東方想幻華 (一時連載休止)   作:かくてる

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2話 古明地の過去

翌朝。

俺はさとりに呼び出され、書斎にいる。

 

「さて、奏さん…………奏…でいいわよね?」

 

「あぁ」

 

てか、こいしちゃんにはちゃん付けしてんのにさとりは呼び捨てでいいのかな………

そう俺が考えると

 

「問題ないわ、別に気にしないわよ」

 

「あ、あぁ、それならいいが…………………え?」

 

今普通に聞き流しそうになった…………

俺今喋ったっけな?

 

「私は人の心が読めるの。あなたにもあるでしょ?「程度の能力」。」

 

「………じゃあお前は心を読むエスパーってことか………じゃあこいしは?その逆って事か?」

 

俺はそこまで驚かなかった。

だってこの世界には刀と一心同体の奴や、人に感じられなくなる少女がいるのだから心が読める奴がいたところでそこまで驚きではない。

 

「………話すと少し長くなるんだけど…………いいかしら?」

 

「あ、あぁ、頼む」

そう言うとさとりが口を開く。

 

「元々、私達は地上に住んでいる「覚り妖怪」だったのよ…」

 

「覚り妖怪ってのは第三の目、つまり「覚りの目」を持つ妖怪のことか………」

 

「そう、その時はまだこいしにも私と同じ能力が宿っていたの、でも私は人里などでたくさんの人の心を読み、その人たちの傷口に塩を塗ることを無意識に繰り返していたの………」

 

さとりの拳が強く握られる。

 

「それから私達覚り妖怪は人間やほかの妖怪から嫌われていってね………………閻魔様にお願いをしてこの地底、「旧地獄」の管理を行うことになったの…………人々からは嫌われていたけど、動物からは妙に好かれちゃって…………ほら、お空やお燐も動物の妖怪だからね…………」

 

「そうか………だから地霊殿には動物がたくさん………」

 

「そう、それでね………」

 

さとりの顔がもっと暗くなる。

 

「お、おい、別に無理して話さなくても………」

 

俺がさとりに近づくと首を横に振り

 

「いいえ………ここに住む以上、知って欲しいことだから……」

 

そう言って話を進める。

 

「こいしは……私が人々の心を読んで嫌われることを知っているから………………自ら覚りの目を………閉じたのよ……」

 

「閉じた…………?どうやって………」

 

「…………ナイフで…………」

 

「……っ!!」

 

俺の背中に寒気が走った。

アレが覚りの目だとするとあの管は体に繋がっている。

だから、あれも体の一部だってことだ。

それをナイフで刺すってことは………自分の目を一つ潰すのと一緒だ………

 

「私が人の心を弄ぶようなことをしたから……………こいしが痛い目見たの…………」

 

さとりの目から少量の涙が流れる。

 

「きっと……………今でもこいしは私のことを恨み続けてる…………」

 

「…………それはこいしちゃんの心を読んだのか?」

 

「いいえ………こいしは無意識を操っているから心が読めないのよ………」

 

「………お前を恨んでいるなら……こいしちゃんはもうここにはいないと思うけどな………」

 

「………え?」

 

「来たばっかの奴が言っていいことじゃないけど…………今でもこうやってこの地霊殿で生活している………この幻想郷だったら住むところなんてすぐに見つかる…………でもこいしちゃんはまだここにいるんだ………」

 

「…………そう、ね………私……何言ってるんだろ………ごめんなさい……奏……今は一人にしてくれるかしら?」

 

「あぁ………」

 

こうして俺は踵を返し、ドアノブに手をかける。

そのドアを開け廊下を見渡す。

すると隣にこいしちゃんが下を向いて壁に寄りかかっていた。

 

「………こいしちゃん?」

 

「へ?あ!奏?どうしたの?」

 

こいしちゃんの目尻が少し赤い。

泣いていたのかな

 

「………さとりの話聞いてた?」

 

「…………うん……」

 

「こいしちゃんはさ…………さとりが嫌い?」

 

「そんな訳ない!大好きだよ!もちろん、お空やお燐、そして奏や千里も!」

 

俺は心が読めないからわからないがこいしちゃんの言っていることは本心だろう………

俺はそれを聞いて少し安堵の息を吐く。

 

「………そっか……………ごめんね……来たばっかの部外者がこんなに2人の過去に首を突っ込んじゃって………」

 

そう言ってこいしちゃんの頭に手を乗せる。

こいしちゃんの顔を明るくなり

 

「ううん!奏も千里ももう私たちの家族なんだから!」

 

「……ありがとう…………さて、俺はちょっと幻想郷を散歩しに行こうかな………」

 

ぐーっと背伸びをして玄関に向かう。

 

「うん!行ってらっしゃい!」

 

ヒラヒラと手を振るこいしちゃん。

やっぱり可愛いな。

俺は自室に戻り護身用に咲名千里を持つ。

 

「およよ?どこに行くのかな奏くん?」

 

「あぁ、ちょっくら散歩に………」

 

「そっか!じゃあ私は刀の中で寝てるね……」

 

ふあぁと大きなあくびをし、千里は刀の中に消える。

 

「さて、行くか………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後。

俺は翼を使い、地上に出て人里を歩く。

 

「あら、見ない顔ね」

 

と、背後から声をかけられる。

振り向くと

 

紅白の服。

赤いリボン。

黒髪ロング。

とゆーか脇。脇出てるぞ

 

「………誰ですか?」

 

「私は博麗霊夢。博麗神社の巫女をやっているわ…」

 

そういや、さとりから少し聞いた気がする。

 

 

 

 

一時間前。

「この幻想郷は外の世界から「結界」によって完全に隔離されてるの。それが「博麗大結界」。

博麗の巫女。博麗霊夢さんの力によってこの幻想郷のバランスが保たれているのよ」

 

 

 

 

 

「ああ、あなたが博麗霊夢さんですか」

 

「霊夢でいいわよ……」

 

「あぁ、分かった…………それで、何か用か?」

 

「いいえ?ちょっと外来人がまた来たと文々。新聞に載っててね、あなた……妖怪よね?」

 

と、見透かされたように言う。

 

「……ま、まぁ、一応……どうして分かったんだ?」

 

「妖力がほかの妖怪より100倍はあるわね…………なんの妖怪?」

 

「あぁ、「龍人」だったと思う」

 

すると霊夢は目を見開き、

 

「あなた……名前は?」

 

「愛原 奏だけど………」

 

「……嘘でしょ………あの「常闇の妖怪」があなたなの……」

 

ん?常闇の妖怪?またわからない単語が出てきた。

霊夢は一つ咳払いをし

 

「まぁ、害のある妖怪じゃないから……これからもよろしくね……」

 

そう言って握手をする。

そうして霊夢は飛んでいってしまった。

 

「常闇の妖怪………ってなんだ……」

 

 

 

 

 

 

俺は地霊殿に帰り、さとりに自分の種族と常闇の妖怪のことについて聞いた。

 

「………あなた達龍人はもともと夜行性でね………夜になると幻想郷最強の博麗やその他の妖怪、月の住民達が対抗しても敵わなかったのよ………まぁ、龍人は善の妖怪だから大丈夫よ………」

 

「そ、そうなのか………」

 

俺の先祖がまさかそんなにすごいヤツだったなんて………

俺はそれを千里に話すと

 

「え?知ってたわよ?」

 

「なんで教えてくれなかったんだよ………」

 

俺はそのまま今日を終えた。

明日、千里から色々話を聞こう………

 

今度は千里に話を聞くのか……………

少し憂鬱になりながらも俺は瞼を閉じ、眠りに入った。

 




あけおめ!


元日投稿!


お休みなんかしません!

スキー楽しかった!


では、読んでくれてありがとうございました!
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