機動戦士ガンダムSEED DESTINY(エクステンデッドハッピーエンド)   作:筆先文十郎

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ふと思いついたので。


アスカ夫妻の日常

 プラント

 とある日曜日のアスカ家のリビング。

 子どもが近所の友達の家に遊びに行き家にいるのはシンとステラの二人だけ。

「~~~♪」

 ステラはニコニコと陽気に鼻歌を歌いながら掃除機をかけていた。

「…………ッ!」

 掃除機のウィンウィンという音に、ソファーで寝転がりながらゲームをしていたシンはイラついていた。

「~~~♪」

 シンがイラついていることに気づいていないステラは鼻歌を歌いながらソファーの近くのゴミを入念に吸い取っていく。

「……………………ッッッ!!」

 耳元でウィンウィンと鳴り続ける掃除機の音に、シンの堪忍袋の緒が切れた。

「おい、ステラ!!」

 ゲーム機の電源を切ったシンは立ち上がり、掃除機をかける妻に怒鳴りつける。

「俺は仕事で疲れているんだよ!妻なら夫が疲れていることくらい(さっ)しろよ!!」

「……ッ!」

「……お、おい……ステラ!?」

 突然涙を流しながら顔を覆う妻に、シンは動揺する。ステラは嗚咽(おえつ)を漏らしながら言葉を紡ぐ。

「酷いよ、シン……私、シンのことを考えてごはん作っているのに……仕事で子どもと接してあげられないシンの分まで……子どもに愛情、注いでいるのに……『貴方が今日そのご飯を食べていけるのも、温かいベッドで(すこ)やかに眠れるのも仕事(そと)で頑張っているシン(パパ)のおかげだからパパに感謝しなさい』って言っているのに……シンは、シンは私にそんなこと言うの!?……酷い、酷過ぎるよッ!!」

「…………」

 ステラの言葉を聞いたシンは身体を小刻みに震わせる。そして

 

「ステラ!!」

 

 愛する妻を力強く抱きしめた。

「ごめん、ステラ!俺、自分のことしか考えてなかった!……ステラがいるから……ステラが家を守ってくれるから……ステラが家に普段いない俺の分まで子どもに愛情を注いでくれるから……俺は仕事に打ち込むことが出来るのに……ステラも色々と大変なのに……その事を全く考えてなかった!……本当にゴメンッ!!」

「いいの、いいの……シン」

 涙を流しながらステラは首を横に振る。

「私もシンのことを考えてなかった。シンが仕事で大変なのは……分かっているのに…………」

「ステラ!!」

「シン!!」

 涙を流しながら熱く抱き合う二人。そんな二人を

 

「……お前たち」

「……何で掃除一つで昼ドラのワンシーンみたいなことしてるのよ」

 

 何度ブザーを押しても応答がなかったので気になって入った、シンの同僚であるレイ・ザ・バレルと、ステラの女友達であるルナマリア・ホークが(あき)れながら見ていた。

 


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