東方想幻華 (一時連載休止)   作:かくてる

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クリスマス!



私ってこれでも3次元彼女いますからね!
↑これほんと。


でも、部活……………ひどくない?!

24も25もどっちも練習だぞ?!


ブラックやぁぁぁぁ…………


では、




メリークリスマス!!


9話 加勢

「はぁ………はぁ……」

 

勝負は拮抗していた。

朧の槍の突きを刀で弾く、俺の斬りを槍で跳ね返す。

ずっとこの繰り返しだ。

 

「さすがに………愛原の血を引くものも……侮れないな………」

 

「さぁな……まだこれからだ……!」

 

俺は咲名千里の刀身に触れ、集中した。

今から出す技は今俺が習得していう中で最大の妖力を要し、最強の攻撃力とスピードを誇る。

 

「天候現象…………」

 

俺がそう唱えると周りには大雨が降り注いでいた。

左手を空へ掲げ、指と指で音を鳴らす。

 

「こ、これは………」

 

音が出た瞬間、雷鳴と共に巨大な雷が10本朧に向かって落ちてきた。

怨念と言えど、雷に耐えられる生き物など存在しないはずだ。

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!」

その雷は朧に何本も直撃し、痺れさせた。

俺はそれに追撃を与える。

咲名千里を縦に構え、そのまま真っ直ぐに斬る。

刀身には心霊撃退の能力が込められていたので完璧な手応えがあった。

だが、俺は「あの時」の事をまた思い出してしまう。

くそっ………リコイルショックか………

目眩がするが何とか立て直し、朧の方に向き直る。

朧の方は倒れたまま動かない。

 

「勝った…………のか」

 

重い足取りで警戒しながら朧に近寄る。

予想はしていたが、どうやら朧もこんな物じゃ死ぬわけがないようだ。

槍を一閃俺に向けて突く。

避けようとはしたが、近距離だったので二の腕を綺麗に刺された。

 

「ぐっ…………」

 

激痛が走る。

まずい………右腕に力が入らない………

しかし、朧は間髪入れずに突きを繰り出してくる。

 

「くっそ……」

 

俺は避けながら戦法を考える。

 

「(右足………空いてる……!)」

 

最後の1発を避け、俺はつま先に力を入れ、朧に突進した。

右足の踵、つまりアキレス腱を斬って立たせなくしようとした。

これもまた綺麗に決まり、朧は膝をついた。

俺は違和感を感じていた。

 

「(おかしい………いくら何でも弱すぎる…………)」

 

俺の戦いが全てうまく行き過ぎていて逆に恐怖心さえ芽生えてくる。

今の朧は隙だらけだ。

俺は朧の額に咲名千里を突き刺し、朧を完全に絶命させた。

 

「本当に………これで終わりなのか?」

 

朧をよく見ると分かるが、完全に息が止まっていて、これ以上生き返ることは100パーセント無いだろう。

しかし俺はここで先輩のある言葉を思い出す。

 

「倉見朧は………『無敵』だ……」

 

俺はそれを理解した瞬間、後ろに飛ぶ。

しかし少し遅れてしまい、地面から生えたツタが俺の全身に絡まる。

 

「一瞬の油断が……仇となったな…奏……」

 

絶命していた朧がゆっくりと立ち上がる。

 

「くっそ………やばい……」

 

俺はツタを振りほどこうとするがさらに絡まってきて身動きが取れない

 

「さぁ、これで愛原と倉見の戦いが終わる…………

本当の勝利は………倉見だ……」

 

「…………ここまで………か……」

 

まず一撃。

腹に突き刺さる。

 

「ゴホッ…………」

 

それから2撃、3撃…………10撃と、俺の体をグサグサを刺す。

俺の周りには大量の鮮血が飛び散っている。

 

「(天子様………衣玖さん…………そして、千里…………ごめんな………勝てなかったわ…………)」

 

俺は心の中で謝罪する。

すると、数々の思い出という思い出が頭の中に流れ込んできた。

これが…………走馬灯……か………

ここでの生活………楽しかったな……

笑いあって、喧嘩して……………本当の家族みたいだった。

 

刹那…

俺の右目を槍の先端が刺さった。

もちろん、激痛が目を通して全身に渡る。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

俺は痛みに耐えられず、叫び声を上げてしまう。

 

「もう少し……痛めつけて殺してやるよ………」

 

右目はもう見えていない、真っ暗だ………

もう…………だめか………

 

俺は意識が朦朧とする中……1人の少女の声が聞こえたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は全速力で飛んでいた。

多分この方向であっていると思うんだけどな………

 

しばらく飛び続けると一つの大きな屋敷があった。

 

「これが………倉見の屋敷………」

 

私はもう一度非想の剣を握り直して、堂々と正面から入った。

 

「おやおや、愛原さんのお連れですか?」

 

「………あんたは?」

 

「おお、これは失礼いたしました。私は倉見に使える者でございます」

 

「私は比那名居天子。天人よ……」

 

「おや、天人様でしたか」

 

驚いたような口調だが全く顔には余裕が見える。

 

「私がここに来た理由………分かっているわよね?」

 

「ええ、無論でございます。ですが愛原さんは今戦闘中です、最初に私がお相手せねば……」

 

「………やる気?」

 

「はい、よろしくです…」

 

倉見の者はニヤッと笑みを見せ、1本の剣を取り出し、私に斬りかかってきた。

 

「…………早く奏の所に連れていきなさいよ!」

 

非想の剣を横から繰り出し、とりあえず正面の防御壁を削る。

これがなかなか難しく、剣先を相手に向けるのでさえ不可能だ。

スピードでは負けないと思ったんだけど…………

 

「おおー、さすが天人様と言うべきですか……」

 

とか言いながらひょいひょいと非想の剣を避ける。

 

「では、こっちからも……!」

 

使いから出てきたナイフを非想の剣でたたき落とす。

 

「……………そんなに簡単に阻止されるのはあまりいい気分では無いですね………」

 

苦笑いをして使いが私に言う。

 

「こちらも………本気で行きましょう……」

 

使いの顔が豹変した。

使いの周りに大量の包丁が出現し、私めがけて高速で飛んでくる。

 

「やばいわね………天符「天道是非の剣」!」

 

何とかしてその包丁を消滅させる。

傷は負っていないが、体力面でこの使いに勝てる自信が無かった。

 

「(体力が切れる前に倒さないと………)」

 

「天人様!油断は禁物ですよ!」

 

1本の包丁が私の右頬を掠る。

触れただけでも、私の頬に深い傷がつく。

当然、痛みはあるので手で傷を塞ぐ。

 

「いてて…………これはもう……本気を出すしかないわね……」

 

私は自分の中で一番の大技を使うことを決意した。

周りに緋色の魔法陣が展開される。

 

「………こ、これが………天人の力……」

 

「全人類の緋想天……」

静かにそう唱え、使いを吹っ飛ばす。

正直、ここまで手荒な真似はしたくなかったが、奏のためなので仕方ない。

私は使いを跨ぎ、大きな扉を開け、奥へ走る。

朧がいた。

奏を探すが見当たらない、壁を見渡すと、そこには想像を絶する彼の姿があった。

何ヶ所も刺されたことが伺えるほどの傷穴、右目から血が流れている、多分失明している。

そんな彼を見て、私は手で口を抑え、涙を流す。

 

「嘘………よ……奏…………奏?!」

 

私は奏に駆け寄り、顔を見る。

少し息をしている。

浅い呼吸だが、確かに生きている。

 

「良かった………」

 

安堵の声を漏らすが、背後からは当然、敵である朧がやって来た。

 

「また邪魔なやつが来たもんだ…………とっとと失せろ」

 

「断るわ、私は奏の上司。絶対に彼を助ける」

 

非想の剣を朧の方に向け、叫ぶ。

 

「…………天人というのも堕ちたものだな……」

 

刹那、朧が私に突進してくる。

右にずれ、剣先を朧に掠らせる。

手応えはあった、朧にも傷跡が付いているが、一瞬で元に戻ってしまう。

 

「……………」

 

「………弱い……」

 

「ハッ………天人を馬鹿にされたもんだわ!愛原に負けた哀れな一族が!」

 

私はわざわざ朧を挑発してしまった。

自分でも失態だと思ったが、これもいい特攻薬かもしれない

冷静を保てなくなればもうけものだ。

 

「貴様ァ………!」

 

朧が槍を強く握り、私に殺意を向けた。

さっきの余裕な顔はどこにもない。

逃げ出したくなるくらい迫力があったが私は恐れなかった。

奏のために………この戦いを終わらせる!

 

「死ねぇぇぇ!」

 

朧がまた突進する。

私は完全に読みを間違えた。

朧はさっきよりもスピードも力も桁違いだ。

逆に怒らせる方がまずかったのだ。

 

「(まずい………完全に読み外れだ……)」

 

私はただ朧の突きを避けるだけだった。

しかし、それも永遠とよけられるものではなく………

朧の槍が高速で私の太ももに突き刺さった。

その次は肩、腹、この3回で私は死ぬほどの激痛が襲った。

 

「ぐっ…………あぁ!」

 

私は倒れ、その傷口を手で押さえ、声にならない悲鳴を上げる。

 

「貴様だけは殺す…………天人が調子に乗るなよ………」

 

「い、いや…………」

 

いつまでも強腰だった私がついに弱腰になり、朧に怯えてしまう。

涙目になり、誰かに助けを求める。

 

「死ね………」

 

「助けて…………奏………」

 

朧が槍を振り上げ、突き刺した。

もう逃げられない事を確信することが出来た。

私は諦め、完全に受け身になる。

 

「(あぁ、私ここで死ぬのかな…………まぁ、奏の隣で死ねるのなら本望かも…………)」

 

そう思った刹那、周りに鮮血が飛び散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、飛び散った血は私のものではなかった。

 

 

朧の肩から1本の刀が突き刺さっていた。

薄い紫色に染まり、見とれるほど綺麗な刀身だった。

その刀を目で負い、その刀の持ち主の顔を見る。

 

「……………お待たせ致しました……………天子様………」

 

私の愛しい人の声が横から聞こえた。

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