御剣神護は転生者である   作:レイジャック

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......糖分不足で書けなかった......

書いていたんだが変な文になって何度か書き直していたらこんな感じになった......


欲望のままに書いたかもしれないが後悔はない!......はずだ......


祝勝会......

初めての戦闘でバーテックスを撃退することに成功した後の事、三ノ輪と乃木は両手を互いに合わせ喜び合い鷲尾は特に喜ぶ素ぶりも見せず空を眺め、信悟もまた無事生き残れた事を実感して拳を握りガッツポーズを撮っている最中周りから花びらが舞い散り、地鳴りがなる。視界いっぱいに花びらだけになると、突如としてどこからか光り始め世界が覆われた。何も見えなくなった視界が徐々に色を持ち始め、完全に視界がクリアになったので周りを見渡す。そこは大橋近くの社がある場所だった……

 

 

4人は帰って来たのだと自覚して少しだけ肩の力を抜いた。

 

 

「そっか、学校に戻る訳じゃないんだぁ」

 

 

乃木は自分達が樹海化する前までいた教室に戻ると考えていたみたいだが、予想を反して別の場所に戻ってきたことに1人納得する。横にいる三ノ輪は自分が上履きを履いているままの事に驚いていた。

 

 

「やっべ、上履きだぁ!?」

 

 

「ホントだ〜!」

 

 

「俺のおニューの上履きが初日で汚れる〜〜〜!!!」

 

 

俺は初日でピカピカの上履きが汚れてしまうと慌て、せめて片方だけでもと考えその場で片足立ちをした。

 

 

「何してるんだ桜井?」

 

 

「何大した事じゃない、これは足を地面から離してるのではなく足が宙を浮いているだけだ……」

 

 

「そ、そうか……」

 

 

何やら三ノ輪はこれ以上関わってはいけないと感じたのか反対側の乃木の方を向く。何とか誤魔化せたような気がしなくもないのだが、急に悲しくなってきた……たぶんあれだろ、照れてるだけであって嫌われた訳ではない筈だ!たぶん!……大丈夫だよな?

 

 

「はっ!ふふ〜ん、樹海撮ったんだった〜♪」

 

 

三ノ輪は俺から反対側を向いた後、樹海化した時に撮った写真を思い出し、喜びながらスマホのアルバムを見ると、樹に覆われた風景はそこにはなく、写っていたのは普段と変わらない街と大橋が写っていた。

 

 

「あれ?樹海じゃなくなってる!」

 

 

隣にいた乃木は三ノ輪の撮った写真に興味を持ち三ノ輪のスマホを覗いてみる。

 

 

「写らないんだね〜」

 

 

俺もその写真には興味があったので気配を消して近寄り背後から覗く。

 

 

「本当に撮ったのか?」

 

 

「うひゃっ!?」

 

 

背後から声がしたのに驚く三ノ輪。

 

 

「いやいやいやいや、驚きすぎだろ……」

 

 

「仕方ないだろ!誰だって突然後ろから声を掛けられたら驚くに決まってる!」

 

 

「確かにそうかもだけど、さっきから三ノ輪の後ろにいるのは知っているだろ?忘れていなければそんな反応しないって」

 

 

「……うん、そうだなちょっと驚きすぎたかもな」

 

 

「ちょっと待てぇい!!今の間は何だ!本当に俺の存在忘れてたのか!!」

 

 

「べ、別に忘れていたわけじゃないぞ?ただ……」

 

 

「ただ?」

 

 

「さっきの桜井に関わらないように意識してなかっただけだ……」

 

 

「おい!俺をそんな風に見ていたのか!?」

 

 

「だってさっきの桜井完全にヤバい感じだったから、つい」

 

 

「やめろぉぉぉぉ!俺にそんな痛い子を見るような視線を向けるなぁぁ!」

 

 

「桜井……さっきのお前は完全に痛い子だったよ……」

 

 

「本人に向かって正直な感想言わないでぇぇぇぇぇ!!メンタル豆腐な俺にそれは辛いぃぃ!!」

 

 

ハートブレイクする言葉のパンチを真正面から受けた俺は、頭を抱えながら膝をつき叫んでいた。

正直、女がここまで容赦なく俺の心にダメージを与える存在だったとは思わなかった。今後俺の中で女に対しての考えを改めなくてはいけないと決意した瞬間であった。

 

 

俺と三ノ輪との一悶着が行われてる中、乃木は鷲尾に声をかけていたらしいが反応一つなかったと、迎えが来る少し前に叫び止んだ時にこちらに戻ってきた乃木から聞いた。

 

 

鷲尾、俺も三ノ輪に構わないで静かにしていればよかったのかな?そうすればここまで酷い仕打ちを受けなくて済んだのかな?

だが、俺の思いは伝わらず何も帰ってこない……

 

 

「おい、桜井……さっきから鷲尾さんのとこ見てるけど、何か今のお前気持ち悪いぞ?」

 

 

否、追い討ちをかけるように再び三ノ輪から手痛い言葉だけが帰ってきた……

もしかして、三ノ輪は俺の事嫌いなのかもしれない……

 

 

 

 

迎えがきてからは、4人とも車に乗って学校に戻った。担任の安芸先生が迎えに来た事もあり、安心したのか3人とも帰りの車の中では表情が柔らかくなっていた。だがしかし、俺だけは違う、安芸先生を見て安心はしたのは他の3人と一緒だが、三ノ輪とのやりとりで心に深く傷を負い、帰りの車の中では1人だけ窓の外を眺めて癒されていた。そのおかげもあって学校に着いた時には元気になっていた。人というのは本当に不思議だ、さっきまで落ち込んでいたのが嘘のようだ……別に、嫌われていると思っていた相手から声を掛けられたから元気になったとかじゃないぞ?本当だよ?

 

 

 

次の日、学校の自分達のクラスに来て朝のホームルームの時間……4人は黒板前に一列に並び、その後は先生によってこれから先、突然いなくなる時があるかもしれないが驚かないでほしいというような、今後の御役目の時のためのフォローをしてくれた。グッジョブ!安芸先生!

 

先生が話している間、鷲尾がちらちらと乃木と三ノ輪と俺を見ていたが何かあったのかな?

 

 

朝のホームルームが終わってからは特に何もなかった……訳でもない!転校初日は自己紹介だけで終わってしまい昨日の戦い……安芸先生から教えてもらったが御役目というらしいのだが、御役目の後は特別に学校に戻らないで家に帰ったので定番の質問攻めがなかったのだ。だから、今日は放課後になるまで男女共に俺の席に押し寄せてきては聖徳太子でなければ聞き取れないように順番関係なしにあちこちから質問された。だが、何を隠そうこの俺は転生特典のそつなくこなす能力を使い全員の質問に答えた。質問内容は様々で、好きな食べ物や好きな場所、趣味や特技などがあった。中には青いツナギの男に興味はないかという質問や貴方はどんな声で鳴くのかしらとか聞こえた気がしたがスルーした……いや、本当に誰だよそんな質問したの?お前ら本当に小学6年か?

 

 

放課後になると皆習い事や遊ぶ予定がある人達はすぐに帰宅する。今日で仲良くなった前の席の瀧沢も他のクラスの連中と遊ぶ約束がある為、俺に「じゃあまた明日な!」と軽く一声かけてから走って帰った。特に急な用事もない何人かの生徒だけが残り、教室の中は寂しくなっていた。窓際の席の俺は瀧澤に挨拶を返してからはずっと、窓の外を眺めていたので気づきもしなかった。

残っていた生徒の中で御役目に興味があるのか、女子生徒の3人は三ノ輪の席へ向かい御役目の内容について聞いていた。

 

 

「ねえねえ、御役目って大変なの?痛いの?」

 

 

御役目は大変だ、何故なら心が折れそうになるぐらいだからな……あれが御役目と昨日知った俺は心構えなどしておらず、心もズタズタにされて痛かったよ……特に三ノ輪に……

 

え?誰と会話してるのか?……女生徒と会話をしているのさ……三ノ輪の席の女生徒とな!!まあ、聞こえてくる話に心の中で答えてるだけなんだが、これは会話だ。これぞ俺の秘技エアートークだ!!凄いだろ?

 

 

「いやぁ、話しちゃ駄目なんだよね〜」

 

 

だが、三ノ輪は本物の会話をして楽しそうにしていた。

くそっ!今すぐそこを変わってくれ三ノ輪!!俺だって女の子と会話して青春したいんだ!!エアートークなんてこれじゃ何の特にもならないじゃないか!俺だって心ぴょんぴょんしたいんじゃ〜〜〜!!!!

少しだけ、暴走する自分を何とかシャープペンをノック連打する事で落ち着かせる。もしも、三ノ輪が男だったら躊躇うことなくシャーペンから芯を少しだけ出して親指の爪で折り、折った勢いで飛ぶ折れた芯を三ノ輪に向けて延々と会話が終わるまでぶつけていただろう。三ノ輪が女で本当に良かった……

転校してきたにも関わらずいきなりの御役目があった事も関係して不満が溜まりに溜まり、どうしようか本気で悩んでいると後ろの席で誰かが勢いよく席を立つ。俺を含めた残っていた生徒はそちらを向くと、そこには鷲尾が自分の席で立っている状態でいた。その中で鷲尾は一つ咳払いすると意を決したのか話し始める。

 

 

「ねえ、乃木さん三ノ輪さん桜井くん」

 

 

「「「?」」」

 

 

「よ、よければ、その……これから祝勝会でもどうかしら?」

 

 

「おっ、いいねぇ!」

 

 

「うん!行こう行こう!」

 

 

すぐに乃木と三ノ輪は了承する。残る1人に鷲尾は喜ぶのを我慢して聞いた。

 

 

「桜井くんはどうかしら?」

 

 

少し遠慮気味に聞いてくる鷲尾に俺は……

 

 

「そのお心遣い……プライスレス!」

 

 

「「「ふぇ?」」」

 

 

瞬間、空気が凍ったような気がした。まさか美少女からお誘いがくるとは思いもよらず変な事を口走ってしまった。

 

 

「あ、いや……コホン、俺も出席させてもらうであります!」

 

 

誤魔化すように敬礼しながら答えると、3人からは苦笑いだけが帰ってきた。

空気が悪くならずに済んだだけマシだと自分に言い聞かせ、帰る支度をする。3人は既に用意出来ているのかその場で待ってくれていた。

最後に机の中にスピンドルをしまってからランドセルを背負った。

 

 

「待たせたな!」

 

 

「何で偉そうなんだ?」

 

 

潜入ミッションのスペシャリストのように返事をすると三ノ輪にジト目で見られたので素直に謝る。一度言ってみたかったんだ……

 

 

「ごめんごめん、待たせて悪かった」

 

 

「まあ、悪いと思ってるなら別にいいけど……」

 

 

「よ〜し、それじゃあイネスに向かって出発〜!!」

 

 

「お!いいね、イネス!」

 

 

「え?イネスなの?」

 

 

「あれ?鷲尾さん、他に行く予定とかあった?」

 

 

「いえ、特には……」

 

 

「じゃあイネスでいいんじゃないか?鷲尾、イネスにはいろいろあるから大丈夫だろ」

 

 

「そうそう!イネスにはいろんなものが揃ってるからな〜」

 

 

「ミノさん凄く嬉しそう〜」

 

 

「そうだな、それで鷲尾、今の状態の三ノ輪をイネス以外に喜ばせるところは思いつくか?」

 

 

「……無いわね」

 

 

「だろうな……」

 

 

俺と鷲尾は喜んでいる三ノ輪を見ながらそう言った。流石にここまで嬉しそうな三ノ輪を無視できないからな……

 

 

「よしっ!それじゃ行こうか!鷲尾さん、園子、桜井」

 

 

いきなりリーダーシップをとり始めた三ノ輪に誰も異論はなく、そのまま4人は歩いてイネスに向かった。

 

 

 

イネスへ来てからはどこで祝勝会をしようか悩むと考えていたのだが、それは稀有だった。イネスには何でもあると言っただけはあり、三ノ輪は先導してオススメの場所に案内してくれた。あとを着いて歩くこと数分、目的の場所であるフードコートに到着した。今の時間はそれほど客も少ない時間帯なので席が空いてるとこが多く見受けられる。その中で4人が座れそうな場所を探すと、4人が座れるテーブルがあったのでそこへ行き、端にあった誰かが補充したままの椅子にランドセルを重ねて置いてから、それぞれ椅子に座る。ランドセルを置いた椅子側から三ノ輪と乃木が隣並んで座り、その反対側の椅子に俺と鷲尾が座る。鷲尾が隣に座る事には驚いたが、よくよく考えると他の2人にはどことなく遠慮している姿を度々見た事があるので、たぶんだが遠慮しているのだろう……俺には強く当たってる気がするのはきっと信頼してるからだよね?俺、信じてるよ……

 

さて、問題なく場所も見つかり席も確保したのでまずは祝勝会に相応しい乾杯出来る飲み物を買いに行く俺。だが、このまま1人だけ席を外すのも気がひけるので皆に飲み物が必要か聞いてみた。

 

 

「ちょっと今から飲み物買いに行こうと思うんだが、3人は何か飲むか?」

 

 

ここで言っておくが、俺が3人に聞いたのは一緒に買いに行くなら一緒に買いに行かないか?と、遠回しに聞いただけである……だというのに、どう勘違いしたのか……三ノ輪が飲みたい物を俺に告げてきた、ここで何故俺にそんなことを言うのか理解していないまま固まっていると、次に乃木が飲みたい物を告げた。ようやっとその意味を理解して待ったをかけようとしたが時すでにお寿司……時すでに遅し、変に気が回る乃木と三ノ輪が遠慮している鷲尾に何が飲みたいか聞いていた。

 

 

「ほら、次鷲尾さんの番だよ」

 

 

「え?でも、そんな……」

 

 

「ほら、須美助は何か飲みたいもの言って」

 

 

鷲尾はその後少し考える。その姿を見てまだ間に合うと思い奢りの未来を変えるために三ノ輪達に誤解を解こうとしたところで、鷲尾が上目遣いしながらこちらを見ている。流石の俺も上目遣いの美少女というインパクトが強すぎる光景を目の当たりにすると何を言おうとしていたか忘れてしまった。

 

 

「あの……私もよろしいのですか?」

 

 

しかも、こんな事を言われたら頷くことしかできない。だから、俺は言った。

 

 

「も、もちろん!せっかくの祝勝会だ!ここは俺の奢りだ!だから遠慮なく言ってくれ!」

 

 

こうなってはヤケになるしかない……

最後に鷲尾の飲みたい物を聞いてから、俺1人でジュースを買いに行き、4人分の飲み物の代金を店員に渡して飲み物をトレーに乗せて席に戻りそれぞれ言われた通りの飲み物を全員に配って席に着く。まあ、まだジュースは安いからセーフだセーフ!

 

 

ジュースも行き渡り準備も整ったので、鷲尾がこの日の為に用意したであろう長文の書かれた紙を取り出して立ち上がり読み始めた。

 

 

「え、えーっと、本日はお日柄も良く、神世紀298年度勇者初陣の祝勝会ということで、お集まりの皆様の今後ますますの繁栄と健康、そして明るい未来を……」

 

 

「堅っ苦しいぞ?カンパーイ!」

 

 

「あ?……」

 

 

長い文章を読み終えるのが待てなかった三ノ輪は最後まで聞かずに乾杯してジュースを飲んだ。三ノ輪……たぶんだが、あと少しで終わってたぞ……それと、鷲尾、ドンマイ……

俺も冷たいうちにジュースが飲みたかったので三ノ輪の次にジュースを飲み始めた。

 

 

「ありがとうね、須美助」

 

 

乃木からの感謝の言葉に鷲尾が少し動揺する。

 

 

「私も誘うぞ誘うぞって思ってたんだけど、でも中々言い出せなかったから、すごく嬉しいんだよ〜」

 

 

「うん、鷲尾さんから誘ってくるなんて初めてじゃない?」

 

 

「へ〜、俺はまだ2日目だから知らないんだが、そうなのか?」

 

 

転校2日目ではその人の事など知らない顔見知り程度な俺は、乃木に聞いた。

 

 

「実はそうなんだよ〜」

 

 

「合同練習もなかったしな〜、それなのに私ら、初陣良くやったんじゃない?」

 

 

「ねぇ〜。私も興奮しちゃってガンガン語りたかったんだよ」

 

 

「確かに、誰かと語り合いたいぐらいに内容が濃かったからな〜」

 

 

3人の素直な気持ちを聞くと、紙を折りたたんで机に置いてから静かに座った。

 

 

「私も……実はその、話をしたくて3人を誘ったの」

 

 

鷲尾からそんな話を聞いて嬉しくなり、乃木と三ノ輪と俺は顔を合わせて微笑んだ。

 

 

「私ね、3人の事あまり信用してなかったと思う」

 

 

「そんな!私とは遊びだったの!?私は本気だっ……すんません、何でもないです……」

 

 

鷲尾からそんな事言われて乃木と三ノ輪の表情から笑みが消えたので、とっさにネタを披露したのだがジト目で見られた……これは俺が悪い……

 

 

「それは、3人の事が嫌いとかそういうことじゃなくて……私が、人を頼る事が苦手で……」

 

 

「須美助……」

 

 

「でも、それじゃ駄目なんだよね……1人じゃ、私1人じゃきっと何も出来なかった」

 

 

それはそうだろう、何せ俺達はまだ小学6年なのだから……中学2年になってプリティーでキュアキュアでもなければ当然のことなんだよ、鷲尾くん!

 

 

「3人がいたから……あの……だから、その……これから私と……仲良くしてくれますかっ?」

 

 

その言葉は鷲尾が話したかった事なのか、とても心に響いた。そして、その言葉は俺の頭の中で木霊して未来予想図が描き出されていく……つまり、イチャラブしようって事だろ?……え?違う?……冗談だ、今のは忘れよう……

 

 

「え?」

 

 

馬鹿なことを考えている俺とは違い、乃木と三ノ輪は驚いていた。だけど、乃木も三ノ輪も同じ考えなのか顔を見合わせた後に、挨拶のようにすぐに返事した。

 

 

「もうすでに仲良しだろ〜」

 

 

「へ?」

 

 

「嬉しい〜、私も須美助と仲良くしたかったんだぁ。ほらぁ、私も友達作るの苦手だったから」

 

 

「乃木さん……」

 

 

鷲尾は乃木の言葉に喜んでいる。

 

 

「須美助も同じ思いだったんだ〜、嬉しいな〜須美助〜」

 

 

「あ、あの……乃木さん」

 

 

「はぁ〜い!」

 

 

「その、いつの間にか言っている須美助っていうのは何?」

 

 

「あぁ、いつの間にかあだ名で呼んでた〜」

 

 

「自覚なかったのかよ……」

 

 

「ほ、本当だ……いつの間にかあだ名で呼んでる……これがステルス能力!?」

 

 

「桜井は気づいてなかったのかよ!!」

 

 

本当に自然な感じで呼んでたから気づけなかった……乃木さん家の園子さん……こいつ、出来る!!

 

 

「嬉しいけど、その……それ、あんまり好きじゃないかな」

 

 

「じゃあ、ワッシーナは?アイドルっぽくない?」

 

 

「もっと嫌よ!」

 

 

「え〜〜〜?」

 

 

「乃木さんも園子りんとか嫌でしょ?」

 

 

「わぁ、素敵〜!」

 

 

「ごめんなさい、忘れて……」

 

 

「あはは……」

 

 

「園子りんって何かどっかの星からきたとか言い出しそうだな、アイドルと言うより……」

 

 

「桜井くんも今のは忘れて……」

 

 

「お、おう、分かった」

 

 

鷲尾から疲れた表情が見えたので、それ以上深く考えるのをやめた。でも、どっかで聞いた事あるんだけど、何だっけ?

 

 

「あ!閃いた!じゃあ、わっしー。どう?」

 

 

「突然の閃きであだ名をつけるのはどうかと思うぞ?なあ、鷲尾」

 

 

乃木の閃きで考えついたあだ名でいいのか聞くと、鷲尾は目を閉じて悩んでいた。

 

 

「ん〜〜〜……」

 

 

どうしようか悩んでいる鷲尾が片目だけ開けて言った本人を見ると、目をキラキラとさせながら見ていた。その表情に根負けしたのか、鷲尾は乃木のつけたあだ名を了承した。

 

 

「まあ、それでいいかな……」

 

 

乃木は鷲尾からの許可を得ると表情が物凄く明るくなる。

 

 

「よろしくね、わっしー」

 

 

「う、うん」

 

 

何とも微笑ましい光景である、俺はジュースを飲みながら目を細めてそのやりとりを静かに見守っていた……

 

 

「よ〜しっ!じゃあ、私のことは銀って呼んでよ。三ノ輪さんはよそよそしいな〜」

 

 

「そうだね〜」

 

 

「あはは、まいっか!」

 

 

「いいのかよ!?……はっ!つい反射的に反応してしまった」

 

 

見守っていた俺は三ノ輪があまり気にしない事に驚いて思わず会話に混じっていた。

 

 

「えっと、それじゃあ俺の事はビックボスって呼んでくれよな!」

 

 

「「「遠慮します」」」

 

 

「少しは考えてくれてもいいだろ!!」

 

 

「いや、だって何か似合わないじゃん?」

 

 

「桜井くんには悪いけど私もそう思う」

 

 

「う〜ん、ビックボスじゃなくて中ボスの方が似合うよ〜」

 

 

「もう分かったから!今のは冗談だから!だからやられ役みたいなあだ名にしないで下さい本当にお願いします!」

 

 

サラリーマンもビックリなくらいの平謝りをしてこれ以上の被害を出さないように強く懇願する俺……本当に中ボスはやめてくれ、あまりいい記憶がないんだよそのあだ名……

 

 

「まあ、冗談はこれくらいにして……俺の事は好きに呼んでくれて構わない。桜井でも信悟でも何でもいいぞ」

 

 

「じゃあ〜中ボ「本当にそれだけは勘弁してください」冗談だよ〜」

 

 

「なんだ、冗談か……良かった……」

 

 

「本当に嫌なんだなそのあだ名」

 

 

「ああ、こればかりは頼むからやめてくれ……頼む」

 

 

誠心誠意を込めた今の俺の頼みに3人は驚いているが、それすら今の俺には余裕がない。ここでそのあだ名になれば生きたまま死んでいるのと同じだから全力を持って阻止する。

 

 

「あはは……まあ、私はこれからは信悟って呼ぶよ。私の事は銀でいいぞ」

 

 

「じゃあ私は〜台所のシンクって呼ぶ事にするよ〜」

 

 

「「「えっ?」」」

 

 

「冗談だよ〜」

 

 

「乃木の冗談は心臓に悪い……」

 

 

「今のは流石の私も恐怖を覚えた……」

 

 

「今の乃木さんのは冗談に聞こえなかったのだけれど……」

 

 

「鷲尾……それ以上考えちゃダメだ……」

 

 

「そ、そうね」

 

 

乃木の冗談に笑えない3人は深く考えないようにした。

 

 

「あ!ぴっかーんと閃いた!信くんって言うのはどう?」

 

 

「それならノープロブレムだ」

 

 

「それじゃよろしくね信くん!私の事も好きに呼んでいいよ〜」

 

 

「そうか?じゃあ、園子り「さ・く・ら・い・く〜ん?」と言うのは冗談だ!名前で呼ぶ事にするよ!」

 

 

一瞬鷲尾から般若が浮かび上がって見えたが幻か?少しだけちびりそうになった……

 

 

「鷲尾の事も名前で呼んでいいか?」

 

 

「えっと、その……大丈夫です……」

 

 

「?よく分からないが、銀、園子、須美。これからよろしくな!」

 

 

「うん!よろしく信くん!」

 

 

「ああ、よろしく信悟!」

 

 

「こちらこそよろしく、信……桜井くん」

 

 

若干一名とはまだ距離があるが、こうして4人の距離は昨日よりはるかに近くなった。

 

 

「よーし!それじゃあ、今日という日を祝って!皆でここの絶品ジェラートを食べよう!」

 

 

「へ?」

 

 

いきなりの展開についていけない須美、間抜けな声が出ている。

 

 

「安心しろ須美、ジェラートは奢りだ!……信悟の!」

 

 

「へ?」

 

 

須美の間抜けな声もつかの間、次に間抜けな声が出たのは俺だった。突然の銀の提案までは良かったのだが、何故俺が奢らなきゃならないんだ!異議を申し上げる!

 

 

「わ〜い、ありがとう信くん」

 

 

「待て待て!何故俺が奢らなきゃならないんだ!しかも2回目だぞ!」

 

 

「だってさっき言ってただろ?今日は俺の奢りだ!って」

 

 

「いや、確かに言ったけどあれは「それに、真剣な話の途中にふざけたりしてたじゃん」是非私が奢りましょう!いえ!奢らせてください!」

 

 

「す、凄い変わりようね……」

 

 

須美が少しひいていたが当然である。だが、ここで逃げれば今度あった時にさらに酷い仕打ちを受けるに違いない!ならば、最初の内に少ない被害を受ける方がよっぽどいいのでここは素直に従おう……それに、銀が言ったようにふざけたのは悪かったと思っていたのでここでお詫びが出来るのは俺としてもありがたい……

 

 

 

奢る事が確定してから、4人でジェラートを販売しているコッチモとローマ字で書かれた店に行き、それぞれケースの中の種類が豊富なアイスから好きなのを選んで注文する。店員さんが注文通りのアイスをコーンに盛り付けて、完成したジェラートをそれぞれ手渡され最後に代金を支払ってから席に戻る。選んでる最中、店員さんがニヤニヤしてたが、店員さん……見えてるものだけが真実とは限らないんだぜ?

 

席に座ってから4人一斉に食べ始める。俺が選んだのは和と洋が生み出すハーモニー、紅茶味のアイスと抹茶味のアイスの二つである。この二つは味は違うが元を正せば同じ飲み物という分類にわけられるのもあり、特に不味いと言う事もなく意外とマッチしているのでとても美味しい。他の3人も自分の選んだジェラートを食べては幸せそうな顔をしていた。食べてる途中、園子が須美に食べさせてもらい初めての共同作業だねと言っていた事もあったが、今回だけは見て見ぬをしておいた……本当はものすごーく会話に混ざりたかったが、園子の口についたカルピー味のアイスがとても良い働きをしていたので俺はカルピー味のアイスの仕事ぶりを見る事で手一杯だった。カルピー味のアイス諸君、君達の働きに敬礼!

 

 

「どうした信悟?さっきから静かだけど」

 

 

「……ジェラートを味わうのに夢中になっていただけだ……他意はない」

 

 

「なんだ、てっきり変な事でも考えてるのかと思ったよ」

 

 

「ソンナコトナイデスヨ」

 

 

「急に変な喋り方になってるぞ!?」

 

 

「そ、それはだな……このジェラートが絶品だったからだ!」

 

 

「ああ!確かにここのジェラートは絶品だよな!特にこの醤油豆ジェラートは最高だ!」

 

 

何とか誤魔化せたな、それにしても危なかった。銀の言葉は鋭い刃だからもしもバレたら俺は今度こそ立ち直れそうにない……

 

 

「その醤油豆ジェラートって美味いのか?ただアイスに醤油と豆乳かければ誰でも作れるんじゃないか?」

 

 

「はあ!?そんなわけないだろ!これはとても巧妙に作られた物だけあって、誰でも作れるもんじゃないんだ!」

 

 

「そ、そうか……分かったから落ち着け」

 

 

「いいや、分かってないね!ほらこれを食べればこの醤油豆ジェラートの美味しさが分かるはず」

 

 

銀の逆鱗に触れたのか、恥ずかしげもなくスプーンで自分のアイスをすくって俺に差し出す。こ、これは!?

 

 

「なあ、銀もう一度考え直す気は「ない!さあ、食べるんだ」……分かったよ」

 

 

こうなった銀はイネスという単語を聞いた時の銀と一緒で止められない、腹を括って銀から差し出されたスプーンにのっているアイスを食べる事にした。

 

 

「あ〜ん……こ、これは!美味い……だと!?」

 

 

「そうだろそうだろ〜」

 

 

何故か勝ち誇ったような顔をする銀。

ちくしょう!そんな顔されても可愛いから許しちゃう!

 

 

「なあ、信悟のジェラートって美味しいのか?」

 

 

「この抹茶と紅茶のアイスか?美味い不味いで聞かれれば美味いけど……食べてみるか?」

 

 

少しの希望をのせて先程銀が行った行為の意味に気づいて欲しかったのだが……銀は特に理解していなかった……これは俺の考えすぎなのか?最近の小学生はこんなの新婚夫婦のキスと同じくらい日常茶飯事なのかもしれない……それなら、気にしないでおこう。

 

 

「食べる食べる!」

 

 

「……分かったよ、ほら、あ〜ん」

 

 

「あ〜ん……〜〜〜〜美味しい〜〜〜!」

 

 

どうやら銀にも好評価らしいこのジェラート、だが今はそれどころではない。何故なら銀の顔がだんだんと赤くなっているように見えたからだ。これはひょっとすると……

 

 

「なあ、銀。顔赤いけどどうしたんだ?」

 

 

「な、な、何でもない!気のせいだ!」

 

 

そう言ってそっぽを向く銀、それを見て確信した。

どうやら今時の小学生もこんな事は滅多にやらないという事だ。それを知る事が出来たのは非常に大きい。これで俺の今後の青春ライフに希望がある!銀が恥ずかしくなっているのも気づかずにまた自分のアイスをスプーンですくい口に運ぶ。

 

 

今日のアイスは格別に美味かった……

 

 

ジェラートを食べ終えた頃には日も暮れる時間になっていたので、途中まで同じ帰路を今日の学校の事や最近見たテレビの事など話ながら歩いて帰った。3人とは違う道なので途中で銀と別れ、須美と園子と一緒に歩き、今度は3人とも別々だったのでそこで別れて自宅へ帰った。

 

 

 

 

余談だが、その日はジュースとジェラートを食べた事もあり夕飯を残すと、両親が心配になってどこか悪いのか?頭か?頭なんだな?と2人とも言ってきたので無理をしながらも完食してやったという事があったのだ……頭限定で心配するか?普通?……

 

 

 




やはり新しいものになれるまで時間がかかるな~

マウスとキーボードを新調したんだが正直使いづらい、おかげで時間がかかる。

でもでもやる気が上がったから良しとしよう!

そんな事はどうでもいい!やっと砂糖増しぐらいの展開をかけてハイテンションの俺は今目から雫がこぼれている......もうね、原作突入してからは結構考えながら書かないと難しかったんだよ?ですが、やっと三人との絡みが書けたのはうれしくて......

この後からはキャラの口調が崩壊するかもしれないので悪しからず......

次回 温泉宿のテレビは液晶だと浮いて見える気がする!!

やっぱり温泉宿のテレビはブラウン管だよね!
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