東方想幻華 (一時連載休止)   作:かくてる

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14話 月から幻想郷へ

俺は外の空気を吸いにベットから降りた。

 

鈴仙は俺と一緒に幻想郷に帰るために治るのを待ってくれている。

 

「んんーっ」

 

俺は夜空に向かって大きく背伸びをした。

 

「綺麗………だな……月の夜空……」

 

これは何時間見てても飽きないな……

俺はそこに寝っ転がろうとした。

 

「翔……」

 

背後から声をかけられた。

 

「ん。あぁ、依姫か……どうした?」

 

「い、いえ、私は外の空気を吸いに来ただけよ……」

 

「そうか……」

 

そこからは沈黙が続いた。

しかし、依姫が口を開いた。

 

「え、えっとね……翔……ちょっと話があるのだけど…いいかしら?」

 

「?………いいけど……」

 

依姫は少し顔を赤くし、

 

「私はね、翔に、殺されかけた事があったわよね……

その時、私が全てを話しただけで、私のことを信用してくれた。いつもなら警戒心もないただの馬鹿だって思うけど……」

 

「ひ、ひどい言われようだな……」

 

俺は少しショックを受けた。

 

 

「でも、私はそれが嬉しかった……

その後も、私を頼ってくれて………あなたが戦っている姿はとてもかっこよかった……」

 

すると、俺は依姫から思いもよらない言葉を聞いた。

 

「私は翔の事が好き………

あなたが幻想郷に帰ってしまうのは分かってる……

でも、私はあなたの事が大好き……私の恋人になってほしい……」

 

「?!」

 

俺は言葉が出なかった。

まさか……依姫が俺のことをそう想っててくれたとは……

 

 

でも、俺には好きな子がいる……

いや、もちろん依姫のことが嫌いな訳じゃない……

むしろ付き合ってもいいくらいだ……

 

でも、俺はやっぱり鈴仙(あいつ) が好きだ……

 

だから……

 

「……………ごめん……依姫……

俺は……他に好きな子がいるんだ……」

 

「……え……」

 

依姫の目から涙が零れる。

チクチクと何かが胸を刺してくる。

 

 

「でも…お前のことが嫌いな訳じゃない……むしろ感謝してるんだ……お前がいなかったら月まで行けなかったし、賢者に勝つことも出来なかった……

だから恋人にはなれないけどさ……友人として、これからよろしく頼むよ……」

 

依姫は泣きながらも……

 

「………そっか……なら、仕方ない………ね……

うん、じゃあこれから、友達として、よろしくね……」

 

「あぁ……ありがとう……」

 

「でも!私は諦めるつもりはないよ……………

……ちなみにその好きな子の名前って聞いていいかな?」

 

「あぁ、いいけど……」

 

思うのは簡単だけどいざ口にすると恥ずかしいな……

 

「鈴仙だ……」

 

すると、依姫はフッと微笑んで、

 

「そっか……じゃあ鈴仙とはライバル……というわけか…

うん、ありがとう翔。私は寝るね……」

 

「あぁ、おやすみ……」

 

そう言って、俺と依姫は別れた。

正直、依姫に告白されたのは嬉しかったけど……

 

「やっぱ……鈴仙が好きなんだな……」

 

 

 

その2日後……

 

 

 

 

 

 

俺の元に剣神霊が来た。

 

「たった今、鈴仙から知らされたんだが……」

 

 

 

 

 

「はぁ?!鈴仙が幻想郷に帰ったぁ?!」

 

俺は驚いた……

幻想郷の方でなにかあったのかな?

 

「り、理由まで聞いたか?」

 

「いや………でも恐らく幻想郷の方で何かあったんだと思う」

 

「そ、そうか……」

 

俺も幻想郷に帰ろうとしたが……

 

「今の体で行っても、荷物になるだけか……」

 

「多分、鈴仙だけが師匠に呼び出されたんじゃないの?」

 

依姫が俺に言う。

 

「そうなのかもなぁ……」

 

まぁ、緊急……ではなさそうだ。

 

「ま、俺はゆっくりするよ……」

 

体はほぼ完治に等しかった。

だが、医者には……

 

「怪我は完治しているけど能力、つまり君の生命バランスの方が崩壊しかけている。このまま幻想郷に帰ろうとしたら、途中で死んじゃうよ……」

 

と、釘を刺されたので安静にしている。

 

「あ、じゃあ翔。あなたに見せたいものがあるの………

見せる、というより剣神霊様からの試練…と言った方がいいわね……

2日後、診療所の入口に来て。」

 

「お、おぉ分かった」

 

俺は依姫の言っていることに素直に従った。

 

そして、2日後。

 

 

 

 

「よぉ、依姫」

 

「あ、もう来たのね、それじゃ案内するから着いてきて」

 

俺は依姫のあとを追い、月の海の近くにある神殿らしきものの内部に入った。

 

「古臭いけど………なんかすごい妖力を感じる………」

 

「そうね………だってここには………」

 

依姫が一旦話すのをやめた。

 

すると、1本の剣が台座に刺さっていることが確認できた。

 

「あれは……」

 

「月の聖剣 「月光終剣(ルナ・エンド)」よ。

あれは、選ばれたものしか抜くことが出来ない、

あの剣の賢者様、剣神霊様でさえ抜けなかったものよ」

 

「これを俺に抜けというのか……」

 

剣神霊でも抜けないという最強の剣を俺が抜けるわけないというのに………

 

「まぁ、つべこべ言わずに1回触ってみたら?」

 

依姫がそう言うので俺はその月光終剣(ルナ・エンド)の柄に触れた。

 

すると………

 

ピキィィィィィィン

 

剣の周りにあった見えない結界が割れる音がした。

それと同時にとんでもない衝撃が俺に襲いかかって来た。

 

「な、なんだ?!」

 

「嘘……まさか…………翔!その剣を抜いてみて!」

 

依姫が後方で叫ぶ。

 

「はぁ?!無理言うなよお前!!」

 

衝撃に耐えながら後ろに叫ぶ。

 

「いいから抜いてみなさい!!」

 

俺はそう言われ……

 

「もうどうにでもなれ……」

 

月光終剣(ルナ・エンド)の柄を握り、思いっきり上方に持ち上げた。

すると……

 

スッ、シュィィィィィン………

と、あっさり抜けた。

 

流れテンプレすぎね?

 

「あなた……だったのね……」

 

と、依姫に言われた。

 

「何のことだよ…」

 

「あなたが吸血鬼の王子……ってことになるわ……」

 

そういや、姉ちゃんにも同じ事言われたな……

なんだ王子様って……

 

「まぁ、悪い気はしないし……

この剣は俺がもらっていいのか?」

 

「ええ、すぐにその剣の鞘を鍛冶屋に作らせるわ…」

 

そう言って、神殿を出た。

 

 

 

それから1週間後。

 

能力の方も完治して、全てが元通りになり、俺は幻想郷に帰ることにした。

 

「じゃあ、俺は帰るよ……」

 

俺のために綿月姉妹、賢者様の面々、月の住民までもが見送りに来てくれた。

 

すると、依姫が前に出て。

 

「鈴仙に振られたら私のところに来なさい!いつでもOKだから!」

 

と、満面の笑みで俺に言う。

 

「縁起でもないこと言うな……」

 

俺が呆れると、背中をバシッと叩かれた。

 

「いっつ?!」

 

「頑張ってきなさい!!私はずっとあなたのことを応援してるわよ!

………それと……いつでも月に遊びに来てね……」

 

と、依姫が少し赤面しながら言ってくれた。

 

「あぁ、ありがとう依姫……

それじゃあ、みんなまたな!」

 

俺は手を振りながら月を後にした。

 

 

 

 

そうして俺は約1ヶ月ぶりの幻想郷に帰ってきて相棒である鈴仙に会うため、月光終剣(ルナ・エンド)を持って、永遠亭へと足を運んだ。




これ……次回最終回……かな?


まだ分かんないです…


4-では読んでくれてありがとうございました!
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