では行きましょう!
第一次月面戦争
それは王家吸血鬼のトップ、エリナ・カーティスを処刑するために始まった戦争だ。
その時私はまだ子供だった。
人間で言う2歳くらい…
師匠に遊んでもらっていた時、
「永琳先生、例の物ができました」
「あら、ありがとう彩菜。患者さんに出しといてくださる?」
「はい」
「えーりんえーりん!この世界の王様って誰なの?」
私はまだ幼かった。
なので、そういった月の事情とかはあまり詳しくない。
「この世界はね…エリナ・カーティスという人が王様なのよ…」
「へぇー!かっこいい名前!」
こうして私は月の現実を知っていくようになった。
それから数ヶ月後
「反逆罪、エリナ女王への殺人未遂として…椎名 彩菜を処刑する」
師匠の部下 椎名彩菜さんが濡れ衣を着せられ処刑された。
理由もなく、ただ殺された……
それからの師匠の目は怒りに満ち溢れていた。
「私はこの月を許さない……」
そうして師匠は私に会わなくなった。
それからまた数ヶ月後、
「輝夜姫……あなたは蓬莱の薬に手を出しましたね…
そして八意。お前がその薬を手がけたのか…」
「………はい、間違いありません…」
「蓬莱の薬を作り上げた、そしてそれを飲んだ罪により、2人を幻想郷に追放します」
エリナとやらが高い笑い声をあげながら言った。
そこからの師匠の顔は覚えていない。
師匠がいなくなって2ヶ月後、私が知らぬ間にエリナは外の世界に追放された。というニュースが入った。
私も月の生活が退屈と感じ、師匠のいる幻想郷に逃げてきた。
生活も安定してきた頃。
幻想郷の住民とも仲良くできた。
永遠亭にも新しい家族が増え、幸せな生活を送っていた。
なのに……
「どうして……月の住民が……」
そう、約500ほどの月の住民が幻想郷に入り込み襲撃していた。
「師匠!大変です!月の住民が……」
「分かってるわ!行きましょう!」
と、竹林を抜け人里につく頃には戦闘が始まっていた。
霊夢さんや紅魔館の住民達が戦っていた。
その中にひときわ目立つ戦闘力の青年がいた。
「し、翔……なの?」
翔の体からは蛇が生え、目は左目のみ蒼色で月の住民達を次々と倒して行った。
「なんて強さなの……」
隣で輝夜が言う。
「これが王家吸血鬼の力……」
すると月の住民のひとりが
「お、お前は……椎名! 王家の生き残りが……何故ここにいる!」
「さぁな、でも、俺はもう王家なんかじゃない……
ただの妖怪だ」
そう言うとその住民のことをゴミを見るかのような目で見下し、
「血符「反逆の返り血」
翔のスペルカードだ……
凄い……ちゃんと殺せないようになってる……
私は教えてもいない技術を身につけていたことに驚いた。
1時間弱で異変は片付き、妖怪側が勝利した。
「あなた、名前何ていうの?」
霊夢さんや紅魔館の住民達が翔に聞いていた。
そっか翔はまだ初対面だったんだ…
「椎名翔と言います。まだ幻想郷に来てまもないですけど…永遠亭に住まわせてもらってます」
「その割にはかなり力があったわね……それと…あなた王家って月のヤツら言ってたけど…」
「あ、いや……僕が0歳の時まで王家吸血鬼の一員だったんですよ……」
「そう……まぁ、私たちは
「はい、ありがとうございます」
「さて、と、こいつらに詳細を吐いてもらおうかしら…」
霊夢さんがそう言ってお祓い棒を月の住民に向けた。
「誰の指示なの?それと、これを仕掛けた理由は何なの?」
と、すっごい威圧で霊夢さんが月の住民たちに聞く。
怖………怖すぎるよ霊夢さん…
私は心の中でそう思った。
「わ、綿月様だ……仕掛けた理由は……また…エリナ様の時代になってほしい……ということで幻想郷を支配するように指示された……」
私はその人の名前に聞き覚えがある…
「豊姫と依姫がそんなことを……」
師匠が顎に手を置き、考え始めた。
「また、王家吸血鬼と同じ時代を味わうというの?冗談じゃないわ!!」
霊夢さんが怒る。
「綿月姉妹がそんなことを……」
普段からそんなことをする人じゃない……綿月様は……誰よりも優しく、そして誰よりも王家吸血鬼時代を憎んでいたのに……
何で今更……
「まず、状況を整理しよう
この襲撃は間違いなく綿月姉妹の仕業なんだな?」
翔が聞く。
「あ、あぁ、間違いない…」
「その理由が王家吸血鬼時代を取り戻す……か……ふざけんなよ……」
「し、椎名!お前も王家吸血鬼だろ?!なぜ喜ばない!」
住民の1人が言う。
「俺は王家吸血鬼が嫌いだ。お前らと仲間になった覚えもないし仲間になる気もない。
一緒にするな」
翔の目は怒りそのものだった。
この異変は、後に月光襲撃異変と呼ばれた。
その翌月、月の住民は月へ帰りまた平凡な日々が始まった。
「ねぇ翔、胡椒!」
と、姫様が下らないダジャレを翔に言った。
「ぶっ飛ばしますよ姫様」
「ごめんなさい調子乗りすぎました」
こんな毎日が続き、今では翔も幻想郷にすっかり溶け込んでいる。
「それにしても、最近は異変という異変があまり無いわね」
と、師匠が言う。
「そうですね、一番最近ので月光襲撃異変でしたもんね…」
そう、最近は幻想郷が平和すぎている。
いい事なのだが逆に胸騒ぎがする。
まぁ、大丈夫か……
そうして私はまた永遠亭の楽しい日常に溶けていった。
お疲れ様です!
綿月姉妹……出てくるかも?
読んでくれてありがとうございました!