胃痛セブン外伝 -アーリークロスロード-   作:北岡ブルー

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 胃痛セブンに、敬意を評してーーー。



辺境の惑星にようこそ

 力こそが正義。それが真実だ。

 

 だってそうだろう?お前らは家に上がってきた犯罪者や殺人鬼をもてなすのか?茶でも汲むのか?バカバカしい、オレ達なら尚更だ。

 

 超人(ウルトラマン)は、敵を倒してナンボだぜ。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「いいかアーリー。大切なものを守るためには、強くならなくてはいけないぞ?」

 

 それが親父の口癖だった。

 

 オレの一族は代々戦士の家系で、光の力を倍にして吸収できる体質を持った、いわば生まれつきのエリートって奴だった。

 両親が肩や腰につけているプロテクターは、様々な苦難を乗り越えた戦士の証だと、耳にタコができるほど聞かされたモンだ。

 

「あぁ、わかってるさ父上」

 

「その意気や良し!ではさっそく修業を始めるぞ!今日のターゲットはレッドキング10体だ!!」

 

「へーへー」

 

「返事は気合いをいれてしろといつも言ってるだろう!」

 

「わーってるよクソ親父!!産まれた頃からこんな事に付き合わせられてンだからな!」

 

「フハハハハ!うん、良し!!流石は俺の娘『ウルトラウーマン アーリー』だな!2000歳(小学生くらいの年)でもうグレてるぞ!」

 

 そう言ってお決まりのサムズアップと白い歯を見せたクソ親父は。カラータイマーから光を集め、赤と銀の鎧『スパークアーマー』を纏うと、飛べないオレを背中に乗せて怪獣惑星へと飛び立った。

 

 そこに着くまでの間、オレは暇なのでクソ親父のわき腹をバシバシ蹴ったり、折れ曲がったアホ毛を引っこ抜いたりして遊んでいた。

 

「痛い!痛いぞ娘よ!ウチの子の反抗期早すぎィ!!」

 

 フハハハハ!痛くされたくなけりゃもっと飛ばせェ!!

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「まったくもうアナタったら、こんな遅くまで娘を怪獣狩りに連れていくだなんて!将来怪獣を倒して『あぁっ…快っ感…♡』なんていう子になったらどうする気ですか!?」

 

「す、すまない妻よ。だがしかし、アーリーは俺、『ウルトラマン プライド』と『ウルトラウーマン レヴィ()』の娘!きっと強くなれると思ったんだ!」

 

「バカバカしい…、そんなの知ってるに決まってるじゃない!!」

 

「つ…!妻よぉぉおおお!!!」

 

 見てらんねーよコレ。

 

 夜遅くに帰ったオレは家の外にある湖に手を突っ込み、返り血を洗いながら思った。別に逃げたわけじゃねぇ。2000年もあんな光景を見せられ続けたら誰だって飽きる。

 

 オレの一家は、生まれ故郷である『M78星雲』から遠く離れた辺境の惑星に住んでいた。ここには故郷の倍の重力があって、普通のウルトラボーイが入ればぺしゃんこになるそうだ。

 何をトチ狂ったのか、赤ん坊のオレに才能があると見込んだ両親はここで育てようとを決心したらしい。潰れる可能性を考えやがれ。

 

「ま、何事もなく生きてんだから思惑通りってわけか……」

 

 そうぼやいて水面を見ると、俺は確かに両親の特徴を受け継いでいた。

 

 両親から赤い髪と白い髪の両方を継ぎ、白い前髪にはクソ親父についているアホ毛と同じものがぶら下がっている。怪獣も威圧できる鋭い目と、上に尖った耳は母譲りだ。歯を剥き出しにすると、クソ親父と同じくらい並びのいい歯が水面にうつる。

 

「ったく、顔が親父に似なくて良かったと考えるべきか……あ?」

 

 そんな考えにふけって湖を見ていると、自分の背景になっている夜空に無数の光が飛び交い、瞬いているのに気づく。

 

 上を見上げると、その光は何らかの文字を形作っていた。

 

 一つ一つの光は周りの星に紛れてしまうほど弱いが、文字として集まり、輝くことでその存在を示している。

 

「んだアレ…?宇宙人か?」

 

「いや違う。アレはウルトラサインと言って、我らウルトラ族の間に伝わる惑星間の通信手段だ」

 

「は――――…ッ!?」

 

 その時。オレは一瞬、目の前にいるのがクソ親父だとわからなかった。スパークアーマーを装着し、空を睨むクソ親父の眼光が、あまりにも普段の雰囲気と違っていたからだ。

 

 あんな怒りに燃え盛る親父の目は、今まで見たことがなかった。

 

 何かある。戦闘で鍛えられたオレの勘がそう告げていた。

 

「ウルトラの星が、光の国が父さんと母さんを呼んでいる。行かなくては」

 

「おいおい待てよ親父!二人が行くならオレも行く。その為に修行してたんだろ!」

 

「いいや、お前はまだ弱い。ここで修行し、少しでも強くなっておけ。この戦いが終わったら、光の国からお前を迎えに行く」

 

「ッ……!」

 

 普段の明るい、笑える口調とは違う威厳のある、硬い声。自分の身長に合わせて屈む親父のそんな姿が、オレを柄になく焦らせた。

 

「お前な…!親父は大切な物を守るために戦えって言ってたじゃねぇか!!俺はそれしか教えてもらってねぇんだぞ!?オレは…、オレはまだ……ッ!」

 

 

 

 大切なもののために戦った事なんてねェ!!!

 

 

 

「――――アーリー…」

 

 その言葉が声に出たのか、心の中に(とど)まったのかはオレにも分からない。だが、気づけばオレは、親父にしっかりと抱きしめられていた。

 

 

 その熱を、オレが生涯忘れる事はない。

 

 

「おどおッ…、さんッ……!!」

 

「やっと、普通に呼んでくれたな。娘よ」

 

 親父の抱きしめる腕に力が籠る。その想いは熱を通して血に通い、確かにある愛情を伝えていた。

 

「アーリー…、行ってくるわね。大丈夫、あなたは強い子。私たちも強いから、帰ってくるしね」

 

 母さんは、オレの額にキスをした。サラリと髪を撫でられると、両親から受け継いだ紅白の髪が揺れる。

 

「あなた、急がないと」

 

「ああ、わかってる。やっとおとうさんと呼んでくれたんだ。もっと呼んでもらわないとな」

 

 親父が腕をほどき、オレを離す。両親が向けた背中は、小さなオレにとってただひらすらデカかった。

 

「勝ってこいよ…」

 

「ん?」

 

「絶対…絶対勝って来いよ!!約束だぞ!」

 

 鼻声で声はグズグズで。目からは涙が溢れて止まらなかった。情けない姿だが、それでもオレは二人の娘だと、親父のアホ毛と母の鋭い瞳を揺らして二人の背中を見届ける。

 

 所詮、意気がるガキに過ぎなかった今のオレには、これしかできなかった。

 

「フフフ……。フハハハハッ!!ああ娘よ!またおとうさん♡って呼んでくれよな!!」

 

「呼ぶかよクソ親父!!」

 

「ッヴン!!」

 

「アハハハっ。もう、笑わせないでよ二人とも。さあ行くわよ!」

 

「あっ…、ああ。行こう!」

 

 背中ごしの会話。2000年続いたこの茶番も、暫しの別れだ。

 

 笑いながら涙を見せた母さんは、気を張り直して大げさなダメージジェスチャーをする親父の肩を叩くと、一緒に腰を屈め、空へと飛び出す。

 

「ジェアッ!」

 

「テヤアァッ!」

 

 二人はそのまま上へ滑空していくと、暗い宇宙の彼方へと消えていった。

 

 これで残されたオレが、《独り》になったのを気にも止めずに――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 ――それから1000年後――

 

 

「団長…、ゾット団長!」

 

「なんだ。一体どうした?」

 

 無限に続く宇宙の中。一人の新人が慌てて前の男に話しかけ、飛行を止める。男は青年の声に振り向き、少し顔をしかめてその場に停止した。

 

 男の名は『ウルトラマン ゾット』。とある星の文化を真似て整えたカイゼル髭が特徴の男で、ウルトラの力を扱う自警団の団長である。

 

 可愛い娘に恵まれ、明るい人生を歩んでいるゾットだが、今はどこか焦っているように新人は感じていた。

 

「なぜこんな辺境の惑星に?我々は確か、プライドさんのお子さんを迎えに来たのでしょう?」

 

「ああそうだ。そしてその子はこの惑星にいる」

 

「はい!?ですがこの星の重力は我々の星の倍はあります!そんな環境で子供が耐えられるとは思えません!」

 

「だからこそ説明している時間が惜しいのだ!降下するぞ!」

 

「っハイ!」

 

 会話を終わらせると同時に、ゾットは赤い玉となって惑星へと突っ込んでいく。新人も急いで青い玉になり、団長の後を追いかけていった。

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

「ッ……、なかなかキツいですね、この星は…!」

 

「ああ、確かにな」

 

 星の地表に降り立った赤と青の超人は、自らの視界を奪う磁気嵐に悩まされていた。

 磁気嵐とは磁場が安定してない星で起こる現象で、どんな重い物も木の葉のように巻き上げ、宇宙の彼方へと飛ばしてしまう恐ろしい災害だ。

 

 強力な身体能力を持つウルトラ族は飛ばされる心配こそないが、風で声が、磁場の影響で脳波やテレパシーに雑音が入り、光線技も四散してしまう。

 

 それだけでない。故郷の倍ある重力も、二人を押し潰そうとのしかかっていた。

 

 ウルトラの星も他から見ればかなりの重力を持っているのだが、この場合はこの星が異常といえるだろう。

 

「団長!こう視界が悪くちゃ何も見えません!自警団全員を呼んで対応するしか……」

 

 あまりの環境に、本来前に出るタイプではないブルー族の新人は一時撤退を要請する。

 しかし、ゾットからの返事が耳に届くことはなかった。

 

「グガッ!?」

 

「ん!?おいどうした!」

 

 ゾットが答える前に、新人が意識を失ってしまったからだ。しかし、どんな悪天候にあろうとゾットは部下の犠牲を無駄にはしなかった。

 

(―――今、影が見えた!怪獣か?)

 

 薄目で確認できたのは赤い影。赤い影はこの嵐をもろともせず高速で動き、すれ違い様にアッパーの要領で青年のアゴをかちあげ、気絶させたのだ。

 

(いや、プライドの話では無人の惑星のだったハズ。するとあの影は―――!)

 

「くっ…、磁気嵐が邪魔だ!M78光線ッ!!」

 

 友の言葉を思いだし、ゾットは空に向けて両手を7の形に組み、『M78光線』を放つ。

 

 無限の流星が流れるように輝く光線は、《ビガガガガ!!》と甲高い音を響かせて磁気嵐に突っ込んでいき――、

 

 天空に、巨大な銀河を咲かせた。

 

 銀河の正体は、M78光線の爆発で生まれた光だ。この爆発は磁気嵐に致命的な大穴を開け、巻き上がる瓦礫を消し飛ばし、粉微塵にしてもなお広がり続ける。

 

 後になって残ったのは空の星々と、茶色けた地表。そして赤い後ろ髪と銀髪を乱して倒れる少女だけだった。

 

「あ…、ぐっ…。痛ぅ…!」

 

 少女はボロ布をマントのように羽織り、防塵対策をしていた。ゾットは倒れたままの少女に近づくと、後頭部に手をやって起き上がらせる。

 

「君か。プライドの娘、アーリーというのは…」

 

「おっ…まえっ…!クソ親父を知ってんのか…っ!」

 

「ああ、知り合いだ。もう何も心配しなくていい。私たちは君を迎えに来たんだ。」

 

「迎え…、だとッ!?」

 

 迎え。その言葉を聞いた瞬間、アーリーはゾットの手を払って立ち上がり、距離をとる。すぐさまよろめくが、眼光の強さは鋭さを増していた。

 

「クソ親父は……、親父は言ったんだ!『お前を迎えに行く』って!お前らなんざお呼びじゃねぇ!!親父を…、母さんを出せ!!」

 

「………両親に似て、こうと決めたら動かないタイプだな。君は」

 

 ゾットは起き上がらせた時、アーリーの体の軽さに驚いた。マントの隙間から見えた体の細さにもだ。

 

 あれはおそらく、まともなエネルギー補給ができていない。

 

 そんな状況の中で、少女は誰かに助けを求めることもなく両親を待ち続けていたのだ。1000年間ずっと、親の言葉を信じて。

 

(危ういな。この子は純粋すぎる…)

 

 ゾットの額に、一筋の汗が流れる。()()()()()()()()と。その真実に彼女が耐えられるのかと。

 

 アーリー自身は気づいていないだろうが、彼女の身体はもう危険な状態だ。ここにいれば命が危ない。

 

 しかし先ほどの態度から、説得では動かないだろうとわかってしまった。1000年待ち続け、精神が擦りきれてなおこれなら、彼女は骨だけになっても家族の帰りを待ち続けるだろう。

 

 

 故にゾットは少女を救うため、残酷な決断をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「君の両親は今、行方不明になっている。だから代わりに私たちが来たんだ」

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 ずっと信じていた。オレの両親は強いから、きっと帰ってくるって。

 

「………………は?行方不明?何でだよ?」

 

 帰りが遅くても、それほどの強敵がいるんだと考えれば納得できた。どんなに相手が強くても、あの二人なら帰ってくるって信じてた。

 

「ああ、お前の両親。ウルトラマン プライドとウルトラウーマン レヴィは、私の所属する団のメンバーだった。そしてある友好的な星からの救難メッセージを受けて飛んで行ったあと、連絡が取れていない」

 

 空腹で狂いそうになっても、狩りにミスって怪我を負っても、両親はもっと苦しい戦いをしてるんだと考えれば誤魔化せた。

 

 なのに、その結末がコレだと?

 

「……けんな…ッ!」

 

「ん?」

 

 オレは、オレの家族(ヒーロー)に置いてきぼりにされたのか!?

 

「ふッッッざけるなァァァァァアアアアアアアアアアッッッ!!!」

 

「なっ!」

 

「アアアアアァァァァッ!!」

 

 その時、オレのいろんなモノが壊れた。ガタガタで、光線から回避するので精一杯だったオレの身体は、今までで一番のスピードで飛びかかり、怪獣のような雄叫びをあげてヒゲ男に襲いかかった。

 

「ぬぇああッ!!」

 

「ぐあっ!」

 

 伸びたままだった爪がヒゲ男のアゴから肩へと一閃し、深い切り傷を作る。光の飛沫が噴き出したソコに追い討ちをかけようとするが、それが果たされることはなかった。

 

「ウルトラチェーンッ!!」

 

「アギッ!?」

 

 不意に地中から現れた銀の鎖が、オレを拘束したからだ。蛇のように素早く身体にまとわりつくソレに、オレは怒り狂う。

 

 だが、鎖は時が止まったように静止してびくともしない。なんだこれは!

 

「クソォ!離せ!!離しやがれえぇぇぇえええええ!!!」

 

「さっきはやってくれたね。悪いけど、このまま落ちてもらうよ!」

 

 鎖を出したのは、最初に気絶させたハズの青いヤツ(新人)だった。前につき出した拳には中途半端な隙間があり、握られるほど鎖の締め付けが強くなる。

 

 くそ、息が―――!

 

「あっ…、がぁぁぁあああッ!!」

 

「やめろ!その子は救出対象だぞ!!」

 

「すみません隊長!ですが、今のこの子が言うことを聞いてくれるとは思えません!命が危ないのは隊長が一番わかってるハズでしょう!それにあなた自身の傷も深い!」

 

 メキ、メキと、首から嫌な音が響く。視界が霞んでいく。耳から聞こえる声も遠くなる。手足も震えて、いうことを聞かない。

 

 

 

 

 

 

 なんでだ、なんでオレは置いていかれたんだ?

 

  オレが、こんなにも弱いからか?

 

   なら、オレは―――

 

 

 

 

 

「………弱い…、オレなんてっ…、大っ嫌いだ……ッ」

 

 

 涙を流し、意識が朦朧とする中で放たれた言葉に気づくものはなく―――

 

 

 

 

 

 オレはそのまま、闇に落ちた。

 

 

 

 

 




 ウルトラ【べリアルッ!!】ナビ!

ウルトラウーマンべリアル(以降(べ)「フハハッ!息子がこういう紹介をしていると聞いてな。やらない手はないと考えたのだ!親子の絆を深め、あのセゼ親子に勝る最強親子になってやるぜ!初めはコイツだ!!」 カチッ

-ウルトラウーマン べリアル!- 

身長:すっげえでかい55m! ちなみにシなんちゃらってガキは40mだ!ちっせえなぁ!!
体重:秘密!+かっこよくて強いマント!10万t!! あ"?おい誰だよケンのパクりとかいったヤツ!
必殺技:デスシウム光線!ウルなんとかンゼなんとかより強えぇぞ!!事実だ!!

レム(以降(レ)『正妻戦争に敗れ、逃げ出した三十代のヤンキーババアです』

べ「ちょっと待て今何を言った?」

レ『いえ別に。かつてアーリーと呼ばれた戦士が闇に堕ちた姿です。と言いました。機械は嘘をつきません』

べ「な、なんか釈然としねぇなチクショウ。クソッタレが!こうなったらベリュドラの時みたく100体紹介でーー!『それでは皆さん。次回また』
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