あ、後、千里編打ち切りで………詳しくは後書きに
ちょっくらスノボに行ってきます………
では、afterstoryです!
3月9日。
私はまだ残っている雪を眺めていた。
丁度1ヶ月ほど前かな?
私と奏は恋人になった。
最初の方は2人とも緊張していて何も話せないでいたが最近は打ち解けて恋人になる以前と何ら変わりない生活を送っている。
それに恋人らしいこともあんまりしてない。
強いて言えば軽いハグくらい。キスなんかもってのほかだ。
それに関係が変わった訳でもない。
「お待たせ致しました。天子様。紅茶でございます」
「ん、ありがと」
私が紅茶を啜っていると
「そう言えば、だいぶ雪積もりましたね………」
「そうねぇ…………私も初めてよ、こんなに積もったの」
「ちょっと外に出ませんか?」
と、珍しく奏から誘ってきた。
「お、いいわね……」
私もそれに乗り、外に出ることにした。
思ったより寒くはなかった、陽が出ているからだろうか?
「すごい綺麗ですね……」
白いはずの雪が陽の光に当てられて銀色に輝いている。
これが俗に言う「銀世界」と言うやつか…
と、そんなことを考えていると背中に冷たいものが当たった。
「ひっ!?」
と、素っ頓狂な声を上げ背中を見る。雪だ……
正面を見ると奏がケラケラと笑っている。
「奏………あなたねぇ!」
私も雪をつかみ丸めて奏に投げた。
しかし、奏はそれをヒョイっと避ける。
「あれれー、どうしたんですか天子様〜?」
「きぃぃぃぃぃぃぃ!」
私と奏は長い間ずっと追いかけっこしていた。
しかしその最中だった。
一面氷で覆われている池に私が足を踏み入れてしまった。
「きゃ?!」
割れる…………訳ではなかったが…これがなかなか滑る。
普通に立てないくらい………
「だ、大丈夫ですか?天子様」
「え、ええ、大丈夫よ……」
そう言って立とうとするがなかなか立てない。
すると、奏が手を差し伸べてくれた。
「あ、ありがとう奏……」
私は奏の手を掴み起き上がろうとした。
しかし、やはり氷なのは変わりないので私はリプレイのようにまた滑る。
「きゃぁ?!」
「うぉ?!」
私は奏の手を握っていたので当然奏もその場で倒れる。
沈黙が続いた。
なぜなら………
「…………………んっ?」
私が仰向け奏がうつ伏せになった事で私の唇と奏の唇が重なってしまった。
どこの神様のイタズラよ………
2人ともその状況を理解できないまま、10秒間の沈黙が訪れた。
そうしてまた2人同時に状況を理解し、顔を赤くして飛び跳ねる。
「も、申し訳ありません!天子様///」
「へ?あ、イヤ、大丈夫よ!/////」
な、なななな何やってんのよ私ぃー!
ファーストキスが……………
嬉しいけどッ!嬉しいけど雰囲気とかさ………
やっばい!
今俺何した?!
天子様と…………キス……しちゃった………
俺は自分の唇に触れる。
「(天子様の唇、柔らかかったな………)」
と、率直な感想を述べる。
「あ、あの………天子様?」
「ひゃい?!な、何?」
「ほ、ほんとに申し訳ありませんでした………」
結果がどうであれ、天子様に強引にキスしてしまったのと同じことだ。
俺は歓喜よりも罪悪感が勝り、落ち込んでしまう。
「……だ、大丈夫よ……」
「で、ですが………」
「大丈夫だって!むしろ嬉しかったし!」
「………え?」
「…え?……あ!」
今……なんて言った?
俺は天子様の言った発言が頭の中で繰り返されているのがわかった。
嬉し………かった?
天子様は赤面し
「だ、だから………嬉しかったって………」
右目が無いのであまり見えないが、天子様が本当に嬉しかったというのが見てて伝わってくる。
ああああああああ!何言ってんの?!
私は自分の発言を責める。
嬉しかったって?!
確かに嬉しかったけど普通口に出す?!
もう一度したいけどさ!!
「あ、あの………天子様……」
「な、何………?」
奏がモジモジしながら言う。
「天子様が良ければですけど……………やり直し………しません?」
「……え?」
「だ、だから………ちゃんとした形でキス…………しませんか?」
まさか奏の口からそんな言葉が出るとは思わなかった。
したいけど…………どう言えばいいの………
「………たい………」
小声で言う。
「へ?」
「したいって言ってんの!////ちゃんと聞いていなさいよ!」
今度は奏が驚いた顔をする。
ほんとはキスをしてもらえないんだろうなとか思ってたのかな………
「じ、……じゃあ……行きますよ………」
奏が私の肩を持ち緊張した顔で目を見据える
「い、いつでも来なさい!」
すると、奏の顔がどんどん私に近づいてくる。
奏って間近で見ると綺麗な顔をしてるな………
って今はそれどころじゃない!
私は目を瞑り唇を差し出した。
そして…………
今日2度目。
人生としては初めてのちゃんとしたキス。
私と奏の唇が静かに重なった。
好きな人とのキスって…………
数十秒経ち、奏から唇を離す。
「…………ダメ」
「て、天子様?」
私は奏の意見を聞かず、またキスをする。
「んっ!?/////」
私の方が先にスイッチが入ってしまった。
ここからは…………ね。
察して頂戴。
3月14日。
バレンタインデーから1ヶ月後。
今度は男の子が女の子にバレンタインのお返しのチョコを渡す日らしい。
確か………ホワイトデーは期待してろって奏言ってたわよね……
「天子様ー?晩御飯の材料買ってきますねー?」
奏の声が玄関から聞こえる。
「あ、はーい!」
そう言ってドアの音とともに奏は外へ出た。
今日の朝から奏を見てるがいつもと変わらない。
ホワイトデーだと言うのに緊張のきの字も無い。
「奏………忘れてるのかな…………ホワイトデー………」
私は少し心配になった。
1時間後。
奏が地上から帰ってきた。
私は思い出させるために
「ね、ねぇ、奏。今日って何日だっけ?」
「えーと、確か………」
………日にちを考えるあたり、完全に忘れてる……
私は泣きそうになる顔を手で覆い
「あぁ、3月14日ですね……」
「そ、そう……ありがと……」
私はそのまま自室へ行く。
そこで体育座りをし、
「なんで忘れてるのよ……………ばか………」
と、少量の涙を流す。
午後8時。
晩御飯を食べ終え、完全に諦めた私は自室に戻ろうとする。
しかし、唐突に手を引かれる。
「あ、あの!天子様!」
「………何?」
奏の顔は少しいつもより真剣だった。
「ちょっと外に出てください……」
私は奏に連れられ外に出る。
3月とはいえまだまだ肌寒い。冷気が私の肌を刺激する。
「………で、何するのよ……」
私はホワイトデーを諦めていたので別のなにかだろうと思っていた。
しかし、奏がいきなり指を鳴らした。
「さぁ、天子様。とくとご覧あれ」
刹那、びかっと光り、バレンタインデーの時と同じような……いや、それ以上のイルミネーションが目の前に現れる。
「………え?」
私は状況を理解できないまま、奏を見る。
「遅くなって申し訳ありません………バレンタインデーのお返しです」
そう言って一つの白いプレゼント包装の箱を渡される。
恐る恐る開けるとそこには綺麗に型抜きされた小さなホワイトチョコレートが姿を現す。
「え……でも……」
「頑張って手作りしたんですよ……」
私はそのチョコを1口、パクッと食べる。
…………!!
美味しい………ほっぺた落ちる〜!
私は飛び切りの笑顔で食べてしまう。
「喜んでくれたようで何よりです……!」
私はチョコレートを飲み込んだ後
「でも……奏、今日のこと忘れてたじゃない!」
「え、俺そんなこと言いましたっけ?」
「私が日にち聞いた時、今日が14日だってこと忘れてたよね?!」
「あぁ、あれ思いっきり演技ですけどね………まさか真に受けるとは………」
「……へ?」
ってことは……私騙されてたの?!
そう考えたらどっと疲れが出てきた気がする。
「……何よぅ…」
「ハハハ………まぁ、無事に渡せて何より………ですね……」
私は気持ちを切り替え奏への感謝を伝える。
「………ありがとう……奏……………大好きだよ………」
「…………ええ………俺も大好きです……」
こうして私達は綺麗なイルミネーションの中で抱き合う。
いつものハグとは違い、奏の温かさ全てが伝わってきた。
目を見てもわかる。右目は見えないが左目だけでも…………
そうしてまた………私達はキスをする。
唇を離した後、奏から思ってもいなかった一言が放たれる。
「結婚…………しましょう………」
多分、奏と関わってから最大の驚きだった。
もちろん、私が理る理由も無く
ただ笑顔で…………奏と……主従から夫婦へ………
「………はい!」
奏と結婚してから2ヶ月。
夫婦という立場にはなったが、本当に関係が変わらなかった。
奏は私のことをまだ天子様と呼ぶ。
執事として働いている。
ちなみに子供はまだ産んでない。
奏と話し合った結果。
「2人とも長生きできるし、今は俺と天子様の2人の時間が欲しい………」
と、平気な顔で言われたもんでこちとら断ることは出来なかった。
「お待たせ致しました天子様。紅茶とクッキーでございます」
「あら、ありがと、奏………あなたもどう?」
私は夜のバルコニーで奏をお茶をしようとした。
「……では、お言葉に甘えて……」
奏は隣に座り、自分の紅茶を入れる。
「もう2ヶ月…………ですね………」
「夫婦になったって感覚無いわ……」
「あ、それ俺も思いました………」
私達は顔を見合い、笑う。
「まぁ、私達だし………ゆっくりでいいわよね………」
「俺は…………一生天子様について行きますよ……」
クスクスと笑う奏。
私はそれが愛らしく思えた。
「……奏は……さ……私といて楽しい?」
奏は私といていいのか………唐突に自信が無くなってきた。
「……今更何を言っているんですか…………楽しくなかったらもうこんな所にいませんよ…………」
「そう………よね……」
「俺は天子様に恋をしました。それだけでも十分………ですよね……」
短い言葉なのに私はかなりの安心感があった。
あぁ………やっぱり私…………この人が好きなんだ………
初めて自分の心と向き合うことが出来た。
「愛してますよ…………天子様………」
「ありがとう…………奏………」
私は奏を愛し、守り抜くと誓った。
俺は天子様を愛し、守り抜くと誓った。
二人の愛はまるで緋色に光る「非想の剣」のように綺麗だった………
はい、天子編完全完結。ありがとうございました!
ツンデレの書き方分からぬ……
んでお話なのですが………千里編は打ち切りと致します。
オリキャラ恋愛を書くのはまだ難しいと判断したので………
自分勝手で申し訳ありません………
では、次回から古明地こいし編!
よろしくお願いします!
そして天子編を読んでくれてありがとうございました!