東方想幻華 (一時連載休止)   作:かくてる

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11話 奏への気持ち

愛原と倉見の戦いから1日後。

 

「ねぇ、千里」

 

「ん?なに、天子ちゃん?」

 

「あなた………どうやって記憶が戻ったの?」

 

千里は私たちの知らないところで記憶が蘇り急にあの場に現れた。

その理由がまったく分からない。

 

「んー?えっとね………私の記憶を操作していたのは………倉見豹って言うやつらしいんだけど…………天子ちゃんが倒してくれたんでしょ?」

 

「あ、それで私が倒した時に記憶が戻ったってわけね…」

 

「そーゆーこと!」

 

「ふーん………」

 

すると千里は「あっ」と、何かを思い出し、私に詰め寄る。

すっごいニヤニヤしてる…

 

「天子ちゃんはさー………奏の事好きなの?」

 

私は赤面して

 

「は、はぁ?!何でそんな話になるのよ!」

 

「いや、記憶が戻った後、机に置いてあった手紙を見ちゃってさ………それで天子ちゃんはどうなのかなーって☆」

 

そうだった…………あの手紙まだ机に置きっぱなしだ………

帰った時に手紙がリビングにおいてあると奏と気まずくなりそう………

 

「その手紙は……………」

 

「天子ちゃん宛だったから天子ちゃんの自室の机の引き出しに入れといたよ……」

 

よ、よかった………

私は大きく息をつき、落ち着く。

これほど千里に感謝したことは無い………

 

「それでそれで?☆天子ちゃんは奏の事どう思ってるの?」

 

千里に笑顔で迫られ、私は後ずさりながら、諦めたように言う。

 

「好きだよ……………私も奏のこと好きだけどさ………」

 

「おぉー!☆それはいいねぇー、応援するよ!」

 

千里の顔が明るくなる。

 

「でも…………奏は手紙に書いたこと忘れてないかな…………

倉見との戦いで私の事好きだってこと覚えていないとか………」

 

私はネガティブ思考ばかりだった。

自分で言ったのにかなり悲しくなる。

千里は唐突に真剣な顔になり

 

「奏は…………そんな人じゃないよ…………ちゃんと覚えてる。

私だって………記憶が消えた時、その優しさのおかげで天子ちゃん達に恐れず、天界に過ごせたんだ…………その事は今でも感謝してる………私は……奏のことを家族の一人のように思えるんだ…………その中にはもちろん、天子ちゃんや衣玖さんもいる。だから………奏も……多分天子ちゃんの事まだ意識してるよ………」

 

千里は私の手をそっと握り、とびきりの笑顔で言う。

 

「頑張れ!天子ちゃん!」

 

この「頑張れ」は告白しようって意味なのか…………

 

でも………私も奏が好きだ。

恋人になりたいとも思う。別に種族とかも関係ないし…………

でも……もしも……………もしもあの手紙の追記に書いてあることが本心ではなく、私を励ますだけの言葉だったら………

そう考えると心が痛くなる。

プラスに考えたいがどうしてもネガティブになってしまう。

 

「でも…………頑張ってみようかな………」

 

今は2月10日。

世間では「ばれんたいんでー」というものが2月14日にあるらしい。

ちなみにこれは千里から聞いた話だ。

ばれんたいんでーは好きな男の子に自分の手作りチョコを上げるという習わしがあっちの世界ではあるらしい。

まぁ、幻想郷でもあるらしいが………

千里には「丁度いいし、衣玖さんにチョコの作り方教えてもらえば?」と、言われた。

確かに………いいチャンスなのかもしれない………

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後。

 

「天子様、永遠亭の方から紅茶を作ってくれるそうです。せっかくなので天子様もどうです?」

 

奏が病室を開け、私に声をかける。

 

「じゃあ頂こうかしら」

 

私はベットから降りて松葉杖を手に持つ。

太ももの怪我が思ったよりもひどく、靭帯の方にかなりの裂傷があるらしい。

いくら天人とはいえ、怪我をしたらすぐに治る訳では無い。

これはこれでかなり痛かった。

少しズキズキするが歩けないほどではない。

しばらくすると、奏が駆け寄ってきて、

 

「大丈夫ですか?天子様。肩をお貸ししますが………」

 

そう言って肩を組んできた。

だいぶ楽になったが今はそれどころじゃなかった。

やばい……………心臓がバクバク鳴ってる。

ただ単に奏と少し密着しただけなのに…………

何よ………これ………

 

「…………?……大丈夫ですか?少し顔が赤いですが………」

 

「な、なんでもないわよ!一々声かけないでくれる?!」

 

と、きつく言ってしまった。

 

「ご、ごめんなさい…………」

 

奏はシュンと、落ち込ませてしまう。

 

「あ、いや………」

 

必死に誤解だと弁解したかったが、他にどう言った声のかけ方があるのか分からず、そのまま何も言えなかった。

 

「(どうしてこんなに素直になれないの………?)」

 

そう思いつつ、私は奏に体重を預けながら、永遠亭の縁側に着いた。

 

 

 

 

 

「永遠亭って和風なのに紅茶があるって面白いわね……」

 

「そうですね………俺も驚きました」

 

2人で会話していると鈴仙が襖を開け

 

「お待たせ致しました。奏さん、天子さん。紅茶をお持ちしました」

 

「ありがとうございます鈴仙さん」

 

2人で礼を言い、紅茶の入ったコップを手に取り、静かに啜る。

 

「…………美味しい………」

 

味は期待していなかったがこれは絶品だ。

奏の紅茶に匹敵するのではないか?

 

「すごいですね…………これの手順は普通の紅茶と変わらないんですか?」

 

「いや、少しコツがありまして………少し砂糖を入れるんです。そうしたら少し甘味が出て更に美味しくなるんですよ!」

 

「なるほど…………そんなやり方があったんですね………ありがとうございます!」

 

「ごちそうさま、美味しかったわよ鈴仙」

 

「はい、お粗末さまでした。天子さん」

 

私は帰りも奏に肩を貸してもらい、病室へ帰った。

 

「奏の目…………やっぱりダメなのね………」

 

あの後も奏のために永琳が全力を尽くして目をどうにかしようとしてくれた。だが、目の視神経の方が完全に千切れてしまい、目を開けても意味が無いとか………

 

「まぁ………男の勲章ってやつですね……少し不便ですけど……生活に支障は出ませんよ………」

 

「そ、そう?ならいいんだけど………」

 

私は心配そうに奏の無くなった右目を見る。

 

「はは、ほんとに大丈夫ですよ……」

 

見られていたことに気づいていたのか、精一杯私を心配させないようにしてる。

やっぱり優しいな………

人って優しくされるだけでコロッと惚れてしまうのだと千里から聞いた。私もその1人なんだろうな………

 

「でも………天子様のお陰で………俺は朧に勝てました…。天子様が来てくれなければ俺はきっと戦意喪失で死んでいたかも知れません………………天子様には感謝してもしきれないですね………」

 

私は両手を横に振り、否定する。

 

「そ、そんなことないわよ!あなただってよく頑張ったわ。私なんて来て早々にやられたもの………役になんか立ってないわよ………」

 

「そんなに自分を責めないでくだい。天子様の今回の戦いで一番活躍したと少なくとも俺は思いますよ」

 

奏の声はあの時のように優しい声音で私を包む。

 

「そんな事言われても…………」

 

「まぁ、それほど天子様は自分に厳しいってことですね………」

 

そんな会話をしているうちに日が暮れてしまい、奏は自分の病室に帰ってしまった。

 

「もっと………話したいな………」

 

自然とそう言った言葉が出てきてしまう。

そんなに………私は奏が恋しいのかな………

またあの声で私を包んでほしい………

明日で退院だ。

 

「(衣玖にチョコの作り方教えてもらお………)」

 

私は奏にチョコを渡す日が楽しみである反面、告白することにかなり緊張していた。

 




なんか気分的に連日投稿が出来ちゃいました。


次回最終回です!


まぁ、意見があるのであればバンバン書いてくれて構いません!
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読んでくれてありがとうございました!
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