って見送った。何だか父親の背中が小さく見えたのは目の錯覚だろう......
「よし!どうにかぎりぎり間に合った!これで俺は自由だーーーーー!!!!」
ようやく見えないプレッシャーから解放された俺は、叫びながら庭を駆け回りだした。今の俺を動物で例えるなら、正に犬である!!
「ばうっばうっ!わんっわんっ!つーっつーっ!すりーっすりーっ!か~ら~の~フォーーーー!!!!!」
HなGさんにも負けないぐらいに腰を振りながら叫び、今この瞬間を喜んでいた俺は力加減を忘れ、周りのものが見えない状態だった。だからこそ、この建物の窓が天井にしかない事に気づいたのは本当に偶然だった。ある場所から女性の声が聞こえたので建物に近づくと何故か上から聞こえてきたので、そこにジャンプして上ってみると屋根には窓があり、中が見えるようになっていたので自重をしない俺は、躊躇いなく覗いた。
「ぐっへっへ、さぁーて今回のターゲットはどこのだれかなぁ?おや?これは女の子じゃないかぁ、しかも3人いるぞ~?さてさてターゲットのお顔は?......銀と須美と園子じゃん!?」
中を覗いた先には、どこかに遊びに行っていると思っていた俺の良く知る3人だった。
「おいおい、お前らこの年でインドアな遊びをしないでアウトドアな遊びを楽しめよ。大人になるとそんな機会が減るんだぞ?銀を見習って動きやすいスカートを履いて外で......スカート!?」
よくよく見てみると、銀はいつもの動きやすい服装ではなく女の子らしい長めのスカートを履いていて、髪飾りも何かの華を身に着けていた。
「おいおい銀さん、こいつはどういう事だよ?いつもの短パンはどうしたよ?......まったく......すごく似合ってるじゃないか!可愛いぞ!あらやだ、惚れちゃいそう!」
「今信くんの声がしなかった~?」
「まそっぷ!?」
「気のせいじゃないかしら?」
「そうだよ、信悟のやつ今日は予定があるって言ってただろ?」
「んー、そうだよね~じゃあ気のせいか~」
「それよりも次の服に着替えましょう!!」
「おい!須美!?」
「......ふぅ、危ない危ない、もう少しでバレるところだった......すこし大声を出してしまったが、まさか園子に気づかれるとは......油断できないな」
気づかれそうになって息を殺してやり過ごした俺は、大声をだしたことを反省して再び覗いた。
「お次はどんな事をするのかな~って、これは!?噂に聞く、お着替えタイム!?......おお!銀が!今服を!あっ!ちょっと須美、カメラを持って背後でスタンバイするなよ!ここからじゃ重なって見えないじゃないか!くそ~!この角度からしか見えないのに......って、やっとどいてくれたか。ああ、着替え終わってる......それにしても、次の服も可愛いな。特に萌え袖がポイント高いぞ!......おや?もう次ですか?よっしゃ!今度こそは絶対に!って今度は園子かよ!?おいよけるんだ園子!お前がよければ俺は栄光の架け橋を渡れるんだ!だからそこをどいてくれ!......あと少し!ダメだ見えない!見えそうで見えない絶妙なポジションを維持するとは園子、なかなかやるな!......ああ、また終わってた~......今度のは露出が多いな......おっと、鼻からイチゴソースが溢れてきた......よし!ハンカチ持ってきていて良かった~。さあ、拭き終えるのに時間がかかったが今はどうなってるんだ?......え?誰だ?銀はどこいったんだ?」
途中にハンカチで鼻を拭いてから中を見たら知らない少女がいた。しかも、銀の姿はどこにもなく一体何が起こったのだろうか、真剣に考えてみるがまったく見当がつかない......野郎じゃなければそれで良いやと結論づけてまた中を覗くと、今度は須美が着替えていた。
「おお!これは知る人ぞ知る某花の名前の展開じゃないか!凄い!凄いぞ!銀が良い働きしている!いいぞ銀!もっとやれ!そこだ!そこで全てを剥ぎ取るんだ!!はっ、はっ、はっく......んん、危ねぇ、もう少しでくしゃみが出そうだったぜ。あ、そうだ!中の様子は?須美が......お姫様になってる!?胸元がセクスィーーーーーーーーーーーーーーーダイナマイト!!」
「あれ?やっぱり信くんの声だよ?」
「ああ、今聞こえたな」
「......」
「おーい、須美?」
「は!?」
「やばい!ここが潮時だな!あでぃおすぐらっしーあ!!」
流石にさっきの大声には気づかれるのが目に見えたので、気づかれる前に退散した。
俺が退散して玄関前に戻ると、玄関から出てきたところの父親に遭遇した。
「やっほー父さん。もう終わったの?」
「ああ信悟、丁度今終わったとこで呼びに行こうとしてたんだ」
「そうなんだ、それじゃ帰ろうか」
「そうだな、それじゃ帰ろう」
「執事の人はどうしたの?」
「いや、お見送りしてくれると言っていたんだが、流石にそこまでしてもらうのに抵抗があって断ったからいないんだ」
「まあ、そうなるよね......」
「......帰るか」
「うん......」
こうして、重荷が降りた2人は乃木家を後にした。駐車場まで歩いている2人の足取りは来た時よりもはるかに軽くなっていた。そして車に乗って自宅に帰ってる途中の俺は父親に今日の感想を聞かれていた。
「今日はどうだった?」
「父さん、今夜はいい夢が見られそうだ......」
「なぜそんな感想が出てくるんだ!?」
「ごめん父さん、俺もう眠いから寝るよ......おやすみ」
「おいおい、もう少しぐらい話に付き合ってくれても......もう寝てる......」
その後、自宅に着くまでは父親が気を遣って俺を寝させたままにしてくれたので、車の中で寝ていた俺は幸せな顔をしていた。
はいはい、もう書くのがつらくなってきたので必殺会話文マシマシマシにしてみました。
どうやら俺は戦闘がある話以外は意欲が湧かないらしい......戦闘シーン書くの下手なのにな!!
もう少しであれが来るぞ......全員用意しておけよ......
次回 洗脳計画!
みんなは洗脳光線に気をつけろよ!!