剣統べる魔王の物語   作:征嵐

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 メチャメチャ遅れた上に短いけど、言い訳はしない。


17話

 

 失神、というのは、現象として見れば睡眠と大差はない。意識がなく、無力化された状態だからだ。戦闘行為はおろか、自発的行動はほぼ不可能。だが、大きな差異が無いだけで、細かい違いはある。まず、睡眠というのは意識の「休眠」であり、回復行為だ。だが、失神は意識の「喪失」であり、つまりは状態変化──負傷とすら言える。

 

 何が言いたいかと言うと、だ。

 

 「やばい···眠い···。」

 「駄目よ、マスター。4日も寝てたんだから、いい加減に水分だけでも取らないと、死ぬわよ?」

 「うぅ···無理···あと一睡だけ···。」

 「一睡、とは、具体的に何分でしょう。主様?」

 「気分···。」

 「気分って、それ時間の単位じゃないから···。」

 「ぐぅ」

 「えい」

 「ぐっ!?」

 

 グラムに諭され、これを拒否。次いで雪月花の問いを流し、レヴァンテインのツッコミもスルー。──で、ジャガーノートに叩き起こされて今に至る。気絶していた期間の4日じゅう一切の水分補給が無かったとすると、確かにそろそろ死ねる頃合いではあるし、実は結構空腹だったりするので、眠気をおして酒場に行く事にした。

 

 「あ、マスター!! よかったー、もう起きないかと思った!!」

 「リディ。ごめん、心配させたかな。」

 

 ううん、別に? なんて宣ったリディが、せっせと料理やジュースを運んできてくれる。お昼ごろだというのに、酒場には僕と、もう数人しか客が居なかった。

 

 「おやじさーん。魔剣たちも良いかな?」

 

 どうせなら、みんなで食べよう、お昼ごはん。(字余り) という意図を汲んでくれたのか、酒場の主の返答は"yes"だった。

 

 「あぁ? ···ま、構わんよ。」

 「ありがとうございます!! さぁ皆!!」

 

 意識が暗転した。

 

 

  ◇  ◇  ◇

 

 

 が、すぐに起きた。目の前にアッツアツのグラタンが置いてあっただけに、流石にマビノギオンが肩を掴んで止めてくれて、リディとジャガーノートがコップになみなみと注がれた氷水を頭から被せてくれやがったからだ。

 

 「ビックリした···何だ今の。目眩とかいうレベルじゃなかったけど。」

 「はぁ、あのねマスター。自分の今の魔力量、把握出来ているの?」

 「主様、確かに魔剣に回す魔力の量は、質で以て補えます。が、いくら"剣王領域"を使おうと、いくら超高質の魔力であろうと、絶対的に『量』が足りなければどうしようもありません。」

 

 マリョクリョウのハアク? ···魔力量の把握、か。そういえば、死んで死んで死にまくったけど···おぉぅ。ちと不味いな。魔力残量がコンマ数パーセントしかないでござる。

 

 「と、言うかこんな残量でよくもまぁ···。」

 

 よくもまぁ、大量のSランク級魔剣を顕現できたものだ。『剣王領域』万歳。

 

 「体内魔力自体は、ごはん食べれば回復する···と、いうか、体力の回復に伴って回復するとして。だ。」

 「まだ、何か問題が?」

 

 ありますねぇ。大問題が残ってますねぇ。

 

 「全員、ちょっとそこに並んで。」

 

 僕の負傷なんぞどうだっていいが、魔剣たちに怪我はないのか。特にボコボコのボコにされちゃったオルタとカラドボルグと雪月花とぎんいろ。

 

 「大丈夫だよマスター。ちゃーんとエメラルド使ったから!!」

 

 自慢気に無い胸を張るリディ。ふむ、そういえばそんな指示を出したような?

 

 外傷的痛覚ショックと精神疲労による失神は、前後の記憶を失う可能性があります。注意しましょう。──なんてモノローグを流した瞬間に思い出す。

 

 「そういえばグラム。ドレス、戻したんだ。」

 

 グラムのドレスが、戦闘の最終局面で見せた水色と白の物から、以前の黒を基調とした物に戻っていた。いや、どっちも好きだから、どっちでも全く問題はないけれど。

 

 「流石に、戦闘中でもないのに極化なんてしないわよ。特に、今はマスターの魔力も心もとないしね。」

 「心許ないと言うかー、無いというかー。取り敢えず食べましょうよー。」

 

 せやな。おなかすいた。

 

 




 べリアル狩ってアバター狩ってゼノコロゥ狩ってた(言い訳)

 あとクランDのパンツ欲しさにフラベルムでヨルムンガンドと原罪を一撃で吹き飛ばしてた。
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