東方想幻華 (一時連載休止)   作:かくてる

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奏が使う技はオリジナルです。


こいしのキャラがぶれぶれかも………


4話 謎の地霊殿襲撃

私たちがいる地霊殿に新たな家族が2人が入った。

愛原 奏と咲名 千里。

最初は少し遠慮しながら話そうと思ったが、彼らが予想以上面白く、すぐに馴染むことが出来た。

 

「こいしちゃーん、ご飯出来たよー」

 

ほら、こんな感じに。

「こいしちゃん」って呼ばれるのも初めてだし悪い気はしない、むしろ新鮮な気分だ。

 

私達古明地姉妹は昔から気味悪がられ、その上私の独断でお姉ちゃんに迷惑もかけた。

私は何かその償いをしたいと考えているのだが…………

お姉ちゃんには「そんなこと気にしなくていいわよ」って言われる。お姉ちゃんがそう言うから私も諦めていた。

奏と千里は妖怪の中で初めて私たちを怖がらなかった人だ。

私はそれだけでも嬉しくて、つい家族にしたいとお姉ちゃんに言ってしまった。でも、後悔はしていない。

 

「こいしちゃん?ご飯できたよ?」

 

奏が2度目の呼びかけをする。

自室のドアをゆっくりと開け、私の方を見る。

 

「あ、ごめんごめん!今行くね!」

 

「うん、大丈夫?なんか考え事してるみたいだったけど………」

 

「大丈夫!気にしないで!さ、早く食べよ!」

 

私は奏の背中を押して食堂へ向かう。

 

「そういえばさ、奏」

 

「ん?」

 

「なんで私のことだけ「こいしちゃん」って呼ぶの?お姉ちゃんは呼び捨てなのに……」

 

すると奏は上を向いて考え

 

「性格の問題………かな……ほら、さとりって結構大人びた性格してるからつい子供とは思えなくて………でもこいしちゃんは明るくて無邪気な感じだからついちゃん付けで呼んじゃうんだよね……」

 

私は頬を膨らませ

 

「私は子供なんかじゃないもん!」

 

奏の体をポカポカと殴る。

 

「ハハハ、ごめんごめん」

 

私はこんな感じの何気ない会話が好きだ。

お姉ちゃんだと真面目に返されて面白くない。

でも奏や千里だとこうやってネタにしてくれるから会話がさらに盛り上がる。

別にお姉ちゃんの話が面白くないって言えば嘘になるけどさ………

食堂に向かうとまだお姉ちゃんやお空達は来ていないようだ。

 

「あれ、お燐達はまだ来てないんだ………いつも一番なのに………」

 

「あぁ、そういえばあいつらは地底の奥の方で大きな音がしたから間欠泉の方に行ってるよ」

 

「あ、そうなんだ」

 

そのカンケツセンとか言うやつはよく分からないけど……

 

「じゃあ後はお姉ちゃんと千里だけだね」

 

と、10分くらい待った。

 

「遅いね………」

 

幾ら何でも遅すぎる。

私は少し胸騒ぎがしていたが

 

「ちょっと見てくるよ」

 

と、私を遮るかのように奏が席を立ち、お姉ちゃんの書斎へ向かう。

 

奏が書斎へ向かってから1分後。

帰ってくるがお姉ちゃんは来なかった。

 

「書斎にはいなかったよ」

 

「え、じゃあどこに______」

 

 

 

 

 

 

刹那。地霊殿の隣で爆発音。

私と奏はその大音量に耳を塞ぐ。

 

「な、なんだ?!」

 

奏が窓を開け、外を見る。

すると地霊殿の門から100m程前にお燐やお空、お姉ちゃんがいた。

その前に一人いるようだが………?

 

「こいしちゃん!行こう!」

 

いつの間にか咲名千里を握っていた奏に手を引かれた。

どうやら千里は刀の中で眠っていたようだ。

私達は外に出てお姉ちゃん達の方に向かう。

 

「さとり!!」

 

奏が叫び、お姉ちゃんの隣に行く。

 

「な、何があったの?」

 

私がお姉ちゃんに聞くと

 

「……前を見なさい…………」

 

私と奏は同時に前を見る。

そこには……「人のようで人ではない何か」がいた………

体の原型を保っておらず。所々真っ黒な粘液が体にへばりついている。

まるでゾンビみたいだ………

顔も死んでおり、人間の心はもう無いくらい………

 

「………こいつの仕業か?」

 

「奏……!気をつけて………こいつ…私の核を手で防いだの………」

 

「はぁ?!」

 

さっきの大爆発はお空の核なのか………

それにしても……お空の核を手で受け止めるなんて……

私たちが戦闘態勢に入った瞬間、お姉ちゃんの横を「何か」が通り過ぎた。

切り替えてもう1度前を見るともうそこにはあいつはいなかった。

辺りを見渡し、あいつを探す。

探している最中、隣にいたお姉ちゃんの様子がおかしかったことに気がついた。

 

「お、お姉ちゃん………?どうしたの………」

 

「こ、こいし………………」

 

顔を覗き込むと、かなり苦しそうな顔をしていた。

呼吸も荒く、吐血している。

 

「お姉ちゃん?!大丈夫?!」

 

私はお姉ちゃんの体を見る。

お腹に一つポッカリと穴が空いており、残酷な程にお姉ちゃんの臓器が少し見えている。

肩を組み、お姉ちゃんを地霊殿内部へ連れていこうとする。

幸い、意識があった。

 

「奏、千里!あいつをお願い!

お空は永琳を呼んできて!お燐は私と一緒にお姉ちゃんに肩を貸して!」

 

「任せろ!」

「任せて!」

 

奏と千里の声。

お空は、返事もせず猛スピードで地上に向かう。

お燐も走ってお姉ちゃんに近寄り、持ち上げる。

 

「大丈夫ですか?!さとり様!?」

 

今にも泣きそうな顔で言う。

私はこの時悲しみなど視野に入れてなかった。

とりあえずお姉ちゃんを助ける。その一心であいつから逃げて行った。

近くにあった空き部屋のベッドにお姉ちゃんを寝かせ、私は立ち上がる。

 

「お燐。お姉ちゃんをお願い。私は奏達の援護に行ってくる!」

 

我ながら少し落ち着いていたと思う。

どうしてこんなに冷静なんだろ………?

走って外に出た。

奏達を見つけ助けようとする。

 

「来るな!巻き込まれる!」

 

と、奏に手で制される。

すると奏の目の前にいたあいつが腕から黒い粘液を伸ばし、奏に襲いかかる。

 

「千里!行くぞ!」

 

「ええ!」

 

黒い粘液が次々と奏に向かっていく。

しかし奏はそれを咲名千里1本で全てを切り落とす。

 

「すごい…………」

 

私は感嘆の声を漏らし、ただそこに突っ立っているだけだった。

しばらくするとお空が永琳を連れてきた。

 

「……永琳!こっち!お姉ちゃんを助けて!」

 

私は徐々に冷静さを失っていった

 

「言われなくても………!」

 

それとは対照的に永琳とお空は落ち着いていた。

 

「こいし様、大丈夫ですか?」

 

「私は大丈夫……」

 

「でも、すごい顔色悪いですよ………」

 

お空にそう言われるが気持ち悪いとかそういうのは無かった。

 

「ほんとに大丈夫だから!」

 

「そうですか………」

 

「お空はお姉ちゃんのところに行ってあげて!私はあいつを倒す!」

 

未だ戦闘中の2人に加勢する。

少し怪我を負っていた奏に昔お姉ちゃんから教えてもらった回復魔法を掛ける。

 

「……!サンキューなこいしちゃん!さて、千里!畳み掛けるぞ!」

 

「ええ!」

 

すると咲名千里の刀身が黄色に光る。

 

「スペルカード! 光符「ライトニングアーク」!」

 

奏が閃光を撒き散らしながらアイツに特攻する。

そして一閃、咲名千里を縦に振り下ろした。

雷電を纏っていたので、あいつは痺れ、そのまま体ごと爆発した。

 

「………ふぅ……久しぶりの実戦だな………」

 

「お疲れ、奏くん……」

 

私は二人に駆け寄り、

 

「お疲れ様!2人とも!」

 

すると奏が軽く微笑み

 

「こいしちゃんも、あの時に回復魔法掛けてくれてありがとう………」

 

面と面を向かって礼を言われるのは久しぶりだったので

少し赤面し、目をそらして

 

「ど、どういたしまして………」

 

と奏の前で初めて照れてしまった。

私は顔を横に振り、気持ちを切り替える。

 

「さぁ!お姉ちゃんのところに行きましょう!」

 

3人で地霊殿の中に入り、空き部屋へ入る。

するとお姉ちゃんは眠っていた。

どうやら永琳が治療してくれたようだ。

 

「しばらくは安静ね……臓器もかなり抉られていていくら妖怪とはいえこの怪我だと回復には時間がかかるわ」

 

落ち着き払った声で永琳が言う。

 

「そう、ありがとう永琳」

 

軽く礼を言うと永琳は立ち上がり、私の手の上になにか乗せる。

 

「さとりの傷口からこんな物が出てきたわ」

 

それは一つの針。

裁縫で使うような…

しかしそれは普通の針ではなく、尖っている方の逆側には小さな目玉が付いていた。

 

「この針にはなんの効果もない、毒針でもなければ麻痺針でもない。ただの針よ………これはなんの意味があったのかしら……でも、さっきさとりが刺された時に故意的に使ったものね。あんな綺麗に傷口に刺さらないもの………」

 

どうしてただの針を…………

私はこの目玉をマジマジと見ていた。

するとその刹那。

その目玉から眩い光が放たれた。

 

「…っ?!」

 

慌てて目を瞑り、光が収まるのを待つ。

数秒で収まった。

目を開けると落ちた針の横に1通の手紙が落ちていた。

 

「…なんだろ?これ………」

 

私はその手紙を取って中身を読む

 

「………っ!!……嘘……でしょ………」

 

 

 

私はその手紙を読んで背筋に今までにない寒気が走った。

 

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