東方想幻華 (一時連載休止)   作:かくてる

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13話 恋が壊れる音

私はあの後、翔をかついで月の診療所に向かった。

 

翔の怪我は全治1ヶ月。

 

私も3週間の怪我を負った。

 

ちなみに死亡した賢者の代わりは剣神霊が摂政として、働いている。

 

依姫様も、怪我を負ったには負ったが切り傷程度。

今では豊姫様と元の生活に戻って行った。

 

幻想郷の方も、死者は出なかった。

 

しかし、博麗の巫女 霊夢さんは翔と、同じくらいの怪我を豊姫様から食らったということで今は永遠亭の方で治療をしているらしい…

 

月面戦争終戦から2週間後

 

翔が初めて目を覚ました日。

 

「ねぇ、翔………」

 

「ん?なんだ?」

 

「あなた……どうやって、あの後、どうやってあの傷から耐えたの?」

 

賢者に翔が殺されたと思いきや、エリナ様の能力を得て、またこの世界に戻ってきたことに疑問を抱いていた。

 

「あの時、俺の頭の中にエリナが出てきてな……最後の能力をあげるって言って、俺の右目にその能力が入り込んできたんだ……したら、エリナの創造の能力を会得することが出来た………のかな…」

 

「そう………まぁ無事でよかったわ……

じ、じゃあ私は部屋に戻るわね……」

 

私が自分の病室に戻ろうとすると……

 

「失礼するわね……翔、鈴仙。お見舞いに来たのだけど……

果物……いる?

っと、翔、目を覚ましたのね…」

 

「ああ」

 

「ありがとうございます依姫様…」

 

「ええ、お姉様が採ってきた桃よ。

月の桃は最高級品なの、幻想郷に帰る前にいい土産を食べさせてあげようってお姉様が……」

 

「私久しぶりに桃食べます!ひやぁー美味しそ♪」

 

私はその桃にかぶりついた。

 

「ん、んめェなこれ。ありがとうな依姫」

 

翔が礼を言うと依姫様は何故か顔を赤くして目をそらした。

 

「え、ええ、お安い御用だわ………」

 

依姫様も帰り、私と翔のふたりきりになった。

 

「はぁ、月面戦争………終わったのね……」

 

「だな……長いようで短い2日間………だったな……」

 

私は翔に想いを伝えたい。

でも、翔がこの月面戦争の英雄になってしまい、私から離れていきそうな気がして、怖かった。

 

「ね、ねぇ、翔……あなたは治療が終わったら幻想郷に帰るのよね?」

 

「うん、そのつもりだが……」

 

「帰る前にいい所があるの……

剣神霊様から許可を頂いたの…」

 

「まぁ、まだ2、3週間はここにいるけどな……」

 

「……………暇ね……」

 

「……………暇だな……」

 

「あ、私はそろそろ病室に戻るわね……」

 

私は決めていた。

幻想郷に帰ったら彼に想いを伝える。

もう、後悔もしたくないしね………

 

 

 

その夜。

 

私は暇だったので外に出た。

 

月の空気は幻想郷より、綺麗だ。

 

それに寝っ転がって夜空を見ると、星だらけだ。

 

地上も見え、美しかった。

 

すると、病院の近くで足音が聞こえた。

 

物陰に隠れて見ると……

 

「翔だ………」

 

私は翔の姿を確認して自然に顔が明るくなってしまう。そして、走って彼の元に行こうとした。

 

でも………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「翔………」

 

「?」

 

私は足を止めた。

翔の近くで聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「ん、あぁ、依姫か……どうした?」

 

依姫様だ……

 

「い、いえ、私はただ外の空気を吸いに来ただけよ……」

 

依姫様の顔をよく見ると、暗くてもわかるくらい………

 

 

 

 

 

 

赤く、染まっていた………

 

 

 

 

 

「え、えっとね……翔……ちょっと私の話を聞いてくれるかしら?」

 

「良いけど……」

 

「私はね、翔に、殺されかけた事があったわよね……

その時、私が全てを話しただけで、私のことを信用してくれた。いつもなら警戒心もないただの馬鹿だって思うけど……」

 

「す、すごい言われようだな……」

 

依姫様はそれでも言葉を並べる。

 

「でも、私はそれが嬉しかった……

その後も、私を頼ってくれて………あなたが戦っている姿はとてもかっこよかった……」

 

そうして私より先に依姫様がその言葉を彼に告げてしまう…

 

顔を真っ赤に染め………

 

 

 

 

 

 

 

「私は翔の事が好き………

あなたが幻想郷に帰ってしまうのは分かってる……

でも、私はあなたの事が大好き……私の恋人になってほしい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫様が翔に想いを伝えた。

 

私は……胸が急に苦しくなって、泣きそうになり、一目散にその場から逃げた……

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい走っただろうか………自分でもわからないくらいに走った。

 

いつの間には私は大粒の涙を大量に流していた。

 

「私の………ばかぁ……」

 

胸が痛い……

苦しい……

翔が……どんどん私から離れていく……

 

私は翔の依姫様に対しての返事も聞いていないのに、勝手に悲しみに浸ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

私はこの時、自分の恋が砕けていく音を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから私は翔との接触を避けた。

 

私はこれ以上翔と、依姫様の関係に首を突っ込んではいけない。

そう思って、翔より先に剣神霊様に一言言って、幻想郷に帰ってきてしまった。

 

師匠達には心配されたが……

 

「師匠………翔には……依姫様という恋人が出来てしまいました……」

 

そう言って、師匠の胸で大泣きした。

 

「それで先に帰ってきたのね……

でも、後1週間後には翔が帰ってくるのよ?

本当に依姫の告白を彼はOKしたの?」

 

私はハッと、我に返った。

そう言えば…翔の依姫様に対しての返事を聞いていなかった……

 

「でも、多分OKしているんだろうな……」

 

私は月面戦争が終わったというのにいつまでも悲しさが心から離れなかった。

 

1週間後 永遠亭に翔が帰ってきた。




あぁ………
悲しい……


まぁ、こういうのもありですよね?!ね?!

次回か次々回位で最終回です!
読んでくれてありがとうございました!
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